水上悟志のレビュー一覧
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アニメ7話終盤から9話終盤までが収録された漫画版第5巻
グランドパラディンを打倒し当初の復讐目標を果たしてしまったことで曖昧な感覚の中に置き去りにされてしまった宗矢があまりに寂しげ。
だからこそ、宗矢に対し宗矢が守った物の価値を見せようとするのぞみ、戦いたくないと俯く宗矢を許す虎居の姿が尊く映る
アニメで描かれなかった部分で印象的なシーンと言えばやはり虎居が封印装置に再び閉じ込められたシーンか
アニメでは紅華の心理描写を優先するために挟まれなかったのかな?ただ、漫画においてもそれ程尺をとって描かれているわけではないのだけど
第1巻で描かれた幻も併せて考えると虎居という人物は家族の喪失について -
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幾つもの過去生を体験する中で自我も認識もあやふやになりつつ有る風太
このあまりに明確すぎる危うさは鉱子と向き合い続ける危うさに加わるもの。イーストが止めるのも当然の状態
だというのに風太は……
ここで風太が持ち出した理論は恐ろしいまでに曖昧。
「なんか前よりやる気出てきたから」なんて主人公の主張じゃない
でも、自分の過去性が鉱子の過去生や無関係の人々に何をしたかを知ってもなお、そう言い切れるのは一つの強さでは有るのか
止めに来たイーストでさえ、応援したくなった風太の強さ。彼の強さの源泉は一体どこにあるのか…
第五章方太朗
これまでが古代ヨーロッパ風や南米系の世界観だったのに対してこちらは江 -
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ヴァンの過去生を体験して互いの事情を報告し合う風太と鉱子
ヴァンはヴァンの目から見た事実しか判らなかった。だから魔女が何をしていたかなんて知らなかった。同様にフォンも神官ストナがどれだけ配慮してどれだけ悩んでいたかなんて知らなかった
でも、知らなかったという意味では鉱子もフォンやヴァンがどんな事情を抱えていたかなんて知らなかった
因縁を持つ二人が互いに過去生を体験し合う中で見えてくる見えなかった事情
ただ、鉱子は先に幾つもの過去生を体験しているから、理解している最中の風太よりも互いの因縁を冷めた目で見ている。既に運命の残酷さを知っている
この幾つもの過去生における関係の中で紘子は自身の体験 -
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メインキャラ達の前世が物語に大きく影響していく、なんてありふれたプロットなわけだけど、本作ではその前世ならぬ過去生が7つもある豪華仕様
それぞれの魂が少しずつリンクしているから一つの人生が無惨に終わっても、その次の人生へ何かしらの影響を残している
いわば幾つもの人生を辿ることで見えてくる今生へ至る因業を求める物語なわけだ
主人公の桶屋風太は中学生らしさに溢れる少年。また、親しい友達の良い所をたくさん知っているし、それを人に伝えることが出来る
つまり、彼自身も「いい人」に分類されるわけだね
だからこそ、そんな彼が転校してきたばかりの少女、石神鉱子から滅茶苦茶に恨まれ、あまつさえ殺されかける展 -
ネタバレ 購入済み
相変わらず作画が素晴らしい
この巻では竜の戦闘シーンがアニメ以上に迫力があって素晴らしかったです
特に見開きページはは電子書籍を30インチ程度のモニターで開くと迫力が全然違う
願わくばもう少し解像度を上げて貰えるといいのだけど
コミック版のオリジナルシーンや宇宙船AIの作業猫が可愛かったのも+
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購入済み
新たな可能性を感じる新刊
アニメを何度も何度も見てしまって、幾ら大好きな水上作品とはいえ繰り返し咀嚼してしまったものを再度漫画で読んで楽しめるのか?
2巻まではそういう迷いがあったのですが3巻ではこの迷いを完全に払拭してくれました。
2巻からデジタル作画に移行していたらしいのですが、3巻のバトルシーンがこれまでの作画と根本的に違う迫力が出てきて、アニメでも出せなかった魅力が生まれている。
手描きの魅力を生かしたまま迫力があって解り易い表現が生まれてきていて読んでいてゾクゾクする。ついつい今の作画で戦国妖狐の後半を描いたらどんなふうになるのだろうと妄想してしまった。
次の新刊が楽しみでならない -
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キャラ紹介が行われた第4巻に続く第5巻は日常と戦場の間で揺れ動くような構成。
冒頭から唐突にカラー絵で水着姿が描かれるけど、その様子はあっさり終わり、続いて描かれるのはさみだれの地球破壊意志の再確認、それを八宵が聞いてしまう展開
その衝撃のまま泥人形との戦いが始まってしまうのだから八宵の気持ちの整理はされないまま展開は進む
戦いの場面では戦闘経験豊富な夕日とさみだれだけ別行動。そこでアニムスはさみだれの中のアニマに話しかけようとする。いわば戦場そっちのけで自分の「日常」を押し付けようとするが、アニマは寝たまま。さみだれはのんきに話しかけてくるアニムスを殴りつけて無理やり戦場に変えてしまう
相 -
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3巻で本編の幕が開き、生存している獣の騎士は全て揃った
第4巻ではその急ぎすぎたスタートダッシュを緩めるかのように3巻で初登場した各キャラクターが紹介される。そのエピソードの作り方は非常に上手く、それぞれのキャラクターがどういう性格なのか、どのような立ち位置に居るのかが存分に描かれている
その分、夕日とさみだれの出番が減ってしまったのは少し残念だけどね
白道八宵は色々と意外性を秘めたキャラクター。竹刀を持ち歩く女性というだけでも目立つのに、日常生活では誰にも見せないコスプレしたり、浮浪者に剣を教わったり。かなり変わった女性であると見えてくる。そしてどうやら夕日に複雑な感情を持ち始めているよう -
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第二巻で序章が終わり三巻から本編が始まるわけだけど、それもあってかこの巻ではあっという間に獣の騎士が集まっていく。というか存命の騎士はこれで全員登場したことになるのか
これまでに登場した獣はトカゲのノイを除けば、まあ普通と言えなくも無い犬や烏だったけど、この巻で登場する獣は一風変わったものが多い。馬や蛇はいいとしても亀やカマキリって相当変わってる。
まあ、極めつけに風変わりな獣はカジキマグロなわけですが。この時点ではあまりに脈絡無さ過ぎて意味不明なカジキマグロが後々あのような伏線に繋がっていくなど誰が想像できただろうね
これまでは単独主人公の形をとっていた夕日。そこに現れのが夕日のライバルを -
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東雲半月によって登場人物が動き始めた印象が強い第二巻。物語そのものは第一巻で始まっていても、地球を砕く物語は夕日とさみだれ、そしてノイしか知らなかった為ある意味狭い世界の遣り取りで済んでいた
それがさみだれより強い半月の登場によって、彼をどうやって打ち倒すのか、彼との交流の中でどの様な想いに目覚めるのかという部分が描かれ始める
大人と子供という視点は本シリーズで重要なポイントとなってくる要素。それが半月によって提示されたのは後々の展開を思えば感慨深い
特に「大人が笑うのはな 大人は楽しいぜって子供に羨ましがられるため 人生は希望に満ちてるって教えるためさ」という台詞は何年経っても忘れることの -
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数年ぶりに再読
発売からかなり経っているのに、今読んでも面白いと思えるのだから素晴らしい
トカゲの姿をした騎士と協力して悪の魔法使いから姫を守り世界を救うというファンタジー色溢れる物語。だけれど、そこに込められた登場人物たちの想いが複雑に入り乱れ、そして読むこちらの感情を揺さぶるような遣り取りが頻繁になされる。単純なファンタジーで終わらない物語が展開される作品
1巻はまだ導入部のためか、伏線を各所に張りつつも普通に泥人形が襲ってきて、普通に戦う展開が続く
そういった後の展開を思えば大人しいとも思える展開の中で目立つのは主人公の夕日とヒロインのさみだれの在り方
息子を理不尽に失った哀しみから -
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アニメで言えば3話~4話の途中まで
本作についての感想はアニメ放送時に大体出し尽くした感があるので、こちらはアニメとの差異で気付いた点を上げる程度に
・熊代の表情
漫画では宗矢をグランドパラディン3人で囲んだ時点から必死、ある意味追い込まれているような表情で竜になる時点まで基本的にその調子。反面、アニメでは少しずつ熊代の表情が追い込まれたようなものに変わっていき、竜になる直前に最高潮となるよう変更が加えられている
・オカ研の入部届
アニメでははっきりと入部届が部長の胸元に仕舞われる様子が描かれていたが、漫画ではよく見なければ判らない程度に。
アニメスタッフは何を強調すべきか判っていらっしゃ -
Posted by ブクログ
収録内容はアニメ2話までに相当。本作のネームを基にアニメを作ったとは聞いていたけど、ああまでアニメと同じ台詞や描写になっているとは思わなかったな
漫画とアニメで受け取る印象がそれ程変わらないって凄い。それでも演出面や細かな描写では違いが見られたのも確か。
龍造寺隆の表情や会議を終えた後の虎居の行動とかアニメと漫画で異なる。アニメを見終わった後に漫画との違いを見比べ、双方の演出意図を考察すればかなり楽しめるかも知れない
それにしても先生がさみだれフィギュアを下から覗くシーンはアニメオリジナルのサービスシーンかと思っていたんだけど、普通に漫画にも同じシーンが有ったことに驚き
本当に先生って何者な