圷香織のレビュー一覧

  • 夜の獣、夢の少年 下

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    ネタバレ

    面白かった。指の行方ににハラハラし、虎の存在にビクビクし、ジーリンとシンの気持ちのすれ違いにドキドキし。五常の最後の一人、最後の最後でどんでん返しでした。リディアの毒でリディアが死ぬのかと思いきや…。そうは言っても懲悪的な結末。レンがどこまでも純粋で可愛かった。老先生の骨も返せてよかったよかった。結局虎は最後まで出て来ず。人狼ではなかったのですね。

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    2024年09月10日
  • 夜の獣、夢の少年 上

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    姿を見せない虎?なにかが起こりそうな不穏な気配。交錯するふたつの物語。五常の残りのひとり(礼?)は誰?
    下巻へ。

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    2024年09月09日
  • 夜の獣、夢の少年 下

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    どの主人公たちにも魅力があり、どんどん場面が展開して面白かった。
    しかしミステリアスな虎に関する記述に物足りなさも感じる。もっとホラー風味でも良かったんじゃないかとか、マクファーレン先生は本当に人虎だったのかどうかとか。

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    2024年08月28日
  • 夜明けを探す少女は

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    警官に射殺された姉の無実を証明するために奔走する妹・ボーの必死な推理と行動の過程を瑞々しく描いた青春小説でした。

    ミステリとしての謎解きという意味ではさほどの意外性はありませんが、ボーを取り巻く環境の複雑さと、その中でもがき生き抜き希望を見つけようとあがく彼女の強さと弱さが繊細に描き出されていて、とてもリアリティが感じられました。

    黒人差別が歴然と存在するアメリカ社会、その中でも貧困層に位置するボーたちの犯罪と背中合わせの毎日。それでも夢を描いて通う学校での人間模様。そして友情と恋愛。そういった、彼女が日常的に出会っている困難や偏見や苦労が、事件の発生と解決に向けての謎ときとともに描かれて

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    2024年06月09日
  • 夜明けを探す少女は

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    高校2年生の黒人の少女ボー。姉が不法侵入の疑いで警官に射殺され、姉が犯罪を犯すはずはないと無実の証明をしようとする。現在が語られていくパートと過去のボーと姉との日々が語られるパートとがある。黒人であるということで受ける差別や疑いの目のなかにあって、姉の無実と自分の権利を主張していくボーが魅力的。友情や恋愛もあるけれど姉のことを追っていく姿と、そのことで理解されない人たちとの平行線のような会話。その虚しさや孤独感が迫ってくる。差別や暴力などの社会問題だけの作品ではなく、姉妹のつながりとか友人たちとのエピソードにも魅力のある作品になっている。

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    2024年03月31日
  • クリスマスカードに悪意を添えて

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    一作目は舞台や登場人物を理解するのにやや苦労したが、その情報が頭に入った状態で読む2作目はどんどん物語に引き込まれてとても面白かった。ちょうどクリスマスを迎えるこの時期に読んでいることもあって、クリスマスの準備の慌ただしさや楽しさを実感できる。パールやマグワイアの過去も少しずつ明らかになりこれからの展開が楽しみ。
    この本は地図を片手に読むととても楽しい。地名や教会、お店などがどれも実在しているもので、足取りをたどりながら物語を追体験できる。

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    2023年12月09日
  • 夜の獣、夢の少年 上

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    上下一括感想
    下巻にて

    二十世紀初め、英国植民地のマレーシアを舞台にした、東洋幻想譚。
    すれ違いのまま下巻へ……。

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    2023年08月25日
  • スコットランドの危険なスパイ

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    シリーズ第八弾。

    前巻のラストで、SOE(特別作戦執行部)上層部からのとある協力要請を拒んだために拘束されてしまったマギーでしたが、本作は、その後の展開の物語です。

    “知りすぎた”為に、SOEの収容所として使われている孤島にある城に囚われているマギー。
    彼女の他にも、隔離が必要と判断された“訳アリ”工作員達9名が件の城で無為な日々を送っていましたが、ある日、新たな収監者として若き美人工作員がやってきた日から、ひとりまたひとりと収容者が謎の死を遂げていき・・・。

    今回は、外部から遮断された状況・・所謂クローズドサークルの状況下で起こる連続殺人ということで、皆さまが描かれているように、さなが

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    2023年08月09日
  • 彼岸の花嫁

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    わがままお嬢様の冒険物語。
    幽体離脱したまま冥界を冒険して、絶世の美男に出会うとか、面白すぎる。
    テンポよく読めて気持ちよかった。

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    2023年07月10日
  • ホテル・リッツの婚約者

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    シリーズ第七弾。

    前巻で、フランスで行方をくらましてしまった異父妹・エリーゼと、フランス潜入中で安否が気になるSOE(特別作戦執行部)工作員・エリカを探す為、ナチス占領下のパリに潜入したマギー。
    アイルランド人の令嬢になりすまして(アイルランドは中立国)、〈ホテル・リッツ〉に滞在することになりますが・・・。

    今回は辛かった!シリーズ第三弾『国王陛下の新人スパイ』でドイツに潜入した時もかなり辛い展開でしたが、それ以上かもです。
    毎回のように書いていますが、可愛い表紙や呑気なタイトルに、シビアな内容が合っていないですよね。
    パリ潜入時したばかりのマギーに、SOEの航空輸送管・ジャックが言った、

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    2023年07月06日
  • バッキンガム宮殿のVIP

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    シリーズ第六弾。

    ロンドンに帰ってきたマギー。
    特別作戦執行部(SOE)で事務仕事をしながら、異父妹・エリーゼがドイツの強制収容所から救出されて、再会できるのを心待ちにしています。
    そこへMI-5(軍情報部五課)の長官・フレインから殺人事件の捜査に協力してほしいと頼まれて・・・。

    女性ばかりを狙い、“切り裂きジャック”を模倣した連続殺人犯を追うことになったマギー。
    スコットランドヤードのダージン警部と行動を共にすることになるのですが、このダージン警部、無愛想ですがキレ者で紅茶好き・・・“こ、この要素は、某漫画の某兵長を彷彿とさせるよね( ゚д゚)ハッ!”と、いう事で(?)勝手にダージン警部

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    2023年05月31日
  • 夜の獣、夢の少年 上

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    面白かった! 2つのストーリーがどこで交わるのか楽しみ。
    2組の双子、それぞれの謎と片割れへの想いにもドキドキする。

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    2021年10月03日
  • 夜の獣、夢の少年 下

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    ネタバレ

    英日翻訳学習中+東南アジアの文化に興味有+中国語とインドネシア語(マレー語に近い)学習経験有+ファンタジー好きの私には堪らない作品だった。
    1930年代のマラヤ(現マレーシア)の歴史や風土をしっかり調べた上で書かれているようなので、旅行で行ったマレーシアや中国の風景も参考に思い出し、鮮やかにイメージしながら読み進めることができた。
    原題でもあるThe Night Tiger、人虎の存在は様々な形で(ときにかなりはっきりと)仄めかされながらも、最後まで明確にはならず、迷信は迷信として謎を残してくれたのも好感。
    創元「推理」文庫なだけあって、ただのファンタジーではなく、ミステリー要素も強く、まさか

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    2021年08月10日
  • 夜の獣、夢の少年 下

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    仁義礼智信、の読み方が当然なんだけれども違って、いつも一つ思い出せなくってなんだっけ?と思いながら読みました。義がイーなんですねぇ。

    という訳で、恋愛に鈍い系のヒロインの恋物語がメインだったらちょっと苦手だったかもしれないですが、話の軸は小瓶に入った指だったので。そこの軸からあまりずれなかったのが面白かったです。それにしても人虎って山月記でしたっけ?アレもそういうのじゃなかったかな…と思ったり。中国の古い話は奥が深い。

    それにしてももう一人の礼さんコワイ。彼女が植えたのって夾竹桃かイチイの木かなぁなんて思ったんですが、どうなんだろう。夾竹桃と言えば、千葉市では昔、出産祝いとして苗を配ったら

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    2021年06月28日
  • スコットランドの危険なスパイ

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    マギー・ホープのシリーズ、8作目。
    第二次世界大戦中、アメリカ育ちのイギリス人の若い女性マギーがスパイとなり、各地の重要なシーンで活躍します。

    前作の任務の直後、さらなる過酷な指令を断ったマギー。
    重要な機密を知ってしまったからという理由で、孤島に送り込まれてしまいます。
    外界との接触はほとんどなく、いわくつきの古城で、何をするでもない暮らしに。
    そこには様々な理由で隔離された同僚がいました。
    マギーの後にも、事件を起こした美人スパイが送られてきます。
    ところが、不審な死が起こり始め、事故とは思えなくなってきます。

    「そして誰もいなくなった」を思わせる筋書きに、え、これはほぼ独立したそうい

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    2020年09月27日
  • ホテル・リッツの婚約者

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    マギー・ホープのシリーズも7作目。
    マギーはアメリカ育ちのイギリス人で、優秀でいきいきした女性。
    戦時下にロンドンにいたため、チャーチル首相の秘書を務めたことからスパイの道へ。

    今回の任務は、ナチス・ドイツ占領下のパリへの潜入。
    1942年、送り込まれていたスパイたちが消息を絶つという危険な状況での仕事です。
    アイルランド女性を装い、結婚準備の買い物に来たという触れ込みでリッツ・ホテルに滞在。

    アイルランドは中立国だったために、アイルランド人としてならまだパリを訪問することが出来たんですね。
    頭がよく今では腕も立つようになっているマギー。だが、ドイツに行ったこともあるのでドイツ人に顔を見分

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    2019年11月15日
  • バッキンガム宮殿のVIP

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    マギー・ホープのシリーズ第6作。
    ロンドンに戻ったマギーが、連続殺人事件の捜査で活躍します。

    アメリカ育ちの英国人、マギー・ホープ。
    戦時下のロンドンでスパイの訓練を受け、数々の試練をこなしてきました。
    特別作戦執行部(SOE)で働いていたところ、採用した女性が不審な死を遂げ、マギーはMI-5の依頼で捜査に加わることに。

    スコットランドヤードの警部ダージンは、これまでマギーが付き合ってきたエリートの若者とは違う人種。
    若いマギーを見ても最初は世間知らずの女の子ぐらいにしか思わず、他のお偉いさんはさらにサイテー(笑)
    男性が戦地に駆り出されたために女性の社会進出が進む一方で、まだ格差はあから

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    2018年09月08日
  • チャーチル閣下の秘書

    戦時下階級社会での就職

    近現代史の有名人チャーチル閣下の秘書だけど、かのジェームズボンドが奉職したMI6諜報機関に限りなく近かった様な...
    翻訳もやっつけじゃない確かさ。
    読む側に戦時下の英国階級社会の当時の状況、Uボートに海上封鎖され代用コーヒーや砂糖配給生活した事を予備知識として持っていると、背景画として活きてきますよ。あと2017年11月11日現在、この巻が密林で電子版499円でゲットできました。最近は電子版値入れ高杉だよね。このくらいなら納得なのだが。

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    2017年11月11日
  • ファーストレディの秘密のゲスト

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    マギーのシリーズも、5作目。
    元気な若い娘が主人公のコージーみたいな表紙ですが~
    主人公はまあそうだけど、けっこう苦い味もある本格的なストーリーです。

    マギー・ホープは、わけあってアメリカ育ちのイギリス人。
    チャーチル首相の秘書になったことから、諜報員の訓練まで受けて経験を積んできました。
    今回は、首相のアメリカ訪問に同行します。
    苦境に立つイギリスは、アメリカの参戦を熱望していました。

    アメリカ大統領は、フランクリン・ルーズヴェルト。
    夫人のエレノアも知的で有名な女性ですが、思わぬスキャンダルに巻き込まれそうになります。
    大統領夫妻の秘密に近づきつつ、絡み合う事件をひそかに解きほぐそうと

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    2017年06月16日
  • ファーストレディの秘密のゲスト

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    マギーシリーズのもの。
    シリーズものと知っているくせに、順番通りに読めていない…けれども楽しめます!

    今回は、第二次世界大戦にアメリカが参戦する直前の時期のお話。実在した人物が何人も出てきて、時に混乱することもあったけれど、とても興味深く読んだ。民主主義を標榜し、参戦する一方、国内では人種差別が根強く残り、ひとりの少年の命が理不尽に消されようとしている。当時のアメリカの世相を垣間見たような気分になった。

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    2016年12月25日