冨永星のレビュー一覧

  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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     つい最近「実在とは何か(アダム・ベッカー著)」という、主に哲学の立場からコペンハーゲン解釈の論理実証主義的な実在否定論を批判する本を読んだが、この本はそれとは全く正反対の立場に立つ。つまり自然主義の見地から「世界はそこに内在する自然の一部と他の一部の相互作用の網の目によって成り立っている」とし、事実の総体としての「実在」を否定するのである。どちらの見方にも説得力と疑問点がありどちらが正しいと断ずることはもちろんできないが、短期間に全く正反対の立場に接することは知識の整理になるし、独断への落ち込みを避ける最も有効な手段だと思う。

     本書の導入部分はシュレーディンガーの波動関数〈ψ(プサイ)〉

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    2022年02月20日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    タイトルからポピュラーサイエンス的な量子力学解説と言った趣向の本かと思ったが途中から、これはちょっと違うなと思い始め、最後にかけては哲学というか文学というか様々な分野を統合して世界への認識を改めていくような割と革命的な世界の見方を提示してくれる。世界の見方が変わる本。
    作者カルロ・ロヴェッリのヨーロッパの哲人的なさまざまな分野での深い教養とそれを魅力的に語る言葉の翻訳を通しても伝わる素晴らしい文章が非常に魅力的。
    シェイクスピアの引用から始まる最終章が白眉。

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    2022年02月11日
  • xはたの(も)しい 魚から無限に至る、数学再発見の旅

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    久々にいいものに会いました。
    (でもこれを読みながらにやにやしてると変人みたいだな私)

    読み物での数学的なトピックといえば、円周率、黄金比やフィボナッチ数列、ピタゴラス学派、ゼノンのパラドクス、確率・・・。
    正直、食傷気味の感がありました。
    この本は話が巧みで、引き出しも豊富。引き込まれていきました。
    楽しかったのは決して、大学で理数科目を逍遥したからではない。数学好きでなく読書好きとしてわくわくしました。
    内容が専門的になると私は理解できないが、これは一般書で、間口が狭くなっていないと思います。
    後付けの脚注が豊富で勉強にもなります。
    章が丁度良く短いのもありがたい。
    訳書だと文の調子がお

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    2015年03月06日
  • 時間は存在しない

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    この本は、「宇宙に一本だけ流れる絶対時間」は存在しないのだと、私たちの常識を覆していく。

    でも最後に著者はこう語る。

    宇宙から時間は消えても、人間から時間は消えない。

    人は記憶し、未来を思い描き、限りある時間を生きる。だからこそ、喜びも悲しみも、美しさも生まれる。

    ロヴェッリは、科学者であり、詩人だった。

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    2026年07月12日
  • 時間は存在しない

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    なかなか理解が難しく、時間は存在しないと言えるほど曖昧なものだと感じている。しかし、もし私たちが時間を変えることができるのだとしたら、その「違い」とは何なのか。物理学が示す時間の概念──時間は実体として存在しないという考え方──について、まだ十分に理解できていない。もう少し深く理解を深めたいと思った。

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    2026年07月04日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    面白かった。成程こういうことなのか。
    理論物理学は哲学。「空」の概念。
    さっぱりわからんところも多いけど物理学者のエピソードも多くて読みやすい。量子やってる皆さんのこと少しでもよくわかるようになれたらいいな。

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    2026年05月31日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    エルンスト・マッハは絶対不変な存在を大前提とする形而上学からの脱却を訴え、その後の科学者へ多大な影響を与えた。そこにはレーニンとの論争で有名なボグダーノフも、アインシュタインも、ハイゼンベルクも、筆者自身も含まれる。物質や心など、旧来から人間の認識を支配してきた固定観念を捨て、相対的な関係こそが現実に起きている現象を最もうまく説明できるのではないか。摩訶不思議な量子力学における現象も同様な話の流れになるが、そこからさらに飛躍して脳と意識や、意味論にまで適応が広げられていく。
    量子力学の基礎となるのはハイゼンベルクの不確定性原理であり、多世界解釈や、観測し得ないが存在している波など、現実への当て

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    2026年04月01日
  • 時間は存在しない

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    凄く詩的な文章だった。
    宇宙からみたら時間は存在しないけど、人には物語があるから過去、未来、現在がある。
    外側ではなく内側に存在するってことかな。
    わたしにはまだ理解できないところも多々あったから何度か読み直そうと思う。
    184ページから先がまとめみたいになっているのでさらっと読みたい人はそこから先を読んだらいいかなと思う。

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    2026年02月15日
  • 時間は存在しない

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    カルロ・ロヴェッリさんの本2冊目となります。

    この方の本は全く物理がわからなくても
    読みやすく理解しやすく書かれているので
    初心者さんや物理に興味がある方にオススメです。
    時間は存在しないと言われても、、、と思いながら読みましたが宇宙からみていかに地球が異質なのかがよくわかります。私はこの本を読んで宇宙からみて人間という存在は汚点なのではないか?と感じました。(エンタロピーの観点より…詳しくはぜひ読んでください。)
    改めて人間という存在を世界の中心ではなく、ほんの一握りの存在で自然の方がはるかに偉大で素晴らしいと感じさせられます。
    内容としては完璧で星5にしたいところなのですが
    私の中では理

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    2026年02月01日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    量子力学の幕開けについて作者の解説がわかりやすく、あっという間に知の旅を駆けた感じ。ハイゼンベルグやシュレーディンガーなどのエピソードも面白い。量子もつれは、関係論的解釈で考える、というのが分かったようなどうかな。後半は哲学的で?でした

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    2026年01月25日
  • ブラックホールは白くなる

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    カルロ・ロヴェッリ氏の今度のテーマはホワイトホール。全てを吸い込む高質量かつ高密度のブラックホールが特異点で跳ね返り反転してホワイトホールになるという。それはブラックホールとは反対に全てを放出し、プランクスターとして痕跡を残し宇宙を漂っているという。なんともワクワクする話だ。
    カルロ氏の他書籍と同様、非常に分かり易く説明されており、哲学的な内容を多分に含み、本書ではダンテの『神曲』が度々引用されている。また、発展途上の理論ゆえ時折挟まれるカルロ氏の独白部分が彼の思考プロセスを知ることが出来て面白い。
    ホワイトホールの「放出」が何かを出しているわけではない?(ブラックホールでの順行の質量凝縮に対

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    2026年01月15日
  • 規則より思いやりが大事な場所で 物理学者はいかに世界を見ているか

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    各媒体に掲載した量子理論物理学者カルロ・ロヴェッリ氏のコラムを約50篇収録。
    氏の論考は科学のみながらず哲学、芸術、文学、詩、経済、政治と幅広く及び、1篇数ページながら氏の手加減なしの知性と教養がぎゅっと濃縮されており、集中して読まないと置いてけぼりをくらう。ほか著作の専門書のほうが平易で分かりやすいという珍しいパターン。
    いずれも深い造詣に基づく大変知的好奇心を刺激するものであるが、「わたしの、そして友人たちの一九七七年」のように感傷的なテーマもある。先人たちの知に触れどう向き合うかを学ばせてくれる一冊でもある。

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    2025年12月29日
  • 時間は存在しない

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     物理学的に、「時間は存在しない」。それは現世を生きている人間にとって、すっと受け入れることができない、常識に反すること。

     なぜ時間が存在しないのか、を物理学者目線で平易に語る。

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    2025年12月29日
  • 世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論

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    ループ量子重力理論の提唱者であり、「時間は存在しない」の著者であるカルロ・ロヴェッリ氏の著書。相変わらず面白い。
    量子とは同定した「何か」ではなく、観測者と観測物とが相互に干渉し合う「関係」として捉える点が興味深い。しかも量子もつれ(Entanglement)を二者間の関係ではなく、三人称での関係性で記述される妥当な相対情報を持つ「意味」として捉えている。XP-PX=iℏという順序による差に虚数をかけることで何らかの意味が生じるというこの式にも、オイラーの等式的な深遠な美しさを感じる。
    カルロ氏は科学と哲学を表裏一体のものとして考えており、第七章で龍樹菩薩(ナーガールジュナ)の思想を内在化させ

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    2025年12月25日
  • 時間は存在しない

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    Audible!!

    宇宙、量子、時間的な話って何で定期的に読みたくなるのかな、、もちろん現実逃避をしたいから!
    ってことでがっつり逃避してみましたw

    最初に面白いなと思ったのが、宇宙とエントロピーのお話。宇宙全体が最初は低エントロピーだったわけじゃなくて、たまたまそういう場所に自分たちがいるからという考え方。部分集合の一部でたまたまエントロピーが低い場所があった的なことみたい。

    その視点を分かりやすくしてくれるのが、りんご酒の例えでした。北ヨーロッパでりんご酒が飲まれているのは、文化が特別だったからじゃなくて、そもそもりんごが育つ土地だったから。同じように、生物が存在しているのも「奇跡」

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    2025年12月21日
  • 時間は存在しない

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    誰に対しても、どこでも一様に流れている時間はないこと、現在というものはないこと、当たり前だと思ったこれらが実際は違うという事実は興味深い。また時間の方向もないことが、様々な物理方程式にみられるらしいことは特におもしろい。その後の、では時間のない世界をどう記述するのか、それでも感じる時間の正体はなにか、これらの論説は解説読んでも理解不能でした。

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    2025年10月15日
  • 時間は存在しない

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    マクロな曖昧さ、これ、一神教の神でいいかな。

    この状態、状況を記述しようとすると、その背後に神の視点なりが、立ち現れて来ると感じる、と、思えるな。記述自体は、聖書、寓話の一説、ミクロな個々のイベント、出来事の一つでしかない。

    世の皇帝たちが、暦の作成に力を入れたのも、よく分かる。現況のトランプ関税も、パラダイムシフトか、アメリカの新たなブランディング戦略なのだろうかな。負債処理、金利操作の一つにもなってるし。

    ロシアに暴露されちゃったし、当然、エントロピーは、増大するよね。失敗すると、核戦争もあるかな、うーん、一神教、縁遠いんだけどな、わし。

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    2025年09月26日
  • ブラックホールは白くなる

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    ロヴェッリの「時間は存在しない」からの3部作最終巻(のはず)。著者が書かれているように本シリーズは物理をあまり知らない人と「専門家」向け。専門家と言っても本書は高度な知識や数式による表現はなく、物理に対する形而上学的な哲学的な著者自身の信念的な考えを伝えている意味合いが強い感じ。自分はもちろん前者寄りだが、特に第三部は著者の熱いメッセージが伝わってくる。時間/過去/未来に対し、宇宙と言うとてつもなく大きくとてつもなく長い歴史の振る舞いを通じてとてつもなく小さく短い存在の人間がどう捉えているか(捉えるべきか)いう観点はとても深遠で壮大な感じで良き。マクロな話(人や心)とミクロな話(量子の世界)と

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    2025年08月13日
  • ブラックホールは白くなる

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    ネタバレ

    みんな大好きカルロ・ロヴェッリの新作。

    ちょこちょこ色んなところで出て来たホワイトホールについての解説本なのだけど……難しい!
    いや、ロヴェッリ自身の語り口は軽妙なんだけど、純粋に内容が難しいね。細かく理解をしようとせず、あえて文学的比喩に身を任せてみたほうが良かったかもしれない。

    「ホワイトホールは、時間が反転したブラックホール」というのが、ロヴェッリの答えなのだけど、その実証が(つまりホワイトホールを観測できた、という結果があれば)彼の唱える「ループ量子重力理論」が正しいことを証明してくれるのだそうな。
    しかしまぁ難しい本だったな…。読み直しても半分以上分からんが、雰囲気は楽しめる。そ

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    2025年07月05日
  • ブラックホールは白くなる

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    数式等の詳細は入れずにホワイトホール論を語る本。

    それでも中盤は難しく少し流していましたが、最後の一文に「ハッ」として戻って読み返してしまいましたw

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    2025年06月24日