怪異猟奇ミステリー全史(新潮選書)

怪異猟奇ミステリー全史(新潮選書)

小説・文芸
1,650円 (税込)

8pt

18世紀英国ゴシック小説は、フェイク精神、心霊主義、疑似科学、進化論・退化論、観相学・骨相学、セクソロジー、変態性欲と、あらゆる思想・学問を吸収し、日本へと渡ってきた。黒岩涙香に始まり、江戸川乱歩、横溝正史を経て、綾辻行人、京極夏彦へ――怪異猟奇を孕んだ日本ミステリーの成立を解き明かす、異端の文化史。

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怪異猟奇ミステリー全史(新潮選書) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    ミステリーの系譜が一望できる良書です。次から次へと流れるように作品が紹介されており、博覧強記という表現がふさわしいと思います。私は「これは知ってる、これは知らない」とメモを取りながら読みました。ブックガイドとしても良い本ですね。

    0
    2022年03月14日

    Posted by ブクログ

     風間さんの『ダンスする文学』が出たのは一九九三年。当時十代後半の私は、一読、その熱に感電した。何度メモをとりながら読み返しただろう。あの本は、海の向こうに視野を広げさせてくれ、また、国内の、文学に過剰に思想を重ねようとする風潮を痛罵するものでもあった。ところがどっこい、この本は、最初はオーソドックスに海外の怪奇ミステリ(いわゆる奇妙な味)に焦点をあてながら歴史を辿っていくふりをして、それ(奇妙な味)が国内に与える影響をつらつらと述べていくという、我が国への帰還をしているのであった。つまり、己の姿は他者の目を通してしか見えないように、自国の文学や怪奇は、海外の目を通してしか見えないのだ。

    0
    2025年11月26日

    Posted by ブクログ

    欧米から日本に至るミステリーの系譜。
    オカルト、エログロ、ゴシック、擬似科学、変態性欲などを切り口に、次々と書名を挙げつつ展開される博覧強記の面白さ。どれもこれも読みたくなる。
    広義のミステリを扱うので、エンタメ小説の流れが見て取れます。

    0
    2024年03月17日

    Posted by ブクログ

    内容が好みで良かった。
    古い小説は青空文庫で読めそうなのがいくつかあったから興味のあるやつをとりあえずダウンロードしてみた。

    0
    2022年08月11日

    Posted by ブクログ

    いわゆる変格物に焦点を絞ったミステリ史。
    前半は「オトランド城」を嚆矢とした西洋編で、後半は明治期の黒岩涙香らによる翻案物の隆盛から江戸川乱歩、新本格へという流れ。扱う範囲が広いため記述は教科書的かつ語り口の軽さもあってすいすい読めるのは良いが、扱っている題材と文体とのギャップに若干の戸惑いを感じないでもない。例えば、ウォルポールの紹介が「ケンブリッジ大学で学んだのち、親の七光りで国会議員になります。しかし、政界と頭角を現すことはなく、好きな古物収集や芸術にもっぱら精を出しました。いわゆるディレッタント。今日風に言えばオタクです。」とまぁこういう具合で、ゴシックロマンスの雰囲気とはほど遠い。
    全体的な満足度は高い内容だが、広い範囲をコンパクトにまとめた分、どうしても物足りない部分が出てくる(特に乱歩以後の国内の展開は駆け足過ぎる)ので、それを補完するような副読本的なものが欲しくなる。

    0
    2022年02月01日

    Posted by ブクログ

    タイトル通り「ミステリー全史」にはなってるんだけど、「怪異猟奇」という文字に期待して読むとちょっと違うかなあと。さすがその道の専門家だけあってゴシック小説の始祖『オトラントの城』から始まる小説史の流れを当時の思想宗教なども絡めてわかりやすく解説してくれる。大まかに前半が西洋小説史で後半が19〜20世紀初めの日本の探偵小説(幻想小説)史といったところ。ただ、なんというか、まるで講義を聴いてるような感じで、個人的にはお勉強感が強かった。特に期待したエログロ小説に触れた紙幅がさほどなかったのが残念。まあ風間氏もおっしゃる通り美女の切断死体がほとんどだったのだろうけど。作品のあらすじについて触れている部分があまりないのでブックガイド的なものを期待すると肩透かしを喰らいます。

    【目次】
    第一章 ゴシックこそがミステリーの源流
    第二章 恐怖の二つのタイプ
    第三章 ポーとセンセーション・ノベル
    第四章 スピリチュアリズムとオカルト探偵
    第五章 ドイル、そしてフロイトへ
    第六章 内なる獣人、吸血鬼、火星人
    第七章 黒岩涙香と翻案小説
    第八章 ホームズとルパン、そして捕物帖
    第九章 日本SFの始祖、押川春浪と武侠冒険小説
    第十章 文豪たちの探偵小説
    第十一章 雑誌「新青年」と江戸川乱歩、そして〈変態〉
    第十二章 乱歩とエログロ・ナンセンスの時代
    第十三章 探偵小説から推理小説、そしてミステリーへ
    第十四章 〈新本格〉の登場、時代はパラミステリーへ?
    参考文献、人名・作品名索引つき

    0
    2024年02月05日

    Posted by ブクログ

    前半部(第一~六章)が欧米編、後半部(第七~十四章)が日本編と分けられてはいるが、実のところメインは後半部の日本編であって、前半はミステリーのみならず怪奇幻想やSF、ホラーの源流たる18世紀のゴシック・ロマンス「オトラントの城」から、明治時代に日本へ輸入されるまでの大まかな流れを述べた、という印象。ウェルズ「宇宙戦争」が出たところで唐突に日本編に入っちゃうし。

    帯にある「異端の文化史」として、あるいは「幻想文学史の一側面」として読む分には面白いが、タイトルの“ミステリー”よりも“怪異”“猟奇”というワードに食指が動いた自分としてはやや肩透かし。さすがに20世紀の欧米モダン・ホラーについて触れられるとは思わずとも、“猟奇”とあればサイコホラー系やその周辺について言及されるだろうと期待しちゃうじゃあないですか。

    ……勝手に期待した自分が悪いんだけど。

    著者には『ホラー小説大全』をアップデートした令和版を出してほしいもので。

    0
    2022年05月20日

    Posted by ブクログ

    ゴシック小説からオカルト・猟奇趣味・犯罪興味の視点から探偵小説が語られていく。本格・スパイ・ハードボイルドなどの視点はない。
    話の流れとはいえ疑似科学であるフロイトの理屈で綾辻行人眼球綺譚を解説するのには辟易した。作者本人も妄想といっているが。
    モダン・ガールとバラバラ死体を<切断>で解説する後半あたりから言葉遊びが増えてきて気持ち悪くなってきた。全史とあるが作者の趣味嗜好・コメントが全面に出ている。
    猟奇趣味が嫌いなのに怖いもの見たさで手に取ったのが間違いであった。相当人を選ぶ。

    0
    2022年04月26日

    Posted by ブクログ

    2022-03-10
    こういうのはササッと読むに限る。
    裾野の広い「ミステリー」の源流をたどる旅。欧米での源流から、翻案を経て日本で広がるさまを外観。ぼんやりとしていた自分の知識がスッキリまとめられていた。

    0
    2022年03月11日

    Posted by ブクログ

     タイトルは一見おどろおどろしいが、"怪異"といい"猟奇"といい、日常普通のことではないと考えれば、ミステリーやホラーの領域と言っても良いだろう。

     本書は二部構成で、前半は欧米篇。ゴシック小説の始祖『オトラント城』から始まり、ゴシック・ロマンスの代表作家アン・ラドクリフの紹介(折しも最近『ユドルフォの城』が翻訳された)。terror(心理的恐怖)とhorror(生理的、肉体的恐怖)との違い。ポーとイギリスのセンセーション・ノベルの流行。スピリチュアリズムとオカルト探偵の登場。進化論の対概念の退化論の流行とロンブローゾの生来性犯罪者説、観相学、骨相学さらに優生学へ。

     後半は日本篇。黒岩涙香の翻案小説。ホームズとルパンの紹介と捕物帖。SFチックな政治小説。谷崎、春夫、芥川等の探偵小説と乱歩の登場。
     大正末のこの時期に〈変格〉ものが受けた文化的背景として、"変態心理"、"変態性欲"があるとする。不健全なものを好む性向。特にうなずかされたのは、乱歩が好んで描写した、死体を切断され晒される猟奇殺人事件の被害者、モダンガール。父権制社会の反逆者モガは見せしめのために虐殺されるのだ。
     夢野、小栗等の戦前の探偵小説黄金時代を紹介した後、最終章は〈新本格〉からパラミステリー?へ。
    〈新本格〉以降の日本作品はほとんど読んだことがないこともあり、正直この辺りの記述は駆け足過ぎて良く分からなかった。

     ブックガイドの役割は十分あると思うが、欧米篇と日本篇の関係も切れてしまっていて、あまりこの分野に関心がない読者には分かりづらそうだ。

    0
    2022年02月13日

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