藤岡換太郎のレビュー一覧
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ネタバレ登山の途中に見える様々な岩石が気になって、初心者向けの岩石書籍を探していて見つけた本。細かい説明を省き、平易な文体で分かりやすく書かれており、非常に分かりやすい。
「本書は石に興味をもった人が初めて読む本、もしくはこれを読むことで石に興味をもっていただく本というつもりで書いていますので、厳密さよりも大づかみなイメージを大事にしたいのです」
「石の名前は、いくつも覚える必要はありません。基本的には、たった三つ、覚えるだけでいいのです」
と全編を通してハードルを下げる努力をしている。特に種々の火成岩の形成過程をカレー鍋に例えているのが秀逸。
また「岩石そのものの説明」よりも「地球形成のダイ -
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フォッサマグナ地域の東西では、約1~3億年前の古い岩石が分布しているのに対し、内部は約2000万年前以降の新しい岩石でできている。ボーリングによる掘削調査では、基盤岩に達したことはなく、深さは6000mと推定されている。
糸魚川-静岡構造線は逆断層になっており、新第三紀層の後期以降で見られる。
北部フォッサマグナに分布する地層は、砂岩や泥岩などの堆積岩が多く、約1600万年前から海底に堆積した地層。石油や天然ガスを産出することで有名な秋田-新潟油田褶曲帯にも、同様の地層が分布している。
南部フォッサマグナは、上下2つの地層群から成り立っている。下位の地層群のほとんどは、中新世中期の海底噴 -
購入済み
川が山を越える。
山とか海を得意としている著者ではあるが、この本では川をテーマにしている。
読んでみると当たり前のことではあるが、山と川は密接なかかわりがある。
その結果「川が山を越える。」ということも発生するとのこと。納得した。 -
購入済み
壮大な物語を分かり易く
地球の成立、海の出来上がりから将来の海が消えてゆくまでの壮大な物語を分かり易く書いてある。
特に海の消滅を書いた最終章は読みごたえがあった。 -
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久しぶりにネットではなく,本屋さんで出会った本。そして久しぶりに手に取ったBLUE BACKSです。
「そういえば,フォッサマグナについてはしっかり調べたことがなかったなあ」「この本は読みやすそうだな」と思い購入。予想どおり,とても興味深く,ミステリアスで,謎解きのような本でした。
フォッサマグナがどのように出来たのかについて,まだ定説がないことにビックリ。それでも,藤岡さんは,他のさまざまな事実を総合しながら,自分の仮説を提出してくれています。
糸魚川静岡構造線の境目には私も行ったことがあります。地層の様子が明らかに違っていてなかなか興奮する場所でした。近くの駐車場には枕状溶岩の露頭 -
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フォッサマグナを発見したのは、ナウマン象で有名な、あのナウマンさん。明治初期に政府がドイツから東京帝国大学に招いた地質学者で、現在の産総研地質調査総合センターを設立した人。まだ若くて気質が激しく難しい人だったらしい。この人がいなければ、日本の地質学はもっとずっと遅れていたのだろう。まだちょんまげ結ってる人もいた異文化の日本に、よくぞ来てくれたもんだ。フォッサマグナとはラテン語で、大きな地溝、の意味。フォッサマグナの西縁は糸魚川から静岡にかけてのラインだが、東縁は諸説あり、まだはっきりしていない。
地球はマントルの深い部分にある熱くて溶ける寸前のプルームがゆっくりと移動し、地表にマグマとなって -
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15 Ma (Mega annum = 100万年前 :地質年代の表記法)に生まれた深さ6000m以上の世界唯一の地形
巨大地溝『フォッサマグナ』
フォッサマグナとは何なのか?どのようにできたのか?いまできる精一杯の考察、答えを記した一冊
私は全くのど素人ですが、そんな私にも読み易く、とても面白かったです^^*
すごくわくわく浪漫を感じた(笑)
地球のほとんどの大陸が合体してできた「超大陸パンゲア」
とてつもなく巨大なスーパープルームによって引き裂かれ
プレートテクトニクスによって動き回る大陸
次に超大陸になるのは2億年後だそうです(笑)
o(^-^)o ワクワクッする
←行ってみたいっ -
Posted by ブクログ
フォッサマグナとは、日本列島の真ん中にある構造のこと。6000m以上の深さの地溝がありその上は堆積物が積み重なっている。世界でも珍しい構造で、それがなぜできたかを、前提から少しずつ説明して、最後に持論を展開する。
内容は非常に興味深くおもしろいが、肝のところはかなり難しい。
この本で示された試論は、北でオラーコジンができて日本海が拡大、南でフィリピン海プレートができて伊豆小笠原弧が衝突、それが同時期におきたから。
両者が同時期におきたのはスーパープルームによる。
オラーコジンは、餅を焼いてふくらませたときに3つに裂けるようなこと。そのうち2つは発達する。 -
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マントルを構成する橄欖岩、海洋プレートを構成する玄武岩、大陸プレートを構成する花崗岩の3つに焦点を当て、地球の成り立ちやそれぞれの岩石の関係などについて分かりやすく解説される。この分かりやすさが本書のポイントで、専門性を多少犠牲にしても、一般向けに理解しやすいように書かれている。それでいて、造岩鉱物の組成とかシリカの配列・原子ベースで見たシリカどうしの結合形態など、かなり突っ込んだ物理・化学的な話にも読者を誘導していて、全くの一般向けというよりは、「ブルーバックスの読者」向けの内容になっていて、知的な刺激も多い。
著者の本はブルーバックスで色々と読んでいるが、本書も中々面白かった。 -
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水の惑星と言われる地球。その水の大部分は海にあるが、本書では、その海の地球史的な変遷と、プレートテクトニクスを基本とする海洋地形の形成について大きなスケールで描かれている。原初の海に発生したシアノバクテリアが当時の生物にとっては有害な廃棄物であった酸素を生産し、その活動によって現在のような窒素と酸素を中心とする大気を形成したなど、偶然のようなできごとを著者は共進化と呼んで、現在の地球へと至る道筋を示してみせる。また、後半では、10億年後におとずれるという海の消滅という仮説を描いてみせる。海洋の水がプレート境界の海溝からマントルに吸い込まれてしまうというちょっと信じられないような話だが、46億年