マーガレット・アトウッドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アトウッドの代表作。色んな書評やらで見かけて、いつかは読みたいと思ってた作品を、文庫化にあたって入手。あと、ノーベル文学賞授賞かも、っていうタイミングもあって。でもそれは逃したけど。メタフィクションの体を取っているけど、それぞれが章立てで区別されていたり、登場人物もそこまで多くなかったりするから、前半を読み終えた印象として、難解度はそれほど高くない。自分の理解度が低いから、単純にこれ以上だとついていけない、っていう話だけど。最初に提示された、妹の死にまつわる謎を解き明かすのが本題だとは思っているんだけど、この超大作の果てに、どんな結末が待っているのか、期待大。
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Posted by ブクログ
『オデュッセイア』を、夫を20年待ち続けた賢妻ペネロペイアの視点で⁉なんて、アトウッドにしかできまいよ。死後の世界で前世を振り返るペネロペイアの独白、不実と殺された12人の奴隷女たちによる恨みのコロス(ブロードウェイ風になっていたりしてオモシロ)から、衣食住の詳細も豊かに浮かび上がる現代の女性像との対比。いや~本質はそんなに変わっていないのかも…。
たまたま飛行機で見た映画が、レイフ・ファインズ&ジュリエット・ビノシュがこの夫妻を演じる『The Return』だったりして、それぞれの解釈の違いも楽しく、薄い本なのに実に読みごたえがありました。 -
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Posted by ブクログ
「古き冷き時間は、古き悲しみは、池の沈泥のように、層をなして積む」
カナダの小説家マーガレット・アトウッドの2000年の作品。
チェイス家の二人の娘、アイリスとローラ。
物語は、名家の没落と新興のブルジョアたちの様子、大恐慌、第二次大戦とその後など、その時代の匂いを、「暗き目の暗殺者」という入れ子の小説や当時の記事を挟みながら、アイリス自身の回顧録?を軸に語られていく。
女性の内面を抉るような、それでいて「平穏」を繕う。
老いと皮肉と気位の高さが、積もり積もってまとわりつく。
煩わしくもあるが、厚着して身を隠したような心地良さも、内側から透けて見える。
久しぶりに、苦戦した。
ただ、「 -
Posted by ブクログ
ディストピア小説っていうのか、こういうの。
ユートピアの反対語で反理想郷(暗黒世界)。
出産率が危機的に低下し(バースコントロールによって)すべての女性から仕事と財産を奪い、妊娠可能な女性をエリート層(司令官)の男性の家に派遣される。
ひたすら妊娠を待つ女で”侍女”。
期間が決まっていてその兆候がなければ”コロニー”というとこに送られ危険な仕事を強いられ死を待つ身になる末路が待ってる。
恐ろしい世界だった。最後は”目”のメンバーとして潜んで司令官の運転手をしていたニックによって逃げおおせたのか捕らえられて処刑されたのかはあいまいにされている。
オブフレッド(名前も一郎ののような所有物のように変