石川智健のレビュー一覧

  • 断罪~悪は夏の底に~

    Posted by ブクログ

    「絶対的な悪は存在しない。同様に、絶対的な正義もない。」このフレーズは、悪に取り憑かれずにいきるためのひとつの指針だろう。
    だが、人間とは弱い者でいつ被害者になる加害者になるかわからないのである。
    その怖さが読んだ後にも付いてくるようだ。

    物語は、四つの短編からなる連作である。
    それぞれ異なる事件から始まるのだが、それらが繋がってひとつの長編となっているところも「悪」とは何かを問うているようであり、法律や道徳に関することも絡めていて複雑である。
    だが登場人物が個性的であり、魅力を感じながら楽しめるのがいいのかもしれない。

    柔らかく中和させているのが、警視庁捜査一課刑事・青山の同窓生である小

    0
    2023年04月15日
  • いたずらにモテる刑事の捜査報告書

    Posted by ブクログ

    どちらかと言えばコメディ寄りの作品だった。

    イケメン刑事とともに行動する刑事、それぞれの思いや、行動それぞれがしっかりとしているのだがそれが丁度良い面白さを醸し出す。

    一気に読み切ってしまった。

    0
    2023年02月25日
  • エウレカの確率 経済学捜査員 伏見真守

    Posted by ブクログ

    困難な連続殺人事件に挑む行動経済学の専門家・伏見 真守(ふしみ まもる)。
    果たして、プロファイリングと行動経済学の融合は可能なのか?

    ・経済学者とプロファイラー
    ・最大と最小
    ・双子の息子
    ・見つからないもの
    ・見つかるもの

    二転三転する真実。プロファイリングで見つけた犯人は、犯人では無いのか?
    本当の真犯人とは?

    いろいろ行動経済学の用語が出て来ますが、それほど難解ではありません。

    『勝ち逃げは、100%許さない』
    刑事になりたてで、失敗ばかりの木下 麻耶の成長物語でもありますね。
    次号に期待です。

    0
    2023年01月22日
  • 闇の余白

    Posted by ブクログ

    覚せい剤密輸現場で逮捕された、暴力団員の雨夜。彼はその前に起こった暴力団幹部殺害事件の犯人を知っているといい、それをネタに司法取引を持ち掛ける。雨夜の証言によって犯人は逮捕され、その犯行も確実視されるものの、まだ終わった感のない事件。真相はいったい何なのか。
    雨夜の謎めいた行動の数々に振り回されます。「いい刑事」っていったい何なんだ、とか。釈放されたにも関わらずあえて警察の護衛を依頼するのも疑問だし。そして冒頭で描かれた、あまりに奇怪な拉致事件の意味がさっぱりわかりませんでした。何のためにわざわざあんなことしたの?
    もちろんすべてはきちんと明かされ、そして理解したときに雨夜のとてつもない計画に

    0
    2022年07月24日
  • 60 誤判対策室

    Posted by ブクログ

    Audibleで。
    主人公のやる気なさに、初めは聴くのをやめようかと思いましたが、途中から引き込まれました。
    真実はわかりませんね、

    0
    2022年05月28日
  • 20 誤判対策室

    Posted by ブクログ

    シリーズ第2弾。
    実在はしない組織の誤判対策室のお話。
    定年後再雇用の刑事と現役検事と記憶力抜群の法務助手で難事件に挑む。

    元裁判官が殺人で自首をしてくる。
    殺人事件の真犯人は誰だを誤判対策室で調査するのだが、元裁判官ということもあり誤判対策室も歯が立たない。
    展開はスローではあるが気にならず、出だしから最後までずっとおもしろいです。
    おススメの一冊。

    0
    2022年03月20日
  • 本と踊れば恋をする

    Posted by ブクログ

    高校生がおこずかい稼ぎ目的で始めたセドリをきっかけに古書店店主と出会い、そこに関わる人達と共に本とは何かを探るお話。

    ページ数はとても少なめではあるが、とても読みやすかった。
    主人公の少年とその父との過去の出来事、古書店店主の消えた書籍数冊などまだ解決していない部分もあるが、あまり気にならないので続きが予定されているのかなと予想する。

    ビブリオミステリというジャンルがあることを初めて知った。

    0
    2021年12月09日
  • 60 誤判対策室

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    刑事の有馬、弁護士の世良、検事の春名の3人から成る「誤判対策室」。死刑囚が起こした事件の冤罪を洗い出す組織だけど、その組織の真の意味を知るとちょっと怖い。
    そして結局この事件も黒幕が誰かは明らかにはならないけど、でも「死刑囚が冤罪である」ということを証明するのが目的なのかと。

    最初は微妙な雰囲気だった3人が、徐々にチームワークをもって行動していく流れも良かったし、まだ続編もあるようなので読んでみたい。

    0
    2021年09月10日
  • 本と踊れば恋をする

    Posted by ブクログ

    いろいろな本が登場するので、きちんと読んでみたい気持ちにさせられる。ライ麦畑でつかまえてみたいにタイトルを知ってるだけの本だとか。短編ごとに話がまとまってるので読みやすいし、登場人物が少しずつ交流を深めていくのも微笑ましい。次の話も読んでみたい。

    0
    2021年01月25日
  • 60 誤判対策室

    Posted by ブクログ

    初めての作家さん。老刑事有馬、若手弁護士、女性検察官の3名から成る「誤判対策室」に配属され、無罪を訴える死刑囚を再調査する。半年後、有馬が小料理屋の客が殺人を仄めかしていたという情報を入手し、冤罪調査に動き出す。途中、中だるみもあったが終盤息を付かせぬ展開。表紙がWOWOW連続テレビ化された時の配役で舘ひろしが扮しておりイメージができてしまった。

    0
    2020年05月19日
  • 60 誤判対策室

    Posted by ブクログ

    ★5に近い★4ってことで
    刑事、弁護士、検事の3人からなる誤判対策室が
    死刑囚の冤罪を調査する話
    3人はそれぞれ思いがありそれが徐々にあきらかになる
    冤罪調査もまた難航しながらも真相に迫る
    おもしろかったです

    0
    2020年04月12日
  • この色を閉じ込める

    Posted by ブクログ

    嘘のようなウソの興味深い仕掛け - 石川智健「この色を閉じ込める」 ★★★★☆

    なかなか興味深い仕掛けだな!ウソのようなウソって感じでしょうか。
    タイトルのなぞは取ってつけたような最終章で明かされますが、そこはいらなかったと思う。
    そしてこのタイトルは著しく引きが弱いので改題したほうがいいかな。「時をかける嘘」なんてどうだい!?映像化のときは、宮下草薙の草薙さん主演でお願いします。

    0
    2023年10月27日
  • この色を閉じ込める

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    殺害された女性が書いていた日記をもとに、ある村の真相を探っていく話。ミステリー物。
    最後まで読んで、タイトルの意味がわかった。そう考えると怖いな。
    うーん、村人のみんながみんな嘘ついてるけど、本当の悪役はあの人しかいなかったんじゃないかなと思う。タイトル通り、色を閉じ込めてしまった人しか。でも、村の重役はいなくなったし、これからどうなることやら。……むしろ、それが最初から狙っていたなら怖って思った(唯一生き残った家族だし)。

    0
    2020年03月04日
  • ため息に溺れる

    Posted by ブクログ

    医者の名家の自殺事件と都内での刺殺事件を通して、人間の二面性がよく描かれてる
    だれもが心の奥に闇を潜めているが、周囲との関係と自分自身を保つために、それを吐き出して楽になる事はできない
    そんな中庸一郎の生き様が家主として断トツに賢くカッコ良く見えてしまったなあ
    でも警察の偽証は腑に落ちない、、もっと綺麗に容疑者を落としてほしかったし、できれば舞子のシーンは見せ場なはずだからもっと鮮明にドラマチックに表現してほしかった、、これは個人的な好みだけど、、
    ため息に溺れてしまいました、と書いた時に以前そう口走った伊藤の影を見て、もしかしたら障害があっただけでお互い気持ちがあったのではないかとか思ってし

    0
    2019年12月30日
  • ため息に溺れる

    Posted by ブクログ

    病院の家系に養子に入った男の自殺
    その再調査を依頼された女刑事
    展開は遅いが中盤から進展しだし終盤へ

    良かったと思います

    0
    2019年12月12日
  • 60 誤判対策室

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    刑事と検事と弁護士で構成された「誤審対策室」。
    設定がなかなか面白かった。
    事件についても最後まで面白く読めた。
    続編があるようなので期待。

    0
    2019年11月27日
  • キリングクラブ

    Posted by ブクログ

    主人公が働く「キリングクラブ」は、サイコパスが訪れる会員制クラブ。その会員が殺された。容疑者はキリングクラブの顧客3名。誰が殺したのか、その理由は?というミステリー。
    サイコパスという不思議な(一般的ではない)人物像がたくさん登場し、また、秘密裏に営業されているキリングクラブの存在が異質感を感じさせ、物語に引き寄せられた。
    自分的にはオチが少し見えてしまったんだけれど、楽しめた作品。

    0
    2019年08月31日
  • キリングクラブ

    Posted by ブクログ

    謎の殺人事件が繰り返されるあたりまでは楽しく読めてスリルもあった。逆に真相がわかってからはちょっと微妙。この展開でどんでん返しをするにはあの結末しかなかったんだろうけど。他作品も気になる作家ではある。

    0
    2019年07月09日
  • ため息に溺れる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本の帯に惹かれて購入。
    帯の通り最後10ページで世界ががらっと変わる。

    主人公は刑事。地域の名士である蔵元家で起こった自殺事件の再調査に巻き込まれる。
    自殺した指月は、天涯孤独ながら周囲に愛され、医師になり、跡継ぎのいない蔵元家の養子に迎えられた。蔵元家の娘と結婚もし、医師としても申し分なく見えた。
    なぜ彼は自殺したのか。本当に自殺なのか。
    主人公が暴いていくドロドロの人間関係。

    その中で、最後の指月の思いにゾクっとした。
    舞子のまっすぐ過ぎる思いも怖いが、指月の方が得体がしれなくて恐ろしい。彼は自分だけが大切だったようだ。

    ちょっとした違和感の部分は最後で奇麗に回収していて読み応えがあ

    0
    2018年09月11日
  • エレガンス

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争末期の東京。洋装の女性の連続不審死を捜査する内務省防犯課の技師・吉川と警視庁写真室記録係の警察官・石川。実在した二人を主軸に、戦争の地獄とその時勢でも抵抗を貫いた様々な人々を描く戦時下ミステリ。

    ミステリ好きならピンとくる「吉川線」の生みの親吉川澄一が出てくるだけでも期待が高まる。空襲で多くの人が無惨に亡くなる中、自殺とも思える数人の女性の死を捜査する意義を見出せないでいる石川。「罪を見逃すのは、罪を許容することと同義なんです」吉川が語った言葉が重い。

    空襲の惨禍、死にゆく人を記録写真に残すという任務に疑問を抱く石川が、吉川の毅然とした姿に自らの任務の重さを自覚していく過程がいい

    0
    2025年11月28日