ヤマザキコレのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今回の襲撃騒動、ラピスを妖精へと変じさせる恐ろしい企みに思われた
ラピスがそうした襲撃を受け容れる素地となったのは自身の曖昧さと自信の無さか。魔法使いとしての自信は持てない彼女は次いで自身の定義も出来やしない。だからそうした心の隙を特に”隣人”は突いてきたのだろうけど……
ここで水呼馬がラピスを庇い、ラピスが水呼馬を庇うのは驚かされる展開ながら、これってチセが思い出していたように本作初期に見られた現象であるんだよね。人間と”隣人”という異種族が隣り合う事で紡がれる物語
ラピスと水呼馬の場合、特異点となったのは双方が自身の定義に反する行いをした点か
ラピスは魔法使いでありながら”隣人”へ過度に干渉し、水呼馬は招き入れたラピスを人のまま隣り置いた。二人の在り方はとても曖昧で他人による定義が難しく、だからこそこの二人にしか実現できない関係性を構築できたのではないかと思えたよ
123話からは突然に仰天なエピソードが
脈絡なくチセが彷徨っている上に「わたしだれなんだっけ……」はこちらが問い返したくなるよ⁉おまけに他の面々も脈絡なく記憶を失っているのか……
ただ、これってそれぞれの素の姿が見える状態になったともいえるんだよね
人格を定義する要素は様々にあるだろうけど、記憶はその一つだし更には名前や役職を含む社会的な立場もそう。それらが綺麗に剥がれ落ちてしまった彼女らが見せるのは微かな経験則に基づいた魂の形
ヨリの変化が象徴的。普段の彼はシニカルなのに、霧の中の彼は酷くビクビクして何かを恐れている
また、他の面々も自分の名をきちんと持っている時であれば決して見せないであろう素振りがちらほらと
対して名が無かろうと普段とあまり変わらない、むしろポジティブになっているようにすら見えるチセの姿は印象的。彼女は自分と関わってくれた皆の事は思い出せなくても、皆と紡いだ経験は消えない。だから独りじゃなく一緒に居れば解決できない問題なんてないと確信を持っていられる
チセとは逆方向に変貌してしまったのがエリアスか……
彼は名こそ後付けだし、経験値ならあの中で最も多いだろうに、それらは”彼”を定義してくれる要件とはならないのか…
だからこそ、エリアスの魂に寄り添うようにして、エリアスが顔を真似る人物が表出してきたのは驚き。発言的にエリアスの根底に関わる人物…かな?ただ、その割にエリアスが順に引き寄せた絆の中に含まれてなさそうなのは判らないけども
昔エリアスについて言及された”肉を得た”ってのに関係してる人物なのかなぁ……?
チセ達は少し迷っただけのつもり。しかし現実では一ヶ月が経過していたようで
舞台が変わるだけでなく季節も小規模に変わるなんてね。そして舞台はスコットランドへ。イングランドから出たのだから話は番外編的なものになるかと思いきや、ブリテン島である事は変わらないから本題のまま?それどころか『長城』が登場した事でこの新たな舞台こそが重要と思わせられるね
だとしたら王様代理とやらも今後の重要人物と成ってきそうな気がするが…… -
Posted by ブクログ
河狸幻ってアイラを騙る偽者って受け止めていたのだけど、もしかして本物のアイラなの…?で、人間のアイラが「隣人」になったという事なの…?えぇ……?
人間が「隣人」になる、「隣人」が新たな姿を会得する。これまでに無い事態は調査にリンデルが加わった事で改めて重大なものに成りつつあると認識できるね
もしかしたら「赤い竜」が蘇るのではないかと戦々恐々とする者達がそうした虞を広げているように見えなくもない。けど蘇ってしまえば本当に酷い状態に成っても可怪しく無いのだから出来る限り先手を打とうとするのは当然か
マン島の訪問はそうした先手の一環と言えるね。「赤い竜」やアイラの行方に関係しているかは判らない。しかし、何かが起きているならその何かは確認する必要がある
依頼人・ラピスは逆に確認しない事で身を守っている人物と言えるか
力の弱い彼女は妖精や精霊と関わるより、占いを通して人間と関わりを持っている。だから夜毎訪れる「隣人」も明確には何者であるかを確認しない。そうして彼女は己を守ってきた
だとしたら、自らマナナンに会いに行こうとするチセの在り方はラピスには驚くべき魔法使いの姿として映るのか。己に無いものを持つチセへの憧憬が彼女を「隣人」へと踏み込ませてしまったと。アレはチセでもしないようなやらかしに映るな、流石に…
一歩踏み込んでしまえば一歩踏み込まれる
その反面、ここで「隣人」の恐ろしさばかり強調しないのは本作の佳い処
ラピスは少女の幽霊へと踏み込んでしまった事で水呼馬に攫われてしまった。けど、元々は踏み込もうとした水呼馬を部分的に受け容れた事で始まった関係でもある
ラピスに寄り添うように一緒に座ってくれた水呼馬を彼女は受け容れた、踏み込んでも良いと示した。なら、こうして踏み込んできた水呼馬をラピスが一方的に拒絶するのは正しくないかも知れず
「隣人」は人を喰らう為に人を騙す存在、水呼馬の行動もそうかも知れない。それでも庇ったラピスの勇気は彼女を何者へと変えてしまうのだろうね?
事態は混迷を極めるけれど、マナナンと邂逅した事で物事の方向性は少しずつ見え始めたような
今回の一連の異変は妖精の血を引く人間が先祖還りを起こしているとの認識で良いのかな?けど、そこに「赤い竜」がどう関わってくるのだろう? -
ネタバレ 購入済み
難しかった
58頁までを理解するのに22巻との往復を3度。
春と晴で混乱してたみたい。
しっかり暗記しながらじゃないと…
ストーリーだけで読めるお話ではなくて。
いじめられっ子が力を付けたらいじめっ子と対等どころか圧倒的な強者になった。その結果。
ウェブスター家の伝統が現実的に役に立って良かった。とはいえ敵に遠慮しない彼女の救出方法…
無理に善人になって我慢しなくて半分スッキリ。
こういう落とし所もあるのかな。
ゾーイの両親の覚悟は親として立派。
いじめる側の理由は単なる嫉妬。背景の彼女の不幸はゾーイには無関係なのに。
その見返りというか報復は…その感情も記憶もないのだから平和っちゃ平和。
そしてその後。
彼女は河童妖怪になったのかしら。
川に引っ張る存在は3つ?
1)アイラ
2)アイラ=河童妖怪
3)北にいるはずの赤い帽子
それとも2と3かな?
アイラは1人で帰って襲われたの?
もしくはもともと河童妖怪だったの?
とにもかくにも最初は20巻まで戻り、22巻との3往復といい、なかなか読み応えのある作品でした。 -
Posted by ブクログ
《獣狩り》の本質は見えないまま獣に関わりがありそうな要素が次々と胎動を始めているような
アドルフが孵した翼持つ竜はそれこそ何かが始まる予兆のようにも、これから至る新たな時代に適合した姿にも見える
ただ、姿含め見えはしてもその意味が判然としない為に空恐ろしさだけが増していくね…
セント=ジョージの依頼に端を発する調査はまだ先の話なのかな?正直、アドルフが孵した竜や《赤い竜》の噂とか何か異変が起きている兆しがそこかしこにあるだけに、この調査が後回しになっても本当に問題ないのかな…?と思わずに居られないのだけど、建前としては学生であるチセが先走って動くのも難しいという事かな?
だからチセが動く必要があるとすれば、それこそ友人関係がきっかけか
ステラの紹介で出逢ったネイサンから教えられる怪物の話、時を同じくして友人達が遭遇する同類の怪物
正体が判らない怪物というのも恐ろしいけれど、更に危険性を感じてしまうのは同様の被害が各所で発生している点か
本作に登場する隣人って見える者を除いて普通の人間とは関わらないのが基本であっただけに、無差別的な被害が広がる様は本格的に宜しくない事態が起こっているように思えるのだけど……
事態が向かう先は曖昧なままにゾーイの帰郷が始まるとは
カレッジ編の早い段階から普通の学生とは異なるルーツを持つと明かされていたゾーイ。そんな彼の故郷もやはり普通ではなく
かといって、物珍しさから観光気分になれそうな土地というよりも、村の一部がゾーイを受け入れていないと描く事で、ゾーイにとってカレッジがどれだけ心地よい場所かを描くものとなったような
けど、村の何もかもがゾーイを傷つける訳じゃないとも示されていたね。特にゾーイを着飾る為にテンション爆上げになる女性陣にはちょっと笑ってしまったよ
綺麗に彩られた彼の姿はそれこそ村から愛されている証
そう思えただけに虐めのような悪意がルーシーやゾーイを傷つけてしまう展開はキツかったなぁ…
ルーシーが言うように、他者を傷つけようとした者が逆に傷つけられた。それは自業自得かもしれない。けれど、ゾーイはそんな嫌な相手を「たすけてほしい」と願った
それに応えるかのような精霊の声が指し示す《母の墓》には何が有るのだろうね?