石川智健のレビュー一覧

  • ため息に溺れる

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    ネタバレ

    出だしで答えは出ているのに、ここからどうやって面白く出来るのかと半信半疑で読み始めました。
    結末につながるヒントが少なく、完璧に予測出来る読者は少ないのではないかと思います。最後はどんでん返し、というよりは「そういうことなのね」という感想でした。

    本当の死は身体の死ではない。身体の痛みや苦しみ、生が遮断される恐怖よりも、心の傷は耐え難い苦しみであり、本当の死をもたらすということ。
    その恐怖に抗う様子を究極的な心理描写で描いている作品です。

    個人的に登場人物達にフォーカスしたり感情移入しずらい描写だなと感じたのは、もしかしたら作者が本当に言いたかったことがたった一つだったからなのかもしれませ

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    2025年11月12日
  • 60 誤判対策室

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    法廷ミステリー、たまにじっくり読みたくなるけど専門用語や難しい司法制度など勉強にもなる。誤判対策室の3人はキャラクター的に惹きつけるには弱かった気がするけど真実を追う過程はぐいぐいとラストへと導いてくれた。最後の最後、真実は暴く人に委ねられるという形が少しモヤっとするけどそんなものかな。

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    2025年09月26日
  • エレガンス

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    太平洋戦争末期の東京、洋装の若い女性の連続首つり自殺が起こる。自殺と扱われていたが、不自然さを感じた内務省の吉川澄一は、警視庁所属のカメラマン石川光陽と捜査を始める。
    米軍の空襲が激しくなった東京、軍部の推奨するモンペを嫌い、禁止されているパーマをあてたヘアスタイルで自作の洋装を纏う女性たち。エレガンスへのこだわりと、連続偽装自殺の関連は?

    実在した鑑識担当の吉川澄一とカメラマン石川光陽だけでなく、永井荷風も登場する。実在した人をモデルにした登場人物もいて興味深い。ドラマか映画になりそう。
    3月10日の東京大空襲の場面は、読むのがつらい。

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    2025年09月18日
  • エレガンス

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    内容を知らずに読んだら戦中の話で驚いた。吉川線の吉川さんはこの時代の方だったんだ。事件も興味深かったが、戦中の描写が読んでてしんどかった。空襲、撮影するカメラマン、モンペを拒否して自分の好きな服を作る女性たち。自分が子供の頃は戦争は歴史の一部でしかなかったけど、今はむしろ身近に感じられて恐ろしい。

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    2025年08月28日
  • エレガンス

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    第二次世界大戦中に起きた洋装女性連続不審死

    貧しく、死が身近にあった時代に美しく“エレガンス”に生きようとした女性たちがいた。
    非国民だと誰に非難されようとも、美しくいきたいと願った女性たち。事件を追う中でそんな女性たちに出会う。

    そんな生き様に触れ感動

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    2025年08月23日
  • ため息に溺れる

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    ネタバレ

    最初はなんでみんなから好かれているのに自殺したんだ?と思いながら読み進めていくと、実は他の事件に巻き込まれていたパターンか!となるんだけれど、そんなに意外性がなかったというか、思ったよりあっさりしていたなという印象。人の気持ちの大きさって目に見えないし推し量れないから怖いな〜とは思った。嫌われることを極端に避けて生きるのも大変そうとあっさりした感想しか抱かなかった。主人公の女性警官にもっと前向きな未来が想像できたら良かったんだけれどそれもなくて、辛いまま終わってしまった。ちょっと沈むな〜〜。

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    2025年07月26日
  • ゾンビ3.0

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    人類がどんどんゾンビ化していく。そんな中を生き残りながら原因を探っていくというサスペンス。読ませる展開で一気読み。おもしろい、のは嘘ではないのだが、傑作だというほどではないのはなぜだろう。単なる自分の好みなのかもしれないが。

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    2025年03月13日
  • ため息に溺れる

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    『ため息に溺れてしまいました』
    謎の言葉を残して発見された蔵元指月。
    遺書の存在から、警察は自殺と断定するものの、女刑事・羽木 薫の調査により、彼の秘めた悲しい過去や、蔵元家の闇が浮かび上がる。
    果たして、彼の死は本当に自殺なのか?
    現れた驚愕の真実とは?

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    2025年02月23日
  • ゾンビ3.0

    匿名

    購入済み

    タイトルと表紙デザイン通り、オーソドックスなゾンビもののお話です。
    世界中でゾンビが発生し、その原因を突き止めるべく、
    研究員たちがゾンビに追われながら、原因究明に奔走します。

    ゾンビたちと応戦するシーンは緊迫感があり楽しめました。
    が、常識レベルを超えた遺伝子学の話題には、
    へぇ…そうなんだ…ふーん…と、流し読みするしかなく、そこは正直楽しめませんでした。
    理解出来無いことは無いけれど、初耳な専門用語が多く、説明調で、話のテンポが削がれた感じです。
    ホラーミステリとのことですが、ミステリ要素は少なめです。

    せっかくのゾンビモノだから、もっと恐ろしい雰囲気を期待していましたが、
    登場人物が

    #怖い #ドキドキハラハラ #ダーク

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    2024年12月31日
  • ゾンビ3.0

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    人類に与えられた7日間の試練とは。ゾンビに覆いつくされたこの世界に審判が下される-。

    初めての石川智健san。
    そして、本棚でも初めての「ゾンビ」小説となりました。

    主人公の香月百合(かづきゆり)が新宿の予防感染研究所に休日出勤する「一日目」からスタート。WHOのサイトで、アフガニスタン等の紛争地域で、人が狂暴になったという記事を発見。その後、ニュース映像で人が人を襲う暴動が日本各地で起こりだす。ゾンビの襲撃をかいくぐりながら、ゾンビ化の原因を究明する「七日目」までのお話し。

    医学博士の加瀬、管理人の市川、研究者の下村、途中で合流する警察官の一条たち。

    一条と加瀬の過去には驚きましたが

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    2024年12月29日
  • トウキョウマンション

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    タイトルと表紙から、東京のタワーマンションを舞台にしたミステリーだと勝手に想像した。
    全然違っていて、けっこうハードなアクションだった。
    参考文献の『チョンキンマンションのボスは知っている』を読んでみたくなった。

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    2024年10月17日
  • 20 誤判対策室

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    冤罪事件を再調査する誤判対策室
    響きはエリートなのに
    メンバーは定年退職者や犯歴があり検事になれなかった者あり…なんだか曰くありげなメンバー
    彼らがある完全犯罪(殺人)の真相を探るべく奔走する

    ん〜
    ラストの結末は!腑に落ちるし
    メンバーも加わるなどイイ感じのチームになっていくんじゃないかなあ…と期待はできるんだけど
    メインキャラのイメージがなぁ…
    娘さんも感じが悪いばかりで…癒しが足りない

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    2024年08月01日
  • 60 誤判対策室

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    なかなか話が進まず、面白いのか??
    と思い、聴き進んでいくと、終盤に一気進む。
    スッキリするオチではない。
    誤判対策室の面々としては、冤罪を晴らしたので良かったのかもしれないけど。。

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    2024年06月25日
  • エウレカの確率 よくわかる殺人経済学入門

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    シリーズ第二弾。
    猫背のスイーツ男子で、経済学捜査員・伏見が、大手製薬会社の闇に挑む。

    大手製薬会社の食堂で、自社の告発文書が見つかった。まあ、自宅で研究員が謎の怪死を遂げる。
    果たして、二つの事件は繋がっているのか?

    殺人事件を経済学で解決に導く一風変わった捜査員・伏見が活躍するミステリーです。

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    2024年06月02日
  • ため息に溺れる

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    『ため息に溺れる』

    読み込めば、滲み出てくる深い意味に非常にそそられた作品である。
    これ程までに、タイトルから内容が全く予想できない本は無いのではと感じる。(個人的にではあるが)

    本作は、名家の蔵元家で自殺が起こり、捜査を任された刑事・羽木薫が、自殺の理由やそこに隠された背景に迫る物語。

    ただ、話の進み方は平行で、最後に突然山を登りだす感じ。
    「名家での事件といえば」と言う感じの進み方をするので、少し勿体無い部分もある。

    そのでも、推理小説としての評価はかなり高く、話の作りもしっかりとしている作品なので、読んでいて面白いところは多い。

    タイトルから溢れ出る魅力に惑わされたら、ぜひ手に

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    2024年05月26日
  • ため息に溺れる

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    興味をそそる書き出し、内容も悪くないんですが、中だるみして、本としては、もったいなかったな〜と。
    純粋に読書を楽しむと言うよりは、批評家になってしまいました〜

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    2024年03月11日
  • 警視庁暴力班

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    ネタバレ

     こういうテーマを、マンガみたいな設定で描こうとするアイデアは素晴らしい。ただ、ミステリーとしては、やや凡庸か。ミステリーとしてではなく、現代日本の政治に関するテキストとして、佐藤優さんみたいな観点から読めばきっと。

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    2024年02月22日
  • 本と踊れば恋をする

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    登場人物が個性的で、読み進めるごとに愛着がわいてくる。
    連作短編かと思いきや、特にそれぞれの話に関連性があるわけでもなし。
    各話で気になる要素が残ったりもしているし、登場人物のキャラも立っているので、シリーズ化してほしいなぁ。

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    2023年11月29日
  • 60 誤判対策室

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    老刑事、女性検察官、若手弁護士からなる新設の誤判対策室。無罪を訴える死刑囚を再調査し、冤罪の可能性を探る組織だ。偶然耳に入れた情報をきっかけに、死刑執行寸前の事件の真相を追う。
    Audibleで聴く読書。あらすじの内容から期待したが、中盤の冗長さがラストまで引きずり盛り上がりに欠けた。女性弁護士のキャラクターが浅く、人の生き死に関わる存在としての違和感が常に残る。

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    2023年09月13日
  • トウキョウマンション

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    老朽化により修繕不能となったタワーマンション。
    海外の投資家たちは住居を手放したり、同郷の人間を住まわせたり…。
    結果、怪しく得体の知れない人間が流入し、日本人の住人が逃げるようにいなくなった。
    それが通称・トウキョウマンションである。
    そのなかにある「ケーケラの赤い雨」のパテラが売るカレーは、ぼったくりなのか情報があるのか?謎であるがちょいちょい登場する。
    実際マンションの管理人であるキエフこそが、何者なんだろう?であるが…。
    まともな人は、住んでいないと思われるマンションに次々と現れる犯罪者、マフィア、悪徳警官。

    最後にわかるのはキエフの役目。
    「人々は、国家というものに振り回されてきた

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    2023年08月12日