中村智子のレビュー一覧
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“パシャは驚きました。『冠がきれいだって?』
『そうよ、きれいよ!わたしもそんなすてきな髪型にしたいわ』
パシャは驚きのあまり、言葉を失ってしまいました。
そこへラプンツェルがやってきました。
『わたしもあなたの羽が好きよ。とてもきれいにゆれるんですもの!』
リリは丘のふもとにつき、立ちあがりました。そして、ペンギンたちのやりとりを驚きながら見守っていました。
パシャは気はずかしそうにしていました。『きみたちは、おれさまの冠が好きなのか?』パシャは信じられないといったようすです。
『とっても好きよ!』そこへ、よたよた歩いてきた白雪姫が口をはさみました。
『あんたがそんなに口うるさいやつでなかっ -
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“「きのうはほとんど眠らなかったよ」イザヤは眠そうな声で言うと同時に、右に向けて傘を開き、横からせまってきたカメラマンをさえぎりました。
「どうして寝なかったの?」リリはたずねました。幸いなことに、レポーターたちとの間には少しばかり距離がありました。そのおかげで、ふたりの会話は聞かれません。
「一晩中、考えていたんだよ。ユキを助ける方法をね」
そのことは、リリもさんざん頭を悩ませていました。けれども、なにも思いつきませんでした。なにしろ、ペンギンは空を飛べない動物なのですから。
すると、イザヤがにこっと笑いました。
「なにかいい考えがあるのね!」リリはひじでイザヤをつつきました。「なあに?教え -
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“『この少年は、きみより賢いだろう?』とつぜん、ハナヒゲ博士は言いました。
「ええ、そうよ」リリはみとめました。「イザヤはとても頭がいいの。わたしの大親友なのよ」
『なるほどね……』ハナヒゲ博士はイザヤを食い入るように見つめました。
『それなら少年のことによく気をつけておくんだな』
「どうして?」
『じきに病気になりそうだよ』
リリは驚いてイザヤを見つめました。確かに、イザヤのほおは赤く、目もとろんとしています。「だいじょうぶ?具合悪いの?」リリは心配そうにたずねました。”[P.148]
8巻目。
植物に語りかけるように、薬草の力を引き出す事も出来ることに気づくリリ。
挿絵がいつもと違う、と -
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“すると、ボンサイがワンワンほえました。『リリ!ふたりとも、すごく変なふうに話してるよ!それにリリ、すごく顔が怒ってるよ!』
リリは驚いてボンサイを見つめました。犬の言う通りです。イザヤとリリはこれまでにないほどはげしく言いあらそっていました。ふたりがどなりあうことに慣れていなかったボンサイには、それはずいぶん奇妙にうつったのでしょう。リリはこわばった表情をゆるめようとしました。それにしても、どうしてけんかになってしまったのでしょうか?
リリはイザヤをそっと見ました。イザヤはきびしい表情でテーブルについていました。青ざめて、目の下にできたくまの色はさらに濃くなっていました。「つかれているの?」 -
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“「えーと、どうも」トリクシィはためらいながらつぶやきました。「だいじょうぶ?」リリが泣いていることに気がついているようです。
とつぜん、リリはものすごい勢いで怒り始めました。「関係ないでしょう!だいたいここになにしに来たのよ!人の家に勝手に入ってこないで!あっち行って!」リリは出しぬけにさけぶとこぶしをにぎりしめ、地面をなぐりつけました。
「うわあ」トリクシィはかわすように手をあげました。「落ちつきなさいよ、スーゼウィンド。まだなにもしていないじゃない!」トリクシィは驚いて口をへの字に曲げました。「昔ならともかく、最近はなにもしていないでしょ」
リリはうなだれました。トリクシィの言う通りです -
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“リリはまだ、そんなふうに考えられませんでした。イザヤの言う通り、ふたりはストームを救ったのです。けれども、そのことを喜ぶ気にはなれませんでした。「でも、その代わりにぎせいになったものは?」リリはたずねました。「牧場が丸ごと売られてしまうかもしれないのよ!」
しゃべっているとちゅうで、リリは自分でも、牧場を救うためにストームが苦しまされるなんて、ぜったいにあってはならないことだと考えていることに気がつきました。この事件には、ハッピー・エンドはないのです。
「正しいことはなにか。それを決めるのは、とてもむずかしいわね」リリは小さな声で言うと、なみだぐみました。”[P.151]
5巻目。
転校生 -
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“開けはなたれた窓から入ってきた猫の表情はしんけんです。「お知らせしたいことがあります。わたくしの使用人が、さきほどから夢中になって、こちらの窓に向けてなにやら投げつけておりますわよ。あなたの気を引こうとしているのだと思いますけど」猫は説明しました。「使用人のとほうにくれたようすを、だまって見ているわけにもいかず、お知らせにまいりました」猫は前足でひげをなでました。「このさいですからもうしあげておきますが、あの使用人は、相対的に、能力がかたよっていますわね。それにひきかえ、新しい"缶切り"のほうは応用力があるともうしますか、使い道が広くて便利ですわ」
「新しい缶切りってなん -
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“「信じられないかもしれないけれど、トリクシィのお姉さんが動物園で働いているの」
「なんだって?」イザヤは驚いた表情で、リリを見つめました。
リリがきょうのできごとを話すと、イザヤは心配そうになんども首を横にふりながら聞いていました。
「それはちっともいいことじゃないな」イザヤはリリが話しおわると言いました。「トリクシィは、ぼくらに仕返しするチャンスをねらっているんだ。今のところ、学校では成功していないけどね。ぼくはかけてもいいよ。トリクシィは、トリーナをそそのかしてきみに仕返ししようとたくらんでるよ」
「そうかもしれない」リリは緊張して、下くちびるをかみました。”[P.60]
2巻目。
ピ -
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“「ところで、きみに聞きたかったんだ。どうやったのか」イザヤはつづけました。
「花を咲かせる、あれ。あんなすごいこと、初めて見た」
イザヤは好奇心に満ちたまなざしで、リリをじっと見つめました。イザヤはこの前のできごとをもう怖がっていないようです。それがわかると、リリは胸をなでおろし、少し考えてから言いました。
「わたしが話したら、あなたも話すのよ。ゲーテの本を読んでいるのを知られたくない理由をね」
リリは腕組みすると、きっぱりと言いました。
「これは約束よ。秘密の約束!」
イザヤはためらっていました。話すことで得すること、損することを慎重に考えているようでした。そして、考えた末に言いました。
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動物と話せるという特殊能力や、能力がバレては転校を繰り返している負い目のために、引っ込み思案な性格のリリアーネ。
新しい学校でも、普通にしようと気をつけては空回りし、さっそくクラスの中心グループに目をつけられてしまいます。
そんなある日、授業で行った動物園でなぜか急に興奮して暴れだすようになったゾウのマルタに出会って………
テーマは友達を作るということ、本当の自分をさらけ出すこと、と結構真面目。
そこに動物と話せるという特殊能力やちょっとカッコいい男の子、漫画っぽいかわいいイラストと女の子が興味を示しそうな要素を盛りだくさんにつめこんでいます。
朝読なんかに良いかも。 -
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