旦敬介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なるほど、と思える面と、思えない面が倒錯して、混乱させられる。でも、それは答えの出ない問いに対する彼女自身の思想の発露だと想うのでそれはそれで凄く素晴らしいと感じた。修道女やカトリックの背景について詳細には知らないが、それらしくなささが出ている気はする。(もともと修道女は「このような性質」をもっているのか否かについてはわからない)当然、立場上理想とされることと、彼女自身曲げられない信念があって、その折り合いをつけながら、どうやって文学という道を生きたのか。私はここに葛藤を見出し、その葛藤は結果論として美しいと思う。責任転嫁・自己正当化が出ていて、人間らしいと言えば、そうで、ここまで明らかに表明
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Posted by ブクログ
学ぶために修道女になったフアナは学ぶことをやめないんだー!!詩を書いたり学ぶのやめろって言ってくるジジイにも反発!みたいな本。
フアナが言ってることはわかるけどちょっと難しかった!いかんせん聖書や神話、歴史知識が足りなすぎる。フアナが出してきた人物でわかったの数名で悲しい…当たり前のようにテイレシアス(オイディプス王にも出てきた盲目の預言者)とか出てくるから、かろうじて覚えてておぉ〜!となる…みたいな感じでした。読むにはレベルが足りてなかったね。
今でこそマシになった世の中でしょうが、当時このフアナの存在と主張に励まされた女性はたくさんいたのだろうなぁと思った。
そもそも字が読めなければフ -
Posted by ブクログ
山奥の小さな村に訪れた異邦人。彼の仕掛けた大きな問と罠に翻弄される、プリン嬢と村の人たちの姿を通して、人の善悪を問う作品。
まあ、金(またはある種の善と言い含められるもの)のために悪を成せますか。というありがちと言えばありがちのテーマ。でも、単純な勧善懲悪ではなく、かといって悪の勝利を高らかに歌うものでもなく、正直そういうオチ!?という感じ。なのでカタルシスも無く、もやっとした感覚が残るのだけれど、ここら辺の感性の違いはやっぱり生まれ育った環境が異なるからなんだろうか。
結論としては人間の中には善も悪も等しく存在するってところなのかな。