冨永星のレビュー一覧
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本書はなかなか面白い例え方をしている。自分の殻のことを、箱と表現しているのだ。そして、箱から出て世界を見ることを勧めている。
「相手を責めている場合は、必ずこちらが箱の中に入っている。自分が他の人にすべきだと感じたことに背く行為を、自分への裏切りと呼ぶ。そして、一旦自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。 」(本書より抜粋)
これらを知ってから、自分が他の人にすべきだと感じたことは、率先して行うよう実践している。初めのうちは簡単ではないが、時期に慣れるであろう。自分への裏切りについては、自分自身薄々気付いていたのだが、このように文章で指摘されると -
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頭が固まってきたときは、気分転換に自然科学の入門書を読むことにしている。特に、好きな分野は、宇宙論、量子論、進化論、脳科学、そして複雑系/非線形科学。
複雑系/非線形科学のなかで、特に面白かったのは、この著者の”SYNC”で、これは、これまで読んだ自然科学系の本で、多分、ベスト3にはいると思う。
というストロガッツの数学入門。
本当に小学校の初めから、つまり、数とはなにか、足し算とは、引き算とは、掛算とは、割り算とは、から始まり、徐々に、関数、図形、微積分、統計、そして非ユークリッドやら、トポロジーやら、高等数学の世界まで、ユーモアたっぷりの30章のエッセイで紹介してくれる。
数学って -
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「ニューヨーク・タイムズ」に連載された数学エッセイをまとめた本。数の起源から無限まで6部構成(数、 関係、形、変化、データ、数学の最前線)で数学の体系に触れることができる構成になっている。各章は日常 の数学に纏わるエピソードから紹介しており、難しい数式も無く、素人にも判りやすい図で解説していて、とても読みやすかった。学生の頃に苦労した数学が、見方を変えると途端に判りやすくなる。そういう事例がこ の本には数多く易しく解説されているので、数学に再チャレンジしたい人は、手始めにこの本で数学の考え方 に馴染んでみるのも良いと思う。
ちなみに、理系でありながら歳と共に数学が苦手になってしまった自分は、こ -
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ブラックホールが白くなる、という挑戦的なタイトル。時間と空間を短絡して移動するワームホールという概念は、SFの世界では聞いたことがあるが、これと関係するのか?という素朴な疑問から手に取る。ブラックホールはそこに落ち込んだ物は再び出れない、のに対して、ホワイトホールはそこに留まることは出来ずに、そこから出てくるだけ、らしい。この両極端のホールが実は進化の過程で変質するらしい。これは空間の観念で話していても理解困難だが、これに時間のファクターを入れて説明されているが、理解は不能になる。ホールとともにあるものの時間の経過は常識的に進んでいくが、ホールの外の世界では遅々として進まず、数十億年という桁外
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人が素直に生きることが出来るのは、やはり気付きが必要だ。私たちが何かを見て考え行動するときに、自分の中にある偏った知識と偏見と視点から世界を見ることで他者批判や摩擦が生じることだろう。
本著ではそれを箱と呼んでいる。それはある種の檻であり、閉じこもる自分だけの世界の話だ。本著の主張はその箱に気付き、飛び出せと説く。そうしたら、他責思考はなくなり自分が本当にやりたいことへ向き合うことが出来ると。
多くの知識を得て、多くの体験を得て、多くの人々と交流をした上でも、その箱から抜け出すことは容易ではない。その箱に気付く必要があるからだ。どの分野でもそうだが、優れている人というのは気付きの回数が多い。そ -
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時間って何だろうということを考える良いきっかけとなった。
考えてみると不思議なものであり、目には見えないし、感じることしかできない。その感じいているものでさえ、私たちの生きているスケールが大きすぎるあまり近似されたものであり、そもそも時間は存在しない。でもじゃあ、何で感じるの?という疑問に物理学に最先端を行くカルロさんが答えてくれる、そんな内容だった。
文体は詩的で扱うトピックのせいか、哲学的な内容も多く正直わかり易くはない。エッセイというジャンルだからか、物理学の数式や理論的な記述は少なく、結論や表面だけをさらっていくだけでモヤモヤする。ただ、深い議論をされたところでほとんど理解できない -
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ネタバレ“するとナーガセーナは勝ち誇ったようにいう。「馬車と同じように、ナーガセーナという名前も関係と出来事の集まりを指しているにすぎない」と。
わたしたちは、時間と空間のなかで構成された有限の過程であり、出来事なのだ。
それにしても、わたしたちが独立した実体でないとすると、何がわたしたちのアイデンティティー、「自分は一つのまとまった存在だ」という感覚の基になっているのか。このわたし、カルロをまとまりあるものとし、その髪や爪や足、さらには怒りや夢をも自分の一部だと感じさせ、悩み考えさまざまなことを感じている今日のカルロが昨日や明日のカルロと同じだと思わせているのは何なのか。”
自分が何者であるのかと -
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ネタバレ量子力学が分かりにくい。ニュートン力学など従来の考えではとうてい納得いかない。
多くの人の共通した認識ではなかろうか。本書もこの観点、筆者も通った道から説明をしている。そもそもこの導入が罠である。もっとも私達の多くはこの文脈からしかのみこの山を登れない。この山は様々な状態を内包している。しかしそこにはすぐには気づかない。
第五章にて、ボーアの直感をあらゆる自然現象に拡張した記述として以下を挙げている。
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以前は、あらゆる対象物の属性は、たとえその対象物と、ほかの対象物との相互作用を無視したとしても定まると考えられていたが、量子力学は、その相互作用が現象と不可分であることを示している。どんな現 -
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『時間は存在しない』の、ループ量子重力理論の研究者カルロ・ロヴェッリの本。
量子力学の発端の、生き生きとした歴史を示す導入は読みやすいが、第2章後半から、この世界構造は何なのか、という量子論にとって避けられない根源的な問いへの思索となり、難解になっていく。ここからは読者を選ぶように思われる。
量子力学は情報理論だ、関係だ、「空」だと言われても、それが物理事象とうまく接続できない読者としては、わかった気になるようでならないようで、著者の思索に振り回されて困惑する。世界の本質の思索において、物理は哲学と無縁ではいられない、と頭でわかってはいても。それでも、思想の網を広く持つことが重要だ、という物理