石川智健のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
WHO(世界保健機関)の新着記事に、まるでネットニュースかのような記事の見出しが載った。『原因不明の病気蔓延によって、人が凶暴化する可能性。当局が警戒』という内容で、感染症かどうかも定かではない事象は全世界に爆発的に広がり、日本も例外ではなかった。〈ゾンビ〉としか思えない人間の出現。新宿区戸山にある予防感染研究所で働く香月百合をはじめとする所員の面々も迫りくる謎の事象の猛威から身を守るために、研究所に籠城を決意する。人が人を食い荒らし、噛まれてもないのに〈ゾンビ〉化する人まで現れ、感染症か人為的なものか原因も分からないまま、騒ぎは大きくなっていき――。
というのが本作の導入。変容していく -
Posted by ブクログ
「絶対的な悪は存在しない。同様に、絶対的な正義もない。」このフレーズは、悪に取り憑かれずにいきるためのひとつの指針だろう。
だが、人間とは弱い者でいつ被害者になる加害者になるかわからないのである。
その怖さが読んだ後にも付いてくるようだ。
物語は、四つの短編からなる連作である。
それぞれ異なる事件から始まるのだが、それらが繋がってひとつの長編となっているところも「悪」とは何かを問うているようであり、法律や道徳に関することも絡めていて複雑である。
だが登場人物が個性的であり、魅力を感じながら楽しめるのがいいのかもしれない。
柔らかく中和させているのが、警視庁捜査一課刑事・青山の同窓生である小 -
Posted by ブクログ
覚せい剤密輸現場で逮捕された、暴力団員の雨夜。彼はその前に起こった暴力団幹部殺害事件の犯人を知っているといい、それをネタに司法取引を持ち掛ける。雨夜の証言によって犯人は逮捕され、その犯行も確実視されるものの、まだ終わった感のない事件。真相はいったい何なのか。
雨夜の謎めいた行動の数々に振り回されます。「いい刑事」っていったい何なんだ、とか。釈放されたにも関わらずあえて警察の護衛を依頼するのも疑問だし。そして冒頭で描かれた、あまりに奇怪な拉致事件の意味がさっぱりわかりませんでした。何のためにわざわざあんなことしたの?
もちろんすべてはきちんと明かされ、そして理解したときに雨夜のとてつもない計画に