あらすじ
《はじまりのひと》ーーその墓標へと。
双子と共に、英国に漂う不穏を追うことになったチセとエリアスだが、
まずはセント=ジョージ家の収集する情報を学院で待つことに。
束の間、平穏を楽しむ面々はゾーイの村へと赴くことになるが
その先でゾーイの祖先《はじまりのひと》の遺骸が祀られる場所へ行くことになるがー…。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
新刊待ちだった『魔法使いの嫁』(ヤマザキコレ)。
何が出てくるかわからないおどろおどろしさと、少しの勇気を持って進み自分なりに解釈し打破する流れがホントに面白い。
今回の話を読んだ時に改めて「【普通】って何ですか?」という問いを抱いたし、
『だれか、ふつうを教えてくれ!』(倉本智明)を読んでいた事を少しだけ思い出した。
Posted by ブクログ
ひとつひとつの設定が面白くて、巻を追うごとに深みが増してどんどん好きになっていく、のはいいんだけど、いかんせん、時が経ちすぎて、伏線を忘れている(笑)読み直さなきゃだけど、いつからしよう。年末年始あたりかな、、、。
Posted by ブクログ
ゾーイの故郷、蛇髪族の村で起きた事件。
ゾーイとチセ、エリアスは《母の墓》へ向かう。
そこでの体験。ゾーイの出会った存在と示された言葉。
更に、ルーシーの「業」の発動。これで良かったのか?
もしも「次」があったら・・・自分たちはどうするか?
この想いは今後の彼らの心の糧になるだろう。
英国へ帰った後のイースター休暇。
チセとエリアスはセント=ジョージの双子、
サイモンたち協会の面々とチェプストウの地へ赴く。
依頼したのは隣人の歌問馬(マリ・ルイード)。
ある少女の行方を探して欲しい。少女の友も動く。
そして襲ってくる赤帽子と河狸幻。
赤帽子(レッドキャップ)のセリフや、ある因子を持つ人が
襲われ、行方不明になる事件が多発していることから、
大がかりの事件を起こしている何者かの影があるように
感じられました。
あと、マリ・ルイードが何とも可愛いなぁ。
そして彼も北の地から赴く。
Posted by ブクログ
《母の墓》という一族のみが利用する特殊な洞穴、最初のイメージでは一族のみ迎える作りになっているかと想像していたけど、潜ってみるとむしろ一族の者だけを試す作りとなっていたような
チセでも見えない誘いはゾーイにしか見えないもの。けれど、同時にその誘いはゾーイを拒絶するものにもなっている
その誘いに籠められた想いはきっとどちらも本物でどちらも偽物。それこそがゾーイに課せられた試練だったのだろうね
神と人の間に生まれた《母》が投げ掛ける問いは「どちらを選ぶのか?」
《母》にとってその問いの意味は人か神か。けれど、あれが誘いである以上、《母》が導こうとしているのは自分と近しく同じ選択である、人よりも神に近い在り方だったのかな
それだけにゾーイが選んで、けれど選ばなかった在り方がとても尊いものであるように感じられたよ。一族の中で人と蛇髪族の間に生まれたゾーイは中途半端でどちらでもない存在。きっと彼としてはどちらかの存在に成りたいと思う瞬間なんて幾らでもあったろうけど、それは両親のどちらかを選ばないという話になってしまう。だけど、それは彼にとってこわい選択肢で
だから迷いを自覚しつつどちらも望み続けようと藻掻くゾーイの在り方は《母》が捨てた筈の人の姿を取り戻させるものとなったのかもしれないね
ゾーイはどちらかに傾くのではなく、両者を尊ぶ在り方を選んだ
ルーシーが解呪の中で行ったのもそれに近い感覚を持つのかもしれない
ルーシーにとって自分に悪意を向け、過去にはゾーイへの苛めも行っていた春有明は率先して助けたいとは思えない相手
だからか、春有明の心に潜り込んだルーシーが彼女に投げ掛けるのも助けたいという想いではないね。生きるのが下手な彼女を罵倒して、お前が選んだ在り方は間違っているのだと直視させてしまうもの
そうして得られた解決は果たして正しいものだったのか…
春有明を苦しめていた目も記憶も無くなった。それは限定的に見れば幸福なのかもしれない。けれど、それは春有明があのままの姿で生きた先で選べたかもしれない別の在り方を奪うものでも在る
この結果はゾーイとルーシーが彼女に抱いていた助けたいと傷つけたいの感情が具現化したようなものに見えてしまったよ
満足できない結果、もっと他の遣り方が有ったのではないかと悔いを覚える結末
だからこそ「次」の時に自分は何を選ぶかをより意識させるものとなるのかもしれないね
セント=ジョージの依頼で始まる新たな探訪は新たな出会いを齎すものに。というか、何とも珍しいメンバーで出発したね
チセやヴァイオレット、ジャスミンが子供だからいつもの感覚で人員構成を見てしまうけど、どちらかというとこれは大人が対処すべき問題であり、チセ達は大人への入口に立っているとして調査を任されていると見るべきなんだろうな
だからか、事態を最も見ているリオは子供であるとして厄介者扱いされてしまう
ただ、確かにリオって中途半端ではあるんだよね
「隣人」がそこに居ると感じられはするし歌声も聴こえる。けれどそれ以上は持ち得ていないし、似たような症状を持つアイラを守る事も出来なかった
それは望みを叶える方法を持たないという点で子供と形容するしか無い存在
だとしたら河狸幻の嘆きを聞き、自ら助けを振り解いた彼は何かが出来た、子供から脱し始めた存在と言えるのかな?
まあ、そう考えるには誰よりも年齢が高い人物が登場した事で有耶無耶になってしまった感が無くもないが。てか、リンデルがチセ達の近くまでやって来るとは思わなかったな
難しかった
58頁までを理解するのに22巻との往復を3度。
春と晴で混乱してたみたい。
しっかり暗記しながらじゃないと…
ストーリーだけで読めるお話ではなくて。
いじめられっ子が力を付けたらいじめっ子と対等どころか圧倒的な強者になった。その結果。
ウェブスター家の伝統が現実的に役に立って良かった。とはいえ敵に遠慮しない彼女の救出方法…
無理に善人になって我慢しなくて半分スッキリ。
こういう落とし所もあるのかな。
ゾーイの両親の覚悟は親として立派。
いじめる側の理由は単なる嫉妬。背景の彼女の不幸はゾーイには無関係なのに。
その見返りというか報復は…その感情も記憶もないのだから平和っちゃ平和。
そしてその後。
彼女は河童妖怪になったのかしら。
川に引っ張る存在は3つ?
1)アイラ
2)アイラ=河童妖怪
3)北にいるはずの赤い帽子
それとも2と3かな?
アイラは1人で帰って襲われたの?
もしくはもともと河童妖怪だったの?
とにもかくにも最初は20巻まで戻り、22巻との3往復といい、なかなか読み応えのある作品でした。