菊池光のレビュー一覧
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ネタバレ競馬シリーズ39作目。
冒頭で騎手がレース中の落馬事故で亡くなったが、
全体的な印象としては、今回は競馬要素は薄い。
亡くなった騎手の親友だったガラス職人のローガンは、
騎手からだと言われて受け取ったビデオテープを、
その日のうちに中身を知らないまま盗まれてしまう。
だが目的のテープではなかったのか、
騎手の家族は催眠ガスで眠らされビデオテープを盗られ、
さらにローガンの自宅も荒らされ、工房の前で四人組に襲われる。
ビデオテープの中身は何なのか、どこにあるのか、
そして襲撃者の正体は。
その謎を解くのに手助けとなった二人の少年、
騎手の息子と襲撃メンバーの一人の甥の活躍が印象的だった。
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ネタバレ競馬シリーズ38作目。
気象予報士としての好奇心に勝てず、
同僚と共に台風の眼に飛行機でつっこむことにしたペリイ。
だが、飛行機は不時着したどり着いた島には人はいないが牛はいた。群れで。
そして廃屋には金庫があって読めない書類が入っていた。
放射線防護服に身を包み、銃を持って現れた一団によって救い出されたが、
その正体は飛行機を売ってくれた男とその妻、友人の三人であることを
ペリイはすぐに見抜いた。
なぜか。
なぞの無人島、放射性物質の違法な売買、スパイ、牛の乳を直接飲んで罹患した珍しい病気と、
いろいろ絡んできて、
同僚には良い友人だと思っていたのに裏切られて、
個人的にはいまひとつだっ -
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ネタバレ競馬シリーズ37作目と言ってよいのか、短編集。
競馬×ミステリーを短編にすると、
詐欺や盗みばかりのかなり殺伐とした感じになるらしい。
なんといっても、
いつもの信念と正義感を持ち合わせた紳士的な主人公たちがいないので、
登場人物にはかなり悪人が多い。
とはいえ面白かった。
例えば「悪夢」は、
馬に関する知識を武器にトップセールスマンとして三年働いていた男の話だが、
実は馬泥棒で車の事故で死んだ父親の代わりになる相棒を探していたとか、
見ていた「悪夢」は
実は警察から逃れるために父親をひき殺してしまった事故だとか、
相棒にした財布泥棒のヒッチハイカーが
実は警官で、と面白かった。
「春の -
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ネタバレ競馬シリーズ36作目。
こんな17才はいない、と思っていたら、
佐々木譲氏が解説で同じことを書いていた。
障害騎手を目指いしてた17才の少年ベンは、
父親に騎手生活から引きはがされ、下院議員の選挙活動を手伝うように言われる。
父親と言っても、若くして結婚し、ベンが産まれた際に母親が亡くなると、
母親の姉に養育を任せ、近くで見守ってはいなかった。
それでも、信頼されていることは知っており、
集票のため選挙活動に同道し、運転手役をつとめることにする。
父親は狙撃されかかったり、
車のブレーキオイルタンクに細工されたり、
選挙事務所兼宿泊場所が火事になったりと、
妨害工作に遭いながら、当選する… -
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ネタバレ競馬シリーズ34作目。
シッド。
この競馬シリーズで三度同じ主人公に会うとは思っていなかった。
エリスはシッドの騎手時代の好敵手であり、
現在は、影の中をひっそりとしのび歩き調査を行っているシッドと違って、
テレビ番組の司会者として自分の魅力をふりまいていた。
シッドは白血病の女の子のポニーの足を切り落とした犯人捜しを依頼され、
同様の事件を調べていくうちにエリスを逮捕するに至る。
だが、人気者を陥れたと競馬関係者やマスコミから激しく非難される羽目になり、
エリスの父親には命を狙われる…。
相変わらず、義手であることに容赦のない暴力をふるわれる描写があり、
ひりひりする。
エリスがシッド -
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ネタバレ競馬シリーズ32作目。
絶対的なハッピーエンド好きとしては、
登場人物たちの恋愛や結婚生活がうまく行ってほしいと常に願いながら、
読み進んでいる。
だが、この著者の場合、事件は解決したとしても、
ハッピーエンドになるとは限らない。
それどころか、尻切れトンボな「エンド」になってしまうことすらある。
それがエンターテイメントではなく芸術なのだと言われればその通りなのだが。
そんな消化不良を起こしながらも、
このシリーズを読んでしまうのは作品が面白いからなのだと思う。
という訳で今回の主人公の恋愛は上手く行かないものの、
結婚生活はかろうじて平和的結末になったのが判って良かった。
その主人 -
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ネタバレ競馬シリーズ29作目。
この競馬シリーズの面白さのひとつは、
何かのできごとによって(殺人とは限らない)、
人生が変わっていく瞬間を目撃できることだろう。
今回の主人公ジョンは旅行社に勤めていて、
サバイバルの技術が必要になるよう名旅行を手配していたが、
衝動的に仕事を辞めて作家を目指していた。
当然お金はなく、友人のおばの屋根裏部屋に格安で住まわせてもらっていたが、
セントラル・ヒーティングがきかなくなって家を閉めることになり、
いたしかたなく、ある調教師の伝記を書くことを引き受けることにする。
賄いつきで屋敷に泊めてもらえるので。
といっても賄いは冷凍ピザのことだったらしく、
ジョンが -
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ネタバレ競馬シリーズ28作目。
障害競馬の騎手であるデリックは、
年が離れていて一緒に生活したことのない兄と偶然街で再開し、
その後はほどほどにつきあっていたが、
突然の事故でその兄を失う。
そして、もっと生前に親しくすればよかったと後悔するところは良かったが、
経営していた宝石会社や持ち馬とともに、恋人も相続するとは。
宝石会社の仕事をだんだんと覚え、
従業員の信頼を得て行き、
それぞれに新しい仕事と昇進をあたえて軌道に乗せるところが印象的。
取り扱っていなかったはずだが、
購入したはずのダイヤモンドを探してはいたが、
多分彼の家に侵入したり襲ったりしたのは馬関係なのだろうなとは思っていた。
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ネタバレ競馬シリーズ27作目。
今回のテーマはカナダを横断する豪華列車。
カナダの競馬界を盛り上げるため企画された列車の旅で、
馬主と馬を乗せ、途中の競馬場でレースをする。
しかも、ミステリーのお芝居つき。
主人公は英国ジョッキークラブの陰の保安部員。
幼少時に母と父を続けて亡くし競馬好きの叔母に育てられ、
その叔母の死後は7年ほど世界を放浪し、
イギリスに戻って叔母や父の遺産を相続した。
競馬に詳しく、誰にも顔を知られず、しかも目立たない風貌ということで、
競馬場で不正行為を見はったり、
不審人物を尾行したりする保安部員として働いている。
その仕事の一環で、恐喝や殺人の疑いのある男を追って、
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ネタバレ競馬シリーズ25作目。
珍しく続編だった。
もちろん前作「侵入」も読んでいるので、
冒頭で主人公キットと婚約者ダニエルとうまくいっていないのに、
心が痛んだ。
今回はキットが騎乗する馬の馬主、カシリア王女が事件に巻き込まれる。
夫の共同経営者が、銃の製造に乗り出すべく、
夫を、カシリア王女を脅迫してくる。
その状況の中で馬が殺されたのはかわいそうだった。
ダニエルと趣味が合い、
カシリア王女の甥という高貴な生まれの恋敵が現れ、
心穏やかではいられないにも関わらず、
脅迫者に対しては共闘せざるを得ない。
その過程で彼を好ましく思ってしまうキットは、
その度量の深さ、公平さが素晴らしい。
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ネタバレ競馬シリーズ24作目。
普段、解説は軽く読み流していて
誰が書いているのかなんて気にしたことがないのだが、
大河ドラマのロケのために乗馬訓練をしたとあっては、
誰なのかと読み返した。
俳優児玉清。
アタック25の司会者でもあり、ミステリー好き、いや本好きとして有名な方だ。
川中島決戦の本番で落馬し、
馬や乗馬、騎手を描くディック・フランシスの偉大さがわかったということだった。
今回の主人公キットは障害競馬の騎手。
「ロミオとジュリエット」のジュリエットの双子の兄だ。
その妹夫婦が新聞に中傷記事が載ったせいで、
厩舎の経営が経済的危機に陥る。
盗聴器とか、ビデオ撮影とか、スタンガンとか新しい -
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ネタバレ競馬シリーズ21作目。
この競馬シリーズ、
氷の海に投げ出されたり、レースで優勝したとたん誘拐されたりと、
劇的な幕開けは数多いが、
今回は銀行の幹部が噴水の池の中で立ち、
水を嫌う白い顔の男たちから逃げるためだよと語るという、
別方向で驚きの幕開けだった。
パーキンソン病の薬を変えたために見た幻覚だったが。
主人公ティムは幹部の部下。
銀行の名と同じ姓で創業者の孫にあたるが、
父母共に浪費家のため金持ちではなく、
父の死後、伯父に言われて銀行に入ったが、
逆になかなか出世できないでいた。
アスコット競馬場で、偶然、馬の治癒師の命を助けたり、
アニメーションへの投資に成功して取締役に出世 -
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ネタバレ競馬シリーズ20作目。
前半と後半で主人公が変わる、という珍しい構成。
前半が物理教師の兄、後半が競馬関係の支配人の弟。
ある男が開発した競馬に勝つコンピューターシステムをめぐって、
脅したり、殴ったり、閉じ込めたり。
兄の話の方が面白かったかな。
オリンピック選手の腕前で電話の接続箱を狙撃したり、
システムを作った男の未亡人から話を聞き出したり、
殺人犯を逮捕させたり、
妻が監禁されたことから、仲が回復したり。
物理の授業のために銃をとりに行って教室に戻ったら、
生徒の一人がリンゴを頭にのせて黒板の前で待っていた場面も面白かった。
弟の話の方は、
復讐の鬼になった殺人犯が主人公になって -
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ネタバレ競馬シリーズ17作目。
とうとう、でました。
イギリスならではの王室メンバー。
チャールズ国王の戴冠式と見たばかりだったので、
「王子」の登場にも違和感なく読めた。
眼鏡使用が禁止されたため騎手をやめざるを得なかったランドルは、
王子みずから、
義弟である伯爵がモスクワでのオリンピックに無事出場できるよう、
調査してほしいと頼まれてしまい、断れず引き受けてしまう。
伯爵と騎手仲間のドイツ人の男が心臓まひで亡くなる間際で残した
「アリョシャ」という謎の言葉を手掛かりに、
モスクワに向かうランドル。
尾行、監視、盗聴といかにも冷戦中のモスクワらしいモスクワで、
新聞記者や競馬関係の人々に話 -
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ネタバレ競馬シリーズ14作目。
おもちゃの特許で財を得て、馬主となったスコットは、
自分が調教師と賭け屋にだまされて、
大金をとられていたことに気が付く。
だが、調教師の厩舎から馬を引き上げようとして、
妨害され、違う馬をつかまされ、悪評を流される。
恋人に会いに行ったアメリカで、
そっくりの馬を見つけたことから、
自分の馬を取り戻し、復讐することを考えつく。
友人と友人の幼なじみ、助手と恋人と、
復讐の計画を立てて実行していたのが、
とても楽しそうだった。
ハリウッドで映画化されないのが不思議なくらい。
スコットと調教師の妻が、
お互いに身代わりの馬を見破られないように、
丁々発止で相手を馬 -
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ネタバレ競馬シリーズ13作目。
仲介業者のジョウナは、
不正を働く同業者に仲間に入れと脅される。
競り落としたばかりの馬を奪われたり、
預かっていた馬を放たれたり、
家に放火されたりと。
彼らを操っている黒幕は誰なのか。
ジョウナの口笛に応えた引退した障害馬に乗って、
逃げた馬を追いかける場面が良かった。
ジョウナの不安と焦る気持ちに応えて激走し、
若い平地競走馬に追いつき、無事捕まえることができた。
昔のレースを思い出して、誇らしげにいななく老馬がかわいらしかった。
正直、仲介がらみの詐欺は難しすぎて
そのすべてを理解できたわけではないが、興味深かった。
ジョウナが自らの知識と誠実さで、
強欲 -
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ネタバレ競馬シリーズ12作目。
今回も危機的なオープニング。
ジョッキークラブの調査員ディヴィットは、
ノルウェーにイギリス人騎手が起こした売上金盗難事件を調査に行く。
盗聴を避けるために、現地の調査員とボートで話し合っていると、
船にぶつかられ極寒の海にほりだされてしまう。
なんとか、二人とも助かるが、
騎手の死体が見つかった後に、乗っていた車が爆発する。
皆が騎手が金をもって逃走したと思っているところに、
死体を探すべきだと爆弾発言をするところや、
現地調査員を罠にはめるところ、
子供の目撃者から犯人の情報を聞き出すところと、
かなり探偵っぽい。
でも、かなり命を狙われていることにビビってい