仁木悦子のレビュー一覧
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複雑に絡み合った事情と惨劇の真相が、少しずつほどけて行く。ストーリー展開が無理なく、滑らかで心地よいです。幼い頃から大好きな本。10回は読んでいます。それでも楽しめる本。Posted by ブクログ
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あー、面白かった。
ものすごく久しぶりの再読。何度読んでも面白い。
昭和30年代の作品なのに、全然古臭くない。
猫のチミちゃんがああいう使われ方をしたのは猫好きとしては残念ではあるけど。
犯人の動機は身勝手すぎるけど、平坂氏の性格もそうとうなものだよね。
敬二のキャラクターがけっこうお気に入りなので...続きを読むPosted by ブクログ -
仁木悦子最後の短編集です。
犯罪を扱う小説なので、悲しい結果もあるのですが、
それでも読後感がよいのは、希望を感じることが出来るからでしょうね。
主人公たちの暑苦しくない前向きさが、「軽さ」とは違う爽やかさを与えてくれます。
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良質な短編集。良いミステリは時代を超えるのだとしみじみ思う。
裏表紙に"爽やかな読後感"とあるのに、冒頭に収録の『金ぴかの鹿』の後味が悪すぎで笑う。
『ねむい季節』は空飛ぶ車、牛乳でてくる蛇口、高性能ヒューマノイド等々未来感満載なのに、文書はワープロで作ってたり、監視カメラの録画映像はマイクロフィル...続きを読むPosted by ブクログ -
「赤と白の賭け」「石段の家」「幼い実」「ひなの首」「悪漢追跡せよ」「黄色の疑惑」「霧のむこうに」
大人の愛憎が詰まった表題作から、こどもが主役の作品まで、バラエティに富んだ短編集です。Posted by ブクログ -
この作家の描く推理小説は、登場人物に愛着が持てる気がします。だから読みやすくも感じる。本書の内容は、老婆とメイドが遭遇する泥棒探しと、過去にメイドの母親が殺された事件の犯人探しの推理小説仕立てになっています。
仁木悦子氏の作品を読んだことの無い人は、この本から入ってみてはどうでしょうか??Posted by ブクログ -
2008/7/23
仁木さんは本当にまっとうな人だ。
そうあるべき所に全部おさめる。
下手したら何の意外性もない単調な結末。
でもそう感じない。
あーよかった。って本を置けるの。Posted by ブクログ -
田園調布の社長邸で坊やが誘拐された。ブラック・リボンと名乗る犯人の要求は三百万円。偶然、邸を訪れていた仁木悦子は一族の不仲ばかりを目にする。仁木兄妹探偵シリーズの掉尾を飾る本格推理佳品。
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昭和の匂いが色濃い、一人称の上手い小説。
ミステリーと思って読むとSF、昭和の時代の未来感なので古い新しさという不思議な印象を受ける。
好きなのはねむい季節、それと穴。
この作者は観察が細かいようで読むのが嫌にならない。穴が特に言えるけれどある部分は細かく、ある部分はほとんど見えていない。子供らしく...続きを読むPosted by ブクログ -
昭和32年に刊行された作品、ということを知った上で読まないと、なかなかに疑問の沸く部分はあるけれど、探偵役の兄妹の活躍が心地よくて、シリーズで読みたいなぁと思わせる作品でした。
新装版はとても可愛らしい装丁で、女流作家なのもあって文体も柔らかく、それでも江戸川乱歩賞だしなぁという心持ちで読めば、やは...続きを読むPosted by ブクログ -
仁木悦子と仁木雄太郎の兄弟が下宿をする箱崎医院で殺人事件が起こる。
メインとなる殺人は、平坂殺し。箱崎医院の箱崎兼彦という医師が、平坂の癌を盲腸と誤診。結果として、平坂の癌は発見が遅れてしまう。箱崎は、平坂の性格から、自身がこの誤診により破滅すると考え、看護婦の家永と協力して、平坂の身元が分から...続きを読むPosted by ブクログ -
バラエティに富んだ短編集で、筆者の作風の幅が味わえる。タフなおばさんが活躍するサスペンスや、ピアニストの青年が窮地に陥った美女を救うロマンティックサスペンス、得意の子供を主人公に据えた「光った目」も悪くないが、ベストを問われたら、やっぱり私立探偵・三影潤ものの「青い風景画」だろうか。Posted by ブクログ
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「有栖川ファンならきっと好きですよ」とお勧めしていただいて初めて手に取った仁木悦子。
なるほど文章に品があって読みやすくて、読後感も良くて、お勧めいただいた訳がわかった。文の流れる美しさに連城三紀彦っぽさも感じたけど、的外れな感想かな。あの、美文にうっとりしてる間に謎が解かれて「いつの間に!?」っ...続きを読むPosted by ブクログ