圷香織のレビュー一覧
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最近5が増えてて自分の基準が甘くなってるのかもだけど、面白いのだからしょうがない。突然ペンギンの魅力に取り憑かれた大金持ちの80代で家族がいない独り身お婆ちゃんが、自分の遺産を託すに値するかを自ら見極めるため、単身南極のペンギン研究施設に(強引に)乗り込んだ。
まずこのお婆ちゃん(というかお婆様、か)の歯に衣着せぬニヒルな発言がたまらなくおかしい。最初はただの空気読めないお年寄りが周りに迷惑かけながらも、という話かと思ったら、途中からなんだかこれは違うぞと。何やらお婆ちゃんの強さの裏に隠れていた過去が少しずつ解きほぐされていくと、物語はガラリと様相を変える。その様が見事だし、エンディングに向か -
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タイトルに惹かれた。邦題も原題も。邦題はまず、それだけでわかるのがロード・ノベルであろうということ。そして原題"No Country for Girls"にもコーエン兄弟の映画を観ている者ならば、意味深であることがわかるだろうということ。実際に読み始めて中盤に至る頃には『ノー・カントリー』というコーエン兄弟の傑作ロードムービーを想起させる物語であることもわかる。その元となったコーエン・ムーヴィーも凄い。非情の殺し屋に追われる恐怖が全面を張りつめさせるが、コーエン映画らしく、独特の静謐さと乗りとを備えた傑作であった。その原作小説がある。コーマック・マッカーシーの『No Co
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こういうの大好き!!
ついつい手に取ってしまう動物&冒険もの。
そこに気難しい孤独な資産家のおばあちゃん要素が加わり、何だかドラマチックで面白いことが起こりそうな予感をヒシヒシと感じていました。
遺産を譲る相手としてふさわしいかどうかを見極めるために、85歳で南極へ行くなんてどうかしてる!!
強行軍で訪れた南極の地で待ち受けていたのは、必要最低限の暮らしと研究センターでペンギン研究に日々忙殺されているディートリッヒ、テリー、マイクの三人。そしてアデリーペンギンたち。
天涯孤独のおばあちゃん・ヴェロニカとペンギンの未来はどうなる?
愛しいペンギンと共にいる時間と、存在すら知らなかった孫の存在 -
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ネタバレなかなかおもしろかった!
ちょっとあやしげで薄暗いような、独特の雰囲気があって好きなタイプの物語だった。
登場人物の名前の一部に五常の字がはいっていて、それがキーになるところはなんとなく里見八犬伝を思い出した。個人的には途中から謎の行方よりもロマンスの方に夢中になってしまった。二人にはこれから幸せに暮らしてほしい。
そしてできれば二人のその後も見たい…。
こわいロマンスも最後の方にあったけども、それについては本格的にネタバレになってしまうから語らないでおく。
ところで五常の一人は登場前に亡くなっているからこの世には四人しかいないわけだけど、作中で何度も繰り返されるように四は非常に縁起の -
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マギー・ホープのシリーズも4作目。
作品ごとにけっこう、雰囲気が違います。
第二次世界大戦中の話なので、ヒロインたちの若々しさと状況の重さが微妙なバランス。
3作目が非常に重い幕切れだったので、4作目はさあ!復活の巻でしょ。
1941年初冬。
マギーは現場を離れ、心を閉ざした状態。
スコットランドの訓練キャンプで新人を指導する鬼教官となっています。
親友のサラの所属するバレエ団が近くで公演することになり、しぶしぶ出向くマギー。
ところが、そこで事件が起きます。
一方、マギーは直接かかわらない部分でも、歴史が大きく動いていく時期。
米英の思惑、専門家の対応の違い。
日本人としては敵国である -
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マレーシアはマラッカが舞台の冥婚ファンタジー。時代は19世紀頃、イギリス統治下の時代みたい。マレーシア華人文学です。
いまや中国本土では失われた「冥婚」というシステムや紙のお金などのお供物をする習俗、冥界の描写がかなり面白い。お父さんがひどいけど主人公は健気に頑張ってます。
実際、中国本土でも南の方では紙銭(本編中では「冥銭」)や紙でできた模造品を燃やす習慣はまだ根強くて、模造品に至っては最新のiPhoneや外車など、びっくりするようなものが売られてるんだよね。さすが煩悩まみれの中華圏!
ひとつ、名前の表記がカタカナなのが読みづらい。なまじ中国語を齧った人間に限ってのことだと思うけど。ネ -
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おばあさんが南極のペンギンに会いにいく冒険物語かなと思って読み始めたら、思っていたよりも深い話で、どんどん引き込まれていきました。
主人公である85歳のヴェロニカ・マクリーディの人生が丸ごと詰まった1冊。
スコットランドの豪邸にひとりで住むヴェロニカ。筋金入りの頑固で気難しくて毒舌キレッキレのおばあちゃん。ペンギンの危機を知って財産を託すことを思いつく。
そこからの行動力がすごい!研究機関を視察したいとあっという間に手配して南極に行ってしまうんだから!
ヴェロニカを突き動かしたものはペンギンはもちろん、封印していた過去、十代の頃の日記の存在が大きい。パトリック(見つけ出した唯一の身内である -
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ネタバレ85歳の気難しい老女ヴェロニカの過去と現在が本人と孫の視点から綴られる。
ペンギンに魅入られ有無を言わさず南極行きを決行したヴェロニカ。皮肉屋で人の言葉の裏を読み頑固もの。なのに憎めない!
愛を奪われ深く傷ついた彼女がその後ただただ孤独に生きてきた何十年という年月。
死の淵で、自分の人生はなんの意味もなさなかったという思いに至ることはどれほど虚しいことだろう。
そんな彼女のまさに光となったペンギンの赤ちゃんのピップ。彼女とピップの対話のシーンには涙が止まらなかった。同じく孤独に生きてきた孫のパトリックとの間に芽生えた絆にも救われた。どんなものも愛に勝るものはない。 -
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85歳になる大金持ちのヴェロニカには、家族がいない。子どもはおらず、夫とは離婚している。
しかし、いろいろ調べさせ孫がいることを突き止め、会いに行く。だが、たった一人の孫パトリックは、失業中で大麻を吸って応対され、がっかりする。
南極のアデリーペンギンの研究が、資金難で困っていることを知ったヴェロニカは、遺産を譲る相手としてふさわしいかを判断するために、南極の研究施設に乗り込んでしまう。
何とも痛快なおばあちゃん。でも、その過去の体験は悲しくつらいものだった。
かわいらしい子どものペンギンとのシーンに癒されつつ、ヴェロニカの過去とこれからに惹きつけられた。
エピローグは、あったほうが良かった