マーガレット・アトウッドのレビュー一覧

  • ペネロピアド 女たちのオデュッセイア

    Posted by ブクログ

    初めて読んだアウトウッドの著作。

    英雄譚というものは古来より男性視点で語られており、英雄譚の中の女性は戦利品で、家の財産で、奴隷で弱者で声なき者である。ペネロペイアは『賢く貞淑なオデュッセウスの妻』という評判だからこそリアルな女性として声を上げる様を私は想像したことすらなかった。この本では彼女らの生き生きとした姿がよみがえる。

    話が進むに従って、互いの言い分が食い違うペネロペイアと12人の女中たちのコーラスにゾッとした。ペネロペイアも嘘をついたり素知らぬ顔をできるこの仕掛けが気に入った。

    0
    2025年09月18日
  • ペネロピアド 女たちのオデュッセイア

    Posted by ブクログ

    『オデュッセイア』を、夫を20年待ち続けた賢妻ペネロペイアの視点で⁉なんて、アトウッドにしかできまいよ。死後の世界で前世を振り返るペネロペイアの独白、不実と殺された12人の奴隷女たちによる恨みのコロス(ブロードウェイ風になっていたりしてオモシロ)から、衣食住の詳細も豊かに浮かび上がる現代の女性像との対比。いや~本質はそんなに変わっていないのかも…。
    たまたま飛行機で見た映画が、レイフ・ファインズ&ジュリエット・ビノシュがこの夫妻を演じる『The Return』だったりして、それぞれの解釈の違いも楽しく、薄い本なのに実に読みごたえがありました。

    0
    2025年08月03日
  • ペネロピアド 女たちのオデュッセイア

    Posted by ブクログ

    ホメロスのギイシャ神話「オデュッセイア」を、女性登場人物の視点で描く。
    オデュッセイアに20年放置された妻ペネロペイアと、オデュッセイアが帰還した際になぜか殺された12人の女中たちが、
    神話では語られなかったオデュッセイアが冒険に出かけていた間の20年を語る。

    ジェイムズ・ジョイス の「ユリシーズ」を読む前にこれを読んでいたら、「ユリシーズ」の感想は違ったものになっていた気がする。

    「オデュッセイア」を知らなくても楽しく読めるが、「オデュセイア」を知ってから読むと、パロディもの(?)二次創作もの(?)としても楽しめるんじゃないかな。

    0
    2025年07月17日
  • 侍女の物語

    Posted by ブクログ

    面白さがわかってくるのは半分くらいから 一応前情報があって読み始めたからまだ良かったものの、正直最初は時間軸が前後するわ、話の文脈は見えないわでかなり読み進めるのが億劫だった。
    ただ、半分くらいを過ぎてから俄然面白さが増し始め、読み終わる頃には世界観にどっぷりと浸ってしまった。
    この小説が書かれたのが50年近く前ということを考えると、当時はセンセーショナル過ぎるほどだったのでは、と思う。

    0
    2025年12月18日
  • 昏き目の暗殺者 下

    Posted by ブクログ

    「古き冷き時間は、古き悲しみは、池の沈泥のように、層をなして積む」

    カナダの小説家マーガレット・アトウッドの2000年の作品。

    チェイス家の二人の娘、アイリスとローラ。
    物語は、名家の没落と新興のブルジョアたちの様子、大恐慌、第二次大戦とその後など、その時代の匂いを、「暗き目の暗殺者」という入れ子の小説や当時の記事を挟みながら、アイリス自身の回顧録?を軸に語られていく。

    女性の内面を抉るような、それでいて「平穏」を繕う。
    老いと皮肉と気位の高さが、積もり積もってまとわりつく。
    煩わしくもあるが、厚着して身を隠したような心地良さも、内側から透けて見える。

    久しぶりに、苦戦した。
    ただ、「

    0
    2023年11月30日
  • デカメロン・プロジェクト パンデミックから生まれた29の物語

    Posted by ブクログ

    ボカッチョのデカメロンをオマージュして、コロナ禍でのロックダウンの中で世界の作家たちが紡いだ短編集。それぞれの感性での物語は興味深いが、悲劇的なストーリーが多いような気がするのはパンデミックのせいだろうか。

    0
    2023年04月23日
  • デカメロン・プロジェクト パンデミックから生まれた29の物語

    Posted by ブクログ

    バカ話集かと思いきやが、本当にコロナ小説だった。知らない作家が多いので、紹介は作品ごとに入れてほしかった。どこの国が舞台かわからない話もあり、イメージが掴みにくい点も。15ページ薄くなったのに。
    ライトトラックを軽トラと訳してはだめだろ、白人のティーンだから、ピックアップか。

    0
    2022年01月24日
  • デカメロン・プロジェクト パンデミックから生まれた29の物語

    Posted by ブクログ

    コロナ禍になって、昔の疫病に関する本がいつくか脚光をあびて、読まれている本の一つ、デカメロン。
    古い本を紐解いてみたいものの、現在のコロナ関連の出版物だけでなかなか読めない。

    29の物語。表題やそれぞれのタイトルであるこのフォントがまがまがしい。英語ならではといったところ。

    起源の物語に日本の玄米茶が・・・
    うん?そんな起源なのと思いつつ、アイスクリームは元気になる。

    0
    2022年01月10日