圷香織のレビュー一覧
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マギーがいよいよ育った国アメリカへ!
同じ英語圏でありながら、英国と米国では色々と違う点がある。それが際立つ本巻では、第二次大戦へのアメリカ参戦とそれにまつわる裏舞台が描かれている。
ここに登場する幾人かの人物、たとえば正当防衛だったにもかかわらず人種差別的な状況で死刑に追いやられるウェンデル・コットンなど、歴史上の人物をモデルに、それと近いシチュエーションや背景を持つキャラクターも登場することで、この時期のアメリカの世相が描かれているのは興味深い。
ところで、日本人として興味深かったのは、「徴兵」ということが、実は義務だけではなく権利であった事をうかがわせる記述。
つまり、黒人であるコット -
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Posted by ブクログ
マギー・ホープのシリーズ。
「チャーチル閣下の秘書」「エリザベス王女の家庭教師」に続く3作目。
アメリカ育ちのイギリス人で、第二次世界大戦中にスパイの訓練を受けることになったヒロイン。
前の作品にも、そういえば一部は綿密な描写がありましたが、全体の乗りは溌剌として若々しく、軽やかさがありました。
今回は、重い!
念願かなって、M1-5の一人前のスパイになれたのはいいけれど。
女性初の潜入でベルリンへ、しかも、ユダヤ人迫害に絡む現場に飛び込んでしまうとは。
いえ、当初の任務はさすがにもっとシンプルだったのですが‥
新米スパイが力を尽くして、ナチスドイツを向こうに回して密かに戦い、どこまで追っ -
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Posted by ブクログ
マギーをヒロインにしたシリーズ1作目。
広い意味ではミステリで、ヒロイン物ですが~コージーというより、戦時下のスパイ冒険ものです。
1940年のロンドン。
イギリス人だがアメリカ育ちのマギー・ホープは赤毛で小柄。
大学卒業後さらにマサチューセッツ工科大学に進むはずだったのを延期して、1年前、祖母の遺産の屋敷を売るためにロンドンにやってきた。
古い屋敷が売れないうちに戦争が始まり、屋敷を修理することにして部屋を人に貸したために、国際色豊かなハウスメイトが何人も出来ます。
危機に際しても、若者達の行動は、恋愛含めてにぎやかです。
チャーチルが首相になり、マギーには秘書の仕事が舞い込んだ。
かっ -
Posted by ブクログ
マギー・ホープのシリーズ2作目。
第二次大戦中のイギリスが舞台の軽いスパイ物です。
この時代設定の話、多いですね~。
制約ありつつもドラマチックにしやすいのかも。
マギーはチャーチル首相の秘書だった。
素質を認められてMI-5の専門的な訓練を受けていたが、運動能力が厳しい基準に達しないと宣告されてしまい、がっかり。
エリザベス王女の家庭教師に任命される。
ウィンザー城に疎開している王女を、ナチス・ドイツが誘拐しようと狙っているため、その警護が真の目的だった。
ドイツはイギリス上陸後、親独派の退位した王を復位させる計画だったのだ。
まずは古ぼけた宮殿での堅苦しい生活におっかなびっくり入り込む -
Posted by ブクログ
やっぱり読んでしまった。マギー・ホープシリーズの2作目は、体力面でスパイになるのに落第したマギーが、王女様の家庭教師になるというストーリー。
やっぱりね! めっちゃムカツク女なんですよ、このマギーってのは! どんだけ自分を有能だと思ってんだか! 単独プレイでは結果を出すかもしれないけど、チームプレイにはとことん不向きだと思います。
スパイとしちゃ、体力以外の面でも適性ないんじゃない?? と私などは思います。
それはさておき。ふたりの王女様のかわいらしさ、特にエリザベス王女の活躍っぷりには、純粋にブラボー!です。さすが、未来に若くしてイギリス女王となり、長年国を支えてきたお方(になる)だけ -
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Posted by ブクログ
シリーズ第五弾。
チャーチル英国首相に随行して4年ぶりにアメリカに帰ってきたマギー。
首相とルーズベルト米国大統領の会談が行われる一方、大統領夫人の秘書の変死体が見つかります。
現場に残されていた証拠から、大統領夫人を陥れようとする陰謀を感じとったマギーですが・・・。
大統領夫人と行動を共にするうちに、黒人女性の活動家・アンディと出会い、マギーは人種差別問題と直面することになります。
ドイツのナチズムは批判するのに、自国の人種差別問題を棚上げする米国や、帝国主義による植民地支配をしている英国も同様ではないかという、この時代ならではの問題定義があり、相変わらずタイトルや表紙に合わずシリアスな -
Posted by ブクログ
シリーズ第四弾。
ドイツでのスパイ活動で身も心も消耗してしまったマギー。
癒しがたい傷を抱えながら、特別作戦執行部(SOE)の訓練キャンプの教官として、訓練生に厳しく当たる日々を過ごしていました。
そんな折、マギーの親友でバレリーナのサラから公演に招かれ、その舞台を訪れたところ、主役のバレリーナが殺されてしまって・・。
今回は、“マギー再生の巻”ともいえる内容で、生ける屍のようになっていたマギーが、殺人の嫌疑をかけられたサラの無実を証明する為に、持ち前の負けん気と行動力を発揮。
それが彼女の再生と成長につながったようで、良かったです。そうそう、猫の“K”もマギーの癒しに大いに役立っていまし