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明治初期にナウマンが発見した、日本列島を真っ二つに分断する「巨大な割れ目」フォッサマグナ。その成因、構造などはいまだに謎に包まれていて、一般向けに書かれた解説書はなかなかつくられない。しかし、フォッサマグナを抜きにして、日本列島の地形は語れないのだ! ブルーバックスで人気を集める地学のエキスパートが挑む!
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Posted by ブクログ
1100 藤岡換太郎 1946年京都市生まれ。東京大学理学系大学院修士課程修了。理学博士。専門は地球科学。東京大学海洋研究所助手、海洋科学技術センター深海研究部研究主幹、グローバル・オーシャン・ディベロップメント観測研究部部長、海洋研究開発機構特任上席研究員を歴任。現在は神奈川大学などで非常勤講師...続きを読む。潜水調査船「しんかい6500」に51回乗船し、太平洋、大西洋、インド洋の三大洋人類初潜航を達成。海底地形名小委員会における長年の功績から2012年に海上保安庁長官表彰 この地形に関心を抱いたナウマンはその後も、この地域を二度、調査旅行で訪ねている。 あらためていうと「フォッサマグナ」とは、本州の中央部の、火山が南北に並んで本州を横断している細長い地帯のことを言います。ナウマンはフォッサマグナの範囲として、日本海側の新潟県糸魚川市~高田平野付近から、太平洋側の静岡県旧清水市(現・静岡市清水区)~神奈川県足柄平野付近に至るまでの広い地域を示しています。北から見ていくと、新潟県、長野県、山梨県、神奈川県、静岡県、東京都です。さらに関連する府県を入れると、富山県、岐阜県、群馬県を含む関東から中部日本となります。 このようにプレートの境界はほとんどが海の中の海溝です。そこでは海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込んでいて、プレートどうしのせめぎ合いが起こっています。これが「プレートテクトニクス」です。4枚のプレートがひしめく日本列島はたびたび巨大地震に見舞われるなど、数奇な変遷を繰り返してきました。そしてフォッサマグナについても、プレートテクトニクスを通して考えなければ理解できないのです。 私たち地質学者が研究を行う手法は、いわば探偵が殺人事件の全貌を明らかにするのとよく似ています。私は推理小説やミステリー映画が好きで、アルセーヌ・ルパン、シャーロック・ホームズ、金田一耕助などの登場する本を読みあさったり、刑事コロンボ、アガサ・クリスティなどの映画を好んで鑑賞したりしてきました。名探偵はいつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、のいわゆる「5W1H」について、証拠捜しや聞き込みなどによってありとあらゆる材料を手に入れます。そして、それらの材料を用いて事件の動機や殺害の方法などを時系列にしたがって矛盾なく説明します。こうして事件の全貌がわかれば、一件落着です。 伊豆・小笠原弧の衝突にともなう、南部フォッサマグナでのさまざまな現象を見るのに最適なのが伊豆半島ジオパークです。伊豆半島全体と、その北の箱根との境界までが含まれるという広大さで、行政の中心は伊東市(静岡県)、本拠は修善寺にあります。 フォッサマグナについて知れば知るほど、日本列島のど真ん中にこのようなものを抱えていたら、いつ地震が起きるか、いつ火山が火を噴くかと、気が気でなくなってもおかしくありません。なにしろ、フォッサマグナ地域にはいまも活火山である富士山がすっぽり入っていて、糸静線などの活断層が何本も走っているのです。
「フォッサマグナ」名前だけは覚えてるけど、何なんだっけなあ…と思ってたところに先日のブラタモリでの糸静線の回を受けて、再度興味を持ち、本書を購入したが、あたり。 まあ、仮説というか試案とはいえ、なーんとなく、フォッサマグナの成り立ちについてイメージを持つことができた。それにしても、不思議な地形なん...続きを読むだなあと改めて。
◯面白い。ただ、この本の性質上、前半部分でややもたつくというか、うまく頭に入らないことがある。また、今更だが地名が頭に入ってないと、どこの話をしているのかよく分からなくなる。 ◯しかし、こういったことは抜きにしても、フォッサマグナの成立過程は実に興味深く、この本自体が一つの推理小説のようにできている...続きを読む。 ◯解答編の試論はまさに解決編で、いままでモヤモヤしていたものが一気に歩に落ちるところは爽快。 ◯この本のまとめがとても壮大な話で、地学の魅力に溢れている気がする。大変満足の一冊だった。
小さい頃から耳にしているフォッサマグナだが、なんだか巨大な断層くらいにしか理解していなかった。 本書は、フォッサマグナの特殊性、日本の成り立ちの足跡としての意味、未だに解明されていないその成立の謎について、専門的知識のない読者にも分かるように説明されている。 日本の一地域の特殊な地質的特徴が、全地球...続きを読む的なメカニズムの発露につながるのかと思うと、非常にスケールが大きく、知的好奇心をかき立てる内容である。 本書を読んで、興味を持つ読者が多く現れるといいなと思う。 学問の地域性というか、その場所に特殊な事象があることで、該当領域の学問が促進される側面があるかと思うが、そういう意味では日本は地球物理学のフロンティアになる可能性があるのだということを改めて感じた。
フォッサマグナというと糸魚川静岡構造線のことというイメージでしたが、面的な広がりがあって、しかも出来上がるまでの経緯が複雑怪奇。1500万年の歳月がもたらした大きな動きに圧倒されました。
フォッサマグナとか、ブラキストン線とか、興味あるんです。日本列島の成り立ちからフォッサマグナ生成過程の推理まで、楽しく読める一冊でした。
途中知識のなさから難解に思うところもあったが、日本列島の形成の歴史がわかりやすくまとめられている。フォッサマグナは奥深い。地学や地理をもっと学生時代に勉強しておけばよかった。
「日本沈没」を読んだ勢いでこちらを。用語が専門的でところどころ難しかったですが、概要は理解することができました。それにしても日本列島の地学的に複雑なこと。もしかしたら何かのはずみで本当に日本沈没もあるんじゃないかと考えてしまいました。
高校の『地学基礎』適度の知識と、日本の地理についての知識がある程度あると、読み進めやすいと思う。 後半に進むにつれ、地理感や地質区分が整理できていないと、難しく感じてしまうかもしれない。 内容全体としては、非常に面白かった。 一読ではしっかり理解出来なかった。また改めて読み直したい一冊。
いまだ未知なもの。それの来歴を推測して行く楽しさ。 中央構造体についても触れられており、日本列島がどのような性格をもつのかを学ぶ楽しさがあった。
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フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体
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