範乃秋晴のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前作からは明らかにパワーダウン。
それぞれのエピソードの結末も
おおよそ読めてしまう予定調和で
一作目ほどの驚きは、もはやない。
「光をなくした目に、見えた音」
件の人物が近い人間であることなど
早くから想像がつく。
しかし…こちらの思いとは異なる人物で
それは意外で消化不良を起こしてしまった。
妻のみのりと「みーちゃん」は同一人物だと
思いこんでいたし そうであるべきだとも
思っていたのだが。そうでないと、なぜ
「みーちゃん」が自伝に登場したのか。
必然性がなくなってしまわないだろうか。
まさか読者のミスリードを誘うためだけの?
みのりと夏樹、どちらの行いにも同じ動機が
隠されている -
Posted by ブクログ
怪盗夜行が医療問題にメスを入れる・・・。
きわどく重くなりやすい医療問題なのに、テンポの良い大旦那と一花の掛け合いがいい意味で抜けていて読みやすい。
「君は自分の売っている薬に責任も持てないのかっ!・・・医療の世界で馬鹿だからなんて言い訳は通用しないんだっ!馬鹿ならわかるまで勉強しろっ!そうじゃないと、人を殺すことになるんだよっ!」
あとがきより
信じて努力を続けたとしても、必ずしも夢は叶うものではない。けれども、夢が叶わないぐらいで、幸せになれない人生なんて嫌だ・・・なにが幸せかというのは、自分でいめられるもの。一番の目標だけを幸せとし、それ以外のものに目を向けないのはもったいない -
Posted by ブクログ
ネタバレ舞妓を目指し、田舎から祗園へと出てきた見習い 一花は未だに訛りが抜けない素直さが取り柄の少女、一花は記念すべき「お店出し」直前に座敷で失敗をしてしまいこっぴどく叱られ、「お店出し」を延期させられてしまう。しかし何がダメだったのか分からない彼女は店を飛び出してしまう。一花が花街を歩いていると物陰でうずくまる人を発見し、声をかける。その人物は世間を騒がせる怪盗夜行であり、それを知りながらも一花は怪我をする夜行を助ける。後日、一花は祗園の大旦那と呼ばれる 総司に指名され、意気投合した一花は彼から舞妓のなんたるかを色々教えてもらい大きく成長する。そんな折、一花と姉妹関係にあり、一花に優しく接してくれて
-
Posted by ブクログ
私は執事もえがないのだということだけがわかった。
(!?)
のっけから何ですのん。
著者は男性なのかしら、女性なのかしら。
あの執事言葉が好きじゃないため余計なのかもしれへんけど、もしこの話を男性が書いているのだとしたら、
「底ッ意地悪いなー、この人!!」
と、思う(笑)。
こんなことを考える男はいやだ! と、思うけれども(失礼)、もし本当にこういう考え方をよしとしている人であっても、それをあとがきでつらつら語るのではなく物語に仕上げてるところは、小説家としてプロやなあ! と、思う。
ちゅうか、好き。
プロにしろアマにしろ、あとがきで作品についてつらつら語られるのはほんまに苦手なので -
Posted by ブクログ
ネタバレ某所にある執事サロン アイディールプリンス邸は数十人の執事が働き、訪れる女性達をお嬢様と呼んで奉仕を行う花園。そこに執事を志してやって来たのは大男で、真坂流古武術と呼ばれる殺人拳を扱う真坂拳正、彼はどう考えても執事という仕事を勘違いし、向いていないはずなのに執事見習いとして働くことになる。予想通り問題行動ばかりの拳正だったが、クビになる気配はない。実はこのアイディールプリンス邸はただの執事喫茶でなく、執事達はある目的のために行動していて…。
内容は予想していたものとは大きく違っていたが、所々の場面での拳正の的外れな行動が面白くこれはこれで満足した。またアイディールプリンス邸の裏の顔が判明し -
Posted by ブクログ
ネタバレコメディのようなやりとりの草野球から始まる秋の執事、朱雀院瑪瑙の恋。シングルマザーで女子野球のプロを目指す女性に惹かれるが、彼女は育児のため、プロになる夢を諦めざるを得なくなった怒りを子供のこのかにぶつけてしまう弱い女性でもあった。
しかし最終巻の設定は結構乱暴で、瑪瑙が京都一体を牛耳る名家の私生児で、国家執事のプロジェクトの秘密を探るスパイで、母は瑪瑙をおいて失踪して…結果父をトップの座から追いやって…るのに自分はこのかと二人でアパートに住んで去ってしまった彼女を待つ…ってひっちゃかめっちゃかやないかーい。
そして日本を取り巻く状況は悪化の一途を辿っているのに、貴重な戦力が失われた…。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ第三弾。
表紙は秋の執事、朱雀院 瑪瑙で、話は夏の執事、海宮晴にフォーカスされている。
奥さんを癌で亡くした晴は、亡くなる前に妻が残した、命日には15分でいいから思い出して欲しいという言葉と、浮気されていたという証拠で、本当に妻は自分の事を愛していたのだろうかと、自信が持てずにいた。
そこに現れたのは男性を取っ替え引っ替えしつつ晴に近づいてくる女性、有栖。
彼女は今まで晴が担当したどの女性よりも違っていて、そんな彼女に対して戸惑う晴に、冬の執事は、晴が彼女とのやり取りを終わらせないようするために有栖をシンデレラコンプレックスと見なそうとしている、と告げる。
実は有栖は晴の奥さんの妹で、亡 -
Posted by ブクログ
ネタバレ貴族邸の茶飯事第二弾。
表紙が夏の王子、海宮晴で、今回のキーパーソンは花屋敷 遠矢。
彼が執事になった経緯は、女性恐怖症。
彼がトラウマを克服するきっかけになったお嬢様の持つ、シンデレラコンプレックスは男性恐怖症。
お互いに近づけないまま続く二人の小さなやり取りに、首を突っ込む衣麻と拳正。
男性恐怖症の彼女を怖がらせまいと、彼女に会うことを拒む遠矢に、勇気を出せと叱咤する拳正。
難解で複雑な乙女心はさっぱりだけど、本能的に真の事をかぎとった拳正の一言で、遠矢は無事彼女の男性恐怖症を克服するための第一歩となることができた。
国家執事は恋をすることが許されず、彼女が男性恐怖症を克服した際に遠矢は彼 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルから執事が謎解きでもするのかなと思ったら違かった。
でもシンデレラ症候群における少子化問題っていう視点はあながち間違ってないような気がして面白い。(もちろんそれだけじゃないけど。)
季節に例えられる個性ある4人の執事に恋をする女の子。そして執事は優雅で王子さまのように相手に接し、そして冷たく拒絶する。
その裏の顔はシンデレラ症候群に陥る日本の女性たちの目を現実に向けさせるための職業、国家執事。
そんな役割をもつ執事がいる貴族邸に弟子入り志願してきた武術家。全く執事の素質が無さそうなのに、彼に興味を示したのは執事全員が敗北した強敵、人気少女漫画家、衣麻。
そのため、彼を執事見習いとし