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Posted by ブクログ
“開けはなたれた窓から入ってきた猫の表情はしんけんです。「お知らせしたいことがあります。わたくしの使用人が、さきほどから夢中になって、こちらの窓に向けてなにやら投げつけておりますわよ。あなたの気を引こうとしているのだと思いますけど」猫は説明しました。「使用人のとほうにくれたようすを、だまって見ているわけにもいかず、お知らせにまいりました」猫は前足でひげをなでました。「このさいですからもうしあげておきますが、あの使用人は、相対的に、能力がかたよっていますわね。それにひきかえ、新しい"缶切り"のほうは応用力があるともうしますか、使い道が広くて便利ですわ」
「新しい缶切りってなんですか?」リリはたずねました。
「新しい使用人ですわよ。新人は、日の出、日の入りの時間になると、きちんとお食事の缶づめを開けてくれますのよ。ごりっぱですわ」”[P.100]
4巻目。
地の文が良いのか、訳が良いのか、両方良いのか。表現が良いなと思ってしまう。
イザヤの描写とか良かった。
“リリはさびしそうに下を向きました。ふたりにはひみつができてしまいました。どうしてこんなことになってしまったのでしょうか?
「アームストロングの手がかりはまだつかめないの」リリはしょんぼりしながら言いました。「どこへ行ってしまったのかな」
イザヤはなにも言わず、くつひもをいじくり回していました。
「アームストロングがどうなってもいいの?」リリは思わず大きな声を出してしまいました。
イザヤは顔をあげました。とても悲しそうな、絶望的なイザヤの表情に、リリの胸が苦しくなりました。イザヤはなにか言いたそうです。でも、なにを言いたいのか、リリにはわかりません。イザヤはどうしてうちあけてくれないのでしょうか?なにがそんなにイザヤを苦しめているのでしょうか?
ふたりはだまりこんでいました。”[P.162]
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