羽根由のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ作者が代わって、強烈だった3部作の世界観が無事引き継がれるのだろうか・・・?とかなり心配していたのだが、
ラーゲルクランツ氏は実に良く研究されて、且つ上手く自分の世界観も組み込んで作品を作り上げてくれていたので
テンポ良く「新ミレニアム」の世界に引きずり込んでくれた。
リスベットの過去がほぼ明らかになってくれた事や、カミラの暗躍については、なるほど・・・と思わせてくれた所は流石だな、と。
ただ正直、上巻を読んだ際に不安要素が無かったわけではない。
展開からして下巻だけに纏まり切るのか?と言う点に尽きると思う。
結果、A.I.研究の行方(フランスが消去したもの以外に本当に痕跡は無いのか?)とか、
サヴァン症候群であるアウグストとリスベットの間に芽生えた「信頼関係」、カミラの暗躍、エドvsリスベット、ミカエルvsセルネル社(結果、株式を買い戻して云々とはあるけれど・・・)、リーヌスのその後・・・等など、展開が駆け足過ぎて、少々内容が薄くなってしまっていたのが、私評・5つ星に届かなかったところでもあるのだが・・・。
あと、これは個人差がある(きっとある筈)と思うが、3部作のリスベットと今作のリスベットにはちょっと(些細だが)差がある様に思えた。
まぁ、物語の時間軸が進んだと言ってしまえばそれまで、リスベットも成長すると思えば納得なのだが・・・
今作のリスベットには「危うさ」よりも「安心感」の方が強かった様な。平たく言えば「大人びた」と言うのが当てはまるか。
何だかんだ言っても、この世界(ミレニアム)は無事引き継がれ、次なる世界が用意されていると言うのが嬉しくて堪らない。
2017の第5部、2019の第6部、いつになるか分からないが、
この第4部の映画化(決定はしているらしいが・・・)が待ち遠しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ北欧ミステリーの大ヒット作がまさかの続編?!
あのリスベットやミカエルにまた会える~
ストーリー展開や語り口がラーソンを彷彿させるらしい(邦訳本なので私は判断つきませんが……)ですが、実に見事に三部作の内容を引き継ぎ隙間を埋めるエピソードが随所にちりばめらりているあたりは、あっぱれである。
なので、三部作を読んでいない方には、酷ですが「三部作から読め」とお勧めします(笑)
この上巻は事件しか起きません。
しかし、最近流行りの「人工知能」や「サヴァン症候群」が取り上げられ飽きさせません。
そして何故か、
私の誕生日に事件は起きます(笑)
ただ、ミレニアム買収騒動が本当に必要だったのか、そこが謎。そして、エリカの言動が個人的にあまり好きになれません……そんなところまでしっかり引き継いでいてくれている:(;゙゚'ω゚'):
……そして怒涛の下巻へ -
Posted by ブクログ
【2026年13冊目】
三兄弟と一人の幼馴染。綿密な計画、準備、練習、そして実行。四人の男は痕跡を残さず仕事をやり遂げていく。武器を奪い、銀行を襲う。たが、綻びは少しながらも確かに生じ始めていて――実際の事件を元にした一作、上巻。
こういう話は苦手です。なぜか。視点が犯人側、犯罪を犯す側だからです。ヒヤヒヤしてならない、なのにこれまで歩んできた背景も描かれるもんだから、純粋に「悪い奴らだ」と思うこともできない。犯罪は成功しない方がいいのに、失敗しないだろうかとハラハラして心のどこかで応援してしまう。自分の倫理観との戦いみたいになってくる苦笑
実際の事件を元にした話ということで、調べたら結末とか出てきそうですが、もちろん調べずに読み進めたいと思います。工務店として真っ当に暮らしている彼らがなぜ犯罪に駆り立てられたのか。有り余る富は、もちろんあって困るものではないですが、リスクを犯してまで得ようとするのは一体どんな動機があるのか。
下巻も上巻と同じくらい分厚いので読むのにはなかなか時間がかかりそうですが、しっかり見届けたいと思います。
なお、こちらの本は「一万円選書」で選んでいただいた作品です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ長男レオを中心に次男、三男の3兄弟と、友人のヤスペル、レオの彼女のチームで銀行強盗を繰り広げる物語。
現在の物語の中に、レオの幼少期が描かれている。
次男と三男がチームを抜けることとなり、親父をチームに引き込むこととなりそれが最後の仕事となって捕まったところで終わる。
物語としては銀行強盗の単純な物語なんだが、幼少期の逸話が入ることで物語の深みが増している。
ただ物語自体は評価ほど面白い訳ではなかったのだが、最後の解説をよんでビックリさせられた。
この物語は完全なフィクションではなく、本当にあった史実をもとに その犯人たちの本当の兄弟(事件に関与していなかった)が筆者と協力してこの本を完成させていること。
ほぼほぼ、ノンフィクションで描かれているという点がビックリさせられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ記憶と脳の働きについて書かれた本。神経心理学者と作家の姉妹の共著ということで、海馬をタツノオトシゴに、記憶を真珠に例えて、読みやすくうつくしく様々なエピソードを紹介している。今まで読んだ「情動はこうしてつくられる」「私はすでに死んでいる」などに比べると専門性はそんなに高くなくて、実験や研究の軽い紹介にとどまるものが多く、目新しい話はあまりなかったけど、わくわくする語り口と分かりやすさで読んでいて楽しい。
記憶は何度も何度も再構成して解釈され、全く同じ形を保つことはできない。忘却し、変容する。そうでなくては大事な記憶を守ることができないとは、何たる悲しい性。
一つ「どうもあれ以降めっきり記憶力と集中力が落ちた気がする」と思っていたことが、この本ではっきり解説されていたのですっきりした。やっぱりそうだったのか!一度そうなった場合、通常の人と同じように記憶するには繰り返して時間と手間をかける必要があるとあって、ちょっとがっかりするけれど、まあやる気を出して頑張っていくしかない。当然だけど気分と好奇心を盛り上げていかなくては記憶もやる気を出してくれないみたいだし…。
トラウマ体験の定着予防にテトリスが有効というのも納得感がある。昔本当にしんどかった頃に狂ったようにスパイダソリティアやってたのを思い出した、脳が無意識に求めていたのかもしれない。テトリスが脳の(言語ではなく)視覚的領域だけをトラウマと取り合うことで、強烈な記憶が意味を得ずに暴れまわるのを抑えることができるってすごいな。トラウマを肥大化させず理解という支配にどう取り込むのかということなんだろうか。感情も記憶も、本当に脳って解釈、解釈、解釈の繰り返しだ。 -
Posted by ブクログ
第三部と第四部の転換が強烈だった。登場人物の見え方ががらりと変わる。彼自身の嫌悪の対象と同化している姿がはっきりと示される。おぞましく哀れな教育の成果としての過剰な暴力は、決してコントロールできず、彼を飲み込んでいる。
暴力のある家庭の悲惨さは言うまでもない。言うまでもないから言語化できていなかったが、この作品を読んで暴力の悪影響の手触りを感じた。
してはならないことは何を捨てても失っても、してはならないのだと、理解できるのは大人だからだ。子供は愛を求めることが正解で、実際にはそこに選択肢はない。
だから、服従させてはならない。
上巻は結構疲れたが、下巻は一気に読めた。