マーガレット・アトウッドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『オデュッセイア』を、夫を20年待ち続けた賢妻ペネロペイアの視点で⁉なんて、アトウッドにしかできまいよ。死後の世界で前世を振り返るペネロペイアの独白、不実と殺された12人の奴隷女たちによる恨みのコロス(ブロードウェイ風になっていたりしてオモシロ)から、衣食住の詳細も豊かに浮かび上がる現代の女性像との対比。いや~本質はそんなに変わっていないのかも…。
たまたま飛行機で見た映画が、レイフ・ファインズ&ジュリエット・ビノシュがこの夫妻を演じる『The Return』だったりして、それぞれの解釈の違いも楽しく、薄い本なのに実に読みごたえがありました。 -
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Posted by ブクログ
「古き冷き時間は、古き悲しみは、池の沈泥のように、層をなして積む」
カナダの小説家マーガレット・アトウッドの2000年の作品。
チェイス家の二人の娘、アイリスとローラ。
物語は、名家の没落と新興のブルジョアたちの様子、大恐慌、第二次大戦とその後など、その時代の匂いを、「暗き目の暗殺者」という入れ子の小説や当時の記事を挟みながら、アイリス自身の回顧録?を軸に語られていく。
女性の内面を抉るような、それでいて「平穏」を繕う。
老いと皮肉と気位の高さが、積もり積もってまとわりつく。
煩わしくもあるが、厚着して身を隠したような心地良さも、内側から透けて見える。
久しぶりに、苦戦した。
ただ、「