野口百合子のレビュー一覧

  • 嵐の地平

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    今までピケットシリーズに嵌って、胸躍らせながら既に10冊以上読んできた。
    さて、何がこんなに私の琴線に触れるのだろうと考えたら、ふと浮かんだドラマがある。あの有名な「大草原の小さな家」だ。あのドラマにも嵌り、どれだけ毎回楽しみにして観たことか。
    勝手な考えだが「ピケットシリーズ」と「大草原シリーズ」には共通点が多いような気がする。家族構成も似ている。大自然に囲まれているという舞台設定も似ている。
    そして何よりも家族愛や正義とはという部分に共通点があるように思える。
    まったく嵐の地平に触れませんでしたが、「大草原の小さな家」に夢中になった方は、その現代版としてピケットシリーズは十分に楽しめるような気がする。

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    2024年01月19日
  • 熱砂の果て

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    ネタバレ

    猟区管理官ジョーピケットシリーズ現時点最新作。いよいよネイトとのバディものになってきたなぁ。物語も前作にもましてインフレ化、国際政治的な陰謀が背景にあって、狩猟規則はもはやきっかけとか味付けにすぎない感じ。

    ネイトがメインの話だから、そうなるのは必然で、それはそれでオモロいんだが、いったん基本に立ち返って、牧場荒らすヤッカイなヤツとか地方政治の利権悪徳政治家とかそういうの相手に大自然の中で立ち回ってほしいなぁと思うファンのワガママ心理。

    ところで、ネイトとメアリーベスの予知夢という話のきっかけは、剣客商売で美冬が男の夢を見たのが大治郎、という話を思い出し、何やら不穏な符合を感じたが気のせい?

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    2023年10月20日
  • 熱砂の果て

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    スケール上がりましたね!007かミッションインポッシブルか、ってくらいです。もう猟区管理官の枠を越えてますよ。聞き及ぶあの方々のやり方の凄さには震撼させられます。そして、ネイトがカッコよすぎ。ルーロン知事の「おれの州」というセリフはいつも響きます。「わたしの◯◯」って胸張って言える対象を持ちたいものです。彼がいなくなるの、寂しい、、。そして、またまた波乱ありそうなラスト。全く、ジョーは休まる暇ありませんね。
    #夏の読書感想文

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    2023年09月01日
  • 越境者

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    ネタバレ

    やはり面白いなあ、ジョー・ピケットシリーズ。今回は活劇少なめだが、物語としてはいろんな展開があり読み応えがありました。シェリダンのパートは必要だったのかしら、と思ったが、比較的地味な話なのでちょいと入れました、と言うところか。それとも今後の伏線か? そして・・・。やはりやはりやはり! あいつが帰ってきた! 『冷酷な丘』で退場したあいつが! こちらも今後に期待!

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    2023年08月20日
  • 熱砂の果て

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     前作では、病院のベッドに身を横たえていたネイト・ロマノウスキーが、本作では熱砂の砂漠で銃を構えて登場する。迫りくる敵。空を旋回するネイトの鷹たち。砂塵を巻き上げて迫る脅威。そんな緊迫したシーンにスタートする本書は、全編この手のアクション満載の読み逃せない一作だ。本作ではネイトと本編主人公であるジョー・ピケットとのそれぞれのドラマが、ラスト近くで交錯する。言わば、二つの冒険小説を楽しめるばかりか、それらの合体するラストシーンの豪華さを味わうことができるのだ。

     ぼくは、インターネットが普及する前に、パソコン通信Nifty-Serveで冒険小説&ハードボイルドフォーラムのSysop(SystemOperatorの略です)をやっていた。当時は内藤珍著『読まずに死ねるか』の時代で、まさしく書店の軒先には世界の冒険小説が並んでいた。マクリーン、フォーサイス、カッスラー、ラドラム、ヒギンズ、マレル、バグリィ、クィネルetc.etc...スパイ・戦争などのスケール感のある冒険小説ばかりではなく、ハードボイルド系の小世界的ではあるが心にぐっと響いてくる冒険小説作家も台頭する。D・フランシス、ライアル、ウィンズロウ、ロス・トーマス等々。しかしいつしか、冒険小説もハードボイルドも鳴りを潜め、地下に潜る。冒険小説のそうした長い暗闇の時代を越えて、このジャンルの正統派後継者として男の生き様や孤独や戦いを描くのがあまりに上手いのが本シリーズのC・J・ボックスである。

     そしてそのことを証明して見せるのがこの驚くべき新作であると思う。タイトルとなる熱砂の果てに起こるものは何であるのか? 熱砂の果てからやってくる敵はどういう者たちなのか? もはやダブル主人公とも言えるジョーとネイトの物語は、それぞれに並走して語られる。二人の運命はどこでクロスするのか? 熱砂の果てに本当に起ころうとしていることは、何であるのか?

     読み始めから、読者は本シリーズの魔力に酔わされることだろう。ネイトの現在が描かれる。死の床から蘇ったネイトは不意の謎の男たちの訪問を受ける。世界規模のディジタル・テロを狙う勢力があり、それに対抗する国家的秘密組織があり、後者の側がネイトを訪れたのだそうだが、彼らは胡散臭い政治の世界からの使者であり、ネイトは彼らの要請を受けるでもなくこの国(USA)に起ころうとしている危機の真偽を確認する必要性に駆られ、砂漠へと旅立つ。ネイトの家族である猛禽たちとともに。

     一方で、本シリーズの主人公である森林監視官ジョー・ピケットは、退任が迫るルーロン知事の依頼で行方不明のネイトの捜索に取り掛かる。砂漠の異なる方向から、ネイトとジョーは熱砂の果てに待ち受ける謎めいた場所にそれぞれのトレイルを描いてゆくのだ。それらはどう見ても一筋縄ではゆかないトレイルであり、その果てには凶悪なグループが待ち受けているというのだ。

     これだけでも十分冒険小説的要素は満載なのだが、ジョーのシリーズは家族の物語でもある。もちろんこのきな臭い荒野に向かう二人の先に家族の一員が巻き込まれているなんて全く知らない。敵は何ものなのか? 味方に見えるネイトへの依頼人たちもどうも胡散臭い。情報戦と肉弾戦の二重の戦いが待ち受ける荒野に、二人のストレンジャーのトレイルと硝煙が遺される。

     西部劇というより、もはや戦争に近い砂漠の闘いでありながら、家族再生の物語を組み入れるという、いつもながらのポロック魔術にのめり込むこと必至のアクション大作である。

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    2023年08月06日
  • 熱砂の果て

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    ジョーがネイトと出会って10年経過してることに衝撃…

    容疑を抹消することと引き換えに州南部の砂漠地帯でテロ計画の潜入捜査を開始したネイト。ジョーは失踪したネイトを捜索する。
    当然面白い。
    ジョーの娘のシェリダンが巻き込まれてしまうことに最初違和感があったが、友達想いでトラブルに巻き込まれる点は父親譲りなのか…

    シェリダンが事件に絡んでくる流れに違和感をもって、何故そうなるのだろうかと引っかかっていた。
    鷹匠のネイトと姉弟関係にあると同時にジョーと同じく"鷹"のように自由に飛び回るネイトが立ち戻る場所としての存在していることがわかる展開に納得した。
    夢で始まり、夢のように終わる展開も良い。

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    2023年07月25日
  • 嵐の地平

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    ネタバレ

    頭を殴られ意識不明の重体で病院に担ぎ込まれたエイプリル、散弾銃で撃たれFBIの監視のもと同じ病院に担ぎ込まれるネイト。娘と相棒、二人の大怪我が同時発生。仕事で追いかけている野鳥大量虐殺事件と合わせて、3つもヤッカイごとを抱えたジョーピケット、さて…

    というお話なのだが、話の広げ方と収束のさせ方が上手いし、次巻以降への謎残しも相変わらずMCU並みの後引き感。

    やっぱオモロいわ、ジョーピケットシリーズ。

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    2023年01月07日
  • 越境者

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    ネタバレ

    最早読み逃すことはできない、ジョーピケットシリーズ。本作ではネイトとジョーが久々に邂逅する。やっぱり二人は紺で活躍しないと物足りない!

    ここまで続くシリーズなので、マンネリっちゃマンネリやけど、こういうピケットサーガを読みたいからこのシリーズを読んでいるので、こうでなくっちゃなぁ、な気分の方が大きくて満足。

    作者もだんだんインフレを楽しんでいる雰囲気になってきてるのか、ジョーはやるなよ、するなよな事を絶対やってしまう、上島竜兵状態やし、ルーシーは「たよーせい♪」の歌を歌うし、ミッシーはあれだし、エイプリルに至ってはMCUエンドロール的な見せ場作るし…。

    まだまだ飽きさせない、ピケット一家の大冒険(?)である。続編早いこと読まないと

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    2022年11月01日
  • 嵐の地平

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    ネタバレ

    ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十四弾。

    カウボーイと家出していたピケット家の養女エイプリルが、
    意識不明の状態で発見される。
    家族はショックを受け、ジョーは犯人を捜す。

    一方、盟友メイトはFBIとの屈辱的な取引の結果、
    監視付きで釈放される。
    鷹を使った最初の仕事に向かい、いきなり撃たれる。
    無敵のネイトが撃たれたとあっては、
    よほどの組織と理由かと想像していたが違った。

    エイプリルと同じ病院にネイトも運ばれてはいたが、
    エイプリルが狙われたときに、
    病院にいたシェリダンとルーシーも危険な目に合うかと
    はらはらしたが、
    最後にネイトが活躍。

    ジョーが意識不明の若い女性が発見されたと聞いて、
    「エイプリルではないように」と祈ってしまったことに、
    罪悪感を覚えるところが、ジョーらしい。

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    2022年07月31日
  • 嵐の地平

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     久々に、主人公ジョー・ピケットに直球勝負で攻撃をかけてくる手強い敵手の登場。ここ数年のシリーズ作品中、最もピケット・ファミリーがピンチに襲われる強編に驚かされる一作。

     ロデオスターのダラス・ケイツを追って家出をしてしまっていた娘エイプリルが、意識不明の重症状態で発見され、救急病棟に運び込まれる。静脈麻酔薬プロポフォールで鎮静・昏睡の状態が始まる。

     キジオライチョウの大量殺戮事件に直面していた猟区管理官ジョーは、エイプリルの事件を聴いて、シリーズ中でも最大と言えるべき怒りを爆発させる。キジオライチョウの調査団員の高圧的態度に対しては冷徹な疑念を走らせながらも、エイプリル事件の容疑者に対しては、心が壊され、冷静さを欠いてしまうという一面が多々見られる。感情的なジョーを描写する珍しいシーンが連続する。

     同時期に、読者は拘留中のネイト・ロマノウスキーが仮釈放されると同時に、罠にかけられ重傷を負うというショッキングなシーンに直面させられる。ネイトも意識不明状態となり、エイプリルと同じ病院に運び込まれる。

     いつも事件のど真ん中に置かれるというジョー・ピケット。しかし、これまで以上に家族の危機に直面するジョーの姿は巻を通じて痛ましい。

     そして何よりも本作で登場する悪党どもの傲慢さが、許し難い。<荒野のディック・フランシス>と称される本シリーズだが、本家の作品が毎作、強烈な悪意や殺意と対峙する特徴を持つように、本作はまた一段と悪の側の描写が激烈である。さらにその中心となる人物が誰であるのか? 読み進めるに従い明らかになる悪の側の風景が、いつも以上に凄まじい。

     であればこそ、後段のジョーの側の反撃のパワーも、いつも以上に激しいように思える。極度な怒り。激闘。情念の爆発。鋼鉄の意志。ジョーも彼をとりまく家族も。入院中のネイトがどんな役割を本作で演じるかも、是非本作を貫く緊迫感とともに体感頂きたい。

     シリーズ中でも屈指の力作となる本書。家族の物語としても貫かれているピケット一家のストーリーだが、そこに新たな里程標が加わった感のある本書はシリーズ読者ならずとも、必読の一作である。

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    2022年07月29日
  • 発火点

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    ネタバレ

    いやー、面白かった。正直であろうとするジョー。薄汚いマクラナハンや異常者バティスタなど、多彩な人物が登場し、物語を盛り上げる。最後は悪魔の化身、ネイト! 素晴らしい! この存在感はどうだ! へなちょこ暗殺者(灰色男)を懲らしめてやってくれ、ネイト!
    人間の邪悪さ、忍耐強さ、人を信じる強い心、親子の情愛、何度目頭が熱くなったことか。傑作です。

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    2022年07月28日
  • 嵐の地平

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    〈ジョー・ピケット〉シリーズ。ジョーの養女エイプリルが殴打され放置されるところから始まり、さらにジョーの友人ネイトも撃たれる。この二つの事件に繋がりはあるのか。ジョーや家族の怒りや不安とともに進む。家族を想い行動するジョーの真っ直ぐさと無謀さは相変わらずでそこが魅力でもあるしそういうところが出れば出るほど面白くなる。

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    2022年07月06日
  • 発火点

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    初読の作家さん。シリーズものと知らず、読んだのですが思いがけずグイグイ引き込まれる面白さでした。真相に深い愛情を感じました。シリーズをこれまで全く存じ上げず、損をしてた気分です。これから取り戻したいです。何から読んだら良いですかね?年の瀬に良い出会いでした。楽しみが増えました。

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    2021年12月28日
  • 越境者

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     前作『発火点』は、全編に渡るアクション、またアクション。大自然を舞台に、闘いの大盤振る舞いとでも言いたくなるようなページターナーぶりを見せてくれた。

     本作は、復活するシリーズ・キャラクターたちというサービスを見せながら(これだけでドキドキの期待度!)、家族物語の側面(娘二人+養女一人の青春ドラマ。そして彼女らに関わるミステリアスなキャラクターの出現などなど)周辺リスクも取り上げつつ、常に何かの、誰かの、ターニング・ポイントを予感させつつ、ジョー・ピケットとその家族を、一筋縄ではゆかない宿命に向かい合わせてゆくのである。

     本書は、ワイオミング州内全域で疑われる暗殺組織とその本拠地とされる農場を相手に、ジョーはサドルスプリングスの我が家を離れ、雪深いウィーデル、サンダンスといったワイオミング州の辺境に赴く。その地の猟区管理官や警察署長なども組織に抱き込まれている疑いの濃い灰色の地帯。あるいは、地獄の黙示録?

     ジョーを送り込んだのは彼をお気に入りの破天荒な州知事スペンサー・ルーロン。新局長のリーサ・グリーン・デンプシーは組織改革を掲げるが彼女の頭越しにジョーを使おうとする州知事とは馬が合わない。なぜか事件のど真ん中にいるというジョーの特技はそんな板挟みの中でまたも生かされることになる。

     さて本シリーズの副主人公である鷹匠のネイト・ロマノウスキーだが、本編では非常にデリケートな立ち位置でジョーを迎えることになる。闇の組織の側で本意ではないまでも、ジョーとの距離感が複雑極まりない。

     そしてもう一人、またも復活のあのへこたれない女性キャラが再登場。少しやり過ぎを疑うくらいサービス満点の人物配置と、雪深い敵地でのジョーの活躍を披露しつつ、次作へ持ち越される闘いの予感の中で、本編は一端、巻を閉じる。

     ジョーのメインストーリーに、娘たちのサブ・ストーリーが複数に絡んで読者の心を引っ掴む。潜入のスリルと、銃撃アクションと、娘に忍び寄る悪の種と、ジョー一家に影を落とす不可解な影。

     一作ずつは確かに独立した物語であれど、シリーズで順番に読んで頂くと楽しみは何倍にもなってゆく。地味ながら直球勝負しかやらない真面目キャラクター・ジョーと、彼を取り巻く悪の深さと複雑な人間関係のギャップが毎作のように楽しめ、なおかつ荒野の大自然ならではの巨大スケールな舞台設定。鉄板の本シリーズである。もっともっと追いかけてゆきます。

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    2021年08月01日
  • 越境者

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    ジョー・ピケットシリーズ14作目

    前作で猟区管理官の職を辞したジョーだったが、知事に雇われ失踪事件を調査しに謎の富豪テンプルトンの支配する地区に向かうことになる。

    いつもトラブルのど真ん中にいる主人公…現代版ウェスタンとも言われたりするこのシリーズ、今回はほぼそれを地で行く展開

    敵地のど真ん中への潜入捜査…というより流れ者のカウボーイが、街のルールに関係無く正義を貫いていく感じです(ウェスタンの様にすぐさま決闘となるわけではないですが…)

    なるべく傷つく人々が減ることを願い、苦境の中でも常に解決に向けて尽力していくジョー、過去二作かなり追い込まれ法を超えた世界で再び活動をし始めた友人ネイト(ジョーが命を助けたことがある、ほぼ法に縛られない独自のルールで生きてる)との関係性も一つの区切りを迎えます。

    鷹匠の師匠としてネイトを師と仰ぐ、ジョーの娘シェリダンも大学生となり(大きくなったなぁ)、大学の寮では他の生徒を監督する立場になってたこと、カントリーソングを聴いて心を落ち着けていることなど、それをダサいと感じつつ父親や環境の影響を受けていて、グッと来てしまいました。

    読んでて「そうだった…こっちのトラブル解決してなかった…」という具合に複数の問題が同時に進み、今作からでも楽しめるのですが、過去の話を読んでると終盤で起こる新たなトラブルについて色々と考えてしまいます。(これは、何か荒れた展開になりそう…)
    次回作が気になる終わり方!
    楽しみに待ちたいと思います。

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    2021年07月31日
  • もう耳は貸さない

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    我らがバック・シャッツ、おかえりなさい。もう会えないかと思っていたので嬉しさもひとしおです。
    体や認知機能の衰えは否めないけれど、相変らずの毒舌ぶりが子気味良い。身内にいたら嫌かもしれないけれど好戦的なところがたまらなく好きです。そして理解ある奥様ローズに頭が下がります。次作が予定されているとのこと、楽しみです。
    「おれたちにできるのは、老いぼれすぎてもう闘えなくなるまで、信じるもののために闘うことだけだ」

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    2021年05月01日
  • 発火点

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    え!こんなことで!と思わざるを得ないほど、発端は些末、それが人は死ぬし森林は消滅する結末に。そのスケールには驚かされます。ミサイル搭載の軍用ドローンまで登場し、後半はスペクタクル映画を彷彿とさせる展開。場面が目に浮かび、息つく間もないほどのめりこめました。広大なワイオミング州を舞台に、厳しい自然の中で正義をまとい行動するピケットに惚れ惚れ。かっこよすぎです。アンダーウッドが生き方を語るシーンも、こういう人は多いんだろうな、と思えました。次作がありそうで楽しみ。本作から読んだので、ピケットの頼もしい友人ネイトとの前日譚も紐解きたいです。

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    2021年04月03日
  • 発火点

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    ネタバレ

    ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十二弾。

    何かいかにも殺されそうな連邦の役人たちが出てきたなと思ったら、
    あっという間に殺されてしまった。
    次女の友達家族がその事件に巻き込まれる。
    といっても、今回はジョーの家族が巻き込まれていないので、
    落ち着いて読めた。

    ファーカスは小狡くて全く持って「いい奴」ではないが、
    こんなに何度も登場したせいか、
    毎回ひどい目に遭うせいか、
    ちょっと同情しても良い感じがして来た。

    一方、元保安官が悪事を極めて、
    とうとう死んでしまったのには、
    このシリーズの一つの区切りを迎えた気がした。

    山火事の中を逃した馬のトビーが無事で良かったし、
    ジョーが急流下りを(ある意味)楽しめて良かった。
    「オールドタウン」が出てきたのも。

    最後にネイトが登場したのは個人的には嬉しかったが、
    話の展開としてはどうだろう。
    ネイトがいなくても、
    ジョーだけで問題を解決できたような気がするのだが。
    次回作への布石なのだろうが
    ジョーは猟区管理官を辞めて、どうするのだろう。

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    2021年02月04日
  • 発火点

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    講談社から創元推理文庫に出版社が変更となったが、シリーズ翻訳が続いてよかった!本国では出版されていても日本での出版が終わるケースが多いのでこれで一安心。

    今回も実際にあった土地収用に関わる事件をベースとしているようだが、ストーリー展開は比較的単純。

    しかし、そこはボックス作品だけに陰影のあるキャラが多彩に登場(登場人物一覧の多さに驚く)するだけでなく、お馴染みのメンバーも揃って後半になるほど加速のつくストーリー展開は見事。

    いつもながら会話に味があり、ユーモラスな味付けもある一方で男同士の切ないまでの信頼関係、そして友情が胸を打つ。
    講談社より電子出版しかされていない『逃亡の峡谷』を読んでおくとより一層楽しめるようだ。

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    2021年01月17日
  • 発火点

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    ネタバレ

    全くノーマークだった、C・J・ボックスの「猟区管理官ジョー・ピケット」シリーズ。これまた、なんで今までアンテナに引っかかってこなかったのか不思議。俺のアンテナの感度ってまだまだ穴だらけやわぁと思う。

    実に面白い。大自然の描写、官僚どもの小人物こすさぶり、田舎親父たちの骨太さ、主人公一家の家族愛…どれもこれもが実に読ませる書き方で、そういう細かい部分を丁寧に大切にしながら、物語の航路は時に大胆に舵取りする。

    前半のジワジワくるストレス「あぁ、これアメリカカントリー版池井戸潤かなぁ」、と思いきや、タイトル曰くの発火点を迎えてからの疾走感。メリハリの利き方よ!

    筋書き追うのにハンデにはならないけど、物語の過去がちょいちょい描写されるのが、たまらない。過去作絶対おいかけたい!2020年最終月になって、これからの読書に大きな柱をみつけてしまったようである。

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    2020年12月13日