野口百合子のレビュー一覧

  • もう耳は貸さない
    我らがバック・シャッツ、おかえりなさい。もう会えないかと思っていたので嬉しさもひとしおです。
    体や認知機能の衰えは否めないけれど、相変らずの毒舌ぶりが子気味良い。身内にいたら嫌かもしれないけれど好戦的なところがたまらなく好きです。そして理解ある奥様ローズに頭が下がります。次作が予定されているとのこと...続きを読む
  • 発火点
    え!こんなことで!と思わざるを得ないほど、発端は些末、それが人は死ぬし森林は消滅する結末に。そのスケールには驚かされます。ミサイル搭載の軍用ドローンまで登場し、後半はスペクタクル映画を彷彿とさせる展開。場面が目に浮かび、息つく間もないほどのめりこめました。広大なワイオミング州を舞台に、厳しい自然の中...続きを読む
  • 発火点
    ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十二弾。

    何かいかにも殺されそうな連邦の役人たちが出てきたなと思ったら、
    あっという間に殺されてしまった。
    次女の友達家族がその事件に巻き込まれる。
    といっても、今回はジョーの家族が巻き込まれていないので、
    落ち着いて読めた。

    ファーカスは小狡くて全く持って「...続きを読む
  • 発火点
    講談社から創元推理文庫に出版社が変更となったが、シリーズ翻訳が続いてよかった!本国では出版されていても日本での出版が終わるケースが多いのでこれで一安心。

    今回も実際にあった土地収用に関わる事件をベースとしているようだが、ストーリー展開は比較的単純。

    しかし、そこはボックス作品だけに陰影のあるキャ...続きを読む
  • 発火点
    全くノーマークだった、C・J・ボックスの「猟区管理官ジョー・ピケット」シリーズ。これまた、なんで今までアンテナに引っかかってこなかったのか不思議。俺のアンテナの感度ってまだまだ穴だらけやわぁと思う。

    実に面白い。大自然の描写、官僚どもの小人物こすさぶり、田舎親父たちの骨太さ、主人公一家の家族愛…ど...続きを読む
  • 発火点
    2年ぶりの猟区管理官シリーズ新巻につい採点が甘くなるが、事情により出版元が講談社から創元社に変わったけど、この原著にしても2013年刊行ということでそもそも訳出に時間がかかっているようで…
    未訳だったシリーズ第二作が講談社の電子版で昨年刊行されていたようで、本作のハイライトにもなる峡谷越え...続きを読む
  • 発火点
     昨年『鷹の王』を<このミス>一位に投票したのは、大好きなこのシリーズの頂点を極める作品と感じたからのこと。しかし続く本書も、一歩も引かぬ快作であることに、ぼくは驚く。そもそも、どの作品も、高水準のエンターテインメントとして面白く読めると同時に、大自然をバックに愚かでちっぽけな人間たちのなすあらゆる...続きを読む
  • 発火点
    猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ
    第13作目
    版元を変えて、シリーズ続刊!
    (新シーズン開始と捉えてもいい内容なので、この本から楽しめます。)

    いゃあ〜面白かった!!

    ※あらすじは省略

    愚直な猟区管理官(現代版のカウボーイ)ジョーが、地域で起きた事件を追う。

    多分、知らないだけで他にもこう...続きを読む
  • 鷹の王
     猟区管理官ジョー・ピケットシリーズにこれまで濃い陰影で奥行きと謎深さをもたらしてきたもう一人の魅力的なキャラクターネイト・ロマノウスキが、とうとうこの作品でベールを脱いだ。

     ウォルター・モズリーのイージー・ローリンズシリーズにはマウス、アンドリュー・ヴァクスのバークシリーズには音無しマックス
    ...続きを読む
  • 鷹の王
    ジョー・ピケットシリーズだけれど今作はネイトが主役。これまで深くは語られなかったネイトの過去とジョーへの想い。命を狙われる緊迫した空気が始終ある。ネイトのジョーへの信頼や家族に向けた優しさがこれまでよりも真っ直ぐ伝わってくる。だけどネイトの冷酷な部分も表に出てその佇まいはすごい。危険に自ら入っていき...続きを読む
  • 鷹の王

    猟区管理官ジョー・ピケットシリーズ
    スピンオフ
    ジョーが助けたことで一家に忠義を誓った謎の鷹匠ネイトの話

    毎巻面白さが高まり、爆発した感じ
    (前々作を含め二度目)
    いつもはジョーが巻き込まれた事件に
    ネイトが裏から助力するのですが、今回はネイトの過去、彼を追う謎の組織との対決。
    ついに組織が動...続きを読む
  • もう年はとれない
    "主人公は87歳の元殺人課の刑事。ユニークなヒーロー。孫と一緒に過去の落とし前をつけに行く羽目になる老兵。アルツハイマーにおびえながら、毎日「忘れたくないこと」を記録帳に書いている。若かりし頃のスタイルで借金取りの胴元に殴りこみにいっても、相手に傷一つ与えられない。会話の駆け引きもユーモア。
    こんな...続きを読む
  • ガラスの靴(新潮文庫)
    いわゆるシンデレラの物語です。グリム童話のシンデレラは最後が怖いけど、ファージョン版は痛快で本当にうっとりときめきます。こっちの方がいいです。
  • もう過去はいらない
    1作目の方が評価が高いようだが自分は断然本作の方に軍配を上げたい。本書は介護が必要な歩行器を使った老人のアクションものというよりユダヤ人問題の視点で読むとぐっとその内容に重みを感じる。米国のようなよそに比べユダヤ人が暮らしやすいと思われた地域でもこれほど差別と闘わなければならなかった。昨今米国でもユ...続きを読む
  • もう年はとれない
    バック・シャッツ最高!!なんて痛快なんでしょう。いうこともいちいち格好いいし笑えるし。ローズは大変かもしれないけどある意味尊敬する。家族にいたらいいなとも思うけどやっぱり孫としてがベストかなあ?
    もうホントに止まらない。読み進めるしかない。そして残りページがどんどん減っていくことに一抹の寂しさを覚え...続きを読む
  • 7は秘密
    「ニューヨーク最初の警官」の第2弾。
    「ゴッサムの神々」の続編です。
    1作目の勢いと熱気は健在。

    ティム・ワイルドは、小柄ながら頭の切れる元バーテンダー。
    兄のヴァルは大柄で町の顔役的な男。創設されたばかりの警察の分署長となっています。
    そのヴァルに強引に警察に入れられ、腕を証明したティムは、殺人...続きを読む
  • 復讐のトレイル
    ボックスの新作はピケットの最新作。最初から最後までボックスの世界が展開され、ひたすらこの世界に耽溺するのみ。
    確かにストーリーはしっかりあるし、それだけでも一級のレベル。しかし何より、ピケットと家族のかかわり、成長、特に娘の成長、と戸惑うピケットの心情が実によく伝わるし、ロビーとの切ない別れ、再び登...続きを読む
  • 復讐のトレイル
     この本だけを読むと、C・J・ボックスは、まるでスティーヴン・ハンターみたいな銃撃冒険小説の名手とでも誤解されてしまうかもしれない。ハンターは本当に銃器に詳しい銃器小説の名手であるけれど、実はボックスの方の主人公は銃の扱いも下手だそうだし、ボックスという書き手は、アクション小説というよりも、現代版『...続きを読む
  • ゴッサムの神々 下
     面白かった!
     ティムとヴァルの確執(というか、一方的にティムがヴァルを憎んでいた)は、成る程、そういう事だったのか。
     そしてその、真相が判った後のティムの心境の変化、これは上手いなぁ。

     これを書いたのが男性作家だったら、とてもとても嬉しかったろうと思う。
     女性の性に対して、この話のような...続きを読む
  • ゴッサムの神々 上
     主人公・ティモシーの一人称で語られているが、それがこの物語には確かに一番の方法だと思わせる人物描写。
     マーシーがどうにも捉えどころのない人物に思えるけど、それはティムの目線で彼女を見ているからなんだろうな。
     また兄のヴァレンタインに対する気持ちもとても面白い。ティムはとても公平な人間で好感が持...続きを読む