旦敬介のレビュー一覧

  • 悪魔とプリン嬢
    人間の本質は善か悪か。難しいテーマのように思えるが、設定がたくみで序盤から面白い。心の中にいる天使の輝きと悪魔のささやきに揺れる登場人物たち。信仰と犯罪、町に伝わる聖者の逸話などの間で様々な論議がかわされる。最後はうやむやにならず、明確な解答にすっきりした読後感だった。

    昔のアニメとかでよくあった...続きを読む
  • 11分間
    アルケミストにハマらなかっただけに衝撃を受けた。怒涛の読書体験で完全に圧倒された。全てが熱くて燃えている一冊だった。ああやってオープンに話せる人をパートナーにほしい。「当たり前」に疑問をもちそれについて話すことをためらわない人を。最初のペンのエピソードから、なにからなにまで魅了。

    最後は、あそこで...続きを読む
  • 11分間
    2021.4.7 ノートから転記

    ほんとうに面白い作品だった。正直初めのほうは売春をするに至るまでの彼女にそこまで前のめりにならず、こつこつと読んでいったのだが、中盤で一人の画家に出会うところで惹かれはじめた。そしてなによりも痺れたのが、運命的な出会いを果たし主人公がそこから正の方向に導かれて...続きを読む
  • 11分間
    感想を書くのが難しい。

    描写の生々しさが伝えてくる情景や感情がすっとはまることもおおくて、あぁ、わかる、素敵、と思う場面がいくつかあった。
    時々のマリーアの日記からも、背伸びをして大人になっていっていると自分に言い聞かせて、自分を騙して深入りしないようにして、他人の期待と自分の夢との葛藤、理性を超...続きを読む
  • 旅立つ理由
    いゃ〜、面白い短編小説集だった。200ページ程度の本に、21編の短編小説が収められている。更に、門内ユキエさんの素敵な挿絵もふんだんに収載されており、平均すると、1編が8ページ程度の、本当に短い小説の集まり。
    どれも味のある小説ばかりだけれども、私の好みをあげれば、「キューバからの二通の手紙」「一番...続きを読む
  • 七つの殺人に関する簡潔な記録
     700ページの大作、書籍というよりは壁もしくは鈍器といったほうが良い「七つの殺人に関する簡潔な記録/マーロン・ジェイムス」です。よくこんな本出す気になったな早川書房。しかも、中は二段組みで書かれており、正味2倍の容量。そして、忍び寄る老眼によってぼやけて見えるため、攻略難易度が異常に高いのが特徴で...続きを読む
  • 七つの殺人に関する簡潔な記録
    ある「歌手」の暗殺未遂事件について、様々な立場の人物の視点から真相を探ってゆく。
    膝の上に乗せるのにちょうどよい分厚さ。
  • ラ・カテドラルでの対話 (下)
    いつも沖縄に出張にいくときにラテンアメリカの文庫を携えるようにしているが、最初、上巻だけ持って行った。
    面喰らいながら書いたメモが、以下。


    複数の会話が入り乱れる。時間の混乱。しかし似たトピックを話していたり、連想的に響きあったりすることもある。
    地の文においては、彼がいうのだった、と人称の妙...続きを読む
  • ラ・カテドラルでの対話 (上)
    いつも沖縄に出張にいくときにラテンアメリカの文庫を携えるようにしているが、最初、上巻だけ持って行った。
    面喰らいながら書いたメモが、以下。


    複数の会話が入り乱れる。時間の混乱。しかし似たトピックを話していたり、連想的に響きあったりすることもある。
    地の文においては、彼がいうのだった、と人称の妙...続きを読む
  • 悪魔とプリン嬢
    パウロ・コエーリョ作品の中では訳文も比較的読みやすく、世界観も超俗的なスピリチュアル・メッセージを含むものというよりはむしろ限りなく人間の悪という俗世間に近い内容を描き出している。悪とはなにか、を知りたい人はぜひ。
  • 知への賛歌 修道女フアナの手紙
    【本の内容】
    詩こそが最高の文学だった17世紀末。

    ソル・フアナはそんな時代に世界で最も愛された詩人だ。

    美貌の修道女でありながら、恋愛や抑圧的な社会への抗議をテーマとした作品を残した。

    彼女の思想を明快に表現した詩と2通の手紙を、詳細な解説とともにまとめたわが国初の試み。

    [ 目次 ]
    ...続きを読む
  • 11分間
    パウロ・コエーリョはすごい。
    なんかいろいろ考えさせる。単純に言えば1人の女が幸せをつかむ物語なのに。
    本当の愛は思わぬところからやってくる。そして、硬くつながれる。そして、それが見えたり、見えなかったりするから不思議だ。
  • 11分間
     これは何の時間かというと、一人の娼婦を買って、実際に性行為をする時間である。

     エロティックな話なのか?と言われると、どうだろうか。
     ポルノグラフィではないけれど、多分に性的なものを含む。

     緩やかに流れる時間というものを深く感じた。
     いやー。この話の出だしから、エンディングで驚かされたけ...続きを読む
  • 旅立つ理由
    この本の素晴らしさを伝えるのはどうしたらいいのだろう。
    文章から匂い立つ景色とそこでの人々の暮らし。
    タンザニア、ブラジル、モロッコ、メキシコ、ウガンダ・・・。
    端正な文章と魅力的なエピソードの数々、そして美しい挿絵。
    読むだけですっかり異国の地に降り立ったような錯覚に陥った。

    それぞれの短編で舞...続きを読む
  • 11分間
    苦手だったパウロ・コエーリョ。寺山修司好きの女子に「女性が男性に読んで欲しい猥褻な本」という不純な動機で読み始めたが人生の示唆に富んでいて凄かったの一言。一度整理しないと他の本を読めないので、一旦レビューしとく。
    この本はエロ本であると同時に聖書である。堕ちながら高まっていく相反する世界を描写してい...続きを読む
  • 旅立つ理由
    ラテンアメリカ文学者であり、翻訳家でもある作者による短編集。
    キューバ、メキシコ、ブラジル、ケニアなど21篇の話はどれも短いけれど印象深いものばかりです。
    文章が美しい。流麗と言いたくなります。
    異国に生きる人の存在感、その土地の空気感が色濃く描かれている。
    とても新鮮です。何だろうこのカッコ良さ!...続きを読む
  • 旅立つ理由
    パステルカラーにぬり分けられた家並みや、陽盛りの路地にできたわずかばかりの日陰の椅子で飲む生温かいミント茶、親しげにすり寄ってきては、何かとものを売りつけようとする少年たち。ピレネーをこえた異郷の旅がなつかしくよみがえってくる。

    町の書店でこの本を探すとすると、どのあたりの棚に並んでいるのだろう。...続きを読む
  • 11分間
    再読。テーマはセックスだし、電車の中で読んでいて恥ずかしい部分も多いが、個人的に好きな一冊。宗教嫌いな人は無理かも。

    ちなみにパウロコェーリョ好きな人には遠藤周作もオススメ。
  • 悪魔とプリン嬢
    悪に焦点を当てた物語。

    人を善たらしめるのは人の本質ではない。人の本質は悪である。
    人を善たらしめるのは、あくまで人自身の行動である。人が人の手によって善を選択したときに、初めて人は善となりうる。
    善とは選択の結果なのだ。

    と、最近よく思う。
  • 11分間
    あっ!という間に読み終わった!
    セックスの話ではあるけれど、愛とか、思いやりの話だと思う。あと男と女について?
    個人的にはマリーアの日記が入る進め方もお気に入りです。
    ラストは賛否両論かもだけど、私は好きだな。