水上悟志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
収録内容はアニメ2話までに相当。本作のネームを基にアニメを作ったとは聞いていたけど、ああまでアニメと同じ台詞や描写になっているとは思わなかったな
漫画とアニメで受け取る印象がそれ程変わらないって凄い。それでも演出面や細かな描写では違いが見られたのも確か。
龍造寺隆の表情や会議を終えた後の虎居の行動とかアニメと漫画で異なる。アニメを見終わった後に漫画との違いを見比べ、双方の演出意図を考察すればかなり楽しめるかも知れない
それにしても先生がさみだれフィギュアを下から覗くシーンはアニメオリジナルのサービスシーンかと思っていたんだけど、普通に漫画にも同じシーンが有ったことに驚き
本当に先生って何者なんだよ…… -
Posted by ブクログ
「彼ら」は人間の頭の上に住んでいる
「小さな宇宙人(ドワーフ)」達だ
漫画に出てくる双子はなぜみんな同一化しようとするのか問題。そして教室を入れ替わる。
人はきっとみんな誰かと一心同体になったり見分けられなくなったりしたいのだ。
でも現実の双子を同一視すると病むので気を付けましょう。
ということで、長編も短編も中編もぜんぶ面白い水上悟志の新刊だー。
夜、団地の窓から空を眺めると、町より大きい魚が飛んでるんですよ。
んで、次のページでは超巨大な腕が出てきてその魚を殴りつけるんですよ、見開きで。
無限に広がる大宇宙の虚無感っていうのを表現するSFってすごい好き。
上遠野浩平のナイトウォッチシリーズとか、ああいうの。
それと、こまごまと妖怪みたいな妖精みたいなのがたくさん出てくる水上ワールドが好き。なんと奥さんがデザインしていたとは。才能だ。 -
Posted by ブクログ
計算され尽くしたストーリーという訳ではないだろうが、終盤になるにつれて増える大ゴマや見開きの数々は読んでいて心震えるものが多かったなぁ
この最終巻においても人智を超えた力を得た千夜と迅火の頂上決戦は他者の介入が一切許されない程に熾烈なものとなっていく
だからこそ、迅火が符術によって千夜を押し始めた局面で戦いに割り入って迅火を抑えてみせたたま達の功績が素晴らしい
長い間、千本妖狐として心が囚われていた迅火。彼を開放すべくたま達が迅火の心に潜ったは良いものの、そこには分厚い壁
壁を破って迅火を正気に戻すには飯だけでは不足。いや、飯で注意引けた事は驚きだったんだけども……(笑)
たまが語るのは二人がこれまでにした旅とこれからの二人の暮らし。人でありながら闇を目指して冷え切った彼の心を飯が温め、人との思い出が彼の心を暖めた
ようやく世直し道中4人が再会した場面は終盤の雰囲気も相まってとても良いものになったね
最終決戦後のエピローグが3話もあったのは驚き
でも千夜や迅火の人生がまだまだ続いていく事や物語の要所要所で旅というキーワードが出ていた点を考えればこれはこれでエピローグという扱いにはらなず、千夜という人間の仕舞いという意味もあったのかも
だからそのエピローグじみた話の中で描かれたのは旅の精算
たま&迅火、千夜&月湖、そして真介。それぞれが旅の目的としたもの、旅の中の約定を果たす、旅の心残りの解消…。それらを精算するための小規模な旅
こういったものは戦いを目的とした物語線の中には含めないものだからこそ、こういった位置で輝くエピソードとなるね
その後に訪れた千夜と月湖達との別れが……
一人だけ時の流れについていけないために添い遂げたい相手と添い遂げられない。それは本来、不幸な筈なのに千夜は月湖の問い掛けに「幸せだった」と答えてみせたし、月湖も同じように答えてみせた
それは二人の言葉にあるように別れであっても不幸の別れとはならなかったのだろうね
時の流れから置いて行かれ、村にも辿り着けなくなった千夜が描かれる最終話
一種の寂しさを含みつつも、案外元気そうにしている長寿の面々の姿には驚かされるね
特にムドの変貌には驚いたかも。道錬に師事したことで自分の未熟さを悟った彼が今は「人間は娯楽の天才だ。なかなか勝てん」なんて言うようになるとは……。また、千夜も自信なさげな青年だったのに今は飄々とした仙人のようになっているし
それもこれも全ては千夜が語るようにこれまでに会った皆から受け取った何かを懐に持っているからなのかもしれないね
そういえば、水上先生の作品はどこかで繋がっていたりして、今作では『散人左道』との繋がりを強く感じさせていたけど、まさか最後に煙羅煙羅が登場するのは予想外だったかな。
あんな登場をされたり寿命が何百年も残っていることを示されたら『散人左道』世界のどこかに千夜達がいるのではと思ってしまうじゃないか -
Posted by ブクログ
死霊王となったフルトゥナに刃を向けたコーコ。ここでコーコは泣きそうになりながら自分の行動への悔い、そしてフルトゥナの非道を説くのだけど……
幾つもの非道を進み、幾つもの命を奪い。それでも何も理解して来なかったフルトゥナはここに来てコーコの言葉で自身が道を外れたと理解するのか……
でも、その自覚は遅すぎる。選択の瞬間も選択を巻き戻す猶予も既に終わってしまった。だからフルトゥナは自分の非道を理解してなお、その非道を進むしか無い
その行状を近くで見ていたコーコにはフルトゥナの非道は許せるものではないし、自分も世界の破滅に関わってしまったという自覚が有るから余計にフルトゥナに立ち向かうしかなくなる
コーコのこの覚悟が鉱子に繋がっていくということか…
驚きだったのはフルトゥナの企み。これまで七つの過去生を辿っていく旅路は単純に風太が鉱子との因縁や縁を理解する為のものとして描かれてきた。だからその旅路の果てに立っているのは当然風太だと思っていたんだけど……
やはりフルトゥナは恐ろしい人物だった…
けれど、そんな天才であり非道を進むことに躊躇いを見せなかった彼にとって最大の計算外が風太の性格であり、風太の人生に舞い降りた奇跡
更に風太の中に蓄積された過去生達の後悔をフルトゥナはここに来ても理解しきれていなかった。そして自分の中にも同様の後悔があると
フルトゥナの前に何の脈絡も予兆もなく舞い降りた奇跡
これはフルトゥナの計算や覚悟をぶち壊すものだし、逆転の始まりとするに相応しい誕生の光景
更に宇宙人から貰った虫取り網が役立つなんて意味不明にもほどが有る展開だけど、そのくらいじゃなきゃフルトゥナを出し抜くなんて出来ないか
フルトゥナを止めようとする過去生達が織りなす意志の力
もしフルトゥナに全く後悔がなければ止まることなど無かったのだろうけど、フルトゥナには未練が有った。そしてその未練は双子の誕生で取り戻せるのではないかと示されてしまった
結局フルトゥナは失ったものをずっと求め続けていた。奇跡のように訪れた癒やしを振り払う力なんて彼にはもはや無いし、それを訴える風太の言葉も振り切れるものではない
フルトゥナが一世一代の賭けどころと睨んだ風太の人生はその実、彼の終点でも有ったわけだ
あとはコーコが懐き、鉱子に引き継がれた因縁の縁だけど、それはルンが綺麗に吹っ飛ばしてくれたね
幾つもの失われた命のために戦い、風太を殺した後は自分の人生も静かなものとするつもりだった鉱子。けれど、ルンとイーストの命を繋ぐためには風太を殺さず自身も幸いの人生を歩まねばならない
最終話、少しずつ薄くなる過去生の記憶、そして去りゆく鉱子
それらはお別れや終わりを意味しているように思えてしまうけれど……
風太と鉱子、そしてそれぞれの過去生が握手したのは二人の顔から痣や傷が消えたように因縁が終わりを告げ、互いを許すことが出来たからなのだろうか?
新たな関係を始める切っ掛けとして握手がありキスがあり東大で再会しようという約束があるんだろうな
本作では描かれずに終わる第八章風太
それこそが風太が歩むべき風太の人生。せめて後悔の少ないものであるようにと願ってしまう -
Posted by ブクログ
義輝将軍はこの漫画で知りました(バカ
さみだれを大人買いしてから、「この作者さんの他のマンガも読んでみたい」と思って、短編集やらと一緒にその時7巻くらいまで出ていたのが戦国妖狐。
最初の方は、「何かやなやつだなー」って感じだったな、やまとじんか。
さみだれも初めから読んでたら夕君のことそんな風に見てたかも知れないなぁ。
「世界は残酷です!!誰も助けてくれません!! 皆騙してきます!!! この世は地獄なんです!!! 人は無駄に死にます! あなたを落とし入れてきます!!! それでも生きろバーカ」みたいな、クソみたいなアニメやら漫画ばっかり一時期増えてたけど、「これを読んでくれた人の中にも、温かいものが残りますように」と祈ってくれる、こんな漫画もある。
クソみたいな漫画があるからこそ、そんな漫画を有り難がるクソみたいな人がいるからこそ、僕たちの人生は、世界はユタカなのかも知れない。
僕の中にも温かいものが残った、いや、こんなレビュー書いてるなら、それは温かいものじゃないかも知れないね。
何にせよ、ホントにありがとうございました。
新作、楽しみにしています。 -
Posted by ブクログ
風太の前からスピリットサークルを持って逃亡したルン
ここ最近の過去生に強い影響を受け続ける風太の様子を見れば当然の行いなのだけど……
そうすると風太はラファルが感じた悔いに向き合うしか無くなってしまう。序盤の中学生らしい中学生だった風太の姿はそこに無く、有るのは自分の決断を正しいと信じられない学者の姿
そこで鉱子は良いアシストをしたね。いや、本人はアシストのつもりはなかったのだろうけど
風太としての人格でラファルの過去生を見直した。それはこれまでも過去生の誰もなし得なかった希望の見つけ方だね
そうして、因縁を終わらせるために過去生を見続けると決めたのだけど、飛び込んだのはとんでもない過去生だったね!?
第七章風子
これって一体何だったのさ!?「風子」だけ他の章より極端に短いし因縁めいたことも起こらないし、何故か性転換しているし!一瞬「あれ?打ち切りが決まって短くしたのかな?」とか思っちゃったじゃないか!
登場する宇宙人も意味判らないし、謎言語喋ってたのが途中から普通の日本語(関西訛り混じり)喋り出すし、虫取り網も渡されるし。
どう見てもギャグにしか思えないんだけど、この作者の場合ギャグにしか見えないシーンに伏線を貼ってる可能性があるから油断できないんだよなぁ……
そんな意味判らない話の中で唯一明確に救いだと言える描写
あのロボが現れたシーンには心が震えた
そして始まる第一章フルトゥナ
全ての因縁の始まりに相応しく、フルトゥナの性格は非常に破滅的
自分は天才であり、他の人間は先生を除いて全て馬鹿と考える彼は他人の価値観を理解しないばかりか、命の大切さすら理解しない
でも、人の道から外れそうになっていたけれどぎりぎり留まっていた彼を本当の意味で怪物にしてしまったのはレイの気がしてならない
禁忌の術に手を出したフルトゥナはどう考えても間違っている。けれど、間違っているからって放り出してしまうのはどうかと思うし、死の間際に再会しても「顔を見たかっただけ」としか言わなかった
これらの行為がフルトゥナの螺子を外してしまったように思えてならない。
ただ、螺子が外れただけなら怪物には至らなかった。そんな彼を本当の意味で壊してしまったのはイーストを「助ける」ため……
因縁は描かれた。次は二人の対立が決定的となった局面か…
そういえば、フルトゥナが以前言っていたレイから学ぶものはもう無いから会うことはないってのはどういう意味なのかね。
やはりレイがフルトゥナを否定したというのが大きいのだろうか。そうなると風太が第二章から過去生を体験し始めたというのは、重要な意味を持ってくるのだろうか?