竹内弘高のレビュー一覧
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効果的なナレッジマネジメントとは?が分かる本
この本が今から30年近く前に書かれたとは驚きだ。
名著『失敗の本質』の作者、野中郁次郎さんの代表作と知り読み始めた。400ページを超えの分厚さだったが、無駄な話はなく、ぎっしりと中身の詰まった本だった。
知を創造するためには、知をどう扱えば良いのかを、暗黙知を重視する日本企業、形式知を重視する西洋の両側面から検証していく。
著者は、「どちらか」が優れているのではなく、「どちらも」取り入れたSECIサイクルが最善だと結論づける。
また、ただの理論にとどまらず、実際の企業の例(新規開発)を取り上げ、組織の在り方や、マネジメントの在り方も分析し示し -
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競争戦略とは競争に勝つ戦略ではなく競争を避けるための戦略である。そう考えると競争戦略を学びたくなる人も多いのではないか。
競争社会において戦って勝っていくことが好きな方はそれはそれでよいのだが、そういう方ばかりではないだろう。私もそうである。ゲームなど純粋に勝ち負けを楽しむものを除き、人生において人を負かせることを楽しいとはあまり思えない。それなので他者との競争にどう勝つのかというテクニックにはあまり興味が湧かないのだが、本書はそういう類のものでは全く無い。基本的にはこの市場、社会、つまりは外部環境を理解した上で自らが持つ独自性を活かしたポジションを取るということである。本書にはそのために必要 -
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(2017/1/18)
ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか―――世界トップのビジネススクールが伝えたいビジネスの本質 山崎 繭加 (著), 竹内 弘高 (監修)
大前研一さんがハーバードのケーススタディは古い!と言って、
自らが立ち上げた株式会社ビジネスブレイクスルーでRTOCS
(リアルタイムオンラインケーススタディ)を立ち上げたが、
(実際の企業の今の課題に対しコンサルになったつもりで既存情報を集め考え提案する)
ところがどっこい、ハーバードは進化していた。
ジャパンIXP(Immersion Experience Programどっぷりつかって経験して学ぶプログラム)
なるものを -
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前著「知識創造企業」の続きで、前著で紹介したSECIモデルを発展させたSECIスパイラルについて、その軸となる共通善と実践を抽象化したフロネシスを中心に解説し、SECI行き詰まり症候群を打破するための6つのリーダーシップ実践について提案している。
事例が豊富でかつ25年前に出版された前著と比べて新しくなっているのでより腹落ちしやすいのではないかと思う(JALの再建や東日本大地震のときの企業の実践などが事例として挙げられている)。
メインテーマでもあるワイズリーダーの理想が高すぎる気がするが、9章で述べられている自律分散型リーダーシップをもって相互補完するというのであれば納得できる。
一つ残念な -
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SECIモデルとしても有名な知識変換モデルを中心に個人の知識創造をどのようにして組織として増幅し、組織的知識創造を行なっていくのかという理論の提示と実践方法の提案を行っている。
この本を読むと「どのような知識変換に基づく知識創造が行われているのか?」という目線でさまざまなものを見れるので面白い。
一方でいくつか出てくる事例が90年代の日本企業であるため2023年現在から見ると隔世の感がある。ただ、それについても現在世界のトップを走る企業ではどのような知識が創造されているのかという視点で見ればそのような事例はものの見方の具体例ととらえられると思う。
全体のうち4割程度は理論の裏付けのための事例や -
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われわれの研究では、形式知と暗黙知を用いるだけでは不十分であることが示されている。リーダーはもう一つ別の知識も使わなくてはいけない。それはしばしば忘れられがちな実践知である。実践知とは、経験によって培われる暗黙知であり、賢明な判断を下すことや、価値観とモラルに従って、実情に即した行動を取ることを可能にする知識である。
(引用)ワイズカンパニー 知識創造から知識実践への新しいモデル、著者:野中郁次郎、竹内弘高、訳者:黒輪篤嗣、発行者:駒橋憲一、発行所:東洋経済新報社、2020年、39
野中氏によって著された「知識創造企業」からおよそ四半世紀、ついに待望の「ワイズカンパニー(東洋経済新報社、20 -
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感想
新しいSECIモデルは、コトだけでなく、人間という不確定変数の多い部分のプロセスを示すことで、現場で使えるものに解釈されている(実践から生まれたものをまさに形式知にしたようなイメージ)
評価
内容
知識創造理論を現在目線で捉えなおすこと
【今までの知識創造との変化】
存在範囲の概念が加わった(個人なのかチームなのか)
←知識理論を実体化することには、人と人との相互作用が非常に重要な観点である
①共同化
個人同士が暗黙知を共通する(考えを話し合う)
組織内の各メンバーが暗黙知を獲得
※身体的・感情でも理解が進む→相互信頼
②表出化
個人がチームレベルで、共同化された暗黙知を統 -
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改めて20年以上前の本を再読、やはり良書はさすがだと思う。 文句なしの★5つである。
この本は僕が会社に内定した際に会社側から提供された本の中の一つで当時あまりに感動して、そのままずっと保持している本である。学生から社会人になる際に「こんな知的な本を読むのか、知識創造とはすごいプロセスだ」とものすごく感動したことを今でもよく覚えているし、それは再読した本日も改めて思った。
野中郁次郎先生は、「失敗の本質」を書かれた共著者であったり、スクラム開発の考え方の根本を提示された方であったり、本当に自分の人生に大きな影響を与えた方ですが、先日読んだ「直観の経営」にもありましたが哲学の話、失敗の本質の -
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ネタバレハーバードの日本の東北を経験する講座はなぜ存在し、どのようなことを行い、どのような効果があるのかを記した一冊。異文化と触れることの可能性、意義を感じさせてくれる一冊。名著。
理念型の利益にとらわれないリーダーシップ、経営とは企業のあり方とはなんなのか。ハーバードからの視点を通じて、考えさせてくれる一冊。
<メモ>
・knowing, doing,being
知識、実践、価値観信念。
MBA教育の結論の核。
実践のスキルがなければ、知識があっても役立たない。自己の存在からくる価値観や信念を反映した自己認識がなければdoingのスキルも方針が定まらない中で有効に使うことができない。実践の場