柴田さとみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
危機においての決断や行動から現代を代表する優れた政治家であることは論を待たないと思いますが、それだけでなく心を打ち共感を呼ぶ多くの発言から世界中からレスペクトされているメルケルの自伝。
一番関心があった彼女の東ドイツでの生い立ちが綴られている上巻が彼女がよってたつ生き様がいかに形成されたのかを露わにしていて大変面白かったのでそれだけで満足なのですが、リーマンショック、Brexit、難民問題、パンデミック、ウクライナ等々、首相として数々の問題にどのように取り組んだかを記した下巻が圧巻。
メルケルの場合、生い立ちが際立っている(東独出身、しかも政治家ではなく科学者だった)ためそこが一つのハイライト -
Posted by ブクログ
東ドイツで育ったメルケルが、統一を経て首相を務めあげるまでの自叙伝。
東ドイツ時代の窮屈な生活があったからこそ、徹底的に自由を尊重しようとする姿勢が育まれたのだということが伝わってきた。統一後、さまざまな場面で、東ドイツ出身者であることが不利に評価され、それに憤慨する気持ちが書かれていて、女性であることを含めて多くの難題と闘ってきたことが分かる。もっとも、難民のために国境を開いた時、私自身は、彼女が東ドイツの「不自由」を知っていて、人権に敏感だったからこそできた決断だと積極的な意味でその出自を考えた。逆に言えば、西ドイツ出身の首相だったら、あの決断をしただろうか、という風に。
心に残ったのは -
-
Posted by ブクログ
本書『mRNAワクチンの衝撃: コロナ制圧と医療の未来』は コロナワクチンを開発した会社の1つであるドイツのビオンテックを取り上げたノンフィクションだ。 日本では同じようにmRNAを用いたワクチン開発会社であるモデルナはよく知られているが、ビオンテックについてはあまり知られていないかもしれない。本書にも詳しく買いてあるが、それほど規模が大きくなかったビオンテックはワクチン配布にあたってはファイザーと提携しており、日本では”ファイザー”ワクチンと呼ばれていたからだ。
生物を真面目に勉強した人をのぞいて、コロナワクチンが広く利用されるようになるまではRNAという単語を知っている人はほとんどいなか -
Posted by ブクログ
ひたすら、すごかった。優秀だからの一言で片づけるのは絶対に違う。あんな重圧の中で子育てして大統領夫人としての責務を果たして、、、想像すると圧倒されて言葉が出てこない。
子どもも順調に授かれたわけじゃない。治療をしてようやく授かった。またバラクとの関係の危機にも直面している。まさかカウンセリングという手段があるとは知らなかったが、常に物事がうまくいってるわけではない。
そして政治の世界。バラクは強い。ミシェルや娘たちがいるだけでなくバラクそのものも強い。日本でも政治家がしょうもない批判を言うし、メディアもあさっての質問をするし、平気で人を傷つける。アメリカも同様だった。というか、それ以上だっ -
Posted by ブクログ
最近一番読んで良かった本。
政治家、とりわけ大統領夫人になるということは皆が当たり前のように送っている「普通」の暮らしが極めて困難になるということで、その中で娘さんを「まとも」な感性のある人間に育てようと苦労されたこと。また、夫のキャリアを優先せざるを得ない中で自分の出来ることを見つけ育てていくこと。この二点にとても共感出来、勇気を貰いました。ミシェルオバマはこれ以上無いくらいの華やかで立派な経歴の持ち主なのになぜか読むと「私にも出来る」という勇気が沸いてくる。
また、幼年時代からの回顧録でかなりのボリューム感があるが、驚くことに無駄な文章は一文もなく、幼年期のなんて事ないようなエピソードは -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
【はじめに】
2019年末に中国で発生したコロナウィルスは瞬く間に世界中に拡散し、多くの命を奪い、社会的・経済的損失を拡大させた。コロナワクチンは、その影響の際限のない拡大を今ある程度までに抑えることに大きく貢献することとなった。本書は、このコロナワクチンが驚くべき速度で開発された成功ストーリーについて書かれている。
著者のジョー・ミラーは、ファイザー製ワクチン開発の主役となったビオンテック社を中心に多くの関係者にインタビューを行った。創業者のウールとエズレム夫妻が本書の主役だが、ビオンテックのその他の数多くの社員や投資家、ファイザーの重役・社員も実名で登場し、人間ドラマも含めて開発物語が紡 -