あらすじ
都内で起きた連続猟奇殺人事件を調べる捜査一課は、在日米軍の介入を理由に捜査中断を言い渡される。唯一、継続捜査を許されたのは、左遷されたキャリア・北森が率いられる暴力班だった。日米間の思惑を意に介さず、常識外れの奴らがホシを追う!
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Posted by ブクログ
ストーリーの背後に日米地位協定がどっしりと鎮座していると感じた.荒くれ者4人とリーダーの北森、暴力班を呼ばれ、警視庁の組織から浮いている存在だが、連続殺人事件を捜査する.庁内には支援者の白鳥がいるが、北森たちは孤軍奮闘しながら、真相にたどり着く.ジョン・ホワイトが犯人だと分かったが所在がつかめない.在日米軍も捜査しており、ミレイとガンナーとも遭遇する.乱闘場面の描写が楽しめ、汗や血が紙面から吹き出てくる感じだった.北森がホワイトを見つけ銃撃されるが、相棒が現れホワイトを捕まえる場面が面白かった.日米の事情を把握しているミレイの存在、官僚風を吹かせる風間慎一、北森の国会議員の父の意向、暴力団組長の脇村.雑誌記者の歌野陽子 など、特異な登場人物の役割を見定めながら読破した.面白かった.
Posted by ブクログ
こういうテーマを、マンガみたいな設定で描こうとするアイデアは素晴らしい。ただ、ミステリーとしては、やや凡庸か。ミステリーとしてではなく、現代日本の政治に関するテキストとして、佐藤優さんみたいな観点から読めばきっと。
Posted by ブクログ
石川智健『警視庁暴力班』朝日文庫。
型破りの元スポーツ選手たちで組織された警視庁暴力班がアメリカから日本に渡って来た連続殺人鬼ジョン・ホワイトに挑む。
警察組織の闇と日米の微妙な関係を背景にした警察小説であるが、全てに於いて物足りない。
連続殺人鬼の背景も描き切れていないし、あれだけ手こずったはずが最後はあっさり捕まるし、微妙な立場に立たされたキャリアの北森も何となく助かった感じで、全てが納得出来ない不満足な内容だった。
警視庁暴力班と呼ばれる警視庁組織犯罪対策特別捜査隊特別班を率いるキャリアの北森優一は4人の部下たちが度々起こす暴力沙汰に辟易していた。
北森は政治家の父親が日米関係に横槍を入れたことから左遷されて、暴力班を率いることになったのだ。
北森の4人の部下は、元ラグビー選手の司馬有生、元レスリング選手の関屋康介、元力士の力丸光男、元レスラーの小薬学の一癖も二癖もある型破りの元スポーツ選手の寄せ集めだった。
都内で発生した連続猟奇殺人事件の捜査に駆り出された捜査一課は、在日米軍の介入を理由に捜査の中断を言い渡されるが、何故か北森の暴力班だけが捜査を許される。
本体価格880円
★★★