阿部彩のレビュー一覧

  • 子どもの貧困 II 解決策を考える

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    今を生きる日本人が向き合うべき、そして近い将来向き合わざるを得ない問題。
    男女間格差が問題視されるようになって久しいが、世代間格差ももっと議論されるべき問題だろう。

    ✏所得制限(生活保護制度の生活保護基準額の1.1倍〜1.3倍)を下回る世帯は就学援助費(低所得世帯の子どもの義務教育にかかる費用を国と自治体が支援する制度)を受給できる。
    公立小中学校に通う子どもたちの6人に1人が就学援助費を受給していることは、子どもの貧困が極一般的な世帯においても進行していることを表している。

    ✏貧困問題は「働けない」高齢者や障害者、母子世帯などの「特殊なケース」(と理解されてきた)における問題と理解されてきた。しかし、年齢層別に貧困率をみると、女性の高齢者の貧困率は高いが、男性においては25歳未満の子どもの貧困率が65歳以上の高齢者の貧困率を超えている。
    つまり、人生の中で最も貧困リスクが高い時期が子ども期である、という現象が起きているのだ。

    ✏世界とくらべた日本の貧困率は、先進20カ国ではワースト4番目(1位アイスランド4.7%、17位日本14.9%、20位アメリカ23.1%)である。
    特に、日本のひとり親世帯に育つ子どもの貧困率は58.7%と突出しており、OECD諸国の中で最悪である。これは、ひとり親世帯の大半を占める母子世帯の貧困率が特に高いためである。

    ✏子どもの貧困が「自尊感情が低い」「不安」「自己肯定感が持てない」「精神的不安定」「希望が持てない」などといった心理面への影響を引き起こしている。

    ✏もし国がA君の子ども期に、彼が貧困を脱却する可能性を高めるような支援をしていたら、どうだろう。国は、A君が払ったであろう税金・社会保険料を受け取ることができるうえに、生活保護費や医療費などの追加費用を払う必要がなくなる。つまり、長い目で見れば、子ども期の子貧困対策は「ペイ」する可能性が高い。逆に、貧困を放置することは、「お高く」つくのだ。

    ✏強いストレスを抱えた母親から生まれた子どもは、低出生体重児で生まれるリスク・生まれた後も情緒的な問題を抱えるリスクが高くなる。
    つまり、親のストレスによる子への影響は、生物的な帰結であり、精神論の問題ではないのである。

    ✏経済学において子どもを「将来の人的資本」と見なすことは、貧困に対する政策をただ単に「可愛そうだから」という論理でなく「社会に対する投資」という論理で考えるという点では説得性がある。

    ✏「ビッグブラザー・ビッグシスター」プログラムは、アメリカにおいて100年以上の歴史があるメンター・プログラムで、比較的低コストで高い収益率をあげている。子どもと1対1の関係を持ち「見守る」大人をつくるというだけで、子どもの学力向上に貢献している。

    ✏どんな綿密に対照者を絞り込む制度をつくっても、結局のところ漏れてしまう子どもがいる。普遍的制度として全ての子どもを対象とすれば、このような漏れは発生しない。貧困の子どものことを考えれば、普遍的制度にするのが一番ということだ。

    ✏制度の対象者が「弱者」であればあるほど、対象が絞られれば絞られるほど、その対象者になることは社会的排除の引き金となる。

    ✏生活保護制度では疎遠にしている家族や親族に、福祉事務所が扶養意思の有無の確認の連絡をとる。それが苦痛となって困窮していても受給しない人々も多い。

    ✏結局のところ、貧困削減に有効であるかどうかに一番効いてくるのは再分配のパイであって、普遍主義か選別主義かという違いではなさそうである。普遍主義であっても選別主義であっても、小さいパイでは貧困削減は進まない。

    ✏「最貧層を選別すること」ではなく「富裕層を除外すること」を目的とすれば、貧困者を「選別」することによる偏見や、本当に必要な人が給付を受けることができないといった漏給の問題が少ない。

    ✏学力や将来の収入などに重要であるのは、学力テストなどで表される認知能力のみならず、対人能力・自己規律・粘り強さなどの非認知能力であり、これらは幼児期から成人に至るまでの家庭環境に培われる。乳幼児期における介入政策が最も効果的であると結論づける。

    ✏保育所は、小中学校やその他の子どもに関わる制度に比べて、ほぼ毎日親との接触があるという点で、親へのアプローチをする絶好の場である。

    ✏子どもの居場所づくりを目的とした放課後プログラ厶は、いかに子どもたちが自発的に継続して通うようなものにするかが最も大きい成功の鍵である。そこにさえ行けば、子どもがなんでも相談できる大人がおり、魅力的な活動があり、友達がいる。「家」「学校」が必ずしも安らぐ場所でない子どもたちにとっての「ほっとできる」場所であることが必要だろう。
    「待つ」という姿勢では恐らく成功は難しい。

    ✏メンター・プログラムの特徴は、子どもとボランティアが「1対1」の関係性を築くところである。そのボランティアにとって、自分の担当する子どもは「特別な子ども」であり、子どもにとってもそのボランティアが「特別な大人」となる。このボランティアはあくまで素人であり、支援をする側に専門性がない中においても効果が得られていることは、日本における子どもの貧困対策を実施するうえで貴重な知見である。

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    2023年01月27日
  • 子どもの貧困 II 解決策を考える

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    ・母子世帯は124万世帯、父子世帯は22万世帯、子どものいる世帯数は1180万世帯。貧困の子どものうち、ひとり親世帯に属するのは2割程度と言われている

    ・貧困であることは、「生活に必要なお金が足りない」という物質的な困窮、「来月の家賃が払えるか?」というような生活の不安・不安定さのみではなく、負け組であることも加わった心理的ストレスがダブルパンチ

    ・先進諸国においては、自然に貧困層に「トリクルダウン」するわけではない。日本は、GDP比で見る品高層への社会支出は極めて小さいのである。そもそもが貧弱な貧困対策なので、GDPの増加と同じ比率で増加したとしても、急激にその貧困削減効果が大きくなるわけではない。

    ・日本は、子どもの教育における私的な負担の割合が、OECD諸国の中で最高

    ・習い事でチームプレーの経験や、アートや自然を吸収できる。一昔前であれば、お金がなくても近所の付き合いで身につけられていたが、現在に置いてはお金で買うものになってきている

    ・海外の研究によると、相対的貧困の子どもに対する一番大きな影響は、親や家庭内のストレスがもたらす、身体的・心理的影響だという。
    慢性的になったとき、ゆとりを持った子育てなど、とうていできなくなってしまう。情緒的、非認知能力の成長を止める。

    ・母親の帰宅時間が18時を超える母子家庭は5割、20時以降の母子家庭も1割ある。

    ・どのような子どもを対象とする普遍的制度・普遍主義と、貧困の子どもに対象を絞る選別的制度・選別主義に分かれる。

    ・川上対策と川下対策

    ・乳幼児期に貧困を経験した子どもは、その後世帯の状況が改善して、貧困から抜け出せたとしても、乳幼児期の貧困が悪影響を及ぼす可能性が高い

    ・公的年金の給付を除いたら、子どもの貧困率の逆転現象は起こっているのである。

    ・格差をどこまで解消すべきかという問いには答えがないが、貧困は撲滅すべき目標となる。

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    2021年11月18日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    日本でも貧困で苦しんでいる人がいることを実感させられました。

    母子世帯だけでなく父子世帯でも貧困があるという事実を重く受けとめ、母親が働けるようにするだけでは貧困は解決せず、子供に直接援助がいくようにしなければならないと主張していました。

    母子世帯の母親に対してのアンケートで書かれていた切実な思いや不安には胸が痛くなりました。

    この本が出版されたのは2008年なので、当時とはまた状況は変わってきていると思います。

    この本の続きが2014年に出版されているので読みたいと思います。

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    2021年10月04日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    貧困と格差は異なる。貧困撲滅を求めることは、完全平等主義を追求することではない。貧困はそのことを社会として許すべきではないと言う基準。価値判断である。機会の平等という比較の理念ではなく、子どもの権利の理念に基づく考え方である。

    すべての親は「温かい家庭」を築こうとするのであろうが、親の年収によって子育ての環境は大きく異なっているのである。

    晩産化が進んでいる。貧乏人の子沢山は少数派
    子どもの貧困率は、親が中規模以上の企業に勤める常用雇用の場合のみ少ない
    二人の就業世帯であっても、子どもの貧困率は10.6%。母親の就労が貧困率の削減にほとんど役に立っていないと言える。
    0歳から2歳の乳幼児のこども、多子世帯、若い父親を持つこども、母子世帯の子どもの貧困率が高い
    日本は家族関連(児童手当、児童扶養手当、現物給付等)の社会支出が、他の国と比べても相対的に低い傾向がある

    児童手当もイギリス・フランスと比べても支出が少ない。社会保障も緩やかな逆進性を孕んでいるので、再分配後所得の貧困率が再分配前所得の貧困率を上回ってしまっている。

    母子世帯の平均年齢は40歳
    17人に1人が母子世帯に育っている

    独立母子世帯と同居母子世帯がある
    希望格差が生まれている。
    子供の幸福度(ウェルビーイング)

    ヘッドスタートの調査によると、乳幼児期(0〜5歳)の貧困が、ほかの年齢の子ども期の貧困よりも、将来の子供の成長に一番影響を与える

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    2020年08月31日
  • 貧困を救えない国 日本

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    あれもダメこれもダメでうんざりする部分もないわけではないが
    貧困があらゆる方面から語られており、納得度が高かった。
    資金や物量ではなく、
    解決策が当事者に知らされること(情報)と
    行動できる状態になること(精神疾患)の課題が大きいように思った。

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    2019年12月02日
  • 子どもの貧困 II 解決策を考える

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    教育現場の政策介入って、予算ないから敬遠されがちだけど、これはその問題箇所をかなりわかりやく書かれていてとても助かりました。

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    2019年10月30日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    読み終えた上での、再配分に対する自分の考え

    「成人するまでの機会の平等を担保するために、貧困世帯のこどもには機会への平等なアクセス権(無償化、学習支援など)、親には必要な額の支援(あくまで機会の平等のため)が必要である」


    努力不足によって所得に格差が生まれることに問題はない。ただ、それでも結果として貧困になった個人には、最低限のセーフティーネット(生活保障)と、努力次第で再起できる機会(職業訓練 / 教育機関での学び直し)は与えるべき。また、その所得格差が次の世代の子どもにまで連鎖するのであれば、それは生まれた時点で差がつくため、機会の平等が保たれているとは言えない。

    よって、連鎖が生まれない、また、生まれた家庭環境・地域・国籍にかかわらず、こどもの機会の平等が保たれるためには、貧困・低資本世帯のこどもと、親への支援が必要である。

    親への支援に関しては、こども機会の平等に必要な金額以上の支援は、正当に努力して高所得を獲得した世帯との不平等が生じてしまうため、あくまで「➀こどもの機会の平等を保つため」、「➁競争に敗れたとはいえ、人として最低限の生活を送るため」の2つの目的達成のためにのみ行われるべき。

    理屈はこうだが、高所得者の人が「理屈は理解できるけど、自分は頑張ってその結果としてお金を手にしたのに、頑張ってもない人に再分配したくない」というのはすごくよくわかる。ここをどう解決するか。(親ではなく、こどもに再分配する、再分配によって努力しようとしているか、継続監視する→マイクロファイナンス?)


    こどもの機会の平等のためには、「家庭内の治安の改善と介入システム」、「公的教育機関の教育の質」、「私的教育機関の無償化」、「労働人口増加」あたりが鍵になりそう。

    いかに1人1人の国民と経営者が格差問題を、
    ・「自己責任」の一言で片付けず、
    ・こどもとその生活環境や文化資本の差に目を向け、
    ・払っている税金など、”一部”ではなく、”全体”のお金の流れを意識でき、
    ・貧困家庭のこどもの不平等に共感→同感でき、
    ・共感している人たちが、このシステム実現のための実行力を持てるか、
    が最大の焦点。

    ーーーーーー
    感想

    低所得者への再配分は、「努力が足りないだけ」という自己責任論に行きがちだが、「そもそも貧困家庭に生まれた時点で、教育へのアクセスや家庭環境等で、ディスアドバンテージがある」・「金銭面だけでなく、家庭環境や学力による低い自己効力感」など、こどもの自己コントロールでは管理しきれない影響がたしかにあるために、自己責任論は適切ではなく、きちんと社会全体で支援をするべきである、という論がとてもしっくりきた。

    機会の平等には、2つの条件がある。1つは「公平な競争」で、もう1つは、「だれでも頭がよく生まれる確率が等しくあり」、「生まれつきの遺伝子ではなく、後天的な学習と自由意志によって、だれでも頑張れば」それなりの業績をあげれるという前提。

    しかし、貧困家庭のこどもは、頑張らなくて学力が低いのではなく、生まれた環境のために自己肯定感、自己効力感が低く、努力できていない。これは、前提に立っていない。そのため、支援を受ける権利がある。

    こどもの貧困を解決するためには、親への金銭的な支援も必要になるが、それは機会の平等という観点で難しいなと感じた。貧困家庭に生まれたとか、障害があるとかだったら理解されそうだが、単に努力不足で収入が低い場合、支援の正当性やインセンティブ設計をどう担保するのか。

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    2020年06月08日
  • 子どもの貧困 II 解決策を考える

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    就学支援金など基本的な制度の知識を欠いていたことを改めて再確認させられた。子どもの貧困に対して有りうる対策を網羅的に挙げた上で、有効な施策を真剣に検討している。ターゲッティングという発想を強調している点も本書の特徴である。

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    2019年04月30日
  • 貧困を救えない国 日本

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     貧困問題に取り組んできた著者二人による対談本。実際に現場に携わってきた為、出てくる事例が豊富である。特に、貧困が一部地域で連綿と受け継がれてきた、という事例は初見である。そういうことも漠然とあるだろう、と思ってきた所に実例を出されると、改めて考えさせられる。

     この本で着目したポイントは三つ。
     1.漠然とした世間でのイメージと現場との乖離。
     2.税金による再配分の必要性
     3.強制出費を強いる産業

     1について、現場と世間のイメージ・無理解に苦しめられている業界は多いので、人々の共感を得られると思う。さらに、世間体を気にしがちな日本では、尚更貧困の現場は見え難い。

     2について、応分の負担、つまり増税をしないと再分配ができないという趣旨。この時、富裕層から一方的に収奪するのではなく、富裕層も含めた区別なしの給付という考えは面白い。確かに、一方的に取られるだけというのでは、中々賛同は広がらないだろう。

     3について、ブライダル産業や教育産業等が挙げられている。これについては、世間の「普通」水準が上がる一方で、実際の生活実態はむしろ下降している事が問題であろう。著者は、全入という全員が全員大学まで行く必要があるのか、と疑問を出している。ただ、これに対しては全員行く必要は無いかもしれないが、おそらく「普通」のイメージが行かなかった人を苦しめると考える。

     以上、この本の感想である。しかし、この手の問題を考えるときに、3位に下がったとは言え、それでも世界3位の経済大国がこの体たらくなのかと、忸怩たる思いを禁じ得ない。
     

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    2019年04月27日
  • 貧困を救えない国 日本

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    鈴木大介さんの直近数作における視野の広がり方、活動範囲の広がり方は正に驚異的であり、心の底から尊敬する人間の一人だ。

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    2018年10月19日
  • 子どもの貧困 II 解決策を考える

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    著者は中途半端だと書いているが、本書が提起した問題のありかと解決への道筋は十分にインパクトがあった。日本の財政も見据えながら、まずは何に取りかかれるのかが分かったからだ。

    ・ひとり親世帯の貧困率は日本は最低
    ・貧困層への自然なトリクルダウンはない。経済成長で。
    ・現代は習い事を通さないと豊かな経験が積めない。
    ・社会的地位ホルモンがセロトニン
    ・個別学習指導は学力向上だけでなく、大人社会への信頼感の回復、対話能力の向上、忍耐力の養生がある。
    ・選別主義のパラドックスから、再分配のパイの大きさへの注目
    ・現金給付に有意な効果はある
    ・放課後の子供の孤立は深刻
    ・子どもの学習費調査

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    2014年03月01日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    アメリカが酷いという認識はあったが、日本もここまで酷いとは、データは雄弁だ。貧困の概念も初めて本書で深まった。社会福祉士として恥ずかしい。

    ・非行と貧困
    ・15歳時の貧困と現在の低い生活水準の直接的な相関
    ・日本では母親の収入が貧困率の削減にほとんど役に立っていない。
    ・日本よりアメリカの方が家族政策に予算をつぎ込んでいる。
    ・教育支出も日本は最低。
    ・日本は唯一、再分配後の所得の貧困率の方が、再分配前よりも高い。
    ・日本の母子世帯はワーキングプア
    ・女性の貧困経験と学歴
    ・乳幼児期の貧困が、一番将来に影響がある。
    ・日本の一般の意識は大幅に低い。子どもの必需品調査から。
    ・所得にはある一定の閾値がある。400万くらい

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    2014年02月28日
  • 子どもの貧困 II 解決策を考える

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    子どもの貧困についての政策をすすめるために、指標の設定、つまり「測る」ということ。政策の有効性についての効果も
    「測る」こと。正当な意味でのでのアカウンタビリティに挑戦しようとした本。ただ、その「測る」が欧米の指標を参考とするしかない点(現状ではそれしかない)が物足りない。これは筆者の責任ではないが。
    福祉の中に「生活指導」要素。自治的、自立的要素を考える必要がある。
    竹内常一さんの「教育と福祉の出会うところ」の提言が改めて重要な意味を持つ。

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    2014年02月15日
  • 子どもの貧困 II 解決策を考える

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    著者の実直の研究成果と主張に胸を打たれるとともに、自分の無知を嘆かざるを得ませんでした
    子供を持つ人はもちろん、一人でも多くの人に読んで欲しい内容です

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    2014年02月07日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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     子どもの貧困について基本的なデータを用いながらインタビューも入れてとてもよく調べている本である。日本の教育について論文を書くためには欠かせない本であろう。

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    2013年03月01日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    日本の子どもでいられることの幸せと不幸な面を何となく感じてはいたけど、数値と様々なグラフで表される「子どもの貧困」のまぎれもない現実を見た。

    原因としては経済状況の悪化もあるし、離婚後の母子家庭の生活境遇の困難もあり、一概に子どもの貧困の解決を提示できるものでもないと感じた。

    ただそこに、政府としてできることがたくさんあり、これまでは政府は少子化対策としての育児手当を支給してきたが、子どもの貧困を減らすための方向性が間違っており、少子化対策ではなく、あくまでも子どもの貧困をなくすための子ども対策が必要であることを、本書から学ぶことができた。

    よって今後の政治の舵取りと政策のいかんによっては、子ども対策も良い方向へ向かっていく可能性もあり、我々国民もどうあるべきかを考えることが大切であると思った。

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    2012年09月12日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    日本では、何が「子どもの貧困」をもたらし、何が問題なのか、どのような対策をとるべきか、について書かれた本。図表を多く挿入して、解説を加えています。

    第1章では、15歳時点の暮らし向きがその後の生活水準に影響を与えていることを示しています。子ども期の貧困は、その時点での学力や生活の質などへの影響に留まらず、大人になってからの就労状況などに影響を及ぼして。更に、その「不利」が次の世代(子)にも受け継がれていくことを述べています。
    第2章では、「相対的貧困」について説明し、世帯タイプ別の貧困率、年齢別の貧困率を提示しています。特に心配されるのが、乳幼児の貧困率の増加です。低年齢での貧困が、子どもの健康やその後の成長に、大きく影響するからです。
    第3章では、国際比較を通して、日本の政策を検証しています。税制度や社会保障制度には「所得再分配」の働きがあり、通常、その前後で貧困率が軽減されるのですが、日本は、先進諸国のなかで唯一、制度があるために、子どもの貧困率が悪化しています。「負担」と「給付」が、高所得層に優しく、低所得層に厳しい制度になっていると考えられます。
    第4章は、子どもの貧困率が特に高い母子家庭の現状について書かれています。母子家庭では、働いて収入があるにもかかわらず生活保護を必要とする低所得層が多いことなどが問題となっています。そして、低所得であることは、第1章で提起された問題へとつながるわけです。また、女性の「ワーク・ライフ・バランス」が保障されないことは、女性の貧困問題でもあります。
    第5章では、貧困層の子どもが低学歴であるのは、高校や大学の授業料が払えないから、ということだけではないといっています。貧困層の子どもは、意欲を失い、努力しなくなっているという、子どもの意識の差が生じていることをデータで示しています。学校や家庭環境、家族の意識などが、子どもの学習意欲に影響を及ぼしていることは明らかです。高卒でさえ、ワーキング・プアになってしまう現状にあって、就学前から支援する施策が必要になっているといえます。
    第6章では、「相対的剥奪」という概念が紹介し、この相対的剥奪概念と「合意基準アプローチ」によって、子どもにとっての「社会的必需項目」を選び出しています。その各項目の支持率を調査して、どのような世帯の子どもが、「社会的必需項目」の欠如を強いられているか(必要であると支持され、本人も希望しているのに、家庭の事情などで与えられない状態)を示しているのですが、きわめて水準の低い最低生活が浮かび上がってきます。
    第7章では、イギリスのマニフェストを参考にした「日本版子どもの貧困ゼロ社会へのステップ」という提言が示されています。

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    2012年07月01日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    貧困問題を抱える多くの層の中から子供に焦点を絞り、まとめられた一冊。
    資料が豊富、論理的な流れで読みやすい。

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    2012年06月18日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    母子家庭でしかもワーキングプアに陥っている世帯が多いことはショッキングです。

    僕は子育ての経験がありますが(0~5歳)、お金がかかるのもありますが、それ以上に『一緒にいる時間』を大事にしていたので、それはそれは大変です(笑)ノイローゼになるのも頷けます。

    お金で解決するのって、簡単なんですよね。だから僕はあまり好きじゃないんですが、それよりも、労力(時間)を提供することの方が尊くて、子育てもお金をかければ良いというわけではなくて、子どもの両親が一緒に過ごしたり遊んだり、スキンシップをとったり、子どもにとっても、そっちの方が喜びます。
    ですから、母子家庭に必要なのは、所得の向上もさることながら、『子育てする時間』も確保しなければなりません。お金は代わりがききますが、子どもにとって、親というのは基本的に代替が不可能です。

    政府支出にみる教育費の国際比較で、どの国よりも日本は支出が低いというのは知っていましたし、この現状を打開しなければと思いますが、ではどこから財源を持ってくるのかが問題で、広い視点から判断しなければならないと思います。また、『他国に比べて日本は~』云々を言い出したら、それはもう日本ではなくなるし、社会背景や歴史・文化的要因が各国によって置かれている状況・立場が違うので、何でもかんでも『教育費の公的支出を欧米並みに』とか言い出したら、『煙草税も欧米並みに』、『消費税も欧米並みに』『法人税も欧米並みに』となり、高齢社会には対応できなくなります。乱暴な議論だけは避けてほしいです。

    本書は所謂『ゴネ得』で子どもの貧困に警鐘を鳴らしているのではなく、あくまで冷静に日本の悪しき現状を直視して論じているので好感が持てます。

    子どもと言わず、大人も貧困なんですよね。自分が貧困だから未来に投資できない。そうなると、必然的にこれから生まれてくるであろう命にまで負担を強いることになります。負の遺産の継承は何としても避けなければなりません。

    子どもが暮らしやすい、子ども主体の社会にすることは、ともすると「大人は子どものための奴隷になれ」と社会で強制しているのでは?と疑問を抱かざるを得ません。自分の人生は自分のもであるはずだし、子どものために大人が犠牲になるのは納得(国民的合意)が得られるでしょうか?僕は、これにプラスして、「もっと多様なライフスタイルを認めるべき」だと思います。フリーターはダメ、ニートはダメ、というようなレッテルを貼るのではなく、そういった人たちを受け入れる社会の寛容さ、そしてすべての人の生活水準が向上するように、社会の構造や認識が変わっていくことを強く望みます。
    怠け者が野放しになるのは問題ですが、全体の割合でみるとそう高くはないと思うので、さしあたっては、生活保護の不正受給による厳しい目や上記のフリーターやニートへの偏見を改善していくことが先決です。
    これを通じて僕が言いたいことは、「選択の自由を確保すべき」ということです。自己責任論の強い風潮には賛同できませんし、そもそも格差の継承や海藻の固定化が組織の循環を滞らせている現状が大いににあります。大学まで進学すれば多様な仕事を選べる、しかし、中卒では仕事の選択肢が限られている、というような、機会の平等をもっと確保し、そして失敗しても再チャレンジ可能な社会につくりかえていく。そんな社会が理想だと思います。
    「子どもの貧困」を考える時、それは子どもだけに限定されず、僕を含むすべての日本人に関わる問題です。政府はこのことをもっと真摯に受け止めて議論を深めてほしいと思います。

    感想が支離滅裂ですが、色々と考えさせられる、内容の詰まった良書中の良書なので、僕の評価はSにします。

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    2012年03月15日
  • 子どもの貧困 日本の不公平を考える

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    思いもよらないほどに日本の貧困度の高い事を知っておどろく
    自分の視野の狭さがこれほどに実態を見損ねている無関心さに愕然とする
    目の前に見えることでアップアップとなり
    身の回りの事以外は見たくも触れたくもないのだろうか
    先進国の動向と逆行している事に付いてもこれほどに身勝手な
    縄張り根性が染み付いているとは思いもよらなかった

    日本はいまだに後進国の意識を引きずったままで
    明治以来の成り上がりのヤクザ稼業から成長できていないようだ

    特に母子家庭のイジメラレ方は尋常でない
    法律を初め職場や地域社会で目の敵のようにイジメの対象にして
    恥ずかしげも無く搾取をむさぼっている
    法律的にも行政的にも司法においてもいちじるしい憲法違反だし
    各国との比較においてもはなはだしい格差であり
    ビジョンの方向性すらソッポを向いて逃げている

    この事をOECD2005年のデーターで見ると
    誤魔化しで格差を広げてうそぶいていることが歴然としている
    これは当然ながら母子家庭においても同じ状態で
    弱い者イジメの典型なのだろう

    「逆機能」と言う言葉を生んだ福祉対策と絡めた税制で
    弱気をクジキ強気に媚びる大勢は
    島国で濃縮された依存主義によって友食いしてきた民族のなれの果てなのだろうか

    ユニセフが2007年「子供のウェルビーイング=幸福度」を公表している
    物の過不足・健康と安全・教育・家庭と人間関係・行動とリスク・主観的満足度
    の六項目による国別調査を行っている
    それによるとオランダを筆頭とする北欧諸国が上位を占める中
    イギリスが21位と最下位でアメリカが20位である
    財政に苦しんでいるギリシャが13位で東欧のポーランドとチェコそれに続く

    日本はデーターを出さず不参加であるけれど
    OECDによる貧困率で見るとイギリスと日本は並んでいるので
    同じく最下位の部類になるだろう
    これに対して日本政府はこの調査を信頼できないし
    改善もしていると言う見解を国会で述べ
    調査することすらこばんでいると言う
    見せ掛けのバラ蒔きはするけれど
    トータルとしてはジワジワト貧困率を上げる政策に偏っている

    それに引き換えイギリスではこの最下位を受けて
    貧困撲滅のための10カ条を掲げて対応している
    その第一に、すべての政党が貧困撲滅政策を目標にする事
    第二に、すべての政策に貧困に対する観点を盛り込む事とある

    OECD二〇〇五年・日本における母子家庭の就労率はスイスに次いで四位である
    それに引き換え同じデーターによる貧困率はトルコに次いで二位である
    まさに働けど働けど楽にならずどころかひどくなる一方である

    そのくせ少子化によって搾取の相手が減ることには神経を尖らし
    子供を増やせと動揺して気をもんでいる
    少子化対策でなく貧困対策こそが健全な環境を創る事に気付いていないらしい
    あるいは気付かない振りをしているようだ

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    2011年12月12日