菊池光のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
競馬シリーズ…読みたいときは一気に読みたくなります。今回の主人公は、予期しない出来事からかつての故郷に一時的に帰ることになった外交官という設定。
いろいろな場面で機転が利き、頭をめぐらす主人公に、ちょっと出来すぎやしませんかー?とも思いますが、まあいいか(笑)。ともかく競馬シリーズは主人公のいい男っぷりを読みたいのです。
アメリカで知り合った引退した歌手夫婦の人生を楽しんでいる描写、短い時間で知り合ったケン・マクルアとの会話、ケンの母親と婚約者の親(先の歌手夫妻)のやや気まずくも滑稽な食事の場面といい、この本はかなり楽しかった。本当にいろいろな人間達を描いてくれて。
絶版ながら、原文のカセット -
Posted by ブクログ
再読中。
若手外交官のピーター・ダーウィンが主人公。
フランシスの競馬ミステリ・シリーズの30作目。
ピーターが日本での勤務を終え、次の赴任地の本国へ戻る途中、知り合ったクラブ歌手のヴィッキイ夫妻の窮地を助けたことから、娘の結婚式へ向かう夫妻を送っていくことになります。
行き先は偶然にもピーターが12歳までを過ごした土地。
娘の婚約者ケンは大きな動物病院の優秀な医師なのに、手術を施した馬が次々に死亡して信頼を失い、病院は火事で半焼という大変な危機に見舞われます。
友情から、調査に乗り出すピーター。
事件の鍵は彼自身の幼い頃の記憶の中に…!?
病院が舞台で緊迫したシーンの多い、事件性の高い -
Posted by ブクログ
23
最愛の妻を急病でなくして以来、半ば死んだように生きている主人公が立ち直る話。
親から、疎まれはしなかったものの失望され、見放され、妻といる間だけが生きている実感だったワイン商。
「 妻の急死の前兆に全く気付かなかったことに罪悪感を覚え、抜け出したはずの、過去の見捨てられた子供時代の呪縛に取り付かれ、砂を食むような毎日を送っている。
その彼が、ゆっくりと歩き出して語る最後の独白。
「エマ…エマ…エマ…」と叫びながら家の中を通っていった。声が壁にぶつかって反響している。
彼女を求めて叫んでいるのではなく、彼女に告げたくて叫んでいた…彼女に聞いてもらいたかった…自分がは -
Posted by ブクログ
13―14
主人公の兄がアルコール依存症です。というわけで、個人的にこの話はものすごく感動しました。
立ち直ろうとする兄。信じきれないけど、支え続ける弟。
兄は最後に、弟を助けて命を失います。その直後にかかってきた電話。
「お兄さんとお話がしたいのですが」
「申し訳ありませんが……」私が言った。「兄は……いまいないのです」
「困りました」暖かい同情を含んでいた。「とにかく……こちらはアルコール中毒自主治療協会です。きょうの夕方、お兄さんから、助力をうけたい、というお電話があって、後でこちらから電話して、よくお話を伺う、と約束したのです……」
私たちは、その後もしばらく話を続けたが、私は相手 -
Posted by ブクログ
障害レースで思いがけない大穴が続いていた。番狂わせを演じた馬は、その時の状況から推して明らかに興奮剤を与えられていた。ところがいくら検査をしても興奮剤を投与した証拠が出ない。どんなからくりで不正が行われているのか? 事件の解明を急ぐ障害レースの理事はオーストラリアに飛び、種馬牧場を経営するロークに黒い霧の真相究明を依頼した。元全英チャンピョン・ジョッキーが描く競馬ミステリの白眉!―――――ジャンルはミステリというよりもハードボイルドになるでしょうか。あらすじの通り、主人公が潜入捜査するお話です。案外つまづかずに読めました。潜入捜査のため偽りの自分を演じる主人公なんですが、そこがカッコ良くて、正
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Posted by ブクログ
緑色の背表紙のハヤカワ文庫。これがうちにはとてもたくさんあります…
ディック・フランシスの36作目。文庫では2003年発行、原著は97年の作品です。
もう何度読んだのか、わかりません。
フランシスをまだ読んだことのない人はとても幸せだという言葉があります。まったく、その通り〜これから40冊も読める楽しみが残っているのですから!(^^)
フランシスの作品は一作ずつ独立していますが、主人公の男性の一人称で語られるのは共通しています。
職業年齢は様々ですが、意志が強く、思いやりがあり、何らかの専門知識がある所も共通点なのです。30歳前後が一番多いでしょうか。
さて、この作品は主人公のベンが17歳