風間賢二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルは一見おどろおどろしいが、"怪異"といい"猟奇"といい、日常普通のことではないと考えれば、ミステリーやホラーの領域と言っても良いだろう。
本書は二部構成で、前半は欧米篇。ゴシック小説の始祖『オトラント城』から始まり、ゴシック・ロマンスの代表作家アン・ラドクリフの紹介(折しも最近『ユドルフォの城』が翻訳された)。terror(心理的恐怖)とhorror(生理的、肉体的恐怖)との違い。ポーとイギリスのセンセーション・ノベルの流行。スピリチュアリズムとオカルト探偵の登場。進化論の対概念の退化論の流行とロンブローゾの生来性犯罪者説、観相学、骨相学さ -
Posted by ブクログ
原著2015年刊。収録作のそれぞれの初出は2009-2015年。『わるい夢たちのバザール』という原著を、邦訳では2巻に分けたようで、そのうちの1冊目に当たる。
スティーヴン・キングの短編集だが必ずしもホラーではない、普通小説っぽいものも結構あるし、何と詩も入っている。どのジャンルにおいてもキングの語り口は健在で、本当にそれは比類無い「読ませる」マジックなのである。
とはいえ、やはり私にとってはホラーっぽいもの、ないしスーパーナチュラルなものが良かった。本巻のなかでは「マイル81」「悪ガキ」「UR」が好きだ。
各編の冒頭にキングのコメントが入っていて、これもなかなか興味深い。 -
ネタバレ
各短編へひとこと感想
マイル81、それまでの描写に比べて終わり方があっさりし過ぎていて拍子抜けした。
プレミアム・ハーモニー、ホラー要素なしと思っていなかったのでこちらもあれっと思いました。カーヴァーにインスパイアされたらしい。
バットマンとロビン、激論を交わす、認知症の描写がリアルで、読後感がとても爽やか。好き。
砂丘、オチのひねりが好きな人は好きかも。
悪ガキ、キングらしい不滅の悪。アウトサイダーに繋がるテーマを感じた。
死、もっと長いバージョンも読みたい。
モラリティー、面白かったです。キング作品にたまに出てくる、勇気を持てなかった側の人間の哀れさが染みる。歳をとってこういう利用される側の悲哀も理 -
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