冨永星のレビュー一覧

  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    量子力学の知見から、世界のすべてが「関係」としてだけ現れる/存在するという洞察、さらにそこから世界の一部である我々の意識/実存、または意識の中での意味の在りようが描き出される。

    非常にスリリングに感じた。内容が自分の考えにとてもあっている、納得できるということからかもしれない。
    書籍にもあるが、哲学で多く論じられている実在論とはややレイヤが違い一概に比較できないとも思うが、あらゆる実在が相対的(関係)であるという著者の考えは、実在の理解として、とても納得できる。

    さらに著者は、相対的といったときの我々の存在については、意識は世界の一部であり、ただただ自然であるという。分かっていると言いたいが、「自分の存在」の特別さを探してしまう気持ちを、まだ捨てきれないでいると感じる。

    また、著者は言う、量子力学から考えた自分の考えは、仏教の「空(縁)」につながると。
    ここで、我執を断つことは仏教のめざすものの一つであったなと思い、自分の気持ちに納得する。

    改めて考えると、おそらく自分は、我執を含む執着から離れたいと思いから本を選び読んでいるのだとおもう、だから、本書をスリリングに感じたのかもしれない。


    ・量子力学から考えるに、すべての物の属性は関係を持った時にだけ立ち現れる(2者間の関係のみ。3者の場合は、2者間の関係を位置?変換することで共有できる)。
    ・意味もダーウィズム的な進化論から物理的な相互関係から基礎づけられる(超越的なものはない)。
    ・意識は自然の一部であり複雑な相互関係といえる(超越的なものはない)

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    2022年11月12日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    世界は対象によってできているのではなく,関係によって対象が存在しているというコペルニクス的転換によって量子論を解釈する関係論的解釈に基づいている。本書は物理学の範疇を華麗に抜け出し、哲学、心理学、生物学の範囲を駆け抜けてゆく。関係論的解釈によって二元論など先入観に囚われた世界を新たな記述によって再解釈し、観測することが可能になる。

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    2022年03月10日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    またもや素晴らしい本に出会った。量子論という理系的な内容を、学問的な専門知識と卓越した詩的な文章能力を両立させて面白くかつ美しく教えてくれる本だ。完全に自分の好みのツボ。生物学の福岡伸一さんや数学のサイモンシンさんのファンならば絶対に読んだほうが良い。
    数か月前に、同じ著者の「時間は存在しない」を手に取ったが、それは全くとしていいほど自分に響かなかったが、おそらくそれは自分の不勉強のためだろう。再度チャレンジしてみたいと思う。

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    2022年02月20日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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     つい最近「実在とは何か(アダム・ベッカー著)」という、主に哲学の立場からコペンハーゲン解釈の論理実証主義的な実在否定論を批判する本を読んだが、この本はそれとは全く正反対の立場に立つ。つまり自然主義の見地から「世界はそこに内在する自然の一部と他の一部の相互作用の網の目によって成り立っている」とし、事実の総体としての「実在」を否定するのである。どちらの見方にも説得力と疑問点がありどちらが正しいと断ずることはもちろんできないが、短期間に全く正反対の立場に接することは知識の整理になるし、独断への落ち込みを避ける最も有効な手段だと思う。

     本書の導入部分はシュレーディンガーの波動関数〈ψ(プサイ)〉に対する物理学界の解釈論だ。ψを「確率」として扱うマックス・ボルンらの主流派に抗してこれを事実の総体としての世界にどうにかして位置付けようとする非主流派の理論(ボームの〈パイロット波理論〉、エヴェレットの〈多世界的解釈〉等)を、著者はバッサリ切り捨てる。そして、世界を〈関係=相互作用=属性〉の観点から再構成し、①事物の属性が生じるのは世界の一部と他の一部との間に相互作用が存在するからであり、また②すべての事実は相対的である、とのコペルニクス的転回を提示する。
     この論に従えば、「測定状況依存性」の問題はある世界の一部と他の一部の相互作用の問題に回収することができ、何ら不思議な現象ではなくなる。そもそも相関関係にない観測者に対しては、すべての現象はエンタングルメントとしてしか提示されない。測定という形で相互関係に立った瞬間、その現象から具体的な属性が提示されるのだ。ただしその属性は観測者との間でしか妥当せず、異なる系に立つ観測者がその属性に同意するには、観測者同士が相関して共通認識を持つ必要がある(〈間主観性〉)。
     そして、量子物理学の2つの公準から「ある対象の情報を最大限集めても情報の総体は確定不能」と言う命題が導出されることから、「究極の〈本質〉は存在しない」という、伝統的実在論の否定に至るのだ。ここで興味深いのは、論理実証主義の旗頭であったエルンスト・マッハに影響された、ロシア革命期の思想家アレクサンドル・ボグターノフなる人物が舞台廻しとして登場することだ。彼は、マルクスやエンゲルスと通底する相対的経験主義に立ち、「現在の物質概念も知識の歩みの途中段階であり、経験と概念の組織化により継続的に知識を得ることが必要である」と主張してレーニンの史的唯物論批判を繰り広げたのだが、これが上記の量子物理学の公準から導かれる確定不能性と相似形をなすのである。「歴史も情報も、先行して獲得された経験の総体からは決してその未来が確定できない。だからこそ世界の表象から既知の事実と異なる情報を検出し、知識の更新を図る必要がある。これが歴史と量子論に共通する本質だ」というわけだ。量子論と共産主義世界における論争とのシンクロに驚かされると同時に、物理学者でありながらロシア思想史にも造詣の深い著者の博識ぶりに深い感銘を受けた。
     
     無論、どうしても得心の行かない部分はある。例えば、本書で触れられる〈ハードプロブレム(デヴィッド・チャーマーズ)〉がこれで解決できた、と著者は言うが、本当にそうだろうか。「すべての物理現象は三人称的でなく一人称的であるから、一人称的な心的現象も物理現象の範疇に含めてよい」と言うのが著者の主張だが、それはやはり安易なショートカット(主観的意識経験の物理科学的記述を経ることなくいきなり主観を物理現象としてカテゴライズしてしまう)と言わざるを得ないように思う。本書で槍玉に挙げられているトマス・ネーゲルは、まさにこの主観的経験の物理的記述の困難性を指摘したのであって、これに正面から挑まないままいきなり「主観的経験はすぐれて物理的現象」とするのは意図的な論点ずらしのように思えてしまうのだ。
     そしてもう一つは、実在性の否定にどうしてもポストモダン的なニヒリズムの匂いがしてしまうこと。「哲学が科学に従うべきであって、その逆ではない」とは自然主義の文脈でよく見られる言説だが、少なくともこれまでは実在の探求こそが科学パラダイム獲得の歴史の下支えだったのではないのか。それともやはり僕のこのような見方自体が、すでに古典物理学のドグマに絡め取られたものなのだろうか。

     とはいえ、著者の考察は簡潔で論旨が分かりやすく、説得力に富むのは間違いない。有名な「シュレーディンガーの猫」や「エンタングルメント」を用いた間主観性の説明も懇切丁寧で、少なくとも上述した「実在とは何か」との比較では、著者の主張の方に同意する向きが多いのではないかと思う。また、本書第3部以降の自然主義・科学哲学的考察は日本の研究者も同様の著書を多く出しており(e.g. 戸山田和久「哲学入門」「恐怖の哲学」etc.)、僕同様馴染みが多く共感できる読者も多そうだ。

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    2022年02月20日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    タイトルからポピュラーサイエンス的な量子力学解説と言った趣向の本かと思ったが途中から、これはちょっと違うなと思い始め、最後にかけては哲学というか文学というか様々な分野を統合して世界への認識を改めていくような割と革命的な世界の見方を提示してくれる。世界の見方が変わる本。
    作者カルロ・ロヴェッリのヨーロッパの哲人的なさまざまな分野での深い教養とそれを魅力的に語る言葉の翻訳を通しても伝わる素晴らしい文章が非常に魅力的。
    シェイクスピアの引用から始まる最終章が白眉。

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    2022年02月11日
  • xはたの(も)しい 魚から無限に至る、数学再発見の旅

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    久々にいいものに会いました。
    (でもこれを読みながらにやにやしてると変人みたいだな私)

    読み物での数学的なトピックといえば、円周率、黄金比やフィボナッチ数列、ピタゴラス学派、ゼノンのパラドクス、確率・・・。
    正直、食傷気味の感がありました。
    この本は話が巧みで、引き出しも豊富。引き込まれていきました。
    楽しかったのは決して、大学で理数科目を逍遥したからではない。数学好きでなく読書好きとしてわくわくしました。
    内容が専門的になると私は理解できないが、これは一般書で、間口が狭くなっていないと思います。
    後付けの脚注が豊富で勉強にもなります。
    章が丁度良く短いのもありがたい。
    訳書だと文の調子がおかしいこともあり得ますが、この本では特段気にならなかったです。

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    2015年03月06日
  • 新版 自分の小さな箱から脱出する方法 人間関係を変えれば結果はついてくる

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    人の悩みはだいだい人間関係だ、とよく言われる。この本は相手を「人間」として見て、手伝えることはないかと、考えることを勧める。相手が変わるのを待たずに、自分が変わろう、と。こういうハウツー本にありがちな「この本を読むべきはあいつだ!」という不満は最後には消えました。あとは実践して、効果が出れば良いのだけれど。

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    2026年09月25日
  • 新版 自分の小さな箱から脱出する方法 人間関係を変えれば結果はついてくる

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    自己欺瞞に囚われる箱から脱出し、人を人として見る。

    旧版は10年以上前に初めて読んだが、今回新版が出たということで読んでみた。登場人物は時代に合わせ変化があるものの、根底の考えはもちろん変わらず。他者を人として見ず、自己の行いを正当化する行為を箱に入っていると考え、そこから出ていくことの大切さを説く本書の主張は、初めて読んだときから自身の環境が変わった中で、あらためて意識していく必要があると感じた。
    またこの考えは、仕事に留まらずプライベートでも役に立つというのは、ストーリーを通じ伝わってきた。

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    2026年09月12日
  • 新版 自分の小さな箱から脱出する方法 人間関係を変えれば結果はついてくる

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    めちゃくちゃタイムリー、まさに今の私。
    だからなのか、すごく読みやすくて内容も入ってきやすい。
    自分がコントロールできるのは自分だけ、自分も相手も不完全な人間であること、他の人たちもみんな自分と同じように大切な存在、当たり前だけどそれを理解して行動しているかってなると難しいから、悩んだらこの本を読み返したいな。

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    2026年09月12日
  • 時間は存在しない

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    この本は、「宇宙に一本だけ流れる絶対時間」は存在しないのだと、私たちの常識を覆していく。

    でも最後に著者はこう語る。

    宇宙から時間は消えても、人間から時間は消えない。

    人は記憶し、未来を思い描き、限りある時間を生きる。だからこそ、喜びも悲しみも、美しさも生まれる。

    ロヴェッリは、科学者であり、詩人だった。

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    2026年07月12日
  • 時間は存在しない

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    なかなか理解が難しく、時間は存在しないと言えるほど曖昧なものだと感じている。しかし、もし私たちが時間を変えることができるのだとしたら、その「違い」とは何なのか。物理学が示す時間の概念──時間は実体として存在しないという考え方──について、まだ十分に理解できていない。もう少し深く理解を深めたいと思った。

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    2026年07月04日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    面白かった。成程こういうことなのか。
    理論物理学は哲学。「空」の概念。
    さっぱりわからんところも多いけど物理学者のエピソードも多くて読みやすい。量子やってる皆さんのこと少しでもよくわかるようになれたらいいな。

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    2026年05月31日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    エルンスト・マッハは絶対不変な存在を大前提とする形而上学からの脱却を訴え、その後の科学者へ多大な影響を与えた。そこにはレーニンとの論争で有名なボグダーノフも、アインシュタインも、ハイゼンベルクも、筆者自身も含まれる。物質や心など、旧来から人間の認識を支配してきた固定観念を捨て、相対的な関係こそが現実に起きている現象を最もうまく説明できるのではないか。摩訶不思議な量子力学における現象も同様な話の流れになるが、そこからさらに飛躍して脳と意識や、意味論にまで適応が広げられていく。
    量子力学の基礎となるのはハイゼンベルクの不確定性原理であり、多世界解釈や、観測し得ないが存在している波など、現実への当てはめは様々なものがある。お馴染みの2重スリット実験やツァイリンガーの実験、量子ゆらぎや量子干渉を解釈するのに、相対的な関係を考えるとうまくはまる。プランクはエネルギーがその波の振動数の何倍になっているか示す比例定数をh(プランク定数)と表した。ハイゼンベルクによるXP-PX=ih/2πは、粒子の位置に運動量(速度x質量)をかけたものは、その逆にかけたものと異なることを表す。相互作用がなければその対象物には属性がない、事実は相対的である、と考えることでシュレディンガーの猫を解決する。公準として①ある対象物に関連する情報の最大量は有限である。②いかなる対象物に関しても、常に新たに関連する情報を得ることができる。を前提とする。すべての物理変数をどこまでも正確に知り得たとすると無限の情報を得たことになり、ここでプランク定数が歯止めとなる。ΔXとΔPをどこまでもゼロに近づけることはできない。そのため、光子はそれ以上小さいエネルギーに分割されることなく粒状性とみなされることになる。また、新しい情報は無限には得られない、より古い情報がその系に関連しなくなる原理が作用する。これにより非可換性が重要となる。e=mc2もそうだが、単純に見える数式に深い意味が存在するのが非常に面白い。ハイゼンベルク、ボルン、ヨルダンが行列を使って量子飛躍を計算していたときと同時にディラックも同じ着想にたどり着いていた。3人がかりで難儀した難しい計算を、一番の切れ者のパウリに相談し、数週間で計算してしまった。量子力学の黎明期、人類で初めて不可思議な現実を説明する理論を編み出した天才たちの物語。当時の興奮も伝わってくる

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    2026年04月01日
  • 時間は存在しない

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    凄く詩的な文章だった。
    宇宙からみたら時間は存在しないけど、人には物語があるから過去、未来、現在がある。
    外側ではなく内側に存在するってことかな。
    わたしにはまだ理解できないところも多々あったから何度か読み直そうと思う。
    184ページから先がまとめみたいになっているのでさらっと読みたい人はそこから先を読んだらいいかなと思う。

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    2026年02月15日
  • 時間は存在しない

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    カルロ・ロヴェッリさんの本2冊目となります。

    この方の本は全く物理がわからなくても
    読みやすく理解しやすく書かれているので
    初心者さんや物理に興味がある方にオススメです。
    時間は存在しないと言われても、、、と思いながら読みましたが宇宙からみていかに地球が異質なのかがよくわかります。私はこの本を読んで宇宙からみて人間という存在は汚点なのではないか?と感じました。(エンタロピーの観点より…詳しくはぜひ読んでください。)
    改めて人間という存在を世界の中心ではなく、ほんの一握りの存在で自然の方がはるかに偉大で素晴らしいと感じさせられます。
    内容としては完璧で星5にしたいところなのですが
    私の中では理解できそうで理解できない言葉にできないモヤモヤが少し残ったので星4としました。

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    2026年02月01日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    量子力学の幕開けについて作者の解説がわかりやすく、あっという間に知の旅を駆けた感じ。ハイゼンベルグやシュレーディンガーなどのエピソードも面白い。量子もつれは、関係論的解釈で考える、というのが分かったようなどうかな。後半は哲学的で?でした

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    2026年01月25日
  • ブラックホールは白くなる

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    カルロ・ロヴェッリ氏の今度のテーマはホワイトホール。全てを吸い込む高質量かつ高密度のブラックホールが特異点で跳ね返り反転してホワイトホールになるという。それはブラックホールとは反対に全てを放出し、プランクスターとして痕跡を残し宇宙を漂っているという。なんともワクワクする話だ。
    カルロ氏の他書籍と同様、非常に分かり易く説明されており、哲学的な内容を多分に含み、本書ではダンテの『神曲』が度々引用されている。また、発展途上の理論ゆえ時折挟まれるカルロ氏の独白部分が彼の思考プロセスを知ることが出来て面白い。
    ホワイトホールの「放出」が何かを出しているわけではない?(ブラックホールでの順行の質量凝縮に対してホワイトホールは逆行の放出だが、この放出は「ホールから飛び出るイメージではなさそう)部分に少し理解しにくさがあるが、いつもどおり知的好奇心を大いに刺激される一冊。

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    2026年01月15日
  • 規則より思いやりが大事な場所で 物理学者はいかに世界を見ているか

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    各媒体に掲載した量子理論物理学者カルロ・ロヴェッリ氏のコラムを約50篇収録。
    氏の論考は科学のみながらず哲学、芸術、文学、詩、経済、政治と幅広く及び、1篇数ページながら氏の手加減なしの知性と教養がぎゅっと濃縮されており、集中して読まないと置いてけぼりをくらう。ほか著作の専門書のほうが平易で分かりやすいという珍しいパターン。
    いずれも深い造詣に基づく大変知的好奇心を刺激するものであるが、「わたしの、そして友人たちの一九七七年」のように感傷的なテーマもある。先人たちの知に触れどう向き合うかを学ばせてくれる一冊でもある。

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    2025年12月29日
  • 時間は存在しない

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     物理学的に、「時間は存在しない」。それは現世を生きている人間にとって、すっと受け入れることができない、常識に反すること。

     なぜ時間が存在しないのか、を物理学者目線で平易に語る。

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    2025年12月29日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    ループ量子重力理論の提唱者であり、「時間は存在しない」の著者であるカルロ・ロヴェッリ氏の著書。相変わらず面白い。
    量子とは同定した「何か」ではなく、観測者と観測物とが相互に干渉し合う「関係」として捉える点が興味深い。しかも量子もつれ(Entanglement)を二者間の関係ではなく、三人称での関係性で記述される妥当な相対情報を持つ「意味」として捉えている。XP-PX=iℏという順序による差に虚数をかけることで何らかの意味が生じるというこの式にも、オイラーの等式的な深遠な美しさを感じる。
    カルロ氏は科学と哲学を表裏一体のものとして考えており、第七章で龍樹菩薩(ナーガールジュナ)の思想を内在化させ量子論というツールをもって世の真の姿に迫ろうとする姿勢が氏らしい。
    カルロ氏の著作はいつも理解半分(も及んでないが)ではあるが、毎回知的好奇心を刺激してくれ、読んでいて楽しい。

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    2025年12月25日