石川智健のレビュー一覧
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医者の名家の自殺事件と都内での刺殺事件を通して、人間の二面性がよく描かれてる
だれもが心の奥に闇を潜めているが、周囲との関係と自分自身を保つために、それを吐き出して楽になる事はできない
そんな中庸一郎の生き様が家主として断トツに賢くカッコ良く見えてしまったなあ
でも警察の偽証は腑に落ちない、、もっと綺麗に容疑者を落としてほしかったし、できれば舞子のシーンは見せ場なはずだからもっと鮮明にドラマチックに表現してほしかった、、これは個人的な好みだけど、、
ため息に溺れてしまいました、と書いた時に以前そう口走った伊藤の影を見て、もしかしたら障害があっただけでお互い気持ちがあったのではないかとか思ってし -
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ネタバレ本の帯に惹かれて購入。
帯の通り最後10ページで世界ががらっと変わる。
主人公は刑事。地域の名士である蔵元家で起こった自殺事件の再調査に巻き込まれる。
自殺した指月は、天涯孤独ながら周囲に愛され、医師になり、跡継ぎのいない蔵元家の養子に迎えられた。蔵元家の娘と結婚もし、医師としても申し分なく見えた。
なぜ彼は自殺したのか。本当に自殺なのか。
主人公が暴いていくドロドロの人間関係。
その中で、最後の指月の思いにゾクっとした。
舞子のまっすぐ過ぎる思いも怖いが、指月の方が得体がしれなくて恐ろしい。彼は自分だけが大切だったようだ。
ちょっとした違和感の部分は最後で奇麗に回収していて読み応えがあ -
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石川智健さんの作品、初読みです。
2026年初作家、4人目です。
この作家さんの『エレガンス』という作品がこのミスのベスト10に入っていたので、とりあえず他の作品もということで読んでみました。
猟奇犯罪ということで、けっこう好きな作品かもと思いましたが、ちょっとテイストは違ってました。
主人公の北森は警察キャリアなのに父親の衆議院議員の政治的な発言の為、懲罰人事的な感じで暴力班へ。
やりたい放題の捜査をする暴力班の班長だけど、尻拭い役。
頼りない北森が暴力班に染まっていって、男子が好きそうな展開。
おじさんのラノベだとレビューを書いている人がいましたが、なんとなくわかるかも。
で -
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戦時下の東京が舞台のミステリです。
「このミステリーがすごい!2026年版」第8位だったので、気になって読みました。
戦争とは地獄なんだということが、これでもかと書かれていて、本当に読むのが苦しかったです。
3/10の東京大空襲のことを知らなかったので、10万人も亡くなったと知ってショックでした。
空襲の描写が目を覆いたくなるほど辛くて辛くて…なんでこんなに酷いことが行われたのか本当に理解できないです。
そんな戦時下に〈釣鐘草の衝動〉と呼ばれる、花のように広がったロングスカート姿で縊死した女性の遺体が連続して見つかります。
自殺なのか、それとも他殺なのか?という謎を、警視庁写真室勤務の石川光 -
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戦時中に起きた婦女連続殺人事件。綺麗な死に顔と、首を吊って亡くなっていたことから、警察は自殺と判断し、捜査をせずにいた。そこに『吉川線』の生みの親である吉川が捜査をすることに。
これまで死体を写真に収めていた警視庁写真室所属の光陽と吉川がコンビを組んで連続殺人事件を追っていくわけだが、人が何人も亡くなっているこの状況で、ほんの数人の殺人事件を追うことに意味を見出せない光陽だった。
吉川はなぜこんなにも殺人事件に執着するのか。
吉川の真意に触れた時、尊敬の念と、ただただ感謝の気持ちしかなかった。
物語の最後の方で、戦争の状況を描いた文字だらけの4ページは作者の思いなのか、鬼気迫るも -
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太平洋戦争末期の東京。洋装の女性の連続不審死を捜査する内務省防犯課の技師・吉川と警視庁写真室記録係の警察官・石川。実在した二人を主軸に、戦争の地獄とその時勢でも抵抗を貫いた様々な人々を描く戦時下ミステリ。
ミステリ好きならピンとくる「吉川線」の生みの親吉川澄一が出てくるだけでも期待が高まる。空襲で多くの人が無惨に亡くなる中、自殺とも思える数人の女性の死を捜査する意義を見出せないでいる石川。「罪を見逃すのは、罪を許容することと同義なんです」吉川が語った言葉が重い。
空襲の惨禍、死にゆく人を記録写真に残すという任務に疑問を抱く石川が、吉川の毅然とした姿に自らの任務の重さを自覚していく過程がいい -
Posted by ブクログ
ネタバレ出だしで答えは出ているのに、ここからどうやって面白く出来るのかと半信半疑で読み始めました。
結末につながるヒントが少なく、完璧に予測出来る読者は少ないのではないかと思います。最後はどんでん返し、というよりは「そういうことなのね」という感想でした。
本当の死は身体の死ではない。身体の痛みや苦しみ、生が遮断される恐怖よりも、心の傷は耐え難い苦しみであり、本当の死をもたらすということ。
その恐怖に抗う様子を究極的な心理描写で描いている作品です。
個人的に登場人物達にフォーカスしたり感情移入しずらい描写だなと感じたのは、もしかしたら作者が本当に言いたかったことがたった一つだったからなのかもしれませ -
Posted by ブクログ
太平洋戦争末期の東京、洋装の若い女性の連続首つり自殺が起こる。自殺と扱われていたが、不自然さを感じた内務省の吉川澄一は、警視庁所属のカメラマン石川光陽と捜査を始める。
米軍の空襲が激しくなった東京、軍部の推奨するモンペを嫌い、禁止されているパーマをあてたヘアスタイルで自作の洋装を纏う女性たち。エレガンスへのこだわりと、連続偽装自殺の関連は?
実在した鑑識担当の吉川澄一とカメラマン石川光陽だけでなく、永井荷風も登場する。実在した人をモデルにした登場人物もいて興味深い。ドラマか映画になりそう。
3月10日の東京大空襲の場面は、読むのがつらい。