内山純のレビュー一覧
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人間関係に不器用で繊細な管理人さん兼まかないさんと、それぞれに何かから逃げてきて身を隠したい下宿人たちの、連作短編集。
なかもり荘のみなさんの関係性がとても優しく、温かい気持ちになれるのは、真ん中にナギトがいるおかげですね。そして、そこに導いたみちるさんのおかげでも。ナギトがみんなに愛されていて、それが読後感の良さにもつながりました。
最後に明かされる真相は悪意に満ちていて、犯人の性格が悪いな、とは思うものの、自分の中にもそういう要素がないか、ドキッとした結末でした。ナオさんの言う「しかたない」ではなく「ただそういうこと」と受け止める、という言葉も心に残りました。
この暖かい関係が続いてほしい -
Posted by ブクログ
〇〇荘…にとにかく弱い!
「〇〇荘」と見るととにかく読みたくなってしまう。
なんとなく伽古屋圭市さんの「猫目荘のまかないごはん」のような感じかなぁと…管理人さんが素朴な美味しいご飯を作ってくれる、まかないつきの〇〇荘!
途中までは予想通り、少し頼りなげな管理人さんの元に様々な人達が集まり、良い距離感でお互いに助け合いながら穏やかな温かい下宿人生活を送る。
微笑ましく「うんうん、いーねー」なんて思いながら、ぬくぬくのストーリーを楽しんでいたら、少しずつお話がミステリー色を…。
ぬくもり荘を脅かす事件が次々と…。
犯人の動機を知った時は、なんて理由で…と憤慨したのも束の間、ナオさんの犯人に対する心 -
Posted by ブクログ
自分の価値観が、一度洗濯されて太陽の匂いを吸収しながら乾いていく、そんな一冊だと感じた。
人間誰しも、私も、周りの人々にレッテルを貼って見ていた。誰々の友達、この会社の人、こんな病気をもっている人…
これは、その人自身を見ているとは言えない。“個”を尊重するとはどういうことなのかを改めて考えさせられた。それに、「仕事は苦痛をもたらすものではなくその人の人生を豊かにするものであるべきだ」という考え、なんて優しくて救われるような言葉なんだろう。
この一冊から私はたくさんのことを考えて、感じることができた。チョコも元々好きだが、大好きになった。私もホットチョコレート、淹れてみたい。 -
Posted by ブクログ
あなたは、こんな思いに囚われたことはないでしょうか?
・『人って、なんのために働くんだろ』
・『ふいにどこかへ逃げてしまいたくなった』
・『なんか、疲れちゃいました。あたし、いったいなにをしているんでしょうね』
長い人生にはさまざまなことがあります。順風満帆の中に日々を生きている…自信を持ってそう言える人はそうは多くないと思います。まさに人生、山あり、谷ありです。そうです。上記したような思いは決して特別な感情ではありません。多くの方にとって一度は苛まれる感情だと思います。
そんな時、あなたはどのようにその瞬間を乗り越えていくでしょうか?悩み苦しみをどのように潜り抜けていくでしょ