竹内弘高のレビュー一覧
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「知識創造企業」の25年ぶりの続編という位置付けで、おそらくは野中さんの最後(?)の主著、集大成という感じかな?
「知識創造企業」(1996年)以降の研究をまとめたということだけど、もともと英語ででたものを日本語に翻訳したというものなので、この25年の間の野中さんの本をある程度読んできた日本人にはデジャブ感のある話が多いかな?
集大成的な本としては、「知識創造企業」(1996年)とこの「ワイズカンパニー」(2020年)のあいだには、「流れを経営する」(2010年)という本がある。この「流れを経営する」からの理論的な進化という意味ではそこまで明確ではないかな?
また、「流れを経営する」で、 -
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偉大な本。帯には「経営学の世界的名著『知識創造企業』著者両氏による四半世紀ぶりの【続編】」と書かれている。これは必ず読まねばならない本だと購入。
『知識創造企業』は20年前にビジネスマン人生がはじまるにあたって会社から入社前研修キットの中に入っていた本で、読んだ当時もそうだが昨今のVUCAの時代で昨年読みなおして(時代が変化しても読み継がれるべき本だと)物凄く感銘を受けた本。
失敗の本質、戦略の本質もそうだが野中先生の本はその時の出会いから直観の経営とか含めていくつか読ませていただいている。自分の社会人人生で最も影響を受けた先生と思っている。
さて、本書の内容としては、『知識創造企業』2 -
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HBSはリーマンショックを受けて、教育の自省。
その結果、Konwing, Doing, Being という新しいフレームが開発された。
Konwing:理論や知識
Doing:スキル、能力開発
Being:価値観、態度、信念
Immersion Experience Program:どっぷり浸かって経験して学ぶプログラム
Japan IXPは"Doing"と"Being"の実践の場
これからのリーダー像
・相手を問わずにとにかく真剣に聴く
・貢献するために来たという目的意識が高い
・信頼と尊敬の上に成り立つ卓越したチームワーク
・見事なオンオフの切 -
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ネタバレハーバードのフィールドメソッド。ケースメソッドで世界一となったハーバードの進化はこのケースからフィールドに出たことにあると言われる。確かに、現実の世界で通用するのはケースで過去の出来事を今ならどうやるかという観点で見ることではなく、現場で起きるさまざまなことを、ある一定の「何か」=これが大事だと思うけど、を持って「決める」ということだと思う。
knowing フレームワークや理論を教えて、知識をつけることに重きを置きすぎてきたことから、doing つまり実践の場を持つ方向性になったということでもある。その際に、自分がどうあるべきか、会社は何のためにあるのかといったbeingがその根底になけれ -
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●知識創造の3つの特徴
1)表現しがたいものを表現するために比喩や象徴が多様される。
2)知識を広めるためには、個人の知が他人にも共有されなければならない。
3)新しい知識は曖昧さと冗長性のただなかで生まれる。
●個人知から組織知へ
我々は組織的知識創造という言葉を使うが、個人の自発的行動とグループ・レベルでの相互作用がない限り、組織それ自体では知識を創ることはできない。
●知識創造の主役
知識創造はだれが責任をもって行なうのだろうか?日本企業の特徴は、知識創造の任務を独占する部署や専門家グループがいない、ということである。第一線社員、ミドル、役員の全員がそれぞれの役割を果たすのである。し -
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日本における…というか、世界的なナレッジマネジメントの巨匠・野中郁次郎氏。
本書はその古典であり教科書的位置付けのもので、読んでおくべき一冊だと思います。
…とはいえ、自分は本書の核となる内容がまとめられた「ナレッジ・クリエイティング・カンパニー」という論文(ハーバード・ビジネス・レビュー掲載)は熟読したものの、本書は拾い読み程度ですが。
知識創造理論は、1990年代に野中氏らによって提唱されたもので、日本企業のイノベーション事例の成り立ちを分析したことから始まりました。
調査の結果、欧米的な考え方では日本のイノベーションの説明が十分にできないという疑問が生じ、欧米的組織は形式知を用いる情 -
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分かりやすく先行研究を説明しながら鋭い批判、そして豊富な事例と丁寧な検証など、学術書としては非常に読みやすく(読みやすいがビジネス書ではない)、楽しめた。
内容としては非常に学際的で、経営学はもちろん、哲学から認知科学、教育学、組織論まで幅広く取扱いながら、企業(特に日本)における知識創造のプロセスを説明する。
丁寧に読めば様々な示唆に富む一冊である。私見だが、興味深くてそして新しいコンセプトを次々と展開しわくわくさせられた。これが第一版から15年以上経っているとは思えない。
色々なジャンルの新書を読む方、学際的な考え方に興味を持つ人にはお勧めの本である。 -
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かなり学術的な表現になっていて、長い時間をかけて読み込んで腹落ちさせないと、オーディブルレベルで流し聞きする程度では意味は薄い本だと思った。トップダウンでもボトムアップでもなくミドルアップダウンマネジメントアプローチとか面白いけど大変だなと思った。国際的な大企業のヒット商品誕生の事例分析は分かりやすかったが、では自社でどう取り込んで実践できるかと考えると、うーんと思ってしまった。初版は四半世紀以上前に出たこともあって、事例も古く、現在の(自分がいるような)IT企業としては国際間の協調とか参考にすべきところもありそうだけど、だいぶ事情も変わっているのでは...と思った。
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「ワイズ・カンパニー」がでたのにあわせて、新装版がでたので、久しぶりに「知識創造企業」を読みました。20年ぶりくらいかもしれない。。。
最初に読んだときは、前半の理論的部分は難しいし、後半の事例とか、企業へのインプリケーションの部分は、少数の事例しかでてこなくて過度に一般化されている感じがして、今ひとつ、ピンときませんでした。
今回、あらためて読んで、後半部分の事例は、実証的なものではなくて、未来にむかって役に立つかもしれないヒントみたいなものなのだと思い、ちょっとなるほどと思いました。
一方、前半の理論部分は、ちょっと大雑把すぎるというか、この研究の世界的な独自性を強調したいがために、