菊池光のレビュー一覧
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ネタバレ競馬シリーズ27作目。
今回のテーマはカナダを横断する豪華列車。
カナダの競馬界を盛り上げるため企画された列車の旅で、
馬主と馬を乗せ、途中の競馬場でレースをする。
しかも、ミステリーのお芝居つき。
主人公は英国ジョッキークラブの陰の保安部員。
幼少時に母と父を続けて亡くし競馬好きの叔母に育てられ、
その叔母の死後は7年ほど世界を放浪し、
イギリスに戻って叔母や父の遺産を相続した。
競馬に詳しく、誰にも顔を知られず、しかも目立たない風貌ということで、
競馬場で不正行為を見はったり、
不審人物を尾行したりする保安部員として働いている。
その仕事の一環で、恐喝や殺人の疑いのある男を追って、
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ネタバレ競馬シリーズ25作目。
珍しく続編だった。
もちろん前作「侵入」も読んでいるので、
冒頭で主人公キットと婚約者ダニエルとうまくいっていないのに、
心が痛んだ。
今回はキットが騎乗する馬の馬主、カシリア王女が事件に巻き込まれる。
夫の共同経営者が、銃の製造に乗り出すべく、
夫を、カシリア王女を脅迫してくる。
その状況の中で馬が殺されたのはかわいそうだった。
ダニエルと趣味が合い、
カシリア王女の甥という高貴な生まれの恋敵が現れ、
心穏やかではいられないにも関わらず、
脅迫者に対しては共闘せざるを得ない。
その過程で彼を好ましく思ってしまうキットは、
その度量の深さ、公平さが素晴らしい。
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ネタバレ競馬シリーズ24作目。
普段、解説は軽く読み流していて
誰が書いているのかなんて気にしたことがないのだが、
大河ドラマのロケのために乗馬訓練をしたとあっては、
誰なのかと読み返した。
俳優児玉清。
アタック25の司会者でもあり、ミステリー好き、いや本好きとして有名な方だ。
川中島決戦の本番で落馬し、
馬や乗馬、騎手を描くディック・フランシスの偉大さがわかったということだった。
今回の主人公キットは障害競馬の騎手。
「ロミオとジュリエット」のジュリエットの双子の兄だ。
その妹夫婦が新聞に中傷記事が載ったせいで、
厩舎の経営が経済的危機に陥る。
盗聴器とか、ビデオ撮影とか、スタンガンとか新しい -
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ネタバレ競馬シリーズ21作目。
この競馬シリーズ、
氷の海に投げ出されたり、レースで優勝したとたん誘拐されたりと、
劇的な幕開けは数多いが、
今回は銀行の幹部が噴水の池の中で立ち、
水を嫌う白い顔の男たちから逃げるためだよと語るという、
別方向で驚きの幕開けだった。
パーキンソン病の薬を変えたために見た幻覚だったが。
主人公ティムは幹部の部下。
銀行の名と同じ姓で創業者の孫にあたるが、
父母共に浪費家のため金持ちではなく、
父の死後、伯父に言われて銀行に入ったが、
逆になかなか出世できないでいた。
アスコット競馬場で、偶然、馬の治癒師の命を助けたり、
アニメーションへの投資に成功して取締役に出世 -
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ネタバレ競馬シリーズ20作目。
前半と後半で主人公が変わる、という珍しい構成。
前半が物理教師の兄、後半が競馬関係の支配人の弟。
ある男が開発した競馬に勝つコンピューターシステムをめぐって、
脅したり、殴ったり、閉じ込めたり。
兄の話の方が面白かったかな。
オリンピック選手の腕前で電話の接続箱を狙撃したり、
システムを作った男の未亡人から話を聞き出したり、
殺人犯を逮捕させたり、
妻が監禁されたことから、仲が回復したり。
物理の授業のために銃をとりに行って教室に戻ったら、
生徒の一人がリンゴを頭にのせて黒板の前で待っていた場面も面白かった。
弟の話の方は、
復讐の鬼になった殺人犯が主人公になって -
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ネタバレ競馬シリーズ17作目。
とうとう、でました。
イギリスならではの王室メンバー。
チャールズ国王の戴冠式と見たばかりだったので、
「王子」の登場にも違和感なく読めた。
眼鏡使用が禁止されたため騎手をやめざるを得なかったランドルは、
王子みずから、
義弟である伯爵がモスクワでのオリンピックに無事出場できるよう、
調査してほしいと頼まれてしまい、断れず引き受けてしまう。
伯爵と騎手仲間のドイツ人の男が心臓まひで亡くなる間際で残した
「アリョシャ」という謎の言葉を手掛かりに、
モスクワに向かうランドル。
尾行、監視、盗聴といかにも冷戦中のモスクワらしいモスクワで、
新聞記者や競馬関係の人々に話 -
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ネタバレ競馬シリーズ14作目。
おもちゃの特許で財を得て、馬主となったスコットは、
自分が調教師と賭け屋にだまされて、
大金をとられていたことに気が付く。
だが、調教師の厩舎から馬を引き上げようとして、
妨害され、違う馬をつかまされ、悪評を流される。
恋人に会いに行ったアメリカで、
そっくりの馬を見つけたことから、
自分の馬を取り戻し、復讐することを考えつく。
友人と友人の幼なじみ、助手と恋人と、
復讐の計画を立てて実行していたのが、
とても楽しそうだった。
ハリウッドで映画化されないのが不思議なくらい。
スコットと調教師の妻が、
お互いに身代わりの馬を見破られないように、
丁々発止で相手を馬 -
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ネタバレ競馬シリーズ13作目。
仲介業者のジョウナは、
不正を働く同業者に仲間に入れと脅される。
競り落としたばかりの馬を奪われたり、
預かっていた馬を放たれたり、
家に放火されたりと。
彼らを操っている黒幕は誰なのか。
ジョウナの口笛に応えた引退した障害馬に乗って、
逃げた馬を追いかける場面が良かった。
ジョウナの不安と焦る気持ちに応えて激走し、
若い平地競走馬に追いつき、無事捕まえることができた。
昔のレースを思い出して、誇らしげにいななく老馬がかわいらしかった。
正直、仲介がらみの詐欺は難しすぎて
そのすべてを理解できたわけではないが、興味深かった。
ジョウナが自らの知識と誠実さで、
強欲 -
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ネタバレ競馬シリーズ12作目。
今回も危機的なオープニング。
ジョッキークラブの調査員ディヴィットは、
ノルウェーにイギリス人騎手が起こした売上金盗難事件を調査に行く。
盗聴を避けるために、現地の調査員とボートで話し合っていると、
船にぶつかられ極寒の海にほりだされてしまう。
なんとか、二人とも助かるが、
騎手の死体が見つかった後に、乗っていた車が爆発する。
皆が騎手が金をもって逃走したと思っているところに、
死体を探すべきだと爆弾発言をするところや、
現地調査員を罠にはめるところ、
子供の目撃者から犯人の情報を聞き出すところと、
かなり探偵っぽい。
でも、かなり命を狙われていることにビビってい -
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ネタバレ競馬シリーズ10作目。
二組の父と息子の話。
息子をコントロールしようとする父親たちと、
父のもとから逃れた息子とその影響下にあることもよくわかっていない息子。
車の事故で骨折をした父の代わりに、
厩舎を管理することになったニールは、突然誘拐される。
経験のない若者を騎手として優勝馬に乗せてダービーに出せ、と脅される。
厩舎を守るために受け入れたニールだったが、
若者は生意気で鼻持ちならず馬丁頭や馬丁たちともめる。
もちろん、そう簡単に実績のない騎手を優勝場に乗せるわけにはいかず…。
ミステリーというよりは、
若者の父との葛藤、そして成長物語だろう。
父親たちが二人とも死んでしまう、とい -
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ネタバレ競馬シリーズ8作目。
騎手のケリイは調教師と共に査問委員会に呼ばれ、
八百長レースをしたとして、免許をはく奪される。
調教師の娘が、意気消沈している父親を助けてほしいと言いにきて、
身に覚えのないケリイは、
査問委員や召喚された証人たちを調べ始める。
イギリスの競馬は上流階級からはじまったため、
階級社会を色濃く映し出している。
馬主や調教師にとって、騎手や馬丁はまともに相手にする人間ではない。
それゆえ、ケリイが馬主や調教師に嫌われないように、
自分が大学を卒業したことは秘密にしていた。
興味深い。
女性が狂人になってしまったり、
鞭打ちクラブが脅迫のネタだったりと、
ちょっとミステリ -
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イギリスの作家「ディック・フランシス」の長篇ミステリ作品『興奮(原題:For Kicks)』を読みました。
「ディック・フランシス」作品は今年4月に読んだ『勝利』以来ですね。
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〔競馬シリーズ〕
最近イギリスの障害レースでは思いがけない大穴が十回以上も続出した。
番狂わせを演じた馬には興奮剤投与の形跡が明白であったが、証拠が発見されなかった。そこにはどんなからくりがあるのか?
事件の解明を依頼された牧場経営者「ローク」は、厩務員に身をやつして、黒い霧の調査に乗り出した!
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競馬シリーズの第3作目 -
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ネタバレ競馬シリーズ5作目。
ヘンリィは伯爵の跡継ぎでありながら、
金持ちの娘と結婚させようとする家族への反骨心からか、
馬と飛行機を愛する気持ちからか、
周りの反対を振り切って競走馬の空輸に同乗し馬を引き渡す仕事につく。
貴族階級を敵視し、暴力をふるってくる同僚とやりあいながら、
仕事を続けているうちに、
ミラノで恋に落ち、また、友人の不正に気が付く。
ハッピーエンド好きでバッドエンドが好きではないが、
この話は「エンド」すらない。
ヘンリィはどうにか大型飛行機を操縦して無事着陸したが、
銃で撃たれた恋人の生死もわからぬまま、話が終わってしまった。
ひどすぎる。
競走馬をヨーロッパへ、南米へ -
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イギリスの作家「ディック・フランシス」の長篇ミステリ作品『勝利(原題:Shattered)』を読みました。
「ディック・フランシス」と「フェリックス・フランシス」の父子共著の作品『祝宴』に続き、競馬シリーズの作品です。
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真冬の寒い日、レース場で起きた惨劇に観客たちは凍りついた。
目の前で騎手が落馬し、馬に押しつぶされて死亡したのだ。
友の突然の死に、哀しみにくれるガラス職人の「ローガン」だったが、まもなく彼のもとに一本のビデオテープが届く。
それは友が命を賭して彼に遺したものだった。
が、中身をたしかめる間もなく、押し入った何者かにより、テー -
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競馬ミステリー小説と言えば…
この方…………!元競馬騎手でもある!
巨匠ディッッック・フランシス!!
はいよ〜!シルバぁぁぁぁ〜!!
あらすじ
最近イギリスの障害レースでは思いがけない大穴が十回以上も続出した。番狂わせを演じた馬には興奮剤投与の形跡が明白であったが、証拠が発見されなかった。そこにはどんなからくりがあるのか? 事件の解明を依頼された牧場経営者ロークは、厩務員に身をやつして、黒い霧の調査に乗り出した!
………読み終えてひと言!
面白い!!男心をくすぐる!ハードボイルド臭!
題名どおり興奮したじゃあ〜ないか!!
内容は競馬の話になっているのですが!
しかも!レースがメ -
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大穴が続出する障害レース。
興奮剤投与の疑いが!
はたしてその方法とは?!
ディック・フランシスの『競馬シリーズ』初読みですヽ(´▽`)ノ
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こちらの作品、なぜ手に取ったかと申しますと、フレンドのお兄様一推しの本。
フレンド本人は読まないとの事なので、私と別のフレンドが読んで感想文を書くという事に。
なんだか面白い展開になっております( -᷄֊-᷅ )
著者のディック・フランシスはかなり有名な方のようです。
初めて読みました(*´˘`*)
『競馬』と聞くと、少し抵抗がありまして「ギャンブルやん」「競馬知らないと意味分からないのでは?」と懸念するも、全く問題ありませんで -
Posted by ブクログ
ネタバレ競馬シリーズ3作目。
いわゆる潜入捜査は好きではない。
ただでさえハラハラするのに、
正体がばれそうになり、
命の危険にさらされるのがお約束なので、
心臓がもたない。
それが、かなりの部分楽しく読めたのは、
主人公の設定というか、人物像だと思う。
父母を亡くし兄弟たちのために牧場経営をするオーストラリア牧場主が、
イギリス貴族に見込まれて、競馬界をゆさぶる不正を暴くべく、
イギリスで厩務員として働きはじめる。
服装や髪形で「危ないやつ」に変わっていくところや、
オーストラリアなまりの英語を直すところ、
雇い主の娘に陥れられたが、それを隠れ蓑として良しとするところと、
嫌がらせや暴力に誇り -
Posted by ブクログ
ネタバレそうか、だから「競馬シリーズ」なのか。
障害競馬のお話だが、主人公は全く別人。
歳は行っているが駆け出しの騎手で、
家族はプロの音楽一家のため、いわゆる黒い羊。
いきなり、同僚の騎手が拳銃自殺する。
親切にしてくれた別の同僚は、
持ち主のいない車に道路をふさがれていて、レースに間に合わず、
使ってもらえなくなる。
主人公は、けがをしたトップ騎手の代わりに、
常勤の騎手になるチャンスをつかむが、
急にどの馬に乗っても調子が悪くなる。
思いっきりネタバレだが、
売れっ子のテレビ司会者が犯人とは思い切った設定だった。
しかも、この時代に女装はないだろう、と思っていたのに、
犯人は車を置き去りに -
Posted by ブクログ
40年くらい前の作品ですよ
すごっ
ぜんぜん今読んでも面白いんだけど
やっぱりノスタルジックな想いが少し乗っかっている気もします
冷静に考えるとやっぱり今の時代には合ってないのかなと思ったりもして
というのは、かっこいい男の基準がやっぱりちょっと違うような気がします
石のような精神力で何ものにも屈しないヒーロー
本編の主人公シッド・ハレーも一度は敵の脅しに屈しそうになりますが、自分の心と会話を交わすうちに精神的な復活を遂げます
今ならきっと自分の弱さを認めつつ、ときには仲間を頼ったりもしながら強さを身に着けていくみたいなヒーロー像のほうが受け入れやすいのかなって思います
それにしても我