内山純のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
土曜日しか開店しない、デンマーク料理を出すカフェでの日常の謎
収録は4作
・マッチ摺りの少女
・きれいなあひるの子
・アンデルセンのお姫様
・カイと雪の女王
児童書の出版社で働く香衣
たまたま見つけた「カフェ・チボリ」の一人目のお客さんとなった縁もあり、土曜日しか開店しないというそのカフェに毎週通い続けることになる
美味しいデンマーク料理と、デンマーク語でくつろぎ、居心地の良い空間を意味する「ヒュッゲ」を提供するお店で
常連客たちの身の回りで起こったアンデルセン童話を連想する日常の謎を推理する
初老の男性と高校生のレンが営む店で出会う日常の謎と安楽椅子探偵の物語
店名のチボリの由来はデンマークの首都・コペンハーゲン駅の目の前にある公園の名前である「チボリ公園」から
・マッチ擦りの少女
教会で起こったお金の紛失事件と、部屋で一人マッチを擦っていた女の子
・きれいなあひるの子
陶芸教室で作った素人の作品を貸して欲しいといった美術商
別荘の時計と共に皆に見せたいというが、その真意は?
・アンデルセンのお姫様
オーナーの叔母で元有名女優が、昔にデンマークのバーで出会った女性の正体は何か?
・カイと雪の女王
最近よく起こっている放火事件、そしてカフェ・チボリの常連客での不審な出来事や脅迫状
犯人は誰か?そして本当の目的とは?
カフェが成立している設定に色々と無理があるものの
そこはフィクションと割り切れば、私好みの日常の謎の物語が残る
謎だけでなく、カフェの料理やドリンクなど、とても美味しそうに感じる
これを読んで、酒屋で見かけたカールスバーグを実際に買ってしまった
謎に関してはまぁそこそこ
3話目の真相に関して、最終的に真相は不明のままという事だけど、物語の構造としてはやはりレンの推理が正しいのでしょうね
個人的には王女様という香衣さんの推理が面白いと思う
最後の謎というか、解決編の香衣さんの収め方がとてもよい
聡明な探偵でも真相を当てられるとは限らないし、事件そのものを納める事までは考えていない
そして何より自分や周囲の感情の機微には疎かったりする不思議
灯台下暗しのように、近い人の心情こそよく見えないということなのでしょうかね
でもまぁ、その辺の展開はこの手の物語の定番ですからねぇ
デンマークやアンデルセンについてちょっと知識が得られる
そう言えば、アンデルセンのエピソードで
自身の葬儀の際に、音楽のリズムは子供たちの小さな歩みに合うようにしてくれと生前に言っていたというのがあるけど、本当ですかね? -
Posted by ブクログ
児童向け図書を扱う老舗出版社のアカツメクサ出版に勤める笠原香衣は地元の飲み友達石川さんと土曜日しか営業しない”カフェ・チボリ”というデンマーク料理店のお客様、1号2号になります。
そこに毎週集まる常連客と店長の高校生レンと従業員のシゲさんがアンデルセンの童話に関係ありそうな日常に起こった謎と事件を解き明かします。
デンマーク料理を食べながら語られる、安楽椅子探偵譚。
第一話「マッチ擦りの少女」は何て地味な謎なんだろうと思ってしまい、読むのをやめてしまおうかと思ったけれど、第二話、三話と読み進むうちに面白くなりました。
連作短編集ですが、各話が全部最後につながるのは伏線回収がお見事です。
第二話の「きれいなあひるの子」はドジな犯人にちょっと笑えるミステリーでした。
第三話の「アンデルセンのお姫様」の昔、伝説の女優だったレンの伯母の百合子さんの話が私は一番好きでした。
第四話「カイと雪の女王」はお店存続の危機が起こるハラハラするミステリーです。
高校生の店長レンのキャラクターが新鮮でとても素敵なのでこんなお店があったら行ってみたくなります。 -
Posted by ブクログ
同じ建築事務所でリフォームをする予定の2人、来住蘭子と山本スミレが出会うことから始まるお話。
神楽坂という街を舞台に、蘭子さんとスミレさんの関わりをきっかけに広がっていく周りの人達との関係がテンポよく繰り広げられていく様子にほっこりしながら読めた。
街並や人物を思い浮かべやすく、実際にそこで暮らしている人の生活を覗き見しているような、そんな感覚もあった。
ほっこり癒されて終わる本かなーと思いながらも、途中ジーンとくる部分もあったりで、リフォームも人生もいろいろあるよなぁと。
この「リフォーム」と「人生」を関連づけて考えることって、ありきたりといえばありきたりなのかもしれないけど、家も人生もやはりそういうときは来るよね、そういうもんだよね、と特別なことじゃなく誰でも経験するものだよと勇気づけられるような気がした。
蘭子さんもスミレさんも人に敬意を持って、思いやれる人だから、周りにもそんな人達が集まって来たんだろうな。
本の中の一節
「私は一人で生きていく。
いや。
たくさんの人に助けられて生きていく。
心の底から辛いとき、助けてと言える自分になろう。やがて元気になったとき、今度は誰かを助けることができるから。」
私も心に留めておきたいと思った。