【感想・ネタバレ】天変地異の地球学 巨大地震、異常気象から大量絶滅までのレビュー

あらすじ

天変地異にはサイクルがある。人新世の地震・洪水から生命史46億年で繰り返す大量絶滅、銀河を回る太陽が起こす破局までを一望!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とても面白く、大変勉強になった。
太陽系が銀河系を公転してるなんて初めて知ったし、地球から、いや宇宙から見たら、人類なんて本当に取るに足らない、刹那な存在なんだろうと心の底から思った。
生涯で天変地異にあわないほうがレアケースなのかもしれない。だから何をしても仕方ないということではなく、必要以上に恐れずに、どうしてそのような天変地異が起こるのかを正しく理解して、遭遇してしまったときにはできる限り冷静に受け止め、行動できるようになりたい。

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2024年08月27日

Posted by ブクログ

 これは面白かった。地質学の立場から46億年の間に起こった天変地異について書いてあるのだが、その多くが大陸の移動とリンクしている。そしてその大陸を移動させているのは、地球のマントルのホットプルームとコールドプルームの動きなのだ。地球上には東アフリカとポリネシアにホットプルームがあり、日本や中国、インドにはコールドプルームがあって、地球上の大陸は統合して再び超大陸を形成するのかもしれない。
 いずれにしても地球上の天変地異から完全に回避する方法なんてない。地球温暖化についてもかつて何回も温室効果ガスによる極端な地球温暖化によって多くの生物が絶滅してきたのだ。人間が自然という資源をまるで自分たちの所有物のように支配したとしても、天変地異は必ず起こるのだ。

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2024年08月08日

Posted by ブクログ

気象、海洋、プレートなどの動きはある程度知っていたが、プルームとか銀河系の動き(太陽系の公転)はほぼ初耳だった。地磁気って反転するの?
人間のスケールじゃ想像も難しい。しかし、回転木馬説は流石に空想成分が強い気もする。

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2024年03月20日

Posted by ブクログ

藤岡換太郎(1946年~)氏は、東大理学系大学院修士課程修了、東大海洋研究所助手、海洋科学技術センター・グローバルオーシャンディベロップメント観測研究部長、海洋研究開発機構(JAMSTEC)特任上席研究員等を経て、静岡大学防災総合センター客員教授。専門は地球科学。「しんかい6500」に50回以上乗船し、太平洋、大西洋、インド洋の三大洋初潜航を達成。海底地形名小委員会における長年の功績から海上保安庁長官表彰。ブルーバックスで、地球科学に関する一般向け書籍多数執筆。また、著書『フォッサマグナ』は、伝説的書評サイトの「松岡正剛の千夜千冊」(1720夜)で取り上げられている。
我々の住む日本列島は、地震、台風をはじめ自然災害の非常に多い場所である。つい最近起こった輪島半島地震については、日々報道が続いている通りである。そうした自然災害(≒天変地異)は、概ね一定の周期で起きていると考えられているが、本書の狙いは、その周期は何が作っているのか、そのサイクルを次々と遡り、天変地異の究極の原因を明らかにすることである。
私なりに理解したポイントは以下の通り。
◆日本列島は、地球システムの中で、4つのプレート(太平洋プレート、北米プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート)、4つの気団(オホーツク海気団、シベリア気団、揚子江気団、小笠原気団)、4つの海流(黒潮、対馬海流、親潮、リマン海流)の影響を受けているため、世界でも稀な自然災害多発地域になっている。
◆日本では、平安時代の9世紀(貞観の富士山噴火、貞観の三陸地震、仁和地震等)と江戸時代の18世紀(宝永地震、宝永の富士山噴火等)に自然災害が多発しており、概ね1,000年間隔での集中が見られると言える。
◆「ミランコビッチ・サイクル」は、地球と太陽の関係から、①2.3万年(地球の自転軸の向きの変化の周期)、②4.1万年(地軸の傾きの変化の周期)、③10万年(地球の公転の軌道の変動の周期)の周期で、地球の寒暖が繰り返されるとする仮説。
◆古生代から中生代において、生物は5度の大量絶滅に見舞われた。6,600万年前の最後の大量絶滅(恐竜が姿を消した大量絶滅)は、直径10kmの隕石の衝突が原因とされているが、その他の原因ははっきりしていない。ただ、その周期は凡そ3,000万年程度と考えられる。
◆地球上の大陸はこれまで形成と分裂を繰り返してきた。3~2億年前に形成された、最も新しい超大陸パンゲアは、2億年前頃に再び分裂をはじめ、それにより、3,300万年前に南米大陸とオーストラリア大陸が分裂したことによる南極環流の成立(→南極大陸の寒冷化)、1,700万年前にインド・オーストラリアプレートがインドネシアンゲートウェイに衝突したことによる黒潮の発生、300万年前に南北アメリカ大陸の衝突によるパナマ海峡の閉鎖(太平洋と大西洋の遮断)、分裂したインド亜大陸がアジア大陸に衝突したことによるヒマラヤ山脈の形成(→モンスーンの発生)等が起こった。こうした超大陸の形成と分裂の周期を3億年とするのが「ウィルソン・サイクル」。プレート・テクトニクス理論によれば、大陸を動かしているのはプレートであるが、そのプレートの動きを作っているのは、「プルーム」と呼ばれる、温度差によって生じるマントルの対流である。
◆地球の気候は、地球上に氷があった時期(アイスハウス)と、氷がなかった時期(ホットハウス)が繰り返されており、その周期は3億年である。先カンブリア時代に2、3度起こったスノーボール・アースも、アイスハウスの時期に起きたと考えられる。直近の氷期はわずか2万年前に終わったばかり。
◆太陽系は、天の川銀河の中を2億5,000万年かけて一周するが、その間に、恒星の密度の高い場所と低い場所を4回ずつ通るため、約3,000万年毎に恒星分布の変化の影響を受ける。
◆結論として、地球の天変地異は、プルームによる3億年のサイクルと、銀河による3,000万年のサイクルによって、生み出されている。
このスケールのシステムは、人間の力で変えることは不可能であり、ミランコビッチ・サイクルによれば、あと2,000年経てば地球はもはや温暖化に向かうことはなく、ウィルソン・サイクルによれば、2億5,000万年後には日本列島を中心に超大陸ができている。。。そして、いずれにしても、50億年後には地球は太陽に吞み込まれ、仮に、人類が火星や木星の衛星エウロパへ移住していたとしても、やがては太陽そのものが爆発して無くなってしまうのだ。。。
そう考えると、一抹の寂しさも感じるのだが、だからと言って、刹那的に生きることが肯定されるわけではなく、むしろ、人類はもっと謙虚になり、自分たちは地球・太陽系・銀河系・宇宙というシステムの一部であり、それを維持するための出来得る限りの努力をしなければならないことを、再認識させてくれるのである。(地球が2,000年後に寒冷化に向かうからといって、それが、人類が今引き起こしている気候問題や環境問題を放置していい理由にはならない)
(2024年3月了)

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

地学は高校で習わなかったせいか、化石や岩石や地形といった動かないものを対象とした、歴史や考古学のように静的なイメージ。でも、この本を読み、災害がとみに身近になった昨今、実は非常に激しく変動してるものを対象としてる学問だと再認識。
現代の科学・学問は細分化されているはずなんだけど、この本のように地球システム自体を捉えようとすると、おそらく地球科学という学問体系の知見を総動員しないといけないんだろう。巻末の参考図書がえらく多いのをみてそう思った。
時間軸のスケールが大きすぎて、何のためにやってんの?って感じもするけど。まあ学問ってそんなもんで、はやぶさプロジェクトの生物の起源は宇宙からなのかとか、素人じゃ見分けのつかない新種の発見とかよりは、防災だったり気候変動への示唆があるだけ良いのかな?

地球システムに棲む生物は、銀河のメリーゴーラウンドに翻弄される、儚くも逞しい存在。種の9割上が絶滅するような環境激変が起きても、数%は生き残ったってどういうことだったんだろう?

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

著者の藤岡先生は過去にブルーバックス「フォッサマグナ」「三つの石で地球がわかる」といったわかりやすい本を書かれている方なので、さっそく新刊を読んでみました。
けど藤岡先生の専門は海底とか岩石とかプレートテクトニクスなので、気象災害については説明がおかしいと感じる箇所もあります。人間の寿命を超える周期の災害は専門のプレート運動に結びつくものが多いので違和感は減るのですが。
あと周期性を見出そうとしますが、10年単位と10万年単位のでは周期として許容できる誤差が違う気がして、周期と言っていいのかと思ってしまいます

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2022年12月05日

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