マイクル・クライトンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
さすがクライトン
スピード、ストーリー、シンプルと3つのSがそろった傑作。
上下巻だが一気に読み通すことができる。さすがクライトンだ。
プロローグもエピローグもなく、冒頭から一気にストーリーが展開する。登場人物の背景もなにもない。ただただ一気に戦場に出発し、気づいたら最前線だ。
海底に長さ800mもある宇宙船が発見される。周囲の状況から、海底には500年は眠っていることが明らかに。軍に率いられた科学者たちは謎を解明に向かうが、船はブラックホールを経由して未来のアメリカからきたものであることがわかる。
続いてのドッキリは、その船には宇宙で拾ったと思われる不思議な球体が格納されていること。ファースト・コンタクトだ。科学者の一人が空洞であるその球体に入ってから周囲には不思議な現象が起こり始める。
ラストにかけて、球体に入った人間は「すべてのことを無意識にうちに具現化できる能力を持つ」ことが明らかにされる。その能力は恐怖や弱さ等人間の弱い側面を強調するため、理想的なものとモンスターが同時に作られることになる。
無意識が作り出した恐怖の象徴であるオオイカなどのモンスターにより、一人ずつ科学者たちは死んでいく。そして3人しか残っていないとき、その能力者がいったい誰なのかというパニックが最高潮に達して一気にクライマックスへ。
いつもの通り、用意した題材やスピーディーに変化するストーリー展開に比べてエンディングは尻切れトンボの印象がぬぐいきれないが、間違えなくこれは彼の最高傑作の一つだろうと思う。 -
Posted by ブクログ
例によって、虚実織り交ぜたサスペンス小説。この作品は、サスペンス小説と言うよりも冒険小説である。それも、ジャングルの奥にある伝説の都市を探すというのだから、うんと古典的な、ハガードばりの冒険小説である。
もっとも、この作者のことだからきちんと現代小説に仕上げていて、そういう冒険小説に、現代テクノロジーを絡め、企業小説的な要素を絡め、「手話の出来るゴリラ」という癖玉を持ってくる。これがくせ者で、実にお見事である。
古典的といってもいいくらいのオーソドックスな物語に、現代テクノロジーの味付け、次々と主人公を襲いかかるさまざま困難と、それをかいくぐって先へ進んでいくテンポは実におもしろく、久しぶりに夢中になって読みふけったクライトンであった。「ジュラシック・パーク」のように、振り上げた拳の落としどころに困ってしまうようなこともなく、山場から結末まで、うまくまとめていて読みがいがあった。
流れがちょっと主人公たちにとって都合が良すぎるし、なんとも安易に「消耗要員」を登場させてしまうあたりが気になるんだけど、そのあたりに目をつぶれば、まずは文庫本一冊分、お腹いっぱいに満足させてくれる作品であった。 -
Posted by ブクログ
○2008/03/23
以前塾の先生に頂いたもの。手話するゴリラ、エイミー(図らずも恋する…のキカが浮かんだ)がなんか、いい。自由奔放なのに人間らしくてすごい好感。
冒険小説に分類されると思うんだけど、入りの部分は機械や組織の説明やらで進みにくかった。
でも、一端のめり込むと情景がすらすら頭に浮かんできて、映像を見てる感覚になる。矢継ぎ早に読ませる文で、なのに読みやすかった。ほんとにどこからがフィクションなのか分からない。
その後の部分はまぁ、エイミー含め各自そんなもんか、という感じだったけど、そこに行き着くまでのラストが、さらっとしてんなぁオイ、と。煮え切らずにゴールしてしまった感が残念。