【感想・ネタバレ】川はどうしてできるのか 地形のミステリーツアーへようこそのレビュー

あらすじ

川の面白さは、家で地形図を広げて眺めているだけで、「なぜこんな姿をしているんだ?」という謎が次々に浮かんでくるところにあります。標高数千メートルのヒマラヤ山脈を越える川、砂漠でいきなり洪水を起こす川、黄河・揚子江・メコン川の不思議な流路、平地より高く流れる川、ほかの川の流れを奪う川……まるで魔術のような数々の現象は、なぜ起こるのでしょうか? (ブルーバックス・2014年10月刊)

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Posted by ブクログ

◯山はどうしてできるのか、海はどうしてできるのか、から最後の一冊とのことだが、すっ飛ばして山の次に川を読んでしまった。しかし、内容的には特に問題ない。それでいてわかりやすく面白い。読み物としての工夫がふんだんに凝らしてあり、読者を惹きつける。
◯四万十川の下は、ブラタモリで出た話でもあったため、興味深く読んだ。しかし番組の方が詳しいのは紙面の問題もあると思われる。
◯巻末の著者による試論も面白い。超大陸の川の話はロマンがあると思う。
◯しかし、川は流れていくものだけに、物的客観的資料も流されてしまうことで研究も難しくなるという面があるが、地学も近年でも大きな進歩を遂げていることから、いつか川の歴史も判明していけば、今後の治水にも役立つ上に、何よりも面白かろうと思う。

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2020年02月27日

Posted by ブクログ

『川はどうしてできるのか』という書名だが、川ができてからの、時には億年単位の長い変遷の話が面白い本である。
「一」の字に流れていた川が、断層がずれて「Z」の字のように曲って流れる川。四国の四万十川のように標高の高い山岳地帯を大河が蛇行しているのは、土地が隆起したためであるとか、百万年以上の単位の時間を感じることになる。
中国大陸では、大陸移動で小大陸が衝突したときの境界が大河になっているというので、日本国内とはスケールが違う。
天竜川の上流は、犀川とつながっていて、そのころの犀川は南へ流れていた可能性もあるらしいとか。
藤岡換太郎著、講談社ブルーバックス 2014年

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2018年08月10日

Posted by ブクログ

中央構造線にぶつかった川はその後すべて構造線沿いに流れることを余儀なくされる。
 紀伊半島の紀ノ川、四国の吉野川はかつて陸地だった紀伊水道で合流し、南海トラフ側に流れ込んでいた…そしてこれには淀川も合流していた…

壮大やなあ…

 そんな川にまつわる知識の詰まった一冊。

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2022年01月03日

購入済み

川が山を越える。

山とか海を得意としている著者ではあるが、この本では川をテーマにしている。
読んでみると当たり前のことではあるが、山と川は密接なかかわりがある。
その結果「川が山を越える。」ということも発生するとのこと。納得した。

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2019年11月23日

Posted by ブクログ

奥トレで交換してもらった一冊。奥多摩から青梅まで多摩川沿いを下ってくる奥トレにはとても相性のいい本でした。川の不思議、超大陸から受け継がれた超大河、そして国内に無数にある川の中から多摩川が取り上げられて多摩川の赤ちゃんから海に下るまでが書かれていたり、とても楽しく読めた一冊でした。特に、超大河の話は夢があってワクワクしました。まさかそんなところに、大陸をつなげるヒントがあったなんて。旅が好きな人にぜひ読んでみてほしい一冊です。

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2015年06月09日

Posted by ブクログ

川についての雑学がたくさん楽しめる。山が先か、川が先か。昔は流れが逆だった。など普通では思いつかない川の長期的な構造を知ることができた。

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2015年02月02日

Posted by ブクログ

「なぜヒマラヤを乗り越える川がある?」とか、「なぜ黄河と揚子江は流路がどんどん離れていく?」とかといった「謎」をもとにして隆起とかプレートとか断層や中央構造線とかといった重要なキーワードを教えていくつくりは、なかなか良い。「目に見えるもの」を出発点にするのは分かり易いし、「謎」をとっかかりにするのも、興味を喚起しやすいのだろう。

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2015年01月21日

Posted by ブクログ

大陸に大きな川は3つできる?というのは、証明できる科学とは言えないが、面白い。その他、ヒマラヤを越える川、シャングリラに集まる川など興味深いテーマがいっぱい。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

「地球はどうしてできたのか」を読んだ後、この本をたまたま本屋で見かけたので、続いて読んでみたくなりました。
この本のタイトルは「どうしてできるのか」となっていますが、内容的には「川の不思議」について幅広く暑かった本といったところで、「川」を巡る実に様々な雑学的知識がたっぷりと詰まっていて楽しめます。
鍾乳洞内を流れる川や多摩川の水源、河岸段丘など、日本のいろいろおもしろそうな場所を紹介してくれているので、機会があれば実際に行って見てみたいと思いました。

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2014年11月10日

Posted by ブクログ

川の面白い話が知れる本。一滴の水から巨大な川に繋がっていく物語がとても壮大で面白かったです。
分水嶺、凄いですね。
こういう本を読むと、最初に川を辿り切った奴すごすぎないか?と思います。
当たり前に見ている川ですが、見方が変わりました。

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2025年10月25日

Posted by ブクログ


あまり知識のない人にも楽しめるように、工夫して書かれている
著者の地学以外の知識の広さも感じられ、面白く、
良書であった

ヒマラヤを乗り越える川、河川の争奪、流れる川、さまよえる川、海底を流れる川
このようなタイトルだけで「ハテナ?」でいっぱいになる

気になったものをピックアップ

■富士山には川がない
静岡県にある柿田川は源流がない
いきなり平地から現れる
正確には崖下からいきなり川が始まるらしい
これを柿田川湧水地という
しかしながら柿田川の水は実は富士山から来ている
だが富士山には川がない
なぜか
富士山というのは山内の内部に3つの山が隠されている
一番古い「先小御岳(せんこみたけ)」は今から約27万年前、順に「小御岳」、「古富士」で、この「古富士」が約10万〜1万年前にできたと言われている
これらの山の上に噴火により今の富士山が乗っかったいわば4階建ての構造
この噴火で流れ出したのは玄武岩の溶岩でさらさらしており、流動性が高い
そのため、富士山に降った雨や雪解け水は表面を覆うそれらの割れ目や穴を通して山体の中へ浸み込んでしまう
ところが古富士の溶岩は同じ玄武岩でありながら、緻密で割れ目や孔がほとんどない
よって古富士に浸み込まず表面を流れ下りる
(これを伏流水という)
柿田川は富士山からえんえんと流れてきたこの伏流水が顔を出すところなのだ

ちなみに柿田川は四万十川、長良川とともに日本三大清流のひとつ
(初めて知った!この辺りだと富士山にばかり魅せられちゃうからなぁ…行ってみたいものだ)


■川の終着駅は
川は海に注ぎ込まれ終わりといえばそうであるが、さらに海の傾斜に沿って流れ下る
その行き先は海溝で、ここが終着地である


■海底谷
なぜ海に入った川の水が拡散せず海底を流れるか
海底には陸上の川を延長した谷である「海底谷」という海底を流れる川がある


■海底谷が運んだ堆積物
海底谷が陸上から運び込む堆積物のとてつもない量に驚く
相模湾の中央に4000m以上、富士山より高く積もっている
もっと凄いのはベンガル湾
こちらは9000m、エベレスト以上
このように堆積物が大量にたまるとその中に含まれる有機物が変質する
これが天然ガスや石油などの有用な資源へと生まれ変わるのである
やはり川の規模の大きい場所は石油資源が大量に埋蔵されている
(だから日本には石油がないのね…)
川が地球の物質循環の大きなサイクルとなっている



多摩川を例にし、源流から海までを下りながら、川の基本を教えてくださる…と読者への見せ方がなかなか面白い
他にもたくさんの興味深いトピックがあった
もう少し知識を増やしてから再読してみたい

子供の頃、断然「川」より「海」!
と川の魅力を理解していなかったが、年を重ねたせいか?近頃は奥深い川がとても気になっている
立派な一級河川である最上川を見た時は圧倒され、黒部の源流近くでは力強い生命を感じ、長良川はもう見てるだけで清められていく…(笑)
もちろん視覚的だけでなく、音も大好きだ
(癒されますよね!)
著者も日本人が川に独特の思い入れを持つのは「流れ」があるから…だと言い、はかなさや無常さを感じ取るからではないかとのこと

この「流れ」が生み出す地球上の神秘をもっと知ってみたい

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2020年09月10日

Posted by ブクログ

川にまつわる様々な考察。

「たかが」川にこんないろんなコトがあるのね。

Google Earthを横に置いて読んでると、ほんま面白い。

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2020年07月18日

Posted by ブクログ

鬼怒川の氾濫があったからではないが、タイトルに惹かれた。たしかに、川はどうしてできるのだろうか。雨水にしろ、雪融け水にしろ、高いところの水が低いところに流れるだけだが、どこでも流れるわけではなく、川として流れるというのは、思えば不思議だ。
本書は、そんな川に関するいくつもの不思議を解説してくれる。例えば、ヒマラヤを越えて流れる川があるというだけで驚きだが、その形成メカニズムも教えてくれる。
多摩川を源流から海まで解説する章もあり、多摩川をよく知る人には、より楽しめるだろう。

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2015年10月01日

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