冨永星のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「自分が人にどのような影響を及ぼすか、成功できるかどうかは、すべて箱の外に出ているか否かにかかっている」
人間関係の問題の原因となる「自己欺瞞」のメカニズムを解説する一冊。
心理学で扱われる「自己欺瞞」が仕事や家庭でどのように影響するか、ストーリー仕立てで説明されており、読みやすい。
タイトルにある「箱」とは、自分を正当化する視点から見た、無意識のうちに歪められた周りの世界のたとえ。
心理学では、人の悩みのほとんどが人間関係によるものだと言われているらしい。
そのため、この本の考え方が活用できれば、仕事・家庭生活に関わらず多くの悩みが解消できるという。
なかなかに魅力的な話だ。
問題の出 -
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Posted by ブクログ
【『自分の小さな「箱」から脱出する方法』感想】
人間関係の中で「つい相手のせいにしてしまう」「自分は悪くないと思いがち」という思考グセに悩んでいた時に出会った一冊です。
これまでも『7つの習慣』や『嫌われる勇気』で「自分にできることに集中する」「課題の分離」といった考え方に触れてきましたが、どうしても「相手が悪い」と感じてしまう自分がいました。
この本は物語形式で展開され、理論よりも感情にすっと入ってくる内容で、「箱に入っている自分」に気づくきっかけを与えてくれました。相手を責めたくなる時ほど、自分が箱に入っているんじゃないか?と自問するようになり、人との関わり方が変わってきた実感があり -
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生命化学系の大学生である私にとって、量子論との出会いは量子化学だった。本書を読んで量子論の始まりには行列力学と波動力学という二大巨頭があったことを知った。またシュレディンガーの波動方程式は量子の不連続性をなくしたいという思いが含まれていたようだ。式を追うだけでは把握しきれない科学者のドラマや気持ちを本書では描き切っている。
そして量子論を解釈するため、著者はナーガールジュナ(龍樹)に行きつく。龍樹によればいかなる視点も別の視点との関係性抜きでは存在しえないという。量子論の結果が古代の仏教哲学と呼応しているようにみえるところが面白い。
本もまた、他の本との繋がりが本質的であるといえるかもしれ -
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ネタバレすごく読みやすくて面白かったー!といいつつ、量子論の本は何冊読んでも強固としてある「自我」や「主観」といったものを相対化しきれていないところもあり、科学者たちが持っている「ほんとうに、信じられない。こんなことを、信じろというのか?これじゃあまるで…現実が…存在しないみたいじゃないか」という恐怖感には直面していない。
序章の「深淵をのぞき込む」
…だが、これぞまさに科学なのだ。科学とは、世界を概念化する新たな方法を探ること。時には、過激なまでに新しいやり方で。それは、自分の考えに絶えず疑問を投げかける力であり、反抗的で批判的な世親による独創的な力ー自分自身の概念の基盤を変えることができ、この世 -
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量子力学の知見から、世界のすべてが「関係」としてだけ現れる/存在するという洞察、さらにそこから世界の一部である我々の意識/実存、または意識の中での意味の在りようが描き出される。
非常にスリリングに感じた。内容が自分の考えにとてもあっている、納得できるということからかもしれない。
書籍にもあるが、哲学で多く論じられている実在論とはややレイヤが違い一概に比較できないとも思うが、あらゆる実在が相対的(関係)であるという著者の考えは、実在の理解として、とても納得できる。
さらに著者は、相対的といったときの我々の存在については、意識は世界の一部であり、ただただ自然であるという。分かっていると言いたい -
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つい最近「実在とは何か(アダム・ベッカー著)」という、主に哲学の立場からコペンハーゲン解釈の論理実証主義的な実在否定論を批判する本を読んだが、この本はそれとは全く正反対の立場に立つ。つまり自然主義の見地から「世界はそこに内在する自然の一部と他の一部の相互作用の網の目によって成り立っている」とし、事実の総体としての「実在」を否定するのである。どちらの見方にも説得力と疑問点がありどちらが正しいと断ずることはもちろんできないが、短期間に全く正反対の立場に接することは知識の整理になるし、独断への落ち込みを避ける最も有効な手段だと思う。
本書の導入部分はシュレーディンガーの波動関数〈ψ(プサイ)〉 -
Posted by ブクログ
世界の見方が少し変わるとても面白い本だった。 量子力学の専門的な話と言うよりも、「世界について理解する」というような哲学的な本であった。
ただ、序盤の量子力学の解説に関しては少し背景知識がないと理解が難しい。
とはいえ文系の私でも理解出来て、楽しめたので、わかりやすい本だと思う。
古典物理学では説明不可能な量子現象に対する解釈として「関係」という概念を用いて説明している。そして、その考え方が哲学的にも特異でなく、先例のある考え方であることを解説している。
題名のような過激さは本の中にはない。表紙のデザインとタイトルだけだろう。 非常に読んで楽しかった。 -
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久々にいいものに会いました。
(でもこれを読みながらにやにやしてると変人みたいだな私)
読み物での数学的なトピックといえば、円周率、黄金比やフィボナッチ数列、ピタゴラス学派、ゼノンのパラドクス、確率・・・。
正直、食傷気味の感がありました。
この本は話が巧みで、引き出しも豊富。引き込まれていきました。
楽しかったのは決して、大学で理数科目を逍遥したからではない。数学好きでなく読書好きとしてわくわくしました。
内容が専門的になると私は理解できないが、これは一般書で、間口が狭くなっていないと思います。
後付けの脚注が豊富で勉強にもなります。
章が丁度良く短いのもありがたい。
訳書だと文の調子がお -
Posted by ブクログ
カルロ・ロヴェッリ氏の今度のテーマはホワイトホール。全てを吸い込む高質量かつ高密度のブラックホールが特異点で跳ね返り反転してホワイトホールになるという。それはブラックホールとは反対に全てを放出し、プランクスターとして痕跡を残し宇宙を漂っているという。なんともワクワクする話だ。
カルロ氏の他書籍と同様、非常に分かり易く説明されており、哲学的な内容を多分に含み、本書ではダンテの『神曲』が度々引用されている。また、発展途上の理論ゆえ時折挟まれるカルロ氏の独白部分が彼の思考プロセスを知ることが出来て面白い。
ホワイトホールの「放出」が何かを出しているわけではない?(ブラックホールでの順行の質量凝縮に対 -
Posted by ブクログ
ループ量子重力理論の提唱者であり、「時間は存在しない」の著者であるカルロ・ロヴェッリ氏の著書。相変わらず面白い。
量子とは同定した「何か」ではなく、観測者と観測物とが相互に干渉し合う「関係」として捉える点が興味深い。しかも量子もつれ(Entanglement)を二者間の関係ではなく、三人称での関係性で記述される妥当な相対情報を持つ「意味」として捉えている。XP-PX=iℏという順序による差に虚数をかけることで何らかの意味が生じるというこの式にも、オイラーの等式的な深遠な美しさを感じる。
カルロ氏は科学と哲学を表裏一体のものとして考えており、第七章で龍樹菩薩(ナーガールジュナ)の思想を内在化させ