藤岡換太郎のレビュー一覧
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『川はどうしてできるのか』という書名だが、川ができてからの、時には億年単位の長い変遷の話が面白い本である。
「一」の字に流れていた川が、断層がずれて「Z」の字のように曲って流れる川。四国の四万十川のように標高の高い山岳地帯を大河が蛇行しているのは、土地が隆起したためであるとか、百万年以上の単位の時間を感じることになる。
中国大陸では、大陸移動で小大陸が衝突したときの境界が大河になっているというので、日本国内とはスケールが違う。
天竜川の上流は、犀川とつながっていて、そのころの犀川は南へ流れていた可能性もあるらしいとか。
藤岡換太郎著、講談社ブルーバックス 2014年 -
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これは面白かった。地質学の立場から46億年の間に起こった天変地異について書いてあるのだが、その多くが大陸の移動とリンクしている。そしてその大陸を移動させているのは、地球のマントルのホットプルームとコールドプルームの動きなのだ。地球上には東アフリカとポリネシアにホットプルームがあり、日本や中国、インドにはコールドプルームがあって、地球上の大陸は統合して再び超大陸を形成するのかもしれない。
いずれにしても地球上の天変地異から完全に回避する方法なんてない。地球温暖化についてもかつて何回も温室効果ガスによる極端な地球温暖化によって多くの生物が絶滅してきたのだ。人間が自然という資源をまるで自分たちの -
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藤岡換太郎(1946年~)氏は、東大理学系大学院修士課程修了、東大海洋研究所助手、海洋科学技術センター・グローバルオーシャンディベロップメント観測研究部長、海洋研究開発機構(JAMSTEC)特任上席研究員等を経て、静岡大学防災総合センター客員教授。専門は地球科学。「しんかい6500」に50回以上乗船し、太平洋、大西洋、インド洋の三大洋初潜航を達成。海底地形名小委員会における長年の功績から海上保安庁長官表彰。ブルーバックスで、地球科学に関する一般向け書籍多数執筆。また、著書『フォッサマグナ』は、伝説的書評サイトの「松岡正剛の千夜千冊」(1720夜)で取り上げられている。
我々の住む日本列島は、地 -
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フォッサマグナ?
ええ、知っていましたよ。
もちろん、名前だけを。
フォッサマグマとか、ホッサマグナと思っていた人と、何ら変わりないレヴェルですよ。
ということで、私も何も知らない状態だったのだ。
が、これが研究者にとってもわからないことが多いということに、まず驚く。
天竜川辺りから北を望むと、大きな凹地から、突然急峻な山々が壁のように立ち上がる。
これがナウマンに発見され、のちのフォッサマグナと名付けられた特異な地形。
西端は割とはっきりしている一方、東端がどこだか決められない状態なのだそうだ。
断層線のようなものだと勝手にイメージしていたので、糸魚川静岡線から、東は伊豆半島の東あたり