圷香織のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
シリーズ第五弾。
チャーチル英国首相に随行して4年ぶりにアメリカに帰ってきたマギー。
首相とルーズベルト米国大統領の会談が行われる一方、大統領夫人の秘書の変死体が見つかります。
現場に残されていた証拠から、大統領夫人を陥れようとする陰謀を感じとったマギーですが・・・。
大統領夫人と行動を共にするうちに、黒人女性の活動家・アンディと出会い、マギーは人種差別問題と直面することになります。
ドイツのナチズムは批判するのに、自国の人種差別問題を棚上げする米国や、帝国主義による植民地支配をしている英国も同様ではないかという、この時代ならではの問題定義があり、相変わらずタイトルや表紙に合わずシリアスな -
Posted by ブクログ
シリーズ第四弾。
ドイツでのスパイ活動で身も心も消耗してしまったマギー。
癒しがたい傷を抱えながら、特別作戦執行部(SOE)の訓練キャンプの教官として、訓練生に厳しく当たる日々を過ごしていました。
そんな折、マギーの親友でバレリーナのサラから公演に招かれ、その舞台を訪れたところ、主役のバレリーナが殺されてしまって・・。
今回は、“マギー再生の巻”ともいえる内容で、生ける屍のようになっていたマギーが、殺人の嫌疑をかけられたサラの無実を証明する為に、持ち前の負けん気と行動力を発揮。
それが彼女の再生と成長につながったようで、良かったです。そうそう、猫の“K”もマギーの癒しに大いに役立っていまし -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第三弾。
ついに、スパイデビューを果たすことになったマギー。
そのミッションは、ベルリンにいるレジスタンスグループに無線機の部品を渡すことと、ナチス高官の自宅に盗聴器を取り付けること。
準備万端で単身ドイツに潜入したマギーですが・・。
他の方のレビューにもありますが、可愛い表紙とライトなタイトルにはそぐわない、ヘビーな内容となっております。
前作で、マギーの母親・クララがナチスの高官だったという事が明かされたのですが(という事は、マギーはイギリス人とドイツ人とのハーフという事ですね!)、本書では、そのクララの娘でマギーとは父親違いの妹となる、エリーゼの視点で語られるナチス支配下のド -
Posted by ブクログ
シリーズ第二弾。
MI-5(軍情報部五課)に抜擢されたマギーですが、身体能力に難あり、ということでスパイの訓練に落第してしまいます。
そんな彼女に命じられたのは、ウインザー城に疎開しているエリザベス王女の数学教師・・・という表向きで、実際はナチスの誘拐から王女を警護すること。
早速ウインザー城に赴いたマギーですが、女官の一人が殺害されてしまうという事件が発生してしまい・・・。
相変わらず鼻っ柱の強いマギー。すぐ感情的になるし、自分の意にそぐわない命令に対して上官に食って掛かったり、肝心の潜入捜査でも“好き嫌い”で怪しい人物を判断しがちだったりと、“体力面だけでなくて、そういうところがスパイ -
Posted by ブクログ
タイトルからも解るように、第二次世界大戦下の英国モノ。
コージーちっくな表紙ではありますが、意外と内容はシリアスだったりします。
アメリカ育ちのイギリス人・マギーは、チャーチル首相のタイピストとして働くことになります。
ナチスドイツによる侵攻が迫るだけでなく、アイルランドの武闘派・IRAによるテロ行動など、様々な陰謀が渦巻く中にマギーも巻き込まれていきますが・・。
前半は、マギーとルームメイト達との暮らしぶりや、チャーチルのタイピストとしてのお仕事モノ的な部分と、一方でテロリストの不気味な動きが並行して描かれていていますが、話が進むうちに、スパイやテロといった国家レベルの陰謀と、マギーの死 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小学生の時、学級文庫にあった〈少年少女××文庫〉で読み、初めて物語の展開にドキドキして読み進めた思い出の本。紅はこべのかっこ良さに憧れていた。当然それは抄訳・意訳であったろうが、今回新訳で大人の本として読んでみると、記憶にあるハラハラワクワク感が全くなくて、あれっ?紅はこべってこんな話だったのか、、、とがっかり。
主人公は紅はこべではなく、その奥さんじゃん!
作者の、あのバーネット夫人はハンガリーの由緒ある男爵家に生まれたというから、そりゃ紅はこべ夫人であるブレイクニー准男爵夫人の描写が実に細かく丁寧にされているのも納得できたのでした。 -
Posted by ブクログ
前に読んだ本が面白かったので。こちらの方が先に書かれた作品だったんですね。
時代背景が古いので、お金の無い旧家の令嬢なんてロクなもんじゃないな、というのが一番の感想。働く場所もないし、勉強する場もないし、留学や社交するお金もない。家長である父親がやる気を出さないとどうしようもない世界で、娘の存在も忘れているような男に結婚の面倒なんか出来るわけないものなぁ。これだから男には任せられないよな~と現実をみたら奥さんは嘆きそう。
それにしても若くして亡くなった金持ち息子はなんでそれほど彼女に執着してたんだろう?作中語られた気もするけれどもあまり記憶に残らない。そしてマルチエンドのように3人も男性を -
-
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ナチスドイツの空襲が迫るロンドン。
イギリス人でアメリカ育ちのマギーは祖母の屋敷でハウスメイド達と暮らしていた。
アメリカに帰ってマサチューセッツ工科大で学びたいものの、イギリスにも愛着が出てきていた。
そんな時にチャーチル首相のタイピスト職の声がかかる。
ロンドンで暗躍する怪しい人々。
マギーの家族の秘密。
次から次へと出てくる謎とピンチ。
マギーは持ち前の負けん気と聡明さで立ち向かうが。
ナチスの影が迫り、食料も乏しく、動物園や市街地も閑散とするロンドン。
それでも、マギーの友人たちは軽口を言い合ったり、愚痴を言い合ったりしながら過ごしている。
色気たっぷりの親友ページ、恋人とラブラブな -
Posted by ブクログ
表紙の絵柄に騙されないように!
全然コージーミステリではありません。
主人公マギーの生い立ちや生死不明の父親、IRAのテロリストだけでも相当ハードなのに、第二次世界大戦中、空襲まっただ中のロンドンで、相当ハードなスパイ物?。
最初からそういうつもりで読めば面白いとも思うけど、期待していたテイストが違いすぎて、読後疲れた。
自信満々なわりに自分勝手なマギーの性格にあまり共感できなかったけど、脇を固めるキャラはかなりいい。
特にチャーチル首相は史実にもあるが、本当困ったちゃん、という感じで、奥さまの絶妙なフォローがすばらしい。最初はマギーにボロクソ悪口言われてた上司や諜報部の長官など、実は年輩 -
-
Posted by ブクログ
第二次大戦下のロンドンを舞台に、才気煥発なアメリカ(育ちの)娘、マギーが活躍するスパイ物。
というと、表紙デザインもあいまって、ラノベ的な雰囲気かと思ってしまいますが、いやいやどうして、なかなかに本格的な作品です。空襲のロンドンにテロリストに暗号にスパイに・・・本当に盛りだくさん。
盛りだくさん過ぎて、一気読みしてしまうのですが、読み終わってみると、マギーさんスイスイ活躍しすぎでは?感でいっぱいになります。紆余曲折する暇がないほど、いろんな要素がてんこもり。だから、案外一直線な作品です。
ただね。この主人公があんまり好きになれないんだなぁ。まだ男女間に社会的格差のある時代に、有能な女の子 -