瀬川貴次のレビュー一覧
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シリーズ4作目。
3つの小中編連作集。
サブタイトル「踊る大菩薩寺院」で分かる通り、
最初は「鬼」で始まり、話は御仏の霊験へ。
本物の怪異になかなか会えない中将さまは、
これも人畜無害な怪異のひとつだと、
かなりざっくりとした考えで、首を突っ込んでいくのですが・・・。
暴走する白象(もちろん偽物)に乗っかって、
子どものように嬉々とした様子が容易に想像されました。
ほんと、愛すべき中将さまです。
今回も宗孝のお姉さんたちがいろいろとやらかしています。
流石12人もいるといろんなタイプが揃ってますね。
今回は十二の姉(唯一の未婚で宗孝と同い年)が初登場。
本人は進路に悩んでいるのですが、 -
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シリーズ3作目。
短編4つの連作集(?)。
麗しの中将さまは、相変わらず怪異好き。
世間並みに怪異は避けたい宗孝のビビリな様子と、
中将さまの無邪気で前のめりな様子が対照的で面白いです。
中将さまは右大臣の父君と何やら確執がある様子。
元々どこまでの深慮があって、
宗孝を怪異探しに誘ったり初草の君とも会わせたりするのか、
いま一つつかみどころのないお人柄ではありましたが、
今回は宗孝に見せる優しく穏やか性質とは違った面が垣間見えました。
幼いながら洞察の鋭い初草の君も実の父親に萎縮してるし。
右大臣が人当たりの良さとは裏腹に真っ黒な感じです。
全編通して天狗で大騒ぎですが、
結局最後は -
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シリーズ2作目。
今回も、宗孝くんは散々です。
怖いのは嫌いなのに宣能さんに連れ回され、
挙げ句に捨て子を拾う羽目になり、
両親やお姉さん達に隠し子と疑われつつも面倒を見ることに。
地位が低い立場上、中将の宣能さんに強くも言えずトホホな感じです。
でも恨まないしひねくれないし、ほんと良い人!
そういう意味では育ちの良さが前面にでてます。
流石、お姉さん達にいじり倒されて育っただけあって前向きだよね。
予想通り最後は宣能さんがきれいにまとめますが、
それまでは頑張っていろいろ推理して行動してます。
そのお姉さん達ですが。
今回もその内の何人かが登場します。
12人もいるだけあって性格やら職 -
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Posted by ブクログ
4編からなる連作集でした。
主役は宣能(のぶよし)さんですが、
どちらかというと宗孝(むねたか)視点で書かれています。
この宣能さん、左近衛中将という花形の職にあって、
家柄も容姿も抜群なのに、ただ1つ難点あり。
それが「ばけもの好む中将」と噂される程の怪異好きなことでした。
この時代、物忌みやらなんやらと皆避けて通る怪異なのに、
自ら突進していく訳です。
本当にこんな人がいたら絶対周囲から浮いていたでしょう。
片や、12人の姉の下に嫡男として生まれた宗孝は、
いろんな姉にいじられ、もとい、可愛がられて育った為、
お人よしで流され易い。
そんな2人がひょんなことから御所で出会います。
宣能