藤岡換太郎のレビュー一覧

  • 三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち

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    「三つの石」とはかんらん(橄欖)岩、玄武岩、花崗岩。

    かんらん岩はマントル、玄武岩は地殻下部(海底)、花崗岩は地殻上部(地上)を構成するという。

    地殻のうち海面より上にあるのが陸地、下にあるのが海底なのではなくて、成り立ちや組成も含めて明確に違うらしい。

    「石」はどれも主にSiO4からできているが、外殻電子の結合(共有)状態が異なり、結晶構造も違う。
    かんらん岩、玄武岩、花崗岩の順に密になり、すき間に金属原子が入りにくくなるため、比重も軽く、色も白くなる。

    かんらん岩がマグマを経て玄武岩となり、海底の海嶺から湧き上がって玄武岩の海底を作り、プレートを動かし、そのプレート境界の沈み込みに

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    2023年08月18日
  • 天変地異の地球学 巨大地震、異常気象から大量絶滅まで

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    地学は高校で習わなかったせいか、化石や岩石や地形といった動かないものを対象とした、歴史や考古学のように静的なイメージ。でも、この本を読み、災害がとみに身近になった昨今、実は非常に激しく変動してるものを対象としてる学問だと再認識。
    現代の科学・学問は細分化されているはずなんだけど、この本のように地球システム自体を捉えようとすると、おそらく地球科学という学問体系の知見を総動員しないといけないんだろう。巻末の参考図書がえらく多いのをみてそう思った。
    時間軸のスケールが大きすぎて、何のためにやってんの?って感じもするけど。まあ学問ってそんなもんで、はやぶさプロジェクトの生物の起源は宇宙からなのかとか、

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    2023年02月05日
  • 天変地異の地球学 巨大地震、異常気象から大量絶滅まで

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    著者の藤岡先生は過去にブルーバックス「フォッサマグナ」「三つの石で地球がわかる」といったわかりやすい本を書かれている方なので、さっそく新刊を読んでみました。
    けど藤岡先生の専門は海底とか岩石とかプレートテクトニクスなので、気象災害については説明がおかしいと感じる箇所もあります。人間の寿命を超える周期の災害は専門のプレート運動に結びつくものが多いので違和感は減るのですが。
    あと周期性を見出そうとしますが、10年単位と10万年単位のでは周期として許容できる誤差が違う気がして、周期と言っていいのかと思ってしまいます

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    2022年12月05日
  • 見えない絶景 深海底巨大地形

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     深海調査船で51回も世界の深海を目の当たりにした著者がガイドしてくれる世界一周(深海)旅行という仕立て。海溝、海淵、海嶺、海膨。海盆、海台などを一気に周遊できる。
     地球の起源に関する知識の積み上げは、地味であり遅々としているものと実感する反面、この半世紀のテクノロジーの進化による科学的知見の積み上げには目を見張るものがある。なんとも矛盾する言い回しであるが、地球科学というのか地質学というのか知的探究の一方、資源の探求という物的欲求とも隣り合わせの分野であるが、著者の知的探究としての研究費の獲得に対する危惧の念も伝わってくる。
     本著「冥王代の物語」では著者の仮説が披露されている。怖いもの知

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    2022年01月05日
  • 見えない絶景 深海底巨大地形

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    地球科学者の著者による海底地形からみた地球の成り立ちを分かりやすく解説した1冊です。著者は日本が保有する世界有数の深海調査船「しんかい6500」で何度も海底調査に同行し、その体験をもとに本書前半はバーチャルな深海底世界1周という構成になっています。
    海で最も深いマリアナ海溝でも深さ1万メートル強。そこに潜った潜水艇は限られ、人類が直接深海底に脚を踏み入れたことは未だありません。宇宙に目を向ければ高度400㎞に国際宇宙ステーションがあり、38万㎞離れた月に人間が降り立ち、無人探査は既に億㎞の距離に到達しています。これほど身近でありながら、なかなかアクセスできない深海に、どのような地形があり、それ

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    2021年07月21日
  • 川はどうしてできるのか 地形のミステリーツアーへようこそ

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    あまり知識のない人にも楽しめるように、工夫して書かれている
    著者の地学以外の知識の広さも感じられ、面白く、
    良書であった

    ヒマラヤを乗り越える川、河川の争奪、流れる川、さまよえる川、海底を流れる川
    このようなタイトルだけで「ハテナ?」でいっぱいになる

    気になったものをピックアップ

    ■富士山には川がない
    静岡県にある柿田川は源流がない
    いきなり平地から現れる
    正確には崖下からいきなり川が始まるらしい
    これを柿田川湧水地という
    しかしながら柿田川の水は実は富士山から来ている
    だが富士山には川がない
    なぜか
    富士山というのは山内の内部に3つの山が隠されている
    一番古い「先小御岳(せんこみたけ

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    2020年09月10日
  • 川はどうしてできるのか 地形のミステリーツアーへようこそ

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    川にまつわる様々な考察。

    「たかが」川にこんないろんなコトがあるのね。

    Google Earthを横に置いて読んでると、ほんま面白い。

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    2020年07月18日
  • フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体

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    地質学における比較的新しいパラダイムである「ホットリージョンマイグレーション説」や「オラコージン説」を用いて、唯一無比の構造であるフォッサマグナの成立過程を安楽椅子探偵さながらに洞察して行く。新書らしい手軽さがありがたい。ジオパークのガイドもついており有用。

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    2019年06月02日
  • 三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち

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    地球を構成する岩石は、大きくは3つしかない…。
    さてそれは何なのか?から始まり、その兄弟たちの話も含めて名称がとにかく覚えにくい岩石のことを、カレーの例を使いながらかなりわかりやすく説明してくれ、その岩石たちからどう地球が出来上がってきたのかの推論を立てる内容。
    著者の本はフォッサマグナを読んたことがあるが、毎度岩石学者の視点から大分下りてきた目線で、本作も説明がわかりやすく、クスっとさせられるユーモアもあり、読んでいて楽しい。

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    2019年04月29日
  • フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体

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    フォッサマグナの何たるかは何となく分かったが、図表と地質学的な説明が専門分野外の人間には分かりづらかった。専門書としては簡易すぎるし、一般書としては専門的すぎる。

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    2019年01月05日
  • フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体

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    ネタバレ

    子どもの頃から知ってるつもりのフォッサマグナだが、意外にも、これまで学問的にはあまり研究されてこなかったとか。それが、近年になって、学会でも注目が高まっていて、本書も、最近の研究成果も踏まえつつ、著者の大胆な予想を織り込みながら書かれている。
    プレートテクトニクスのイロハを知らずに読むと、やや難しいかもしれないが、フォッサマグナだけでなく、日本列島の成り立ちやフィリピン海の構造まで解説されていて面白い。できれば、トランスフォーム断層の成り立ちや構造といったものをもう少し詳しく解説してほしかったが。

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    2018年08月30日
  • 三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち

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    この本を読んでも、ブラタモリのタモさんの話が理解できるようにはならない。タモさん得意の砂岩、泥岩は堆積岩の話で、この本の世代で行けば第二世代の新しい石だ。この本は、地球ができてすぐにできた3つの石(第一世代)のお話がメイン。
    判りやすくて面白い。
    地球の年齢46億歳はどうやって決めたのか?
    ちょっと知人に喋りたくなる小ネタ(スケールはでかい)も挟みつつ、オヤジギャグ的なもの(こちらはちっとも笑えない)もいくつかあって、読者を飽きさせない工夫もちらりほらり。
    高校生理系クラスなら、難なく理解できる難易度。
    電子殻の話がなければ、文系クラスでも理解できるように思うのですが……意外に説明し辛いよね…

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    2018年09月12日
  • 三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち

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    20171224途中で読むの中止。
    地球は大きく
    ・橄欖岩(82%):マントルをつくってる
    ・玄武岩(1.6%):海洋の地殻
    ・花崗岩(0.68):大陸の地殻
    の3種類でできているそう。
    とはいえ岩は複数の物質からできているので橄欖岩→玄武岩といった移行もあるそう。

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    2017年12月24日
  • 海はどうしてできたのか 壮大なスケールの地球進化史

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    ネタバレ

    地球の成り立ち、海の成り立ちがわかる本。
    遠い未来、火星のようにすべての水が地上からなくなってしまう可能性があるらしい。

    この壮大な物語の一部を自分が関わっているのが信じられない。
    この世がなんのためにこうなっているのかがわからない。

    人間自体、自分自身があるような、ないような、そんな世界に生きている。

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    2017年12月20日
  • 海はどうしてできたのか 壮大なスケールの地球進化史

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    海の誕生を語るには、宇宙科学と地球の歴史を知る必要がある。海の歴史を語るには、分子化学と生命の誕生を知る必要がある。海の形を語るには、物理学とプレートテクトニクス論を知る必要がある。

    海の全てを知る事とは、この世の全てを知る事と同義なのではないかと勘違いするほどの深淵を、新書一冊にまとめあげたのが本書だ。

    生命誕生や断層など、詳細については専門の一冊の方が詳しいのは間違いないが、海の誕生から現在までの変化を一連の流れで概観出来る。

    海の生物、深海の圧力、探査機の性能。本書に書かれていないことは多いが、そんな部分にまで想いを馳せるきっかけとなる一冊。

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    2018年10月20日
  • 川はどうしてできるのか 地形のミステリーツアーへようこそ

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    鬼怒川の氾濫があったからではないが、タイトルに惹かれた。たしかに、川はどうしてできるのだろうか。雨水にしろ、雪融け水にしろ、高いところの水が低いところに流れるだけだが、どこでも流れるわけではなく、川として流れるというのは、思えば不思議だ。
    本書は、そんな川に関するいくつもの不思議を解説してくれる。例えば、ヒマラヤを越えて流れる川があるというだけで驚きだが、その形成メカニズムも教えてくれる。
    多摩川を源流から海まで解説する章もあり、多摩川をよく知る人には、より楽しめるだろう。

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    2015年10月01日