旦敬介のレビュー一覧

  • 11分間

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    題名の『11分間』の意味は?

    この小説の主人公は、ブラジルの若い女の子。
    ひょんなきっかけからスイスに渡り、売春婦になる。
    1年だけ。1年だけと決めて彼女は売春婦を続けるうち恋をしてしまう。
    その恋の結末はイコール小説の結末なので書くのを控えるが、『11分間』というタイトルの意味は書こう。

    その売春婦をしている彼女は言う。

    一晩の彼女の相場は350スイスフラン。
    いや、一晩は正しくない。一人のお客で350スイスフラン。
    一晩というのは大袈裟だ。実際は45分で350スイスフラン。
    服を脱いだり、親しげなそぶりをしてみせたり、他愛もないことを話したり、また服を着たりする時間を差し引けば正味の

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    2021年12月01日
  • 11分間

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    ブラジル人女性のマリーアが、11分間の営みから時間の使い方と自身の本当の欲望、本来の姿や愛について学んでいくお話。

    主人公がアルケミストに影響されてるw

    自分から進んで人生のジェットコースターに乗っていること、機械は制御されて安全を確保されているものということ。

    魂の緊張を解きほぐす

    ターミネーター型 自分の欲望に忠実で自意識過剰
    プリティウーマン型 欲望を内に抑えつけている表面いい人
    ゴッドファーザー型 フラットで線引きされたやりとり

    純真な少女、運命の悪女、慈愛の聖母

    本当のセックスとは

    自分のことしか考えていない、世間のこうあるべき姿に従うだけ、誰かのために自分を犠牲にする

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    2020年10月08日
  • 11分間

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    たった11分間のこと。

    ただその11分間に人間は、振り回されている。
    のかもしれない...。

    日本では、セックスの話題について、
    オープンに話すのは、余り好まれないかもしれないが、
    多くの人間が、悩みを抱えているのではないか?

    秘密にしなければならない。
    人には言えない何か。

    僕の中では、読んで心が落ち着いた。
    でも、コロナウイルスが落ち着いて、
    夏になれば、煩悩と肉欲に悩む毎日がやってきて、
    支配されてしまうような気がする。

    この本について、会話ができる異性の友人がいたら、
    素晴らしいことではあるだろうが...。
    僕にはいない。

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    2020年05月07日
  • 七つの殺人に関する簡潔な記録

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    いやぁ~、読みごたえがありました。
    百科事典じゃないんだから、もう。重すぎです!
    ・・・と文句言いつつ、この装丁、大好きなんですよね。
    背表紙が特に好き。背表紙を横書きにして、絵まで入れちゃうなんて、この分厚さだから出来ること。

    しかし、読んでいてけっこう頭が疲れた。
    たくさんの登場人物にそれぞれの視点から見えたことをしゃべらせて、ゆっくりと全体像を浮かびあがらせていく形式の物語なんだけれども、そういうタイプの物語の常として、話の焦点が絞られてくるまでにすごく時間がかかる。通常の本ならともかく、このボリューム。半分くらい読んでも(すでに400ページ以上)、ただのギャングの抗争劇にしか見えなく

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    2019年11月17日
  • 七つの殺人に関する簡潔な記録

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    書店員を長く続けていると何度か立ち会う入荷した荷物の箱を開けた瞬間にビビっと感じる「これ面白そう!!!」。この本も目に入った時から危険なぐらい引き付けられた。ボブマーリー暗殺未遂事件!?刺激的なワードが躍る表紙はその文字以上に禍々しいほど極彩色なジャングルの情景。ジャマイカのぼんやりしたイメージが輪郭を伴ってゆく。判型からして凶悪。ずっしりとした重量感。思わず躊躇する価格。それでも手に取らずにはいられない1冊。

    物語は1976年12月3日に始まる。日本では昭和51年。ロッキード事件が巷を賑わせていた年末に遠く離れた中米の地でレゲエ・スターにしてジャマイカの英雄ボブ・マーリーが襲撃された。真相

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    2019年07月23日
  • 七つの殺人に関する簡潔な記録

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    おちょくってるのか。簡潔な記録だと。A5版七百ページ二段組。厚さ五センチ。重さ一キログラム超。まさに凶器レヴェル。放ったらかしにしてあった妻の実家の庭の草刈りをした後で手にしたら、手首が震えて床に落としそうになった。『JR』以来、厚手の本を読むときいつもやるように、机の上に足を載せ、椅子を後ろに倒して膝の上に置いてページを繰った。久しぶりの大物である。しかし、長大さに恐れをなすことはない。一つ一つの章は確かに簡潔で要を得ている。

    「ボブ・マーリィが逝っちゃった」と歌ったのは加川良だった。ボブ・マーリーが死んだのは一九八一年五月のことだから、おそらくその年の秋から冬にかけてのことだろう。町の小

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    2019年07月17日
  • 悪魔とプリン嬢

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    Twitterにておすすめ本として紹介いただいた
    お恥ずかしながら著者、本書を知らず『アルケミスト - 夢を旅した少年』『ベロニカは死ぬことにした』だけ題名を薄っすらと知っているだけだった。
    宗教、歴史、抗えない現実!これぞラテンアメリカ文学
    なのかどうかは知らないけれど、大昔集英社文庫で何冊かラテンアメリカ文学を買って積読なだめな私に読書の広さをあらためて教えてくれた一冊でした。

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    2018年09月04日
  • 11分間

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    とても良かったです。

    最後のラストの展開はちょっと納得いきませんでしたが。文章がとてもよかったです

    性描写の所はそんなにいやらしくなくて
    好感が持てました。

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    2017年11月04日
  • 旅立つ理由

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    ネタバレ

    行ったことがあるのは、冒頭のシスティーナ礼拝堂だけ。でも、その描写の確からしさから、他のアフリカや中南米諸国の描写も定めしこの様なものなのだろうと推測できる。
    息子がケニアとのハーフ芸人とのこと。アミーナとの話に限らず、作者の実体験が反映されているのだろう。
    旅がしたくなるし、絵もいいなと思ったら、ANAの翼の王国に連載があったらしい。

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    2017年07月08日
  • 11分間

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    娼婦の女性が愛を追求していくお話。
    仕事をしていても、魂で感じていた事は日記に綴って忘れないように書き続けているところがよかった。

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    2017年02月25日
  • 旅立つ理由

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    旅立つ理由なんて、そもそもない。
    あっても旅に出ちゃえばどうでもいいこと。

    理由なんてすべて削ぎ落とされて
    ”今” を ”感じる” ことがすべてになる。

    その場にいた気分になれる旅行記。

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    2016年05月14日
  • 旅立つ理由

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    表紙を見たときに、何となくどこかで見たことの有る絵だな、と感じた。それもそのはず、本作は「翼の王国」に連載されていた作品をまとめた短編集だったのだ。表紙のイラストも、連載時と同じイラストレーターの作品だそうだ。僕は最近あまり青い方には乗ってないし、乗ったからと言っていつも翼の王国を読むわけではないけれど、それでもいくつかの作品は読んだことがあった。
    元々作者がトラベルライターをしてた頃からよく読んでいたし(それでキューバに行こうとしたことも有る)、連載していたときから、心の奥底を旅立ちへ駆り立てるような文章には好感を持っていたのだけれど、改めてこうして一冊通して読んで、連載では判らない、この物

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    2015年07月23日
  • 悪魔とプリン嬢

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    "アルケミスト""第五の山"などで知られる著書によるキリシタン文学。

    平和で退屈な山奥の村ヴィスコスにやってきた外国人の旅人。村で唯一の宿で働くバーメイドのシャンタールは好奇心から彼にちょっかいを掛ける。思いもかけず旅人は彼女を誘い出し、彼の財宝と引き換えにある取引きを持ちかける。

    一見善良な田舎の人々。彼らの奥底に眠る善と悪とを掘り起こそうとする旅人。キリシタンの教えが背景に流れ、ふわふわとした読後感です。

    ○人間の本性についてだ。われわれは誘惑に屈する機会を与えられれば、遅かれ早かれ必ず誘惑に屈する、というのが私の発見した真実だ。条件さえ

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    2015年02月08日
  • 11分間

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    20140912 理解できない部分もあったけど、失うものはがないときに人は爆発するらしい。人がとても愛おしくなる。

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    2014年09月14日
  • 旅立つ理由

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    後半のラテンアメリカやアフリカの物語がいい。
    個人的には、「アフリカの流儀」と、「一番よく守られている秘密」がおもしろかった。
    「ポソレ」を食べてみたい。

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    2014年08月05日
  • 11分間

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    少女の成長の過程と性(愛?)の描写。
    プロとして女の成長と遍歴の物語。
    性⇒聖に結びつくもの。

    楽しかった!


    11分間
    題名の由来は予想できたかもしれない。小説は入れ子になっている。マリーアは神?新教の世界である。
    男の視点から、女の視点から。
    若さはブランド&記号。逆向きの時間。
    女の目覚め、悦び。共感、シンクロ、同情、理解。
    外観ではない男、女は内面が見えるのか?物理的、心理的な時間も。
    支配するものと、支配されるもの。機能と役割。

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    2016年02月13日
  • 旅立つ理由

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    ANAの機内誌に掲載されていた連続エッセイがまとめられたもの。主人公(登場人物の中で唯一の日本人)が、アフリカ、南アメリカ、西ヨーロッパを放浪し、現地に溶け込んで生活している様子が綴られている。その土地の食べ物やお祭り、人との関り方等がとても生々しく描かれているし、全編を通じてとても明るい調子で書かれており、読みやすく、実際に現地に行ってみたくなる。イラストもとても綺麗。タイトルは「旅立つ理由」だが、これを読むと理由なんて無くても旅に出たくなる。と思うのは、現実逃避したいから。

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    2014年04月26日
  • 旅立つ理由

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     全日空の機内誌の連載だったということで、短編小説集である。海外、特にアフリカやブラジルの街角や生活での小粋な景色を描いたものである。
     その細かい描写は現地ならではと思わせ、読んだ誰もが遠い異郷を脳裏に思い浮かべるであろう。旅好きな人の旅情をそそるのは間違いない。
     読み進むうちに、短編それぞれが連携し始め、彼という名の日本人主人公の物語になっていく。彼は、どうも筆者自身あるいは自身をモデルにしたようである。実体験をベースにしているのならばリアリティがあるはずだ、と納得した。
     それでも、本書の価値はうすれない。ここに書かれているような異国での出会いや経験を、そのほんの一部でも旅の中で味わい

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    2013年12月29日
  • 11分間

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    ネタバレ

    何年かぶりに読み直した本。節目には読みたくなるコエーリョ。 前は「嫌な場所から抜け出して自分の行きたいところへ踏み出してみなさい」というコエーリョ節が響いて会社を辞めるきっかけにもなった本。それなりに自分のやりたい事をやれている今でも読んでみると、発見がある。ただ、それは昔響いた所とはちょっと違う。 惰性で生きている人たちを否定してしまいがちだけど、マリーアはこの小説のあと、緩やかな惰性に入っていくのではないだろうか。惰性と冒険の繰り返し。その二項対立は年を取るごとに境界が曖昧になっていく。痛みを共有することから得られる快楽を強く否定する理由が気になった。愛の形は人の数だけあると思いつつ、痛み

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    2013年01月30日
  • 11分間

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    ネタバレ

    難しかったです。まだ理解出来ない部分がありました。
    それにそんな簡単にまとめていいのかよ。とか、体験しなきゃ絶対わからないよね。ていうのもありました。

    でもそんな事いっても止まらずに読みきってしまいました。
    興味深い内容と興味深い文でした。面白かったです。

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    2013年12月02日