野田サトルのレビュー一覧
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最初に著者より、「ゴールデンカムイ」で読み解くアイヌ文化ではなく、アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」とされているが、まさにそのとおり。
「ゴールデンカムイ」の内容に沿いながらアイヌ文化の解説がされており、『漫画のあの表現はフィクション』という説明もちゃんとあり、しっかり訂正もされている箇所もある。「ゴールデンカムイ」が史実とフィクションで上手く織られている作品であることうかがえる。
「ゴールデンカムイ」を読み終わってから読むよりも、ある程度読み進めてから、漫画と並行に読んで、『あっ、これはそういうことなのか❗️』と発見するのも面白いかもしれない。
ぐっとアイヌ文化が身近に感じられ、今まで触れてこなかったのが、惜しいようなこれから楽しみのような感覚。
北海道にいって、北海道という土地とアイヌ文化に触れに行きたくなった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ杉元一味と土方歳三一味が出会う、とりあえず共闘することに→ニセモノ刺青人皮を判別する手段を隠滅するために、第七師団が江渡貝の家を急襲、火を放つ→何とか脱出し、二手に分かれて贋物の人皮を判別できるかもしれない熊岸長庵に探しに樺戸監獄を目指す→熊岸長庵がきっかけで脱獄王と呼ばれるに至った経緯を白石が話す→杉元アシリパ牛山尾形チームは途中見つけたコタンに寄る→そこは樺戸監獄を集団脱獄した囚人たちがアイヌを装うコタンだった→偽札を作らされる熊岸発見→アシリパを連れ去られた杉元キレて大暴れ、皆殺し→ニセアイヌの中に刺青囚人を発見→杉元を偽って土方と内通していたことが発覚するのを恐れて白石逃亡しようとする
白石は脱獄にかけてはホントすごい
この漫画はシリアスと笑いのバランスが良い
料理コーナーがそそる
牛山、ヒグマを背負い投げ
【食べたもの】
なんこ鍋(馬のモツ煮)
ヤマシギ
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Posted by ブクログ
ネタバレのっぺらぼうがアムール川周辺から来たロシア少数民族パルチザンである可能性が示唆される→のっぺらぼうがアイヌ金塊を樺太経由で持ち出そうとして失敗したことが今回の発端→他にもアイヌに成りすましたパルチザンがいる可能性→皮職人がいる夕張へ→人皮で剥製や衣装を作る変態 江渡貝弥作→鶴見が江渡貝にニセモノの刺青人皮の制作を依頼→谷垣の過去が語られる→谷垣、アシリパに会うため出発→江渡貝炭鉱へ逃げる→一行追う、ガス事故で江渡貝死亡、一行危機一髪→牛山が助ける→ニセモノ人皮が鶴見に渡る
という目まぐるしく展開する第八巻。
・剪…鞣しの工程で、皮に残っている肉片や脂を削ぎ落とす作業。これが甘いと皮が腐る
・ミョウバン鞣し、クロム鞣し、タンニン鞣し
・鞣し…「皮」を「革」にする作業。動物の皮から腐敗の原因となるタンパク質や脂を取り除き、薬品を使って柔軟性や耐久性を持たせることによって革として加工できる
・炭坑の歴史は炭層ガスとの戦いとの歴史。石炭が生成される時にメタンガスが発生する -
Posted by ブクログ
ネタバレ大団円を迎える31巻である。
前巻同様のやたら分厚く、率直に言うともう一巻作れたんじゃないかな、と思わなくもない。(笑)
中だるみを防ぐべく、一巻に(または二巻に)まとめたのだろうが、尾形百之助周りだけで一巻描けた感は、なくもない。
それにしても、最終巻まで壮絶だった。
それに比べれば、結末は添え物のエピローグであり、やや呆気なく感じた方もいたかもしれない。
示現流を貫いた鯉登少尉。
貫かれた土方の死に花咲かす奮戦と、せん妄の末に行われた新たな英雄への継承。
死を前にしてすら、満足せず、悔しさを口にする老兵の姿はあまりにも、あまりだ。
死の間際までカッコ良かった牛山。
杉本佐一と地獄行すら辞さないアリシパの覚悟。
最後の最後まで罪悪感から逃げ続け、弟の亡霊を抱えながら地獄に落ちた尾形。
最後は相棒を手放さなかった杉本。
そして、本当に過去をすべて捨て去ってしまった鶴見。
ラストを飾るべく、キムンカムイまで登場する豪華なエンディングである。
最後まで駆け抜けた物語の中で、普通に居座る白石はちょっと笑える。
本編終了後のエピローグの中で、綺麗に終わったエンドマークの裏で描かれた小さなエピソード。
歴史絵巻に少しだけ色を添えるこの物語は、あまりに綺麗に終わっていただけに意見が分かれるかもしれない。
ただ、彼の生き様を描く中で、この小さな一話はあまりに大きく、あまりに美しい蛇足だと思う。
それは何だったのだろう。どんな思いがあったのだろう。
変節か。
陰謀か。
はたまた愛国か。
妙と知れない彼の思いが垣間見えそうで、ますますミステリーへと変化していくような、そんな不思議なエピソードである。
そんな加筆も含めて、堂々たる完結だった。
文句なしの完結、星十個で評価したい大団円である。 -
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ネタバレ最終決戦は五稜郭の地を抜け出し、第二陣を運ぶ汽車へと移行していく。
30巻では凄絶な戦争が描かれ、その悲哀と狂気、静と動がいかんなくコマを震わせている。
しかし、それにしても、多くの人々が死んでいった。
無名のキャラは言わずもがな、ここまで戦い続けた多くが、敵味方問わず命を落としている。
艦と共にあることを選んだ鯉登司令官。
音を失い、静かな世界に眠った都丹。
兄弟仲良く地獄に落ちた浩平・洋平。
死兵となって殿を務めながら、最後に過去を捨てきれなかったソフィア。
ここだけ静けさが支配し、読み合いの一歩先を行かれてしまったロシア人狙撃兵。
ワンシーンを切り出しただけでも「薩摩の示現流 vs. 天然理心流」(※正確には永倉が理心流かは微妙だが)やら「日本とロシアの狙撃兵対決」やら見どころが多すぎる!
終盤に、杉本と土方が肩を並べて戦う新旧の英雄の歩みだけでも一巻分買うだけの値打ちがある。
最終局面へと向かう物語だが、中だるみだなんて一切ありえない。
そんなボルテージを高めていく一巻だった。
過去を踏みつける鶴見中尉の無惨な振る舞いだけでも、星一個二個分はある。
それだけ重感のある1ページ1ページ、一コマ一コマである。
今巻も最高に面白かった。星八つで評価したい一巻である。 -
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ネタバレ大の大人が揃いも揃って、あまりの結末に泡を吹いて倒れる29巻である。
函館は五稜郭、廃墟となった函館山のロシア領事館から運び込まれたはずの金塊が、実は……という美しくも腰砕けの一捻りは実にお見事な緩急だろう。
そして後半、強運な男がもたらしたヒントが、黄金の雨を導いた。
29巻を費やして追い続けた物語最大の謎が解ける、そんな29巻である。
先に述べておくと、私は2022年のGWの無料公開時に読んだ後追い読者である。
ご祝儀も兼ねて、終結間近の3巻を購読させていただいたが、一読ゆえの浅さはご容赦願いたい。
それにしても、本当にスケール感が大きい。
一大シリーズのクライマックスに相応しい密度の物語、そして高密度の絵の数々。
例えば、鶴見中尉が夢見るおぞましい蝦夷地改造計画が描かれた見開きは、あまりに美しい芥子の花畑が描かれている。
幾度となく描かれる函館や五稜郭の絵といい、本当に絵力が強い。
そしてこの物語の主人公の一人である土方歳三。
彼が後世に託して残した準備が巻末に置かれているのも心憎い。
過去編で伏線を引き、いざ決戦へと臨む物語の臨場感は異様なほどに熱い。
本当に高品質極まりない作品である。出会いが遅れたのがつくづく惜しまれる。
今巻は単体で余裕の星五つ、精確に述べれば星七つ相当のドラマだろう。
すでにして猛烈に死者を生んでいる最終決戦、五稜郭での決戦は日本軍第七師団を前に、新撰組残党、極東ロシアのパルチザン、そして主人公ら連合軍が籠城戦に入った。
援軍なき籠城は愚策だが、老将・土方に策は残されているのか。
次巻に乞うご期待、といったところだろう。