【感想・ネタバレ】ばけもの好む中将 弐 姑獲鳥と牛鬼のレビュー

あらすじ

怪異を愛する変人貴公子・宣能に気に入られてしまった青年貴族の宗孝。「泣く石」の噂を確かめに二人で向かった都の外れで出会ったのは、妖怪ではなく何やら訳ありらしい赤子。成り行きで預かることになった宗孝だが、その子は中将の隠し子かもしれず……。しかも姉たちの追及に対して苦し紛れに自分の子だと答えてしまったため、事態はさらにややこしい方向に!? 謎あり、恋あり、陰謀あり、アクションありの平安怪異冒険譚、第2弾!

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Posted by ブクログ

今回も綺麗に伏線が回収されてめでたしめでたしな話だった。
いや完全にめでたしめでたしになるのはもう少し先の話なのかもしれないけれど。


ばけもの好む中将、今回はプロローグ(のような)短編がふたつと中編がひとつという少し変わった作り。
正直プロローグの方を読んでいる時は「この話は必要なのだろうか」とか「タイトルになってるのに姑獲鳥も牛鬼も出てこないんだが」なんて思っていたんだけど必要でしたね!あのプロローグがあってこその本編(というか中編)でしたね!
いや全部読んだ後も姑獲鳥と牛鬼の扱いそんなでもなかったやんという気持ちは密かにあるのですが、どちらかと言うと泣く石の方が話題になったやんと思わなくもないのですが(宗孝の落ち着きのない石呼ばわりは笑った)、でもまぁ伏線は綺麗に回収されたし「なるほどこの展開の為にあのエピソードがあったのね」と納得も出来たしこれでいいんです、うんこれでいいんだ。
最後の方に今の大河に繋がるエピソードが入っていたりしてタイムリー感を感じたりもしました。


それにしても平安ものを読むと高確率で出会う源氏物語と伊勢物語……そろそろ履修すべきか悩むところです。

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2024年10月12日

Posted by ブクログ

前作、ある怪異話を聴きつけた「ばけもの好む中将」こと、
左近衛中将宣能に翻弄され、各地の怪異話に付き合わされる
ことになった、右兵衛佐宗孝の物語の第2弾

今作は、短編2編と中編1編の構成で、
読み進めていて、前作のような不思議めぐりの連作短編
って体とは異なる毛色になっている。
前作がかなり楽しめたなんて人にとっては、
出鼻をくじかれると言いますか、ちょっとばかし物足りなさを
感じ得ないですが・・・(自分も少しそんな感じ;;)
そこは最後まで読んだ人だけがわかるってな感じで、
それが、その物足りなさを補うと言いますか、払しょくしてくれると言いますか、
すっきりした感じにさせてくれます。

時代物であり、平安時代ですから、
人名や地名などは、さすがに現代と読み方が違ってくる面も
ありますので、そこら辺への対応は必要というか面倒
とは思いますが、特に会話が難しいとかはなく、
エンタメ性が強いので、楽しく読めます(好みによるかな)。

余談ですが、第3弾以降は、宗孝の姉上たちは、
どう絡んでくるかが気になる次第です。

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2022年06月23日

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シリーズ第2弾。
宣能・宗孝コンビで怪異(に見える出来事)の謎解きの連作形式。前作とは違い短編2本と中編1ほんの長さで、読み応えがありました。
今回は宣能の出番が少ない分、初草がたくさん登場していました。徐々に明らかになる宗孝の姉上達や、宣能の父親との関係など次作も楽しみです。

『姑獲鳥と牛鬼』は切ないですが、どうにもならない時代だったと思うしかなさそうです。それでも良い終わり方でよかったです。平安時代は馴染みが薄く、地位がよく理解できていないのが自分自身の今後の課題かなぁと思っています。

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2021年03月21日

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冒頭の緊迫感漂う逢瀬は、3話目につながっているという、ちょっと捻りのある展開。蹴鞠のお話はのどかな雰囲気でよかったなぁ…。どんどん中将様の趣味に引きずり込まれていく右兵衛佐が、かわいそうながらも可笑しい。中将と父の右大臣の不穏な仲が気になる。

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2017年01月30日

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4人の中将さまたち。
なんて豪華な。姉上でなくても、バシバシしたくなるかも(笑)
捨子騒動の顛末、そうきたか、という感じ。
だって、そことそこがつながるとは!
派手な牛車レースありのどきどき、はらはら。
宣能、怒ってるね、間違いなく(笑)
その後の行動がすごく楽しみだ(笑)
いいやつなんだけど、へたれで軽率って、けっこうおいしいキャラかも。
さて、12人の姉上たち、今後も活躍してくれるかな。

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2016年11月05日

Posted by ブクログ

十の姉の暗躍により解決した表題の姑獲鳥事件。
結果として宗孝は十一の姉上の望む出世していくための伝手を得たわけだが、序盤に出てきた中将をこういう形で絡ませるのかと。
光源氏の再来たる宰相の中将の腰抜けっぷりには笑った。それでも口説かずには居られない美女らしい四の姉、気になるなぁ。

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2016年10月29日

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いいですねぇ、宗孝の姉上たち!(笑)いやいや、宗孝くんもひとりで魔所巡りとかよく頑張りました^^ 今回は宣能中将の出番がやや少なかったのでさみしい…けど、彼と父大臣との確執が垣間見えるようでますます今後の展開が楽しみです。そして、十の姉上…かっこいい!(><)b

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2015年11月19日

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いやー、面白い。基本的な構成は1巻と同じで、短編を解決していったのが最後に繋がるのだろう、とは読めるが、その解が簡単には見えない。また、中盤では頼りの中将・宣能が不在の中、宗孝と初草の君が謎解きを必死で進めるのだが、どこかミスリードされてる感がソワソワして、楽しませてくれる。
最後はすっきりまとめあげるだけでなく、次巻へのフリが憎らしい。

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2014年10月19日

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なんか笑えてしまう。
素直な宗孝がよいですね。怪異を一人で巡るさまは最初はよかったのに、だんだん…おかしくなってきてしまった。それでも赤子のために色々手を尽くしているところは好感だ。
そしていいコンビだなと改めて思ったよ。

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2014年04月24日

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シリーズ2作目。

今回も、宗孝くんは散々です。
怖いのは嫌いなのに宣能さんに連れ回され、
挙げ句に捨て子を拾う羽目になり、
両親やお姉さん達に隠し子と疑われつつも面倒を見ることに。
地位が低い立場上、中将の宣能さんに強くも言えずトホホな感じです。
でも恨まないしひねくれないし、ほんと良い人!
そういう意味では育ちの良さが前面にでてます。
流石、お姉さん達にいじり倒されて育っただけあって前向きだよね。
予想通り最後は宣能さんがきれいにまとめますが、
それまでは頑張っていろいろ推理して行動してます。


そのお姉さん達ですが。
今回もその内の何人かが登場します。
12人もいるだけあって性格やら職業やらバラエティに富んでます。
容姿や家柄が平凡ながら唯一の男子である宗孝くんは、
普段、もっと気を利かせて出世しなくちゃと思い悩みますが。
更衣とか女房とか○○とか、モテ体質とか学者の嫁だの子沢山だの。
スキル満載のお姉さん達にかかれば何とでもなりそうな気がします。
いや本当に・・・。
いろいろとすごいです。

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2017年10月14日

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ネタバレ

牛鬼は人の身体に牛頭のあのヒト(ヒトじゃないけど)が出るのかと思ったら、蜘蛛の身体の方なんだ…!
ちょっと期待したのに…!(笑。
姉上達が今回もパワフルな立ち回り。いいわぁ。
自分が主人公の立場になりたいとは思わないけどっ。
あ、でも怪異巡りはドントコイだな。
続編、また楽しみにしてますよ~。

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2014年03月25日

Posted by ブクログ

面白かったです
今は核家族化が当たり前ですが、この本を読むと沢山の兄弟姉妹がいたらなあと憧れてしまいます
これからのストーリー展開に期待します!

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2025年07月30日

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ばけものが出てきそうで結局は出てこないんだよね。今回は伊勢物語の在原業平と伊勢斎宮恬子内親王のくだりを下敷きにしたお話。上手い具合に軽快な物語を展開したなあ。糞真面目な主人公の宗孝もそれなりに活躍するし、それに上の姉たちが大活躍。個性豊かな姉妹ばかりで面白い。最後の方の牛車レースなかなかいいかも。

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2022年11月15日

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宗孝の十二の姉たちが戦隊モノのレンジャーに思えてくる。弟のピンチに何かしらで駆けつけ解決してくれる。

婚姻とか戸籍とかしっかりしてる現代より、平安時代の方がみんな恋愛に奔放だったのかもしれない。
まだここまできて物の怪に怯える宗孝は純粋すぎやしない?笑
手蹟に動きや色が見える初草の君が天真爛漫でかわいい。お気に入りキャラ。

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2022年10月06日

Posted by ブクログ

平安怪異譚<ばけもの好む中将>シリーズ第二作。

頭脳明晰で容姿端麗な貴公子なのに何故か大の怪異好き中将・宣能と、十二人もの異母姉たちがいるせいか怖がりで奥手ででも健気な青年貴族の宗孝コンビが今回やって来たのは『泣く石』の噂の現場。しかしそこには『泣く石』ではなく、『泣く赤子』がいて…。

第二作にして怪異は少なめ。さらに宣能の出番も少なめ。
逆に宗孝と、宣能の妹で不思議な能力を持つ初草の君とのコンビがクローズアップ。さらには宗孝の姉たちも。

『泣く石』の現場で赤子を拾ってしまった宗孝は、その赤子の産着の間から出てきた和歌の書かれた紙を手がかりに両親探しを始めるのだが、初草の君がその手蹟は兄・宣能の書簡の中にあったものと同じだと気付いたところから、宗孝はとんでもない想像をしてしまう。
そしてこんな時に限って不在の宣能。探偵役がいない中、ワトソン宗孝は真実に辿り着くことは出来るのか。

冒頭の禁断の恋のワンシーンからして、この赤子が表沙汰に出来ない存在であることはわかるのだが、宗孝の想像(決めつけ?)は無いだろうと思いつつ、見当違いな宗孝の行動を追う。
しかしそこに新たな姉君たちの存在が絡んできて、見当違いだと思っていたことが見当違いではなかったのか?もしかして本当は宗孝は優秀な探偵だったのかと揺れ動く。
初草の君の不思議な能力も後押しし、まさか本当にそうなのかという気持ちになってくるのだが、さてその結末は。

結果的にはやっぱり美味しいところは宣能が持っていき、宗孝は宣能にやっぱり振り回されていたのだが、宗孝のそんな一人大騒ぎも結果的には決して無駄ではなかったことが分かってホッとする。

今回出てきた四の姉君。あまりにモテすぎて辛くて寂しい場所へ引きこもったものの、それでも通ってくる殿方がいる。う~ん、羨ましいような面倒くさいような。
そして十の姉君。こちらは八面六臂の活躍で毎回その登場振りには弟の宗孝もビックリ。今後も宣能と宗孝の前に意外な形で現れそうだ。
他にもどんな個性的な姉たちが出てくるのか楽しみ。

一方で宣能の方は妹の初草とは仲が良いが、父や叔母とは奇妙な距離感がある。何故なのか、そこも彼の怪異好きと関わるのか、そこは今後のお楽しみだろうか。

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2020年08月15日

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「また行こう。また探そう。今度こそ、真なる怪異を求めて」
 まるで天と地の間で楽しく跳梁跋扈する物の怪たちが見えているかのように、宜能は言う。その横顔は思わず見惚れるほど優しい。
(P.81)

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2020年06月13日

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第二弾。
伊勢の斎宮(候補)との恋と隠し子の話。
昔話をベースにしながらもアプローチは結構現代的。昔も今も人間がやることはそれほど変わらないよね、とも言えるような。

伊勢に行った三の姉上はともあれ、色っぽい四の姉上とかは又出てこないかな。子だくさんの六の姉も何気に大活躍だったのか。

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2019年06月20日

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シリーズ二冊目。少しずつお話もつながっているので、先が楽しみ。今回は中将さんが控えめだった気がするので、もっと怪異を探して楽しんでほしい。
2018/2/11

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2018年02月12日

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第二弾、
構成は今回は一話形式?
やはり姉たちが係わるが、不思議な十の姉が皇后の?
伊勢物語がベース?

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2016年02月01日

Posted by ブクログ

ばけもの好む中将シリーズ、2作目。短編2つ+中編1つの構成。

前作同様、十の姉に最後全てを持っていかれた感じ。度が過ぎるほどのお人よしで頼りない宗孝には正直あまり魅力を感じないのだけれど、12人もいる姉様方や、共感覚の持ち主の初草の君など、女性陣にそれぞれ素敵な魅力があって、宗孝を翻弄する様が面白い。「源氏物語」や「伊勢物語」など、その時代の逸話を多く引用されているのも興味深い。長く読み続けたいシリーズ。

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2016年01月12日

Posted by ブクログ

シリーズ第二弾。

今回も、楽しんで読ませて頂きました。
それにしても“十の姉上”は何者なのでしょう・・・今後どのような姿で出没するのか気になります。

因みに、“額に「肉」”とは遊んでますな(笑)

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2015年08月24日

Posted by ブクログ

平安時代の日常ミステリ?になるかどうか。
ばけもの好む中将の話だが、実際に妖怪は出て来ず、主人公の周りで起こる日常の出来事が怪奇としてとらえられている。
登場人物たちの謎がだんだん明らかになり、それぞれの関係も見えてきて、面白くはなってきた。

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2015年05月02日

Posted by ブクログ

(15-6) お人よしで気が弱い主人公がいいように翻弄されるこの話は、翻弄する変人の中将が魅力的なので楽しい。たくさんの姉たちが皆個性的なのも良いです。しかし真相が分かると怪異ではないことばかりなので、中将には時にはほんとの不思議に遭遇させてあげたいと思う。

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2015年01月13日

Posted by ブクログ

前巻と同じ短編かとおもえば、今回はほとんど
隠し子(笑)の話に終始した。父親探しを縦糸に、妖怪話を横糸に、主人公をとりまく人間関係でほぼ、話が解決する。宣能の変人ぶりは周りを欺く手段だとも思えてくる。最終的に朝廷を巻き込む大騒動になりそうな予感。続きに期待

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2014年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一作目が面白かったので、二作目も買ってみた。
時代考証がコバルトのり(ありていにいえばジャパネスク風味)だが、今は一般書もこののりなので問題ないと思う。
主人公の没個性ぶりを個性的に描けたらもっといいのにとは思うが、姉上たちの描写がその分力入っていて相殺かな。
主人公が恋愛関係にならない美女たちに囲まれてちやほやされるのは異性であっても気持ちいいので、後の姉上たちの出番が待たれます。

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2014年10月10日

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