菊池光のレビュー一覧

  • 度胸

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    初期の作品で一番好きな作品です。
    音楽一家の中でただ一人音楽の才能がなく、競馬騎手になった主人公。
    原因のわからない不調に苦しみ、マスコミにも度胸をなくしたと叩かれますが、ついにその理由を突き止め…
    競馬界をめぐる意外な陰謀を解決します。
    謙虚で観察力と思いやりとユーモアがあり、意志の強い主人公の性格が何とも素敵なのです。

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    2010年02月19日
  • 侵入

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    キット・フィールディングを主人公とする連作の一冊目。
    双子の妹に振りかかった苦難を固い意志で取り除いていくキット。
    まだ若く、競馬騎手としても頂点にさしかかる頃で、エネルギッシュで存在感のある主人公のため、爽快感が強い作品。

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    2010年02月20日
  • 連闘

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    キットを主人公とする連作の2冊目。
    尊敬する馬主で恋人の伯母でもある王女一家に降りかかった無理難題を解決するために奔走するキット。
    若々しく、トップに上り詰めるヒーローなのだが。
    意外な苦労と弱点が…

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    2010年02月19日
  • 反射

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    中期の傑作。
    母の友達に次々に預けられて点々としながら育ち、出自もよくわからなかった天涯孤独な主人公。
    淡々と生きてきた彼が祖母が生きていることを弁護士に知らされて次第に家族のいきさつを知り、幼い日の記憶の意味も知り、才能を生かして生きる道を見つけていきます。
    好感度の高い作品です。

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    2010年02月19日
  • 重賞

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    読みやすいので、ディック・フランシスの作品を初めて読む方にオススメ。
    主人公はオモチャの発明家で、ひっそり暮らしているがじつは大金持ち。
    持ち馬を巡って、とんでもないトラブルに巻き込まれますが、周りの協力を得て解決に向かうのが軽快に描かれます。
    ヒロインはイギリスを訪問していたアメリカ女性で、感じの良い人同士の心地よい恋愛模様が海を越えて展開します。

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    2010年02月24日
  • 興奮

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    初期の代表作。
    長らくベストワンの位置を占めていました。
    オーストラリアの若き牧場主・ダニエル・ロークが、イングランドの競馬界の重鎮から、潜入捜査を依頼される。
    両親亡き後に弟妹を育てあげることに献身してきたダニエルだったが…?
    フランシスの主人公の中で、もっともハンサムで、おのずと自信があり、自己肯定的。
    時代が違うので、最初に読むには薦めませんが、数冊読むならそのうちの一冊にぜひ。

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    2010年02月19日
  • 大穴

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    とうとうディック・フランシスに手をつけてしまいました。絶対おもしろいはずだと判っていながら手を出し損ねていたシリーズ。初期作品でこの完成度。素晴しい。
    あまり大きな声では言いにくいが、読み終えての第一の感想は、これって、天下御免のSM小説……?いや、シッドハーレーは確かにヒーローなんだけど、周囲は敵にしろ味方にしろ、全員「S」なんだもの。一番あなどれないのは一番味方のはずの義理の父上。たいがいハードボイルドのヒーローは酷い目にあうものだけど、味方にここまで虐げられるのも珍しいと思う。
    あまたのミステリガイドで「滅法おもしろい競馬小説」と紹介しているオジサマ方に、そこんところを解説していただきた

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    2011年03月25日
  • 骨折

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    フランシスを初めて読む方にもお薦めの一冊。
    競馬厩舎を営む厳格な父の元を出奔した主人公が、骨董商として成功し、大人になってから戻ってきます。
    病に倒れた父に代わって、厩舎を任され、不安顔の従業員を何とか取り仕切りますが、そこへ難題が!
    マフィアの首領が溺愛する息子の願いを叶えるために、最高の馬で最高のレースに出すように脅迫してくるのです。
    二組の父と息子の関係が面白く、若くて思い切りハンサムで傲慢な息子が騎手として次第に成長していく姿は魅力的。
    主人公の愛人ギリイの大人な態度も素敵です。

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    2010年02月18日
  • 罰金

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     あらすじ:「絶対に自分の魂は売るな、、、自分の記事を金にするな、、、」そういい残してベテラン記者バートは7階のオフィスから転落した。ジェイムズは彼の言葉の真意を掴めずにいたが、バートが大々的に買いを勧めていた馬がレース直前に出走を取りやめていたことを知る、、、。
     たぶん、女性には受けが悪いのでは、、、。だが、ウイスキーを無理やり飲まされてからの理由が分かってからの展開はもう面白いに尽きる♪ 一気にラストスパートだ!

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    2009年10月04日
  • 大穴

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    4―2 シッド・ハレー初登場。
     元チャンピオンジョッキー。左手を失っている。
     義理の父親との交流がいい。
     別居中の妻との会話がいい。

     知り合った顔にやけどの跡のある女事務員との交流がいい。

    「「おわかりになったの」
     うなづいた。「家具の置きぐあいでね…きてくれますか…」
    「これでもまだお誘いになるの?」
    「もちろん。何時にしまうんですか?」
    「今夜は、六時頃」
    「戻ってきます。下の入り口で待っています」
    「いいわ」彼女が言った。「本当にそうおっしゃるのなら、ありがたくお供しますわ。今夜は何も用がありませんから」
     そのなんでもない言葉に、長年の希望のない淋しさがむきだしに感じられ

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    2009年10月04日
  • 利腕

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    18
    シッド・ハレー再登場
    アメリカ探偵作家クラブ賞
    英国推理作家協会賞受賞作
    傑作です。

    詐欺に巻き込まれた元妻を救うために頑張るシッドに、ジョッキイ倶楽部の保安部長からも依頼が入る。
    襲われ、傷つけられたシッドとその傷に気がついた元妻の会話が白眉です。

    「…あなたの自分本位な考え方、頑固さ。勝つための決意勝つためなら、あなたはどんなことでもするわ。あなたはつねに勝たなければ気がすまないのよ。すごく厳しいわ。自分に対して厳しい。自分に対して冷酷だわ。わたしはそれが我慢できなかったのよ。誰だって我慢できないわ。女は慰めを求めて自分のところのくる男が必要なのよ。お前が必要だ、助けてくれ、慰め

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    2009年10月04日
  • 煙幕

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    11−12
    大好きです。
    主人公は、精神発達障害の子どもを持つ、冒険映画主役の、映画俳優です。だから競馬メインじゃないんだって…。

     監督と反発した主人公は、主人公が苦悩するシーンで、最高の演技を見せてやろうとします。
     
     友人のコンラッドが言います。
    「仕上がったフィルムは、君の気に入らないはずだ」
     間をおいたが、彼が説明しないので、私が聞いた。「なぜ?」
    「あの中に、演技とはべつの、演技を超えたものがある」
     彼がまた間をおいて、言葉を選んでいた。「わしのようなひねくれた見方をする人間ですら、あの苦悩の質には、胸が裂けるような感銘を受けたよ」
     私は黙っていた。彼が私

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    2009年10月04日
  • 反射

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    19

    シリーズ中最愛の作品。

     母親に捨てられ、父親は不明で、あちこちの家を転々として育ち、成り行きで騎手になった主人公の独白。

    「長い年月、自分にとって生存とは、与えられたものを甘んじて受け、なにかの役に立つこと、物静かで好感を与え、問題を起こさないこと、抑圧的、内向的で自制すること、であった……差し出されないものは望まないよう長い間しつけてきたので、今では欲しいものはほとんどない……自分がこのような人間である理由は承知している。自分が流れのままに漂っている理由もわかっている。自分があくまで受動的で、状況を変え、肩を怒らせて歩き回り、自分の運命の支配者になる、といった要求を全く感じな

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    2009年10月04日
  • 度胸

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    2―5
    音楽一家に生まれながら、音楽の才能をもたなかったロバート・フィンが選んだのは、別の道で自分の才能を示すことだった。
    そしてもう一人、フィンと同じ立場ながら、失ったものを認められない男がいた。
    そして事件はおきる。

    ラストのフィンの独白が印象的でした。
    「ある意味では、自分は彼を理解することができる、と思った。私自身が不肖の子であるからだ。しかし、父は愛情をもって私を別の世界に住ませてくれた。だから私は音楽家が苦しむのを見る必要を感じない。
    …寛容か、と思った。それはまた別のことである。
     許すのには長い時間がかかる。」

    最高傑作のひとつ。

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    2009年10月04日
  • 大穴

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    細部の描写を表現する圧倒的な筆力、スピーディーな展開と、主人公のリアルさが素晴しい、映画ならばもっとヒーローっぽく扱うものだろうが、主人公のシッドハレーは頭の回転がいいだけで、武術はおろか、背は低く、片腕は不自由である。そんな主人公がある事件を捜査していくんだけど、もう読み始めたら止まらない!

    緊張と緩和をうまく使い分け、余計な部分を省いた展開は、たまらなく気持ちがいいし、一度どん底を味わった男が再起をかけるという話で燃えない男はいない!

    実は菊池光さんの翻訳も秀逸。

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    2009年10月04日
  • 利腕

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    片腕探偵シッド・ハレーが競馬界の不正に立ち向かう中で恐怖に打ち勝とうと奮闘する様にやられる。特に最後の一行!自分にとってすべての小説で最高のラストシーン!!

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    2009年10月04日
  • 大穴

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    シド・ハーレー第一弾。

    冴えない探偵見習いのような元障害レース騎手の主人公が活躍するミステリー。ミステリーだが、実質的にはハードボイルドもの。

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    2025年11月07日
  • 鷲は舞い降りた〔完全版〕

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     読むのは何度目くらいになるだろうか。もう自分でも良く思い出せない。初めて読んだのはいつ頃か。大学生の頃か、社会人になった頃か。マクリーンから始まって、冒険小説を読みあさっていた頃に手にした。「深夜+1」を先に読んでいたのだと思う。

     改めて読んでみて、こんなにサービス精神満載の作品だったんだなあとびっくりした。読み始めの展開、つまりノンフィクションとフィクションの境界を曖昧にしながらルポ的に始まるあたりから、作戦の進行をある意味淡々と書いていくあたりは、後のフォーサイスを読んでいるようである。中盤から後半にかけて、サスペンスにあふれる犯罪小説的であったり、アクション満載の戦争小説であったり

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    2025年10月13日
  • 不屈

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    貴族の血を受け継いでいながら、ひとりスコットランドの山中で孤独な暮らしを続ける青年画家、アリグザンダー・キンロック。ある日、彼は自分の山小屋で待ちかまえていた四人の暴漢に襲われ、あやうく命を落としかける。闇雲に「あれはどこにある?」と脅されたあげく、わけのわからぬままに崖の上から突き落とされたのだ。事件が起きたのは、アリグザンダーが母の屋敷へ行こうとしていた矢先だった。ビールの醸造会社を経営している義理の父が、心臓発作に倒れたとの知らせを受けたのだ。全身の怪我をおして屋敷に赴いた彼は、義理の父の会社が倒産寸前であることを知る。経理部長が莫大な資産を横領して姿を消したらしい。しかも、会社が主催す

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    2025年06月22日
  • 興奮

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    「Barレモンハート」に登場した競馬をテーマにした小説シリーズ。これが第1作だと思っていたが、どうも2作目のようだ。

    イギリスの障害レースで不正が行われているようだが、薬物の形跡が見つからない。その秘密を暴くため、オーストラリアから厩舎に送り込まれた主人公。さてそのトリックはなんだったのか。

    もともとイメージしていた競馬小説とは違ったが、厩舎の生活や馬の売買の様子などとても面白かった。

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    2025年05月18日