マーガレット・アトウッドのレビュー一覧

  • 侍女の物語

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    ようやく読めた。
    約1か月くらいかけてちょこちょこ読んだ。
    でも薄まらなかった。
    すごい世界観。
    『誓願』も読みたい。

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    2025年11月20日
  • 侍女の物語

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    個人的に久しぶりの読書体験だったが、物語に引き込まれてあっという間に読み切ることが出来た。
    ディストピア小説として分類されるらしいが、欧米での代理母を使って子供を持つセレブリティやゲイのカップルの存在を知ることが少なくないため、女性の身体を出産の商品としている現実とこの小説の世界は意外と遠くはないのではと感じた。
    また聖書の言葉を勝手な解釈で自分たちの主張を強化する流れは既に現実の世界でも起きていそうだし、これからもっとありそうだなぁと思った。

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    2025年11月07日
  • 侍女の物語

    「侍女の物語」について

    この物語は、ギレアデ政権の間、バンゴア市と呼ばれていた場所から発掘された、およそ30本のカセットテープに吹き込まれていたものを文章に起こしたものという設定。

    語り手の女性は、出産を目的に集められた女性の第1陣のうちの1人。ギレアデ政権は、その後、様々な粛清と内乱を経て崩壊したようですが、まだまだその初期段階にあり、日々の監視が厳しく、違反者は容赦なく処刑されていた時代です。

    各個人からその個性を奪い取るには、名前と言葉を取り去るのが効果的なのですね。
    単なる出産する道具である侍女たちの名前は「オブ+主人の名」。

    この物語を語っているのは「オブフレッド」と呼ばれる女性です。
    侍女たちはくる

    #シュール #深い

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    2025年09月22日
  • 侍女の物語

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    2025年6月のNHK Eテレの「100分de名著」が「侍女の物語」とその続編とされている「誓願」だと聞いて急遽2冊入手。
    「侍女の物語」は1990年に「ブリキの太鼓」のフォルカー・シュレンドルフが映画化。
    2017年のHuluでのドラマ化では、より原作に忠実で現実の世界がこうしたディストピア小説と見紛う状況もあり話題となった。
    物語はキリスト教原理主義者たちのクーデターによって全体主義国家と化した監視社会の中であらゆる自由を奪われ、まさに「産む機械」として名前さえも男性に所有される女性たち「侍女」のひとりが主人公。
    彼女の視点によって語られるディストピア世界の現在とそれクーデター以前の過去が

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    2025年09月20日
  • 侍女の物語

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    今を予兆する話。
    でも予兆する話に人間はなんと騙されやすいことか。
    でもそれは悪いことではない。騙されて傷つかないとわからないことが多いのだ

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    2025年09月14日
  • 侍女の物語

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    指輪物語並みに面白かった。。。
    信じられないような規律で構成されている空想の国家だけど、あり得ない、あってはならないその規律は、女性が実際に経験してきていることの究極の形だなと感じた。
    つまり、女性が財産を持てないと聞くとあり得んとなるけど、現実では例えば大きな財産である家を買う時に、慣例なのか夫名義で買うとかあるよね。そういった女性の能力の否定が当然とされている文化の中で感覚が麻痺していった先の国家をリアルに見せてもらったように思う。
    また読む。

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    2025年09月04日
  • 侍女の物語

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    架空のディストピア物語。
    思想・行動の自由のない社会で特に女性の性と生殖の権利(SRHR)が国家に完全に管理されている。
    過去に現実にあっただろう粛清や迫害/人心管理の手法がアレンジされ散りばめられて出てくる。それなのに“これは今の私達の物語だ”と読み始めてすぐ感じた。
    今の私達にはもちろん強制も粛清もないが、避妊/中絶の手段も先進国水準では無い事、結婚に際して95%の女性が改姓して“オブフレッド”になっている事、少子化対策という事で子供を産むことを国策として奨励されている事。など類似点がいくつもある。
    作中強く印象に残ったのが主人公の預金が凍結され夫の物になる場面だ。信頼し合い仲の良い夫婦で

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    2025年08月24日
  • 侍女の物語

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    100分de名著で取り上げられたので、再読。
    アトウッドの最高傑作の一つ。
    私にとっては、「語り手」という、小説の重要な構成要素に注視して読むようになる、きっかけをくれた作品でもある。
    けれど、彼女の作品の中では、決して読みやすい方ではない。物語の起伏も(当然、あるけれど)他の作品に比べて、感じにくい。
    理由は、作品が語り手である主人公の女性・オブフレッドの視点から語られること。
    彼女は「侍女」という、この小説で描かれる「ギレアデ」という架空国家内で最も不自由な身の上にある。「侍女」は、生殖のためだけに生かされている存在。自由に外出することも、他者と言葉を交わすことも許されず、一日の大半を自室

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    2025年08月24日
  • 侍女の物語

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    この閉塞感・恐れ・背徳感・スリル・絶望感 監視され誰も信用できず、救いもないおそろしいディストピア! でも主人公の侍女オブフレッドの味方にならざるを得ない (彼女の本名もわからない…勇敢な女友達モイラのように大胆にはとてもなれない…この世界の前には幸せな家庭を持っていたのに…)どうしたらここから抜け出せるんだ! どうしたら彼女を助けられるんだ! 続編 誓願を 読まずにはいられません。

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    2025年07月28日
  • 侍女の物語

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    読みたいと思っていた本をようやく読む。
    SFデストピア小説と言われているけれど、今の時代はちょっとしたきっかけでこんな世界に成りかねない。とても身近な恐ろしさを感じる。名前の頭にof。夫婦別姓の問題にも繋がるような。

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    2025年06月24日
  • 侍女の物語

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    すごい本。間違いなく今年のベスト1
    この本以上に読む価値のある本はないし、他の本に書いてあることなんて、ほんの些末なことと思えてしまう。読んだ直後で、大分興奮していて、言い過ぎなのは自覚していますが。そのくらい圧倒的な本でした。

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    2025年06月15日
  • 侍女の物語

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    初読は1985年だった。
    そのときの衝撃を忘れたことはなく、何度読み返したかわからないほど。

    わたしにとっては、最高の作家のひとり。
    常に著作を追いかけていて、機会をとらえて人にも何度もおススメしているが、
    「世界最高峰のディストピア小説」
    というキャッチフレーズにしり込みする人も多く、けっこう寂しい思いをしてきた。

    実際、この本は、

    重たい
    怖い(ホラーではない。未来の絶望への恐怖感)
    救いがない(こともない、けど)

    ので、再読でも、メンタルがOKなときがいいです。

    <あらすじ>
    近未来のアメリカが舞台。中世ヨーロッパのような生活に逆戻りした世界では、女性の性と繁殖能力が完全に国家

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    2025年06月05日
  • 昏き目の暗殺者 上

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    ネタバレ

    上巻の半分くらい読んで、まだ何の話なのかが掴めない。北米大陸の赤狩りの話?
    全体的に陰鬱な調子で物語が進む中、庭を始めとした自然の描写が美しいのが印象的。
    上巻の後半から物語が加速してくる。「昏き目の暗殺者」の男女が指すのがアレックスとローラだと思ってたけど、リチャードが絡んでくる辺りから、ローラじゃなくアイリスなのかも、そして、作者もローラではなくアイリスなのではないかと思われてくる。
    にしても、回想で語られるアイリスの無知と無力に比べて、老境にあるアイリスの皮肉屋にして頑迷ぶり、そのギャップに時間の残酷さを思い知らされる。そして、アイリスにそれ相応の教育がなされ、母や祖母の後ろ盾があったな

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    2021年02月04日
  • ダンシング・ガールズ:マーガレット・アトウッド短編集

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    ネタバレ

    短編7作。
    1977年から時を経ているとは思えない
    技術や住環境は高度化しても、人の思考や偏見の構造は必ずしも進化していない
    本質を突く文学は数十年経っても古びず、むしろ心の停滞が及ぼす影響をあからさまに感じさせる
    この恐怖は、あとがきに記されていた通りである

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    2025年11月19日
  • ダンシング・ガールズ:マーガレット・アトウッド短編集

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    ネタバレ

    あとがきにも書いてあったが、読後モヤモヤとした不安が残る話ばかりだった。
    他者とわかりあえない、自分が正義だと思いこんでいても見方を変えればそんなことはない、無自覚な差別、いつかすべてが崩壊する予感など。
    これが最初に日本で刊行されたのが1989年とのことだけど、現代のテーマでもおかしくない話が多かった。
    決して明るい気持ちになる話ではないけど、惹き込まれるものがあり、あっという間に読めた。

    『ベティ』の最後、「永遠に謎なのは、この世のベティたちなのだ」がすごく印象に残った。
    正直私もフレッドの気持ちのほうが理解できるし、フレッドは世の中に多くいると思う。

    『旅行記事』は、どうしても生きる

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    2025年11月09日
  • ダンシング・ガールズ:マーガレット・アトウッド短編集

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    岸本佐知子さん訳

    最初から最後まで漂う不穏な雰囲気。
    人間の矛盾や汚い部分、他者への無理解やすれ違いをとてもリアルに突きつけられるような短編集でした。
    上手く言えないけど、モヤっとしながらも他人事と思わせない引き込み方に美しさを感じる作品でした

    特に「訓練」と表題作がずっと心に残ってます...

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    2025年11月03日
  • 侍女の物語

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    ネタバレ

    キリスト教原理主義者によって設立された独裁国家「ギレアデ共和国」を舞台に、子供を産むことだけを強いられる女性「侍女」の過酷な運命を描いたディストピア小説。
    希望(現実)と絶望(過去)の狭間で苦悶する心理描写が凄まじかった。特に、p.100のなんでもないホテルの一室を懐かしむシーンや、p.141「わたしは西洋梨の形をした中心物のまわりに凝結した雲にすぎない」という一文は、読んでいてとても辛かった。
    自由が奪われても、愛があれば生きていける。でも、自由も愛も奪われてしまったら、なんのために人間は生きるのか。
    100年以上後に学会で議論しているラストだが、この物語が後世に残ったということは、オブフレ

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    2025年10月01日
  • 侍女の物語

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    1985年に刊行されたこの物語の続編が、2019年、34年後に書かれた。
    続編の「誓願」を読んでから、やっと感想を書く気になれた。この、絶望的な物語に対して、この一冊だけで何かを言うことができなかった。恐怖であることはもちろんだが、2025年の今、単なるディストピア小説の域を超えた現実味を帯びている。

    「人種差別者の不安がギレアデの政権奪取の成功を許す感情的な支えのひとつになった」

    あまりにも悲しく、みじめな「女」の独白。

    クーデターによりうまれた独裁国家ギレアデの愚民政策により、女は名前を奪われて、書くこと、読むこと、学ぶこと、産む産まないの自由を奪われた。全てが変わってしまった世界

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    2025年09月19日
  • 侍女の物語

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    「自由」について考えさせられる話。
    自分に「見る自由」があるなら、「見られる自由」もあってしまうということ。好き勝手する・される「自由」から解放して、ほんとうの「自由」を得たつもりになった社会。
    男性が女性に「よかれ」と思って、「女性として生きる喜び」を堪能させる社会。
    現実社会もかすかに似た価値観になりつつある気がする。

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    2025年09月16日
  • 侍女の物語

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    ネタバレ

    ディストピアだが、近いうちに現実に起こり得ないとも思えない。
    前半は世界観の説明が多く、かなり単調で読むのに時間がかかったが、後半に物語が動き出した!と感じてからはサクサク読めた。

    日本では少子化が問題と考えられているが、(あえて「考えられている」という。)少子化対策が極まればこういうことになるのではないかと思ってしまう。

    女性の自由を奪うために、仕事と金をまず奪うというのは恐ろしい。
    やろうと思えば簡単にできてしまいそうで。
    そして、仕事と金を奪われた彼女に対し、ルークが支配的な、安堵のようなものを感じているように思われて恐ろしい。
    簡単に、守られるべきもの、裏を返せば支配を受け入れざる

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    2025年09月12日