森岡毅のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ細かなマーケティング手法というよりは、著者がどのような思考/行動プロセスを経てUSJの再建に邁進したのか、そのストーリーが描写されており非常に面白かった。特に印象的であったのは、ホラーナイト(ゾンビ)が誕生した箇所。パーク業は莫大な設備投資が必要であるにも関わらず、資金がないというジレンマを抱えていた状況において、固定費(人件費)を活用することで大幅な集客を実現できたというストーリーは、純粋に面白くまた打ち手の幅を感じさせられた(設備投資を抑え固定費で賄いたい→ホラーナイトではなく、ハロウィンに機会を見込む→状況を鑑みた打ち手としてホラーナイトという論理であることには注意)
また、本書からの最大の学びは「戦略は後戻りできない」ということ。一度莫大な投資を行ってしまうと、以降数年の戦略の幅は当然狭まり、過去に実践した戦略のせいで、将来的に危機を迎える可能性もある。戦略を考える/提案することを生業とする身ではあるが、つい「その局面において妥当的な戦略」の考案に心血を注いでしまい、中長期的にその戦略が及ぼす影響というダイナミックな視点を蔑ろにしてしまっていると感じる。戦略を考える当事者のストーリーを読み、戦略を考える際の視点を改めて補完いただいた。
特に印象に残った箇所は以下の通り
「私は、マーケティングが実戦でのみ鍛えられる実践学だと考えています。本からの理論だけが先行するマーケターは、差別化という美しい戦術に憧れて溺れることがあります。差別化すること自体にこだわってしまい、本来の目的を見失ってしまうのです」(p.37)
「その歩いている一歩一歩が正しいんだ!と思えないと、自信を持ったよいエクセキューション(実際のプラン=この場合はショーやイベントの品質)を現場が作ることはできません。腹の底の弱気や心配は絶対に周囲に悟られてはならない、誰かが言い切らないといけないのです」(p.53)
「私はアイデアを考えるときは、まず目的を徹底的に吟味して定め、その次にアイデアが満たすべき「必要条件」を一番時間をかけて考えます。そしてその必要条件を組み合わせ、より条件を絞り込んで、自分が必死に思いつくべきアイデアの輪郭をできるだけ明確に絞り込んでいきます。具体的なアイデアを考え始めるのはいつも最後の最後なのです」(p.63)
「私にとって神様を信じるとしたらそれは「確率」なのです。良いアイデアを思いつくのも思いつかないのも確率」(p.138)
「いつも思うのですが、コロンブスの卵のようなアイデアは、後で考えてみると「なぜもっと早く思いつかなかったのだろう」と思うような、一見して簡単で何で、おないようなことが多いのです」(p.166) -
購入済み
読みやすい
自身の壮絶な経験(様々な失敗やアメリカでの勤務経験など)をもとに、現代風の考え方も盛り込んでいて共感できる部分が多かった。自分の信念にプライドを持ち正しい方法で突き進んで、失敗したとしてもまた違う方面から攻め、そういう姿勢が社会では大事なんだなぁと。マーケティングに重きを置いた内容だけど、仕事する上での考え方など自分の生活にも取り込める部分が多い。
あと、最後の娘だけに対して書かれた部分はすごくうるっときた。 -
Posted by ブクログ
■感想
目的を達成するために綱渡りの状況を打破するためのアイデアの数々
そしてコミットメントする姿に感動
成功の裏に隠されたことや、森岡さんの考えの一端に触れられてよかった
■意見
やはりP&Gの経験っていうものは凄まじいのが改めて分かる
ただやるのではなく、必要条件を考えてやるのはホント大事。いかに行動量だけ増やして失敗してきたか…
■気づき
人を動かすにはロジックだけではなく情熱も大事
■ToDo
常に自分が起点になって行動する。他責にしない
試行錯誤を繰り返す。違う結果を得るためには違う行動か違うやり方で試していくしか無い
目的や解決策を考える際には、まず必要条件を考えることを習慣にする -
Posted by ブクログ
USJをV字回復させた凄腕マーケッター森岡氏と彼が信頼する今西氏による数学マーケティングについて。著者らが力点を置くのはプレファレンス(相対的選考度)。需要予測はM(浸透度)とK(回数別分布)で決まり、能動的に扱える変数はMであり、MもKもプレファレンスの関数であり、プレファレンスはブランドエクイティ・価格・製品パフィーマンスの3つで構成され、それがすなわちユニットシェアであり、×市場規模で需要予測になる。統計学的モデルを根拠としているのでポアソン分布やガンマ分布、NBDモデルなど客観的かつ中立的なツールとして数式が多数登場。しかし数学的証明と説明は後章に寄せているので、それがなくても楽しめる(あるともっと楽しめる)。印象的だったのは終章で左脳の象徴でような今西氏が記憶に残るエピソードとして新人当時の「笑顔の大切さ」について語る項。世の中の確率がランダムウォークでも現象をしっかり解釈すれば上向きになる確率を上げることはできる。「数字に熱を込める」とはそういうことかもしれない。