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学力、健康、親との交流。大人になっても続く、人生のスタートラインの「不利」。OECD諸国の中で第2位という日本の貧困の現実を前に、子どもの貧困の定義、測定方法、そして、さまざまな「不利」と貧困の関係を、豊富なデータをもとに検証する。貧困の世代間連鎖を断つために本当に必要な「子ども対策」とは何か。
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Posted by ブクログ
日本でも貧困で苦しんでいる人がいることを実感させられました。 母子世帯だけでなく父子世帯でも貧困があるという事実を重く受けとめ、母親が働けるようにするだけでは貧困は解決せず、子供に直接援助がいくようにしなければならないと主張していました。 母子世帯の母親に対してのアンケートで書かれていた切実な思...続きを読むいや不安には胸が痛くなりました。 この本が出版されたのは2008年なので、当時とはまた状況は変わってきていると思います。 この本の続きが2014年に出版されているので読みたいと思います。
貧困と格差は異なる。貧困撲滅を求めることは、完全平等主義を追求することではない。貧困はそのことを社会として許すべきではないと言う基準。価値判断である。機会の平等という比較の理念ではなく、子どもの権利の理念に基づく考え方である。 すべての親は「温かい家庭」を築こうとするのであろうが、親の年収によって...続きを読む子育ての環境は大きく異なっているのである。 晩産化が進んでいる。貧乏人の子沢山は少数派 子どもの貧困率は、親が中規模以上の企業に勤める常用雇用の場合のみ少ない 二人の就業世帯であっても、子どもの貧困率は10.6%。母親の就労が貧困率の削減にほとんど役に立っていないと言える。 0歳から2歳の乳幼児のこども、多子世帯、若い父親を持つこども、母子世帯の子どもの貧困率が高い 日本は家族関連(児童手当、児童扶養手当、現物給付等)の社会支出が、他の国と比べても相対的に低い傾向がある 児童手当もイギリス・フランスと比べても支出が少ない。社会保障も緩やかな逆進性を孕んでいるので、再分配後所得の貧困率が再分配前所得の貧困率を上回ってしまっている。 母子世帯の平均年齢は40歳 17人に1人が母子世帯に育っている 独立母子世帯と同居母子世帯がある 希望格差が生まれている。 子供の幸福度(ウェルビーイング) ヘッドスタートの調査によると、乳幼児期(0〜5歳)の貧困が、ほかの年齢の子ども期の貧困よりも、将来の子供の成長に一番影響を与える
読み終えた上での、再配分に対する自分の考え 「成人するまでの機会の平等を担保するために、貧困世帯のこどもには機会への平等なアクセス権(無償化、学習支援など)、親には必要な額の支援(あくまで機会の平等のため)が必要である」 努力不足によって所得に格差が生まれることに問題はない。ただ、それでも結果...続きを読むとして貧困になった個人には、最低限のセーフティーネット(生活保障)と、努力次第で再起できる機会(職業訓練 / 教育機関での学び直し)は与えるべき。また、その所得格差が次の世代の子どもにまで連鎖するのであれば、それは生まれた時点で差がつくため、機会の平等が保たれているとは言えない。 よって、連鎖が生まれない、また、生まれた家庭環境・地域・国籍にかかわらず、こどもの機会の平等が保たれるためには、貧困・低資本世帯のこどもと、親への支援が必要である。 親への支援に関しては、こども機会の平等に必要な金額以上の支援は、正当に努力して高所得を獲得した世帯との不平等が生じてしまうため、あくまで「➀こどもの機会の平等を保つため」、「➁競争に敗れたとはいえ、人として最低限の生活を送るため」の2つの目的達成のためにのみ行われるべき。 理屈はこうだが、高所得者の人が「理屈は理解できるけど、自分は頑張ってその結果としてお金を手にしたのに、頑張ってもない人に再分配したくない」というのはすごくよくわかる。ここをどう解決するか。(親ではなく、こどもに再分配する、再分配によって努力しようとしているか、継続監視する→マイクロファイナンス?) こどもの機会の平等のためには、「家庭内の治安の改善と介入システム」、「公的教育機関の教育の質」、「私的教育機関の無償化」、「労働人口増加」あたりが鍵になりそう。 いかに1人1人の国民と経営者が格差問題を、 ・「自己責任」の一言で片付けず、 ・こどもとその生活環境や文化資本の差に目を向け、 ・払っている税金など、”一部”ではなく、”全体”のお金の流れを意識でき、 ・貧困家庭のこどもの不平等に共感→同感でき、 ・共感している人たちが、このシステム実現のための実行力を持てるか、 が最大の焦点。 ーーーーーー 感想 低所得者への再配分は、「努力が足りないだけ」という自己責任論に行きがちだが、「そもそも貧困家庭に生まれた時点で、教育へのアクセスや家庭環境等で、ディスアドバンテージがある」・「金銭面だけでなく、家庭環境や学力による低い自己効力感」など、こどもの自己コントロールでは管理しきれない影響がたしかにあるために、自己責任論は適切ではなく、きちんと社会全体で支援をするべきである、という論がとてもしっくりきた。 機会の平等には、2つの条件がある。1つは「公平な競争」で、もう1つは、「だれでも頭がよく生まれる確率が等しくあり」、「生まれつきの遺伝子ではなく、後天的な学習と自由意志によって、だれでも頑張れば」それなりの業績をあげれるという前提。 しかし、貧困家庭のこどもは、頑張らなくて学力が低いのではなく、生まれた環境のために自己肯定感、自己効力感が低く、努力できていない。これは、前提に立っていない。そのため、支援を受ける権利がある。 こどもの貧困を解決するためには、親への金銭的な支援も必要になるが、それは機会の平等という観点で難しいなと感じた。貧困家庭に生まれたとか、障害があるとかだったら理解されそうだが、単に努力不足で収入が低い場合、支援の正当性やインセンティブ設計をどう担保するのか。
アメリカが酷いという認識はあったが、日本もここまで酷いとは、データは雄弁だ。貧困の概念も初めて本書で深まった。社会福祉士として恥ずかしい。 ・非行と貧困 ・15歳時の貧困と現在の低い生活水準の直接的な相関 ・日本では母親の収入が貧困率の削減にほとんど役に立っていない。 ・日本よりアメリカの方が家族...続きを読む政策に予算をつぎ込んでいる。 ・教育支出も日本は最低。 ・日本は唯一、再分配後の所得の貧困率の方が、再分配前よりも高い。 ・日本の母子世帯はワーキングプア ・女性の貧困経験と学歴 ・乳幼児期の貧困が、一番将来に影響がある。 ・日本の一般の意識は大幅に低い。子どもの必需品調査から。 ・所得にはある一定の閾値がある。400万くらい
子どもの貧困について基本的なデータを用いながらインタビューも入れてとてもよく調べている本である。日本の教育について論文を書くためには欠かせない本であろう。
日本の子どもでいられることの幸せと不幸な面を何となく感じてはいたけど、数値と様々なグラフで表される「子どもの貧困」のまぎれもない現実を見た。 原因としては経済状況の悪化もあるし、離婚後の母子家庭の生活境遇の困難もあり、一概に子どもの貧困の解決を提示できるものでもないと感じた。 ただそこに、政府と...続きを読むしてできることがたくさんあり、これまでは政府は少子化対策としての育児手当を支給してきたが、子どもの貧困を減らすための方向性が間違っており、少子化対策ではなく、あくまでも子どもの貧困をなくすための子ども対策が必要であることを、本書から学ぶことができた。 よって今後の政治の舵取りと政策のいかんによっては、子ども対策も良い方向へ向かっていく可能性もあり、我々国民もどうあるべきかを考えることが大切であると思った。
日本では、何が「子どもの貧困」をもたらし、何が問題なのか、どのような対策をとるべきか、について書かれた本。図表を多く挿入して、解説を加えています。 第1章では、15歳時点の暮らし向きがその後の生活水準に影響を与えていることを示しています。子ども期の貧困は、その時点での学力や生活の質などへの影響に留...続きを読むまらず、大人になってからの就労状況などに影響を及ぼして。更に、その「不利」が次の世代(子)にも受け継がれていくことを述べています。 第2章では、「相対的貧困」について説明し、世帯タイプ別の貧困率、年齢別の貧困率を提示しています。特に心配されるのが、乳幼児の貧困率の増加です。低年齢での貧困が、子どもの健康やその後の成長に、大きく影響するからです。 第3章では、国際比較を通して、日本の政策を検証しています。税制度や社会保障制度には「所得再分配」の働きがあり、通常、その前後で貧困率が軽減されるのですが、日本は、先進諸国のなかで唯一、制度があるために、子どもの貧困率が悪化しています。「負担」と「給付」が、高所得層に優しく、低所得層に厳しい制度になっていると考えられます。 第4章は、子どもの貧困率が特に高い母子家庭の現状について書かれています。母子家庭では、働いて収入があるにもかかわらず生活保護を必要とする低所得層が多いことなどが問題となっています。そして、低所得であることは、第1章で提起された問題へとつながるわけです。また、女性の「ワーク・ライフ・バランス」が保障されないことは、女性の貧困問題でもあります。 第5章では、貧困層の子どもが低学歴であるのは、高校や大学の授業料が払えないから、ということだけではないといっています。貧困層の子どもは、意欲を失い、努力しなくなっているという、子どもの意識の差が生じていることをデータで示しています。学校や家庭環境、家族の意識などが、子どもの学習意欲に影響を及ぼしていることは明らかです。高卒でさえ、ワーキング・プアになってしまう現状にあって、就学前から支援する施策が必要になっているといえます。 第6章では、「相対的剥奪」という概念が紹介し、この相対的剥奪概念と「合意基準アプローチ」によって、子どもにとっての「社会的必需項目」を選び出しています。その各項目の支持率を調査して、どのような世帯の子どもが、「社会的必需項目」の欠如を強いられているか(必要であると支持され、本人も希望しているのに、家庭の事情などで与えられない状態)を示しているのですが、きわめて水準の低い最低生活が浮かび上がってきます。 第7章では、イギリスのマニフェストを参考にした「日本版子どもの貧困ゼロ社会へのステップ」という提言が示されています。
貧困問題を抱える多くの層の中から子供に焦点を絞り、まとめられた一冊。 資料が豊富、論理的な流れで読みやすい。
母子家庭でしかもワーキングプアに陥っている世帯が多いことはショッキングです。 僕は子育ての経験がありますが(0~5歳)、お金がかかるのもありますが、それ以上に『一緒にいる時間』を大事にしていたので、それはそれは大変です(笑)ノイローゼになるのも頷けます。 お金で解決するのって、簡単なんですよね。...続きを読むだから僕はあまり好きじゃないんですが、それよりも、労力(時間)を提供することの方が尊くて、子育てもお金をかければ良いというわけではなくて、子どもの両親が一緒に過ごしたり遊んだり、スキンシップをとったり、子どもにとっても、そっちの方が喜びます。 ですから、母子家庭に必要なのは、所得の向上もさることながら、『子育てする時間』も確保しなければなりません。お金は代わりがききますが、子どもにとって、親というのは基本的に代替が不可能です。 政府支出にみる教育費の国際比較で、どの国よりも日本は支出が低いというのは知っていましたし、この現状を打開しなければと思いますが、ではどこから財源を持ってくるのかが問題で、広い視点から判断しなければならないと思います。また、『他国に比べて日本は~』云々を言い出したら、それはもう日本ではなくなるし、社会背景や歴史・文化的要因が各国によって置かれている状況・立場が違うので、何でもかんでも『教育費の公的支出を欧米並みに』とか言い出したら、『煙草税も欧米並みに』、『消費税も欧米並みに』『法人税も欧米並みに』となり、高齢社会には対応できなくなります。乱暴な議論だけは避けてほしいです。 本書は所謂『ゴネ得』で子どもの貧困に警鐘を鳴らしているのではなく、あくまで冷静に日本の悪しき現状を直視して論じているので好感が持てます。 子どもと言わず、大人も貧困なんですよね。自分が貧困だから未来に投資できない。そうなると、必然的にこれから生まれてくるであろう命にまで負担を強いることになります。負の遺産の継承は何としても避けなければなりません。 子どもが暮らしやすい、子ども主体の社会にすることは、ともすると「大人は子どものための奴隷になれ」と社会で強制しているのでは?と疑問を抱かざるを得ません。自分の人生は自分のもであるはずだし、子どものために大人が犠牲になるのは納得(国民的合意)が得られるでしょうか?僕は、これにプラスして、「もっと多様なライフスタイルを認めるべき」だと思います。フリーターはダメ、ニートはダメ、というようなレッテルを貼るのではなく、そういった人たちを受け入れる社会の寛容さ、そしてすべての人の生活水準が向上するように、社会の構造や認識が変わっていくことを強く望みます。 怠け者が野放しになるのは問題ですが、全体の割合でみるとそう高くはないと思うので、さしあたっては、生活保護の不正受給による厳しい目や上記のフリーターやニートへの偏見を改善していくことが先決です。 これを通じて僕が言いたいことは、「選択の自由を確保すべき」ということです。自己責任論の強い風潮には賛同できませんし、そもそも格差の継承や海藻の固定化が組織の循環を滞らせている現状が大いににあります。大学まで進学すれば多様な仕事を選べる、しかし、中卒では仕事の選択肢が限られている、というような、機会の平等をもっと確保し、そして失敗しても再チャレンジ可能な社会につくりかえていく。そんな社会が理想だと思います。 「子どもの貧困」を考える時、それは子どもだけに限定されず、僕を含むすべての日本人に関わる問題です。政府はこのことをもっと真摯に受け止めて議論を深めてほしいと思います。 感想が支離滅裂ですが、色々と考えさせられる、内容の詰まった良書中の良書なので、僕の評価はSにします。
思いもよらないほどに日本の貧困度の高い事を知っておどろく 自分の視野の狭さがこれほどに実態を見損ねている無関心さに愕然とする 目の前に見えることでアップアップとなり 身の回りの事以外は見たくも触れたくもないのだろうか 先進国の動向と逆行している事に付いてもこれほどに身勝手な 縄張り根性が染...続きを読むみ付いているとは思いもよらなかった 日本はいまだに後進国の意識を引きずったままで 明治以来の成り上がりのヤクザ稼業から成長できていないようだ 特に母子家庭のイジメラレ方は尋常でない 法律を初め職場や地域社会で目の敵のようにイジメの対象にして 恥ずかしげも無く搾取をむさぼっている 法律的にも行政的にも司法においてもいちじるしい憲法違反だし 各国との比較においてもはなはだしい格差であり ビジョンの方向性すらソッポを向いて逃げている この事をOECD2005年のデーターで見ると 誤魔化しで格差を広げてうそぶいていることが歴然としている これは当然ながら母子家庭においても同じ状態で 弱い者イジメの典型なのだろう 「逆機能」と言う言葉を生んだ福祉対策と絡めた税制で 弱気をクジキ強気に媚びる大勢は 島国で濃縮された依存主義によって友食いしてきた民族のなれの果てなのだろうか ユニセフが2007年「子供のウェルビーイング=幸福度」を公表している 物の過不足・健康と安全・教育・家庭と人間関係・行動とリスク・主観的満足度 の六項目による国別調査を行っている それによるとオランダを筆頭とする北欧諸国が上位を占める中 イギリスが21位と最下位でアメリカが20位である 財政に苦しんでいるギリシャが13位で東欧のポーランドとチェコそれに続く 日本はデーターを出さず不参加であるけれど OECDによる貧困率で見るとイギリスと日本は並んでいるので 同じく最下位の部類になるだろう これに対して日本政府はこの調査を信頼できないし 改善もしていると言う見解を国会で述べ 調査することすらこばんでいると言う 見せ掛けのバラ蒔きはするけれど トータルとしてはジワジワト貧困率を上げる政策に偏っている それに引き換えイギリスではこの最下位を受けて 貧困撲滅のための10カ条を掲げて対応している その第一に、すべての政党が貧困撲滅政策を目標にする事 第二に、すべての政策に貧困に対する観点を盛り込む事とある OECD二〇〇五年・日本における母子家庭の就労率はスイスに次いで四位である それに引き換え同じデーターによる貧困率はトルコに次いで二位である まさに働けど働けど楽にならずどころかひどくなる一方である そのくせ少子化によって搾取の相手が減ることには神経を尖らし 子供を増やせと動揺して気をもんでいる 少子化対策でなく貧困対策こそが健全な環境を創る事に気付いていないらしい あるいは気付かない振りをしているようだ
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