阿部彩のレビュー一覧

  • 弱者の居場所がない社会 貧困・格差と社会的包摂

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    ネタバレ

    * 社会的包摂(ソーシャル・インクルージョン)
    * 従来の貧困の考え方を革新した「社会的排除(ソーシャル・エクスクルージョン)」に相対する概念
    * 社会につつみこむこと
    * 貧困が生活水準を保つための資源の欠如を表すのに対し、社会的排除とは、社会における人に位置や、人と人との関係、人と社会との関係に関するもの(=社会から追い出されること)

    * マタイ効果(アメリカの社会学者:ロバート・マートン)
    * 格差は自ら増長する傾向があり、最初の小さい格差は、次の格差を生み出し、次第に大きな格差に変容する性質

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    2012年11月06日
  • 弱者の居場所がない社会 貧困・格差と社会的包摂

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    今までの貧困対策では適応されなかった社会的弱者の包括的支援政策がメインの一冊です。
    災害の一番の被害者は貧困層であるという指摘にはっとさせられました。
    他者とのつながりや役割が、貧困対策の鍵であると著者は述べます。確かにそれらは必要だと思いますが、1970年代以降一貫して、人間関係の束縛を解放する方向に進んできたように思えます。近所付き合いやお中元・お歳暮、自治会、それらの煩わし人間関係を否定してきた時代だと言えます。そのような時代背景のなかで、今度は『絆が大事だ!』と叫ばれても、今一つピンときません。絆それ自体の重要性は理解しますが、果たして前時代のような人間関係に戻った方が良いのか、疑問が

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    2012年07月16日
  • 弱者の居場所がない社会 貧困・格差と社会的包摂

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    『子どもの貧困』(岩波新書、2008年)のあと、子ども以外の貧困に関する内容で予定されていたものを、東日本大震災後、「社会的包摂」を中心として書き直され上梓された本。
     震災の被害を受けた人々のなかでは、生活再建に大きな差が出てきている。自然災害の被害者のうちでも、もともと生活基盤の弱かった、社会的弱者が災害弱者となっている。このことから自然災害の多い日本では、社会的弱者を減らすことを目指していかないと、自然災害のたびに、孤立死や自殺者が現れるのではないか。
     会社の経営者が一転してホームレスとなる場合があるかと思えば、他方、失業してもサポートを受け、生活再建へ歩むことができる人もいる。自然災

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    2012年07月16日
  • 弱者の居場所がない社会 貧困・格差と社会的包摂

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    「貧困」というと、遠い世界で起きている問題というイメージを抱かれやすい。しかし、今の日本で確実に広がる貧困と、心の問題、社会的排除の問題はつながっている。貧困は個人の自己責任ではなく、社会構造システムにあるのだと、認識を深めることができる書。わかりやすくまとめられ、最後に提言もあるので、初心者にもわかりやすかったです。

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    2012年06月18日
  • 弱者の居場所がない社会 貧困・格差と社会的包摂

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    やっと、社会的包摂の本が日本人によって書かれるようになったのか~と思って、手にとった。

    善人ぶる訳じゃないけど、
    社会の問題から個々人に生じてる問題を、個々人の性格や気持ちの持ちようといった自己責任で片づけるのでなく、社会に目をむけて、解決していくような
    一人一人の生きにくさが少しでも緩和されるようなユニーバーサルデザインな社会を目指していきたい

    と、思った。

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    2012年05月21日
  • 弱者の居場所がない社会 貧困・格差と社会的包摂

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     ルックスと経歴からもっと冷たい人かと勝手に思ってました。研究者として本意ではないかもしれないけれども,こういう形でバックグラウンドを晒すのは悪くないと思います。これもまた,筆者の属人的説得力とう話かw 内在的動機に裏打ちされた研究は好きです。本人はしんどい面もあるだろうけど。
     言葉としては普通に知ってましたが,社会的排除という概念の意義を深く考えたことがなかったので改めて勉強になりました。社会的包摂って刑事の分野でしかとらえてなかったしね。むしろ貧困分野の方が先なのかも。「貧困問題の新しい入門書」いう帯に負けない中身だったと思います。
     

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    2012年03月05日
  • 下流中年 一億総貧困化の行方

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    最近よく目にする「下流」。いまや老人ではなく中年も入る。
    私はいわゆる就職氷河期世代なのだが、当時は友達もなんだかんだと就職していて(地方の公立大学、文系)、実感としてそんなに氷河期だった覚えはないのだが、当時就職した人たちはだいたい5年の間に職を変えている。派遣で就職してうから試験受けて公務員に移行した子もいた。みんな留学したりと方向性を変えて、25年経った今、みんなそれなりに生活はしているが、50歳ともなると子供がいたら学費、独り身なら仕事できなくなったらどうしようなどという不安が重くのしかかってくるのである。自分の子供たちが成功できるように地ならしをしてあげるような余力は私にあるんだろう

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    2025年08月02日
  • おやこで話す 子どもの貧困

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    小学校低学年を想定して書かれた貧困について学ぶ本。各章に簡単なワークがついている。発達段階的にこの年齢の子どもは自分の身近な範囲でなければ理解が難しいとおもうので厳しいところ。もしターゲット層で関心を持った子どもがいれば大人と一緒に読んでみると良いと思う。小学校1年生を主人公にした物語が主軸になるので、高学年以上では取り組みにくい。

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    2024年06月01日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    貧困関係の本を15冊、阿部彩さんの他の著作も読んだことがあったのですが、まだ知らないことがありました。
    投資論、良い親論、モデル論、ストレス論、学歴下降回避メカニズム、文化的再生産論、福祉依存文化論、大衆教育社会論、相対的剥奪、ディーセントジョブなどを自分の言葉で説明するとなると、少し戸惑うという方は読んでみてもいいかもしれません。
    人によっては物足りないのかも?

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    2022年06月28日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    データが多いので理解するのに時間がかかる。
    入門書としては重いかな。

    データではっきり見たい人にはおすすめ。

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    2022年04月12日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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     子供の貧困の原因と、日本の対応策の問題点とを、統計・調査に基づいて明らかにしている。事実の羅列的で少し退屈感もあるが、日本の子供の貧困がかなり深刻であることがよくわかる一冊。

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    2021年06月03日
  • 貧困を救えない国 日本

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    異なる立場にある貧困問題の専門家二人による対談。
    お互いに詳しく知らない内容について質問したり、意見が異なる時はハッキリ言ったりするところが良かった。私が知らなかったことを話してくれたり、異論があるところを突いてくれたりして理解が深まりました。
    現時点で二人が望む貧困対策については、キチンとしたまとめが欲しかった。

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    2019年08月31日
  • 貧困を救えない国 日本

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    貧困問題のリアルと本質について、異なる立場の二人が語り合う。社会調査とデータのエキスパートと、貧困家庭の現場を徹底して見聞きしてきたライターと。貧困への無理解に対抗するための本音対談。

    現場知らずと数字知らず、補完し合えば知恵もでてくると。

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    2019年06月12日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    終始データに基づく話。
    親の年収や学歴との相関など、わりと知ってる内容が多いが、データを用いているので、具体的。

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    2019年02月13日
  • 下流中年 一億総貧困化の行方

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    団塊ジュニア、就職氷河期世代が、若年者ではなく、すでに中年世代に突入。ますます捨て置かれる非正社員の彼らの実態とは。

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    2018年06月19日
  • 下流中年 一億総貧困化の行方

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    後半の団塊ジュニア世代12人の歴史が興味深い。一人目の女性の一度終身雇用から抜けると…のくだりは日本が一度正規ルートのようなものを外すと戻れないことを如実に示している。

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    2017年12月03日
  • 下流中年 一億総貧困化の行方

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    ロスジェネ世代、新卒時に思うような就職が出来なかった不本意非正規、正規に這い上がるのは困難。もう若者じゃないので支援対象でもなく、子どもも持てずに終わり、加齢とともに稼げなくなっている。自己責任じゃなく社会の問題。

    変わっている世の中に対して、遅れている意識と制度。先のしくみで利益を得た人たちがいなくなれば、変わるんだろうけど。

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    2017年07月16日
  • 下流中年 一億総貧困化の行方

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    普通に会社に入って。。ということが普通でない人々もいる、という現実を見た気がしました。
    私たち中年にとっては、働くっていうことは実はかなり重要とも認識しました。
    解決への道は見えず。

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    2017年06月23日
  • 下流中年 一億総貧困化の行方

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    近年悪化してきている、現役世代の貧困率。救われるべきは「下流中年」ではないか? 他人ごとではない中年のリアルな危機を明らかにする。雨宮処凛と萱野稔人の対談、ルポ・下流中年12人のリアルも収録。

    見につまされる・・・。
    それよりも甥っ子たちだ。

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    2016年08月30日
  • 下流中年 一億総貧困化の行方

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    高齢者の貧困率は統計的に改善を見る一方で、深刻化しているのが40代中年層と子ども。
    高齢者の改善は、終身雇用で年金を満額でもらえる層の増加。でも、バブル崩壊後リストラの煽りを受けた方々も多いでしょうし、一概にそう言えるのかはよく分からない。
    下流中年の背景には、就職氷河期に遭遇し、雇用の調整弁として使われてきた世代であるということ。派遣労働から抜け出せず、給与も年金も低いまま推移。
    決して個々人の能力の問題でなく、社会が作り出した作られた下流。この世代が高齢化する中で、社会の助けを必要としてくる。
    このツケにどう向き合っていくのか?重たい課題。

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    2016年08月14日