【感想・ネタバレ】見えない絶景 深海底巨大地形のレビュー

あらすじ

いざ、地形のバケモノをめぐる深海底世界一周の旅へ!
深海底には、陸上とは比較にならない巨大地形がひしめいている。地球を2周する長さの巨大山脈、エベレストを呑み込む深さの海溝、日本列島の数倍もある台地、海底総面積の30%を占める大平原、月の直径よりも長い大断層……どうしてこんなものができたのか?
さあ、キャプテンフジオカがナビゲートする潜水艇で、「見えない絶景」をめぐる世界一周の旅に出よう。想像を絶する地形のバケモノたちの成り立ちを知れば、地球の「本当の顔」が見えてくる!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

海底の地形はどうやってできるのか。
なぜ巨大な地形ができるのか。
プレートテクトニクスにより海溝や山脈ができる。それを基本として何が加わると実際の地形になるのかを海底を世界一周する態で解説する。
マントルからマグマが地表に噴き出す、その形態の違いで海台のような大規模な地形からハワイ諸島まで、形成された様子がつきとめられる。
興味深いのはプレートテクトニクスが「いつ始まり」「このあとどうなるのか」。いつ始まったのか、を解説するために古代地球(冥王代地球)の形成の歴史も活写する。
太陽系の惑星が岩石惑星、氷惑星、ガス惑星に分かれた理由もわかった。
プレートテクトニクスが存在する惑星は太陽系では地球だけ、と聞いたことがあるがその理由について仮説があれば知りたい。
この本で得た知識をもとに「日本列島100万年史」を再読したい。

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2021年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

深海潜水艇にたくさん乗り込んだ研究者がガイドしてくれるバーチャル深海&海底旅行。
海の底の壮大で不思議な地形を想像しながら、成り立ちや構造を説明してくれます。

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2020年08月11日

Posted by ブクログ

海底2万里、日本沈没の小説をより面白く読む為に読んだ。
わからないところが多々あるけれど、ロマンがあって面白い。

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2023年05月19日

Posted by ブクログ

 深海調査船で51回も世界の深海を目の当たりにした著者がガイドしてくれる世界一周(深海)旅行という仕立て。海溝、海淵、海嶺、海膨。海盆、海台などを一気に周遊できる。
 地球の起源に関する知識の積み上げは、地味であり遅々としているものと実感する反面、この半世紀のテクノロジーの進化による科学的知見の積み上げには目を見張るものがある。なんとも矛盾する言い回しであるが、地球科学というのか地質学というのか知的探究の一方、資源の探求という物的欲求とも隣り合わせの分野であるが、著者の知的探究としての研究費の獲得に対する危惧の念も伝わってくる。
 本著「冥王代の物語」では著者の仮説が披露されている。怖いもの知らずで持論を展開する著者のこの分野でガッチリ仕事してきた人間味が花を添えている(笑)。

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2022年01月05日

Posted by ブクログ

地球科学者の著者による海底地形からみた地球の成り立ちを分かりやすく解説した1冊です。著者は日本が保有する世界有数の深海調査船「しんかい6500」で何度も海底調査に同行し、その体験をもとに本書前半はバーチャルな深海底世界1周という構成になっています。
海で最も深いマリアナ海溝でも深さ1万メートル強。そこに潜った潜水艇は限られ、人類が直接深海底に脚を踏み入れたことは未だありません。宇宙に目を向ければ高度400㎞に国際宇宙ステーションがあり、38万㎞離れた月に人間が降り立ち、無人探査は既に億㎞の距離に到達しています。これほど身近でありながら、なかなかアクセスできない深海に、どのような地形があり、それが地球の成り立ちにいかに関わってきたのかを分かりやすく解説しています。
膨大な量の海水に遮られ、人類が目にすることはできませんが、海中に存在する海嶺(海底山脈)、海溝(深い谷)、海台(海中の広大な大地)は、地上に存在する山脈の代表ヒマラヤ山脈や、渓谷の代表グランドキャニオン、台地ではデカン高原などとは比較にならないほど大規模です。もしも海水がなければ、どれほどダイナミックな地形が現れるのか、著者が熱く語っています。
宇宙開発は近年、さまざまな成果が紹介され、それなりに予算が確保されているようですが、日本の深海調査は「しんかい6500」の竣工が1981年、深海掘削船の「ちきゅう」は2005年。「しんかい6500」はそろそろ老巧化も問題で、後継機の予算が確保されるのかどうか、気になるところです。「しんかい6500」の退役後、海外の深海調査船を借りなければ南海トラフ巨大地震の調査など日本近海での深海調査ができない、などと言う事態に陥らないように、海に囲まれた海洋国家だからこそ、ちゃんと予算を付けてほしいと思います。

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2021年07月21日

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